【獣医師監修】犬に水以外の飲み物を与えても大丈夫!?飲ませてはダメ(危険)な飲み物は?
愛犬にいつも与えている水。時には水以外の飲み物を飲ませたいと考えている飼い主の方も多くいると思います。ここでは、牛乳や豆乳、炭酸水やアルコールなど、愛犬に与えても大丈夫なのかどうか?また、犬にとって危険な飲み物について解説していきます。
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獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
目次
犬に与えても大丈夫な飲み物は?
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犬にはどのような飲み物なら与えて大丈夫なのでしょうか?
ここで見ていきましょう。
犬に与えて大丈夫な飲み物①【牛乳】
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犬に少量の牛乳であれば飲ませても大丈夫です。
犬に人間用の牛乳を与えると「ラクターゼ」という消化酵素が少ないため、お腹を下してしまうと言われています。
子犬のうちは母乳に入っている乳糖を処理するために一定量の酵素がありますが、成長とともに少なくなっていくそうです。
ただ、犬に人間用の牛乳を少量与えた程度あれば、下痢(げり)を気にする必要はありません。
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また、初めて牛乳を飲んだ時には問題なくても、ある日突然アレルギーになってしまうケースもないとは言い切れません。
そのため、飼い主が側にいられないタイミングでは飲ませないなど、リスクヘッジが必要でしょう。
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犬に与えて大丈夫な飲み物②【氷】
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犬に氷を与えても基本的には問題ありません。
ただし、子犬や小型犬などの体が小さい犬に氷を与える際には、喉につまらないように十分注意をして与える必要があります。
また、体調不良を訴えている場合は、すぐに氷を与えることをやめ、犬の健康状態を確認するようにしてください。
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犬に与えて大丈夫な飲み物③【豆乳】
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犬に豆乳を与えても基本的に大丈夫です。
大豆の甘い匂いを好む犬も多く、食欲が落ちている時にはドライフードに豆乳をかけてあげると匂いの変化によって食欲が増す犬もいます。
食事やおやつとして、愛犬に与える場合には、まずは、少量の豆乳を与えて様子を見た上で、体調を崩さないかどうか確かめましょう。
もし、下痢(げり)などの症状が出た場合には、豆乳を与えることを控えるようにしましょう。
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犬に与えて大丈夫な飲み物④【麦茶】
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犬に麦茶を飲ませても基本的に大丈夫です!
麦茶には、カフェインが含まれていません。
お茶という名前が付いているので「カフェインが含まれていて危険なのでは?」というイメージを持つ飼い主の方もいると思いますが、麦茶は安心して犬に飲ませることができます。
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犬に与えて大丈夫な飲み物⑤【ミネラルウォーター】
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犬にミネラルウォーターを与えても基本的に問題ありません。
犬に硬水のミネラルウォーターなどを与えると「尿石の原因になるのではないか?」と心配される飼い主がいるかもしれませんが、基本的に心配は不要です。
また、海洋深層水などに含まれるマグネシウムも通常の水よりも多いですが、こちらも犬に少量を与える程度であれば問題ありません。
マグネシウムなどのミネラルを摂取する以上にミネラルウォーターによって、犬の体内の水分量が増え、濃度が希釈されるため、体に悪影響が出ることはまずないためです。
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愛犬が散歩から帰ってきて喉が乾いている時や、夏の暑い時期にはミネラルウォーターなどの飲料水で愛犬の喉を潤してあげましょう。
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犬に与えて大丈夫な飲み物⑥【炭酸水】
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犬に炭酸水を飲ませても基本的に問題ありません。
炭酸水には犬にとって危険な成分は含まれていません。
ミネラルウォーターにカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多いため、よくないと言われていたりもしますが、特段問題ありません。
カルシウムやマグネシウムが問題となるのは大量に摂取した場合だけであり、水を飲む程度ではそれほど摂取できないためです。
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犬に与えて大丈夫な飲み物⑦【タンポポ茶・そば茶など】
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犬にとって危険な成分であるカフェインが含まれていないお茶であれば、愛犬に与えても問題はありません。
タンポポ茶
そば茶
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豆茶
コーン茶
ただし、これらのお茶を無理に飲ませる必要もありません。
犬の水分補給で一番手軽で、安全なのは水です。
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犬に飲ませてはダメな飲み物は?
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アルコールやコーヒーなど、犬に飲ませては危険な飲み物もあります。
どのような飲み物が犬にとって危険なのか、見ていきましょう。
犬に飲ませてはダメな飲み物①【アルコール】
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アルコール類は、犬が欲しがっても絶対に飲ませてはいけません。
急性アルコール中毒を引き起こすことが分かっています。
主に「呼吸困難」や「昏睡状態」になり、最悪の場合「死」に至ることもあります。
アルコール度数が強いお酒の場合は、たとえ少量であってもすぐに致死量に達してしまいます。
飼い主が興味本位で犬にアルコールを与えてはいけません。
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犬に飲ませてはダメな飲み物②【カフェイン】
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犬にとってカフェインが含まれている飲み物を与えるのは危険です。
犬の個体差やカフェインの量にもよりますが、摂取することで痙攣(けいれん)や異常な興奮状態など、中毒症状を発生させる危険性があります。
一般的なお茶にはカフェインが含まれているものが多いため、犬を飼っている家庭では注意が必要です。
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犬に飲ませてはダメな飲み物③【緑茶・紅茶など】
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犬にカフェインが含まれているお茶を与えると、中毒症状を誘発する危険性があります。
緑茶
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紅茶
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玉露
ウーロン茶
もしこれらのお茶を誤飲してカフェイン中毒の症状が出てしまった場合は、速やかに動物病院へ連れていき、適切な診察と処置を受けましょう。
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犬に与える「飲み物」まとめ
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犬に牛乳や麦茶、ミネラルウォーターなどの飲み物を与えても基本的に問題ありません。
ただし、アルコールやカフェインが含まれた緑茶や紅茶などのお茶は、与える量にもよりますが、摂取することで中毒症状を発生させる危険性があります。
また、犬に与えても良い飲み物でも、過剰摂取させると、下痢(げり)や嘔吐(おうと)してしまう可能性があるので、注意しましょう。
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愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。
愛犬と長く楽しい生活を送るためにも、しっかり愛犬の健康管理をおこないましょう。
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