【獣医師監修】ミネラルウォーターと水道水 愛犬に飲ませる水はどっちが最適?

犬に飲ませる水は、ミネラルウォーターと水道水、どちらの方が体にいいのかと考えたことがあるかもしれません。ミネラルウォーターにはミネラル分が、水道水はカルキなどが含まれるため「犬に与えて大丈夫?」と疑問に抱くことがあります。それぞれの特徴を比較しながら、愛犬が飲む水について正しい知識を得ましょう。

  • 監修者:徳本 一義 先生(獣医師)

【獣医師監修】ミネラルウォーターと水道水 愛犬に飲ませる水はどっちが最適?
出典 : Jaromir Chalabala / Shutterstock.com

水道水とミネラルウォーターの違い

水道水とミネラルウォーターの違い

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ミネラルウォーターと呼ばれているものには、天然水とRO水の2種類があるのをご存知でしょうか。
天然水とは、ろ過や沈殿、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理をしていない、天然のミネラルが含まれた地下水のことです。
一方、RO水とは、水道水などの原水をRO膜という逆浸透膜を通して不純物を取り除いた水です。
RO水にミネラル成分を加えた水をデザインウォーターと呼ぶことがあります。

なお、ミネラルウォーターは、食品衛生法では「清涼飲料水」に分類されています。

水道水とミネラルウォーターは、それぞれ安全基準が異なります。
水道水は水道法および食品衛生法で厳しく基準が設けられており、私たちの家庭に安全な水を届けてくれています。
ミネラルウォーターの水質の基準になっている法律は、食品衛生法です。

水道法と食品衛生法では、水道法の方が厳しい基準が設けられています。
水道法には51もの項目があり、生活に深く関わる水道水が人間の健康を害することがないように、水道水の合格基準を厳しく定めています。
一方、食品のひとつであるミネラルウォーターは水道水ほど摂取量が多くないため、39項目からなる食品衛生法に則っており、水道水より基準が緩和されています。

ミネラルウォーターは犬によくない?

ミネラルウォーターは犬によくない?

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ミネラルウォーターを犬に与えても問題ありません。
硬水を犬にあげると尿石の原因になるのではないか、と心配される飼い主がいるかもしれませんが、基本的に心配は不要です。
海洋深層水などは含まれるマグネシウムが通常の水よりも多いですがこちらも特に問題ありません。なぜなら、マグネシウムなどのミネラルを摂取する以上にミネラルウォーターによって体内の水分量が増え濃度が希釈されるため、体に悪影響が出ることはまずないためです。

ミネラルウォーターには、硬度によって硬水と軟水の2種類があります。硬度というのはマグネシウムとカルシウムの含有量のことなので、硬度が高い硬水は、重い口当たりと苦みを感じさせます。逆に、軟水はまろやかでさっぱりした風味が楽しめます。また、硬水の多くはカルシウムが多いのに対し、海洋深層水はマグネシウムが多いのが特徴です。

水の硬度はWHOによって基準が定められており、120mg/l以下は軟水、それ以上は硬水になります。日本の水道水は100mg/l以下のところが多く、軟水に区分されます。そのため、日本の水源地から採取した天然水は100mg/l以下の軟水の可能性が高いです。

犬に与える水は水道水で大丈夫!

犬に与える水は水道水で大丈夫!

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犬に与える水はミネラルウォーターにこだわる必要はありません。日本の水道水はミネラルウォーターより厳しい基準が設けられ、安全に飲むことができるからです。また、日本の水道水は、地質の関係上軟水が多く、犬に飲ませても問題がない硬度となっています。

水に含まれるカルシウムやマグネシウムは、地中の岩石から長年かけて溶けだしたものです。日本の地形は起伏があって浸透する時間が短く、ミネラルが少ないところが多くなっています。

飼い主の中には、水道水のカルキ(塩素)の影響を気にされる方もいるかもしれません。塩素には殺菌作用があり、犬が水道水を飲んでも感染症にかからないのは、塩素のおかげです。日本の水道水のカルキは水道法で厳しく管理されており、蛇口において1mg/l以下となるよう調節されています。WHOによる基準値は5mg/lであり、日本はそれより低い基準値となっています。
カルキを抜くために、置き水や煮沸した方がいいのではないかと考えられるかもしれませんが、カルキが退けることで雑菌の繁殖といった衛生面のリスクが高まる可能性があるため特に必要はありません。また、浄水器の水はそのまま飲ませても問題ありません。

犬に与える1日の水分摂取の適正量は?

犬に与える1日の水分摂取の適正量は?

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1日に犬が飲む水の量は、体重によって変わってきます。小型犬はカラダの大きさと同じで少量ですが、大型犬になるとたくさんの水が必要です。通常、体重1㎏あたり水50mlは必要と言われていて、たとえば2kgの体重なら100ml、3kgなら150mlと増えていき、20kg以上の大型犬となれば、1日に1,000ml以上の水を必要とします。この数値はあくまでも目安であり、気温や湿度の影響や、運動量、フードの種類によっても変わります。水を欲しがっている場合は、しっかり与えるようにしてください。

犬に飲ませる水は水道水でもミネラルウォーターでも問題ありません。犬には毎日たくさんの新鮮な水が必要です。水道水でもミネラルウォーターでも、犬がいつでも十分に飲めるよう、たくさんの水をあげましょう。

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監修者情報

徳本 一義 先生(獣医師)
徳本 一義 先生(獣医師)
小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。大学卒業後、小動物臨床に従事したのち、大手ペットフードメーカーで15年以上、臨床栄養学の観点からペットフードの開発、ならびに研究・情報発信に携わる。現在は獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、複数の獣医系大学で講師を兼任するとともに、ペット栄養学会 理事など、ペットの栄養に関する団体の要職も務める。

みんなのコメント

えびあんさん
水道水とミネラルウォーターの違い、初めて知りました!この夏は暑いので、我が家の犬もガブガブ水を飲んでおり、脱水に注意しようと思います。
T-Penさん
かかりつけの獣医さんから 「水道水をあげてね! ミネラルウォーターはよくないからあげないでね!」 っと言われ、素直に水道水あげてましたが、理由がやっとわかりました。
くりゆきさん
ウチの犬はミネラルウオーターをあまり喜びません。むしろ公園の水道の方が好きみたいです。飼い主の私には理由がわかりませんが、これでいいのだって確信がもてました。

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