【獣医師監修】実践!愛犬の運動ダイエット 具体的な対策や運動量と方法は?

愛犬のダイエットを成功させるには、定期的な運動習慣がとても大切です!ここでは、愛犬が運動ダイエットをおこなう上で必要な「具体的な対策」や、散歩の「運動量と方法」、愛犬のダイエットのためのPDCAサイクルなどについて解説します。愛犬のダイエットに関する【特別コラム】も、ぜひご覧下さい!

  • 監修者:徳本 一義 先生(獣医師)

【獣医師監修】実践!愛犬の運動ダイエット 具体的な対策や運動量と方法は?
出典 : hiroshitoyoda

犬にとっての運動とは ?

昨今、「犬に散歩や運動は必要ない」という論調が聞かれますが、それは間違いです。
散歩や運動は、もちろんエネルギーの消費量をアップさせるという意味もありますが、筋肉量を維持するという意味でも非常に重要だからです。
1日に必要なエネルギー量の60~80%は基礎代謝で使われ、そのうちの40%が筋肉で消費されます。
つまり、筋肉量の維持と増加はすなわち基礎代謝の維持・増加につながるため、愛犬を肥満にしない体作りをするためにも運動習慣は大切なのです。
科学的な研究報告ではありませんが、1 日に必要な犬の運動量は、散歩の場合、だいたい20分~1時間が目安とされています。

犬の運動ダイエットの重要ポイント!

運動ダイエットは、1日の消費エネルギーを増加するために行います。運動によって消費されるカロリーが、食事から摂取するエネルギー量より多ければ脂肪が減っていきます。

愛犬のダイエットを始める前に健康診断!

肥満度が著しく高い犬、心臓疾患や呼吸器疾患、関節炎の犬の場合、運動することでかえって健康を害することがあります。
運動を始める前には必ず動物病院で健康診断を受け、獣医師の指示を仰ぎましょう。

まずは軽い運動から

運動を始める際、急に激しく運動するとかえって食欲が増進してしまいます。日数をかけ、軽い運動から徐々に始めましょう。
激しい運動はせずに中程度までにとどめておけば、食欲に影響なく運動ができます。

愛犬の定期的な体重測定をする

ダイエットによって、実際どのように体重が推移しているかを把握することが大切です。
1週間に1度、空腹時に体重を測るようにしましょう!

犬も人も楽しく

あまりにも義務化すると、犬も人もお互い辛くなってしまいます。十分な運動習慣をつけることが難しいと感じている獣医師が75%と多く、続けることがいかに難しいかを物語っています。
あまりにも高い目標を立ててしまうと、辛くなって長続きしません。一緒に遊ぶつもりで、お互いが幸せに楽しく運動できるよう工夫しましょう。

家族の協力を得る

1人で毎日犬を運動させるのは、忙しい現代人にとって時間的にも厳しいものがあります。できないときは家族の協力が得られるようにしましょう。

愛犬が目標体重を達成しても運動はやめない!

愛犬の体重が目標体重に達したからといって運動をやめると、リバウンドしてしまいます。運動習慣は続けることが大切です。

犬の運動ダイエットの重要ポイント

Susan Schmitz/ Shutterstock.com

運動による犬のダイエットの具体的な対策!

エネルギー消費量を無理なく上げるコツは、運動の激しさよりも距離が大切です。激しい運動だと飼い主が先に疲れてしまいます。
かといって、1日2時間も歩くのは大変ですし、人にとっても犬にとっても苦行になってしまいます。無理なく続けられる運動量を考えるようにしましょう。

犬のダイエット時の散歩の運動量と方法!

犬の運動とエネルギー消費量計算表

ダイエットのために、どの程度散歩すべきかという目安は、右の表から求めることができます。この表は、哺乳類の一般的な歩行・走行時の消費エネルギーを求める計算式から算出しています。

例えば体重10㎏の犬のカロリーを1 日あたり30Kcal運動で消費したい場合、10㎏のところを探すと、1㎞あたり14Kcal消費することがわかります。
30÷14≒2.1㎞となり、1日に2.1㎞散 歩する必要があることがわかります。

走るなどして激しく運動すれば、散歩の時間と距離は短くて済むと思いがちですが、エネルギー消費量は運動の激しさではなく、かかった距離が大切です。

人のダイエットでもいわれていることですが、エネルギー消費量を増やすには、激しい運動を短時間行うよりも、軽い運動を長く続けるようにしましょう。
ゆっくりのんびり散歩を愛犬と楽しむ気持ちが大切です。そのために、1日3回20分ずつ行うなど小分けに散歩するのも1つの方法です。

散歩の注意点は、一般の散歩と同じです。肥満犬は熱中症になりやすいので、暑い時間帯は避けるようにし、水分補給をまめに行いましょう。
なお、犬が散歩に行きたがらない場合は、関節が痛い、息が苦しいなどの病気を持っているかもしれません。そのようなときは無理をせず、まずは動物病院で診察を受けましょう。

ダイエット時の散歩の運動量と方法!

