【獣医師監修】犬のストレス、病気や死亡の原因になる?ストレス行動やサイン、発散・解消法!
ストレスは万病のもとと言われます。それは、人間だけでなく犬にも当てはまること。愛犬のストレスを遠ざけて、健康に暮らしてもらえるよう、飼い主としてできることを心得ておきたいものです。
更新日:
日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)卒業
Royal Academy of Homoeopathy卒業
新宿鍼灸柔整専門学校卒業
【専門分野】
Aki Holistic Veterinary Care にて
◇鍼灸
◇ホメオパシー
◇ホモトキシコロジー
◇CCLT(Crystal Color Light Therapy)
◇漢方
などを用いたホリスティックケア
【資格】
◇獣医師
◇鍼灸師
◇日本獣医ホメオパシー認定医
【所属団体・学会】
◆一般財団法人 比較統合医療学会
◆一般社団法人 日本獣医ホメオパシー学会
◆日本ペット中医学研究会
【著作物】
・犬の臨床鍼灸学テキスト
(比較統合医療学会 犬の臨床鍼灸学テキスト編集委員会 編著)
【飼ってる動物】
雑種犬1頭(ウメ)
雑種猫2頭(あさり・うにお)
【ペット歴】
36年
【職業上でのペットとのかかわり】
縁あって家族になった動物達が飼い主さんと幸せに生涯を全うできるようお手伝いしたく、日々精進中です。
目次
犬の「ストレス」の原因は?
iStock.com/SolStock
犬の性格によって、何をストレスと感じるかは異なります。
一般的に犬がストレスと感じる可能性があるのは、
運動欲求が満たされないこと
刺激不足
屋外飼育などによる飼い主とのコミュニケーション不足
相性の合わない犬同士の多頭飼いの生活
引っ越しによる環境の変化
気圧の変化
新しいペットが来たり飼い主に赤ちゃんが生まれたりして、自分に注意が向けられなくなること
飼い主の死
犬自身の病気による痛みや体の不自由さ
などがあります。
飼い主から離れて留守番をすることが極端に苦手な犬では、独りでいることへのストレスから分離不安症という病気になるケースもあります。
犬の「ストレス」の症状(行動・サイン)は?
iStock.com/Saso Novoselic
分離不安症の犬は、独りになると行動変化が見られます。
不安のあまり精神が乱れてしまい、あちこちで排尿や排便をしてしまったり、吠え続けたり、よだれを流してしまうような状態に陥るのです。
分離不安症とまでは行かなくても、ペットホテルに預けられたり、動物病院に入院したりすると、ストレス性の下痢や、血尿、血便などが一時的に見られる犬もいます。
緊張のあまり、水を飲まない、ご飯を食べないという状況に陥る例も少なくありません。
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犬が刺激不足や運動不足で退屈すると、ストレス発散のため、足先を舐め続ける、尻尾を噛む、吠えるといった行動が出現します。
足先や尾を舐めたり噛み続けると、脱毛や湿疹など皮膚炎に発展するケースも珍しくありません。
人間のように、強いストレスが継続すると円形脱毛症になる例もあります。
また、ストレスが原因で、攻撃的になることもあります。
犬の「ストレス」で発症する病気は?
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犬のストレスは、免疫系、自律神経系、内分泌系などに影響を及ぼします。
一時的なストレスは、生きていれば受けて仕方がないことなので、飼い主も愛犬への一時的なストレスに関してはそれほど気にする必要はありません。
たとえば、来客中に数時間だけクレートで愛犬を待機させたからといって、病気になることはないでしょう。
iStock.com/goldyrocks
けれども、ストレスが慢性的にかかると、体調不良に陥ったり、病気へと進展してしまう恐れがあります。
「ストレスは万病のもと」と言われるのは、そのためです。
犬のストレスが原因で発症、悪化の一因になると言われる病気には、癌(がん)、皮膚病(アトピー性皮膚炎など)、膵炎、糖尿病、クッシング症候群、胃腸障害(胃潰瘍など)が挙げられます。
犬の「ストレス」の発散・解消方法!
