【獣医師監修】犬の毛艶(けづや)が悪い。この症状から考えられる原因や病気は?
犬の毛の艶が悪いのは老化のせい、と放っておいたりしていませんか? 毛艶が悪くなる要因としては、栄養状態が悪くなっていたり、肝臓や腎臓など内臓に疾患が潜んでいたりする可能性も考えられます。「最近、急に毛艶が悪くなった」と感じたら、一度、病院で検査することをおすすめします。
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一般社団法人「日本獣医皮膚科学会」認定医
一般社団法人「日本コスメティック協会」 認定指導員(獣医師)
【資格】
◇獣医師
株式会社VDTに所属し、各地の動物病院へ出張して皮膚科診療を行っている。
ペットの皮膚への造詣の深さはもとより、飼い主にわかりやすい説明に定評があり、セミナーやイベントなどでの講師経験も多数。
犬の毛艶が悪い【考えられる原因】

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栄養状態が悪い
「ちゃんと食べさせているのになぜ?」と思う飼い主もいるかもしれませんが、原因として考えられるのは、摂取するフードの問題のほかに、摂取するカラダの問題も考えられます。
フードに含まれている栄養が足りない
タンパク質や必須脂肪酸、ビタミンなどの摂取が不足していると、犬の毛艶が悪くなったりすることがあります。
与えているフードの成分を確認して、栄養分を含んだフードに変えてみてください。
肝臓・腎臓機能が低下して、栄養を体内に取り込めていない
栄養を吸収したり運搬したりする役割を持つ肝臓や腎臓などに問題がある可能性があります。

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ブラッシングが不足している
定期的にきちんとブラッシングをしてあげないと、毛についた汚れがしっかり落ちていなかったり、毛玉やもつれができて毛がボサボサしてしまうことがあります。
犬の毛艶が悪い【こんな場合は要注意!】

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毛艶がない状態とともに、以下の症状が見られる場合は、病気の恐れがあるので病院で診てもらいましょう。
食欲がない
元気がない、抑うつの状態が見られる
体重が減少している
肝臓機能が低下している恐れがあります。
犬の毛艶が悪い【この症状で考えられるおもな病気】

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犬の副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
犬の副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)とは、下垂体や副腎の腫瘍が原因となり、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されます。
多飲多尿が見られます。
また、毛が抜け、皮膚が乾燥するほか、体に左右対称の脱毛ができます。

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犬の甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)
犬の甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)とは、甲状腺の機能が低下する病気です。
体重が増えたり、皮膚の乾燥や脱毛が生じます。

【獣医師監修】犬が脱毛している。この症状から考えられる原因や病気は?
犬にとって毛(被毛)は、体温調節や外部の刺激から体を守るためにとても重要なもの。一口に「脱毛」と言っても、季節的な理由から疾患までさまざまな要因があります。あきらかに異変を感じる時は、病院で診察を受けましょう。

【獣医師監修】犬の皮膚にかさぶたがある。この症状から考えられる原因や病気は?
かさぶたは、怪我をしたりして皮膚の深いところで炎症が起きている状態です。愛犬の怪我の症状が心配な場合には、念のため、動物病院の獣医師に早めに診断してもらうようにしましょう。
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