【獣医師監修】スタッフォードシャー・ブル・テリアの性格・飼い方「強面だけど怖くない!」
スタッフォードシャー・ブル・テリアは、頑丈な体に筋肉質な顔立ちが特徴的な犬種。もともとは闘牛用として改良された犬種です。外見の特徴からすると、少し怖そうなイメージですが、実は、陽気で明るい性格。そんな性格や特徴を理解して、スタッフォードシャー・ブル・テリアを家族として迎えてみませんか?
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目次
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【歴史】その①「ブルドッグやテリアの気質を継いだ闘犬」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【歴史】その②「家庭犬として改良された犬種」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【特徴】その①「顎が強く噛む力は強靭(きょうじん)」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【特徴】その②「被毛や毛色、愛称は?」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【性格】「飼い主への従順さはバツグン!」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【飼い方】その①「平均寿命とかかりやすい病気」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【飼い方】その②「室内飼育が理想的」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【飼い方】その③「散歩は、1日2回」
- スタッフォードシャー・ブル・テリア【まとめ】「愛情表現も豊かで、甘えん坊」
スタッフォードシャー・ブル・テリア【歴史】その①「ブルドッグやテリアの気質を継いだ闘犬」
iStock.com/dageldog
スタッフォードシャー・ブル・テリアは、18~19世紀のイギリスで、ブルドッグと様々なテリアを組み合わせて誕生しました。
当時のイギリスの労働階級では、牛や熊と戦わせる闘犬スポーツが娯楽として普及していました。
今では考えられませんが、牛や熊を固定して、闘犬を放ち襲わせて賞金を獲得するというギャンブルがあったのです。
スタッフォードシャー・ブル・テリアは、より強い犬を作るために、ブルドッグやテリアの気質を継いだ闘犬という歴史を持っています。
1835年に、闘犬による競技は全て禁止されましたが、陰では犬同士を戦わせるギャンブルが50年近くも続いたといいます。
iStock.com/Pekic
しかし、時代と共に、闘犬への関心も薄まり、行われることはなくなりました。
その後、愛好家たちによって、スタッフォードシャー・ブル・テリアの良さを残したいと、テリアの中で最もスレンダーなマンチェスター・テリアと交配し、改良されながら飼育が続けられました。
闘犬による競技が禁止されてから100年後の1935年には、イギリス ケネル クラブに公認され、スタッフォードシャー・ブル・テリアは、イギリスの家庭犬として人気を得ることとなります。
スタッフォードシャー・ブル・テリア【歴史】その②「家庭犬として改良された犬種」
iStock.com/Artistique
アメリカにもスタッフォードシャー・ブル・テリアは、持ち込まれました。
アメリカでは、より重く大型の闘犬として改良され、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアという別の犬種として登録されています。
【ピットブル】
Svetlanistaya / PIXTA(ピクスタ)
しかし、アンダーグランドでは闘犬が行われ、さらに改良を加え、各国で飼育禁止とまでされるピット・ブルを生みだしました。
狂暴性の高いピット・ブルと姿が似ているため勘違いされやすいのですが、スタッフォードシャー・ブル・テリアは家庭犬として改良された犬種です。
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ジャパン ケネル クラブのスタッフォードシャー・ブル・テリアの登録頭数は、132犬種中76位で51頭です。
日本では、飼育数の極端な増減もなく、愛好家の間で大切に育てられています。
参照元:一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ【JKC】「2018年度 犬種別犬籍登録頭数」
スタッフォードシャー・ブル・テリア【特徴】その①「顎が強く噛む力は強靭(きょうじん)」
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スタッフォードシャー・ブル・テリアは、がっちりとした筋肉質の中型犬です。
重心は低く、どっしりとしています。
まるでラグビー選手のような体つきで、力強く走る姿は見応えがあります。
やや広めの額に半立ち耳、首は太く短めで、骨太の脚が特徴です。
尾に飾り毛はなく、垂れています。
マズルは太くやや短めで、顎が強く噛む力は強靭(きょうじん)です。
スタッフォードシャー・ブル・テリア【特徴】その②「被毛や毛色、愛称は?」
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スタッフォードシャー・ブル・テリアの被毛はなめらかな短毛です。