Ska_Zka/ Shutterstock.com

散歩以外の犬の運動

水中での犬の運動(ハイドロセラピー)

【犬】水中での運動(ハイドロセラピー)

撮影協力:WANCOTT(ワンコット)

著しく肥満している場合、関節炎などがある場合は、足腰への負担が少ない水中でのスイミングやウォーキングがおすすめです。水中では重力が軽減されるため、陸上で運動が難しい犬も、足腰の負担を軽くしながら運動でき、水の抵抗があることで運動自体は強化されるとい うメリットがあります。
最近は、水中トレッドミルを置いている動物病院や、犬用の温泉、プールを持つ施設も多くなってきていますので、 お金はかかりますが、うまく利用すれば減量に効果があります。

ドッグラン

ドッグラン

撮影協力:WANCOTT(ワンコット)

楽しく運動するという意味では、ドッグランはよい場所です。散歩嫌いな犬でも、ドッグランで他の犬と触れ合うことで、活発に遊びまわるようになります。最近では、アジリティ(障害物を置いた、飼い主と一緒に運動できるコース)などの遊具があったり、雨の日でも運動できる室内スペースを持つ施設もあります。
いくつかまわって、愛犬に合う友達や遊具のある場所を探してもよいでしょう。 ドッグランに定期的に通うことで、太りにくくなりますし、飼い主も他の犬の様子を見て、愛犬の体型を確認することもできます。

飼い主と遊ぶ

飼い主と遊ぶ

室内でも工夫して一緒に遊んであげることで、運動量を増やすことができます。飼い主が遊びたい時だけではなく、一日何回何分と決めて定期的に行うことが、運動量をあげるコツです。
遊び方は、小さいボールを投げて取ってこいをするなどのボール遊びや鬼ごっこ、かくれんぼ、ロープの引っ張り合いっこなど、お互い楽 しめるものでよいでしょう。

愛犬のダイエットのためのPDCAサイクル

愛犬のダイエットのためのPDCAサイクル
Plan(計画):愛犬の現状を把握した上で、適切な減量計画を立てる。
Do(実行):愛犬の健康に配慮し、実践可能な減量方法を実施する。
Check(評価):定期的に体重と健康状態を確認する。
Action(調整):計画通りに進んでいないときは、全行程を見直す。

【まめ知識①】犬にとって散歩とは?

犬にとって散歩とは単に運動だけでなく、他の犬と交流したり、動物がつけた匂いを嗅いだりして情報収集する社会的な意味もあります。
家の中である程度運動をしていたとしても、犬本来の好奇心や習性を満足させるためにも散歩は必要と考えましょう。

【まめ知識②】犬と飼い主が一緒にダイエットすれば効果UP!?

犬の飼い主は、犬と一緒に運動することで、犬を飼っていない人よりも運動量が多くなることがわかった研究調査があります(Kushner他2006)。
過体重または肥満の、犬と飼い主のペアに減量(食事と運動両面のダイエット)に挑戦してもらったところ、犬を飼っていない人の減量に比べて、運動量が多かったのだそうです。
これは、犬が一緒にいることで、人が積極的に運動するようになることを意味しています。もちろん、犬もしっかり減量することができました。犬と一緒にエクササイズ(People and Pets Exercising Together:PPET)は、 犬にも人にも健康によい相乗効果があるとして、欧米で注目を集めています。
お散歩だけでなく、犬と一緒にさまざまなスポーツにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【特別コラム】散歩でこんなときどうする?

BlueSkyImage/ Shutterstock.com

【特別コラム】犬の散歩でこんなときどうする?

Q:散歩が嫌いで外に出たがらない
A:散歩に行きたがらないときは、関節炎で足が痛かったり、心疾患や呼吸疾患で歩くと苦しくなったりすることが原因かもしれません。一度動物病院に連れて行き、健康に問題がないか診てもらいましょう。とくに病気でもないのに行きたがらない場合は、外が怖い、社会化できていない、などの理由があげられます。
その場合は、散歩自体が楽しいものだという動機づけが大切です。最初はドッグランで楽しく遊んだり、のんびりしたりして過ごし、そこに行くまでの道のりを少しずつ歩かせるようにして、外の世界に徐々に慣らすようにしましょう。

Q:散歩の途中で歩くのをやめる
A:関節炎で足が痛んだり、心臓病などで呼吸が苦しいのかもしれません。足を引きずったり、うずくまったり、ハアハアと苦しそうだったら、一度動物病院に連れて行きましょう。 また、肥満犬は急に長距離を歩かせるのはきついかもしれないので、徐々に散歩の時間を長くするようにしましょう。
たいていは、強く素早くグーッとリードを引っ張ることで再び歩き始めます。歩くことが楽しいということがわかるように、歩き始めたらすぐにリードをゆるめるようにしましょう。

Q:雨の日は歩きたがらない
A:濡れることが嫌いな犬には、レインコートを着せてみましょう。ただし、窮屈だとよけい嫌がりますので、試着してサイズの合ったものを選ぶようにしてください。雨が小ぶりのときに連れ出すなどして慣らすのもよいでしょう。ただ、犬に も飼い主にも負担になるようであれば、無理に雨の日に散歩に行く必要はありません。

Q:高齢で足腰が弱く、長く歩けない
A:本当に足腰が弱いなら、すでにかなり高齢で痩せ始めている場合が多く、肥満ではないはずです。足腰が弱いというの は飼い主の思い込みで、じつは散歩嫌いなのかもしれません。
散歩嫌いの原因は社会化が不十分であったり、心臓や呼 吸器、関節に問題があることがある可能性があります(「Q:散歩が嫌いで外に出たがらない」を参照)。

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監修者情報

徳本 一義 先生(獣医師)
徳本 一義 先生(獣医師)
小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。大学卒業後、小動物臨床に従事したのち、大手ペットフードメーカーで15年以上、臨床栄養学の観点からペットフードの開発、ならびに研究・情報発信に携わる。現在は獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、複数の獣医系大学で講師を兼任するとともに、ペット栄養学会 理事など、ペットの栄養に関する団体の要職も務める。

みんなのコメント

わんこと一緒にダイエッターさん
食欲の秋を迎え、私も飼い犬もダイエットが気になっていたので、非常に面白く読ませていただきました。犬の体重と消費カロリーの表、初めて見ました!この秋、一緒に楽しくダイエットしたいと思います。

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