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愛犬がなるべくストレスなく生活できるように、飼い主も工夫してあげましょう。
犬のストレスの最大の発散方法は、散歩と言えるでしょう。
運動欲求の高い犬種であれば、ボール遊びやドッグランで走らせるといった運動も、なるべく取り入れてあげてください。
ほとんどの犬は、人間の仕事をサポートするために改良されました。現代社会を生きる犬は、大げさに言えば失業状態です。
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そのため、飼い主と散歩するのは、狩猟犬であれば猟に出るような気分になって作業意欲を満たせるはずです。
嗅覚を使う仕事をしていた犬種は、おやつを嗅覚で探すゲームなどを室内で行うだけでも、ストレス発散になるでしょう。
もちろん、犬はにおいを嗅ぐという行為が大好きな動物です。
愛玩犬として作出された犬種でも、高齢犬でも、嗅覚を使う遊びやゲームはストレス発散や脳トレに最適なので、是非日々の生活に取り入れてあげてください。
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飼い主とのトレーニングも、愛犬にとっては楽しい作業になります。
様々なことを覚えさせれば、愛犬の達成感も高まるでしょう。
ただし、成功しないことで叱ったり、飼い主が溜息をついたりすると、愛犬はそれがストレスになってしまいます。
耳を掻いたり、あくびをしたりといったストレスサインが現れたら、レベルを落として“成功させてほめて”トレーニングを一旦終了しましょう。
サークルに入れている間や、飼い主が愛犬を構ってあげられない時には、知育玩具も退屈しのぎに役立つアイテムのひとつ。
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うまく活用しながら、愛犬のストレスを軽減させてあげたいものです。
飼い主とのスキンシップや、マッサージやTタッチでリラックスをすると、「幸せホルモン」の異名で知られるオキシトシンが分泌され、ストレスが軽減されることも知られています。
ストレスを解消するツボもいくつかあります。
それらを調べて、愛犬に試してみるのもよいでしょう。
去勢・避妊も犬の「ストレス」軽減に役立つ
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避妊をしていないメスでは、発情期(ヒート中)の陰部の不快感や頻尿になること、オスでは発情中のメスのにおいをキャッチしても性的欲求を満たせないこと。
このような性的な問題も、犬によってはストレスの一因になります。
避妊手術を受けていないメスは、発情中はドッグランやペットと泊まれる宿なども利用できません。
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そうした生活の制限が、さらなる愛犬のストレスになるでしょう。
去勢してもメスの発情出血中のにおいには興奮しますが、去勢手術をしていないオスの方がより性衝動が高まると考えられます。
犬の性格による個体差はありますが、去勢・避妊手術を愛犬に受けさせることで、性的なストレスから解放してあげられるかもしれません。
犬の「ストレス」まとめ
iStock.com/Tatomm
「ストレスは万病のもと」
なるべく愛犬にストレスフリーな日々を過ごさせてあげましょう。
そのためには、まずは飼い主さんがイライラした態度でいたり、愛犬を叱りがちにならないのが重要なポイント。
家族みんなが笑顔でハッピーでいられるように、心がけてください。
【獣医師監修】犬が足を舐める・噛む。この症状から考えられる原因や病気は?
愛犬のしぐさを眺めていると、時々足を舐めたり、噛んでみたりすることがあります。このサインは前足や後足、舐める・噛むタイミングによってさまざまな原因が考えられますが、時には重大な疾患につながることも。愛犬の様子をよく観察して、重要なサインを見逃さないようにしましょう。
【獣医師監修】犬が皮膚(体)を掻いている。この症状から考えられる原因や病気は?
犬が皮膚(体)を頻繁に掻いているときは、毛をかき分け、皮膚の様子を観察してください。ストレスや違和感によるケースもありますが、何らかの炎症が起こっている可能性もあります。痒み(かゆみ)で犬が皮膚をしきりに舐めたり掻いたりすると症状が悪化してしまうので、早めに獣医師に相談しましょう。
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