毛色は、レッド、フォーン、ホワイト、ブルー、ブラック、ホワイトのブリンドルがあります。
スタッフォードシャー・ブル・テリアは、「スタッフィー」「スタッフォード」「スタ」「ナニー・ドッグ(子守犬)」と、愛称が多いのも特徴です。
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基礎情報
項目 | スタッフォードシャー・ブル・テリアの特徴 |
---|---|
サイズ | 中型犬 |
体高 | 35.5-40.5cm |
体重 | オス:12.7-17kg / メス:11-15.4kg |
平均寿命 | 12-14歳 |
原産国 | イギリス |
用途 | テリア |
参照元:一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ 【JKC】「スタッフォードシャー・ブル・テリア - STAFFORDSHIRE BULL TERRIER」
アメリカン ケネル クラブ【AKC】「Staffordshire Bull Terrier」
スタッフォードシャー・ブル・テリア【性格】「飼い主への従順さはバツグン!」
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スタッフォードシャー・ブル・テリアの性格は、闘犬だった時代に、興奮していても人の指示を守る必要があったため、飼い主への従順さはバツグンです。
さらに、陽気で飼い主に優しい愛情を見せるところもあります。
人なつっこく、素直な性格で、しつけにも反抗することはありません。
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ただし、見知らぬ犬が挑戦的な態度で近づいたり、ストレスが溜まる環境だったりすると、本能的に攻撃的な性格が出る場合があります。
イギリスでは、子守をする「ナニー・ドッグ」の愛称で呼ばれるなど、実は子供と仲良く付き合える、頭の良さと優しい性格の持ち主なのです。
スタッフォードシャー・ブル・テリア【飼い方】その①「平均寿命とかかりやすい病気」
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スタッフォードシャー・ブル・テリアの平均寿命は13年程度と考えられています。
スタッフォードシャー・ブル・テリアがかかりやすい病気としては、先天的な脱毛やシスチン尿石症などが挙げられます。
スムースタイプの被毛のため、特別な手入れはいりませんが、皮膚病の予防にもなりますので、獣毛ブラシで全身をマッサージしてあげましょう。
水で濡らし、かたく絞ったタオルで体を拭いてあげるのもおすすめです。
スタッフォードシャー・ブル・テリア【飼い方】その②「室内飼育が理想的」
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スタッフォードシャー・ブル・テリアを飼うなら、室内飼育が理想的です。
屋外で番犬のように飼われると、家族と触れあう時間も少なくなり、ストレスが溜まりやすくなります。
いつも家族の話し声が聞こえる場所に、自分の居場所を求める愛情深い犬種なのです。
スタッフォードシャー・ブル・テリア【飼い方】その③「散歩は、1日2回」
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スタッフォードシャー・ブル・テリアは、体力を十分に使わせるだけの運動量が必要なので、散歩は、1日2回行います。
暑さに強くないため、散歩の時間帯には気をつけましょう。
熱気が溜まるアスファルトの多い道は避け、雑草や芝など緑の生えている場所を選べば、温度もあまり上がらないため、おすすめです。
個体によっては、散歩だけでは足りないことがあります。
足りないかどうかは、室内にいる時にウロウロ歩きまわったり、遊びをせがんだりするかどうかで見極めます。
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スタッフォードシャー・ブル・テリアとのおすすめの遊び方は、ボールを1mほど投げ、もってこいを繰り返すのがいいでしょう。
また、スタッフォードシャー・ブル・テリアは、家族と穏やかなゲームで遊ぶのも大好きです。
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例えば、紙コップを2つ用意して、片方におやつやドライフードを1粒入れておき、「どっちかな?」と頭を使わせて遊ばせます。
しつけは、飼い主の命令に素直に従う性格ですのため、入りやすい犬種です。
飼い主と信頼関係を作り上げることができれば、この上なく愛らしい表情を見せてくれるでしょう。
スタッフォードシャー・ブル・テリア【まとめ】「愛情表現も豊かで、甘えん坊」
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スタッフォードシャー・ブル・テリアの飼い主を見つめる眼差しは可愛らしいものです。
一見強面な顔も、飼っているうちに愛嬌があって味わい深い顔に感じられるでしょう。
愛情表現も豊かで、甘えん坊なスタッフォードシャー・ブル・テリア。
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家族のひとりとして思い出をたくさん作ってあげましょう。
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