【獣医師監修】超大型犬のニューファンドランドの性格と飼い方「パワフルな水難救助犬!」
ニューファンドランドは、泳ぐことが大好きな超大型犬です。歴史に名を残した、「ある人物」を水難救助したという逸話がある英雄犬です。今尚、現役の水難救助犬として活躍する、ニューファンドランドの歴史や特徴を見てみましょう。家庭犬としても定評のあるニューファンドランドの飼い方がわかってきますよ。
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ニューファンドランドの特徴
サイズ:超大型犬体高 :オス 71cm メス 66cm体重 :オス 68kg メス 54kg
ニューファンドランドは、巨大で豊かな筋肉を持つ超大型犬です。四肢は太く、指には水かきがあるのが特徴です。
ニューファンドランドの被毛はダブルコートの長毛です。オーバーコートは固くまっすぐで、水をはじくアンダーコートは、長時間の厳寒の海での作業にも耐えられるようになっています。
ブラックを伝統的な毛色とし、ホワイト&ブラック(通称:ランドシーア)、ブラウン、グレーがあります。ランドシーアの毛色名は、天才動物画家といわれたランドシーアが、ニューファンドランドを好んで描いたことに由来しているそうです。
ニューファンドランドの歴史
原産国:カナダ(ニューファンドランド島)
用途 :重荷用のソリ犬、水難救助犬
ニューファンドランドは、犬種名の由来となった、カナダの東海岸にニューファンドランド島が原産です。夏は涼しいですがハリケーンによる大風や大雨にみまわれます。冬は氷点下になる厳寒の地で、ノースイースターと呼ばれる激しい嵐が島全体を吹き荒れます。
このように厳しい環境下で生息していた地犬を祖先犬として、ニューファンドランドは誕生します。
今から1000年ほど前、西ヨーロッパ沿岸部を拠点としたヴァイキングが、北アメリカ大陸のニューファンドランド島にまで勢力を伸ばしてきました。同船させた犬や北アメリカの土着犬、イベリア半島の犬などという説があります。
ニューファンドランド島は、世界屈指の好漁場としても名高く、水中回収犬として猟師の仕事を助けたり、海で遭難した猟師を救ったりと、ニューファンドランドの特徴が存分に活かされ、人間の生活に密着して暮らしていました。
18世紀以降、優れた能力が着目され、ヨーロッパに数頭のニューファンドランドが持ち込まれ、飼育数も増えていきます。
1815年、かの有名なナポレオンが追放先のエルバ島からの脱出を試みます。しかし荒海にもまれ船から投げ出され、危うく溺れかけてしまいます。
その時、登場したのが、猟師が飼っていたニューファンドランドで、勇猛果敢に海に飛び込み、ナポレオンの命を救助したという逸話があるそうです。
現在、ニューファンドランドは多くの国で飼育され、大型犬種の中で、常に人気上位になるほど愛される犬種となりました。
日本でも愛好家は多く、2014年度ジャパンケネルクラブのニューファンドランドの登録頭数は、131犬種中、49位で168頭です。
ニューファンドランドの性格
ニューファンドランドの性格は温厚で、友好的な性格の犬種です。犬や見知らぬ人にも心を許すような、大らかで優しい性格です。
攻撃性や無駄吠えはないのですが、飼い主家族が危険な状況だと判断した際には、必死に家族を助けるような頼もしい性格です。
ニューファンドランドは、体は大きいですが、いつも家族といたい甘えん坊です。
■ニューファンドランドの性格まとめ
温厚友好的優しい甘えん坊
ニューファンドランドの平均寿命と気をつけたい病気
ニューファンドランドの平均寿命は11年程度と考えられています。
ニューファンドランドがかかりやすい先天的な病気として、まれに股関節形成不全がみられます。成長スピードが速いので、肢をひきずるような気配があれば、早めに診察を受けましょう。
気をつけたい病気としては、心臓疾患やシスチン尿石症などがあります。
また、眼疾患も少なくありませんので、顔を前肢でこすったり、まばたきが頻繁だったり、涙が多い時は、眼疾患を疑いましょう。
ニューファンドランドの飼い方
ニューファンドランド番犬としての性格は持っていないので、いつも飼い主と一緒にいたがります。できれば室内飼育が理想的です。大きな体ですから、できれば一戸建てが良いのですが、マンションの場合は、老後を考えて1階に住むことをお勧めしておきます。
一度でも大型犬を飼育したことがある方には、とても容易に飼育できますが、初めて犬を飼う方は、大型犬の扱いについてしっかりと学んでおくことが大切です。
極寒の地で誕生した経緯から、寒さには強いですが、夏の暑さや日本の湿度は苦手です。エアコンを利用して温度管理をし、夏場は水浴びや水泳をさせると喜びます。
しつけを良く理解して実行する犬種ですので、比較的ラクにしつけは入ります。少々依存心が強い面をみせることがありますので、自信がつくように褒めて育てます。
ニューファンドランドは、想像通り豊富な運動量が必要です。散歩は、1日1時間程度を2回行います。ニューファンドランドは、激しい運動は必要ありませんので、ゆっくりとした歩調の引き運動を行いましょう。
被毛の手入れは時間がかかります。長めのオーバーコートは粗めのコームでとかします。アンダーコートは放っておくと、カチカチに固まってしまいますので、まめにコーミングとブラッシングを行いましょう。
ニューファンドランドと水辺にGO!
ニューファンドランドは、とにかく泳ぐことが大好きな犬種です。機会を作ってプールに通うのがおススメです。川や海など水辺での遊びをたくさん取り入れてあげましょう。
飼い主への忠誠心も高く、甘えん坊です。番犬としてではなく、大きな子供がやって来た!という感覚で暮らすのが一番です。
車で一緒に移動することも多いと思います。車内で安全に過ごせるよう、子犬の頃からクレートやケージに慣らしておくと、どこにでも一緒に連れていけるようになりますのでおススメです。
超大型犬ですが、他の犬にも優しくて、ドッグランやドッグカフェではいつも人気者ですよ♪ニューファンドランドと一緒にたくさん思い出を作って下さいね。
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