【獣医師監修】犬が食べてもいいとうもろこしの栄養と注意点について

夏になるとバーベキューや屋台で目にするとうもろこし。シャキシャキした食感で、愛犬もむしゃむしゃ食べているという方いらっしゃるでしょう。トウモロコシに含まれる栄養とともに、与える時の注意点について紹介していきましょう。

  • 監修者:徳本 一義 先生(獣医師)

【獣医師監修】犬が食べてもいいとうもろこしの栄養と注意点について
出典 : Martin Gardeazabal /Shutterstock.com

犬がとうもろこしを食べても大丈夫!

犬がとうもろこしを食べても大丈夫!

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結論から言うと、とうもろこしには犬にとって有害な成分は含まれていませんので、食べても問題ありません。どの食材にも共通して言えることですが、食べても問題はない食べ物であってもドッグフードを与えている限り、積極的に与える必要があるものではありません。あくまでもコミュニケーションの一環として適切な範囲で与えるようにしましょう。

とうもろこしは原産地についてはっきりした事がわかっておらず、メキシコなどのアメリカ大陸ではないかと考えられています。

紀元前3000年頃には栽培が始まったといわれており、15世紀末にはアメリカ大陸からヨーロッパへ持ち帰られ、そこから世界中に急速に広まったといわれています。

日本へは1579年にポルトガル人によって伝来した記録があり、明治時代に入ってから本格的に栽培されるようになりました。

ちなみに私たちがスーパーなどでよく目にするとうもろこしは、スイートコーンと呼ばれるものです。
一方、ドッグフードの原料として用いられているとうもろこしは、スイートコーンではないとうもろこしであるため。同じとうもろこしでも違うものです

犬にとうもろこしを与えるメリット

●とうもろこしは良質なエネルギー源

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総合栄養食を与えているのであれば犬の食事バランスは整っているため、あえて与える必要はありません。したがって特筆すべきメリットもありません。

●とうもろこしは良質なエネルギー源

とうもろこしはアミノ酸、デンプン、食物繊維を多く含み良質なエネルギー源となります。他にも動物では作り出すことのできない必須脂肪酸を多く含む油が含まれるなど食品として優れていると言えるでしょう。そのためペットフードにもとうもろこしを原料として利用しているペットフードが多くあります。

●葉酸がとても豊富なとうもろこし

とうもろこしの特徴として、葉酸が豊富に含まれていることが挙げられます。

葉酸はDNAの形成をサポートする働きがあり、とくに妊娠中の犬や成長段階の犬にとって、大切な栄養素といえます。

また、葉酸には血液中の赤血球を作る働きもあります。赤血球は酸素を全身に運部という重要な役割を持っており、葉酸を取り込むことで酸素や血液が全身を巡りやすくなります。

●カリウムが豊富で代謝や神経の働きをサポートしてくれる

とうもろこしにはカリウムも豊富に含まれています。

カリウムは体の中の細胞内に多く含まれている成分で、代謝の働きや神経の働きについてサポートする役割を持っています。

とうもろこしを与える際の注意点

とうもろこしを与える際の注意点

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とうもろこしの粒にはセルロースが豊富に含まれています。セルロースは不溶食物繊維ですので、消化されづらい性質があり、犬のウンチに粒ごと出てくることも珍しくありません。粒ごと排出されたからといって犬の調子が悪いわけではなく、そもそも消化されづらい部分ですので、心配しすぎる必要はありません。

私たちが一般に食べるスイートコーンは甘いので、置いておくと犬が誤って多量に食べる恐れがあります。与える量が一日の摂取カロリーの20%以下に収まるようにしましょう。

スイートコーンは茹でた状態で100gあたり99kcalですので、健康な避妊・去勢された犬の必要なカロリー量を元に計算すると、成犬で体重が4kgの小型犬で63g、体重が10kgの中型犬で125g、体重が25kgの大型犬で248gが目安となります。また間食を与える場合はドッグフードの量を必ず減らし摂取カロリーを調整することを忘れないでください。

●肥満の原因にもなる

とうもろこしにはタンパク質や炭水化物も多く含まれています。そのため、食べ過ぎると肥満になる可能性も考えらえます。

肥満は身体への負担が大きく、さまざまな病気の原因ともなり得るので、与える量には気を配ってあげてください。

●アレルギーを起こす可能性もあり

どんな食材でも、犬がアレルギーを引き起こすことはあります。とうもろこしはフードの原料に使われることがあるため、アレルギーが発症する可能性は低いと考えられますが、発症する可能性が少なからずあります。
アレルギーが発生する原因の一つとして考えられているのが、幼少期に該当する食物を食べてしまうことです。成長段階で消化器官が成熟していない時期は腸の免疫力も少なく、不溶な成分まで吸収しやすいので、アレルギーを起こしやすくなるといわれています。

食物アレルギーの主な症状には、以下のようなものがあります。

●外耳炎
●脱毛や引っかき傷
●下痢、嘔吐
●体を痒がる

与える時には、ごく少量を食べさせ、犬の身体が変調をきたしていないかを観察してください。
もし、体調が変化したり、何らかの症状が出た場合はすぐに食べさせるのをやめ、病院での診察を受けるようにしましょう。

とうもろこしに関するよくある間違い

とうもろこしに関するよくある間違い

寄稿者: Africa Studio/ Shutterstock.com

●よくある間違い① とうもろこしは消化できない

とうもろこしは外皮を除いて、犬も消化することができます。
コーンスターチ(デンプン)は、熱処理=調理すれば完全に消化・吸収することができます。そのため犬に与える時には必ず茹でて柔らかくしてから与えるようにしましょう。

●よくある間違い② 塩茹では塩分過多になるためNG

人間がとうもろこしを食べる時に、塩茹ですることがあるかと思います。犬に与える時には絶対に塩茹でをしてはいけないと思っている方も多いのではないでしょうか。

犬が塩分を摂取すると蓄積された塩分が原因で、高血圧や心臓病などの病気を発症してしまうこともあると言われることがありますが、基本的にそのようなことは起こりません。

犬は塩分を摂取しても代謝することができるので体に蓄積していくことはありません。また、とうもろこしを塩茹でするときにとうもろこしに含まれる塩分は極めて微量であり、体調に悪影響を及ぼすことはまず考えられません。

塩をあえてつけて与える必要は全くありませんが、塩をついたものを与えてしまっても心配する必要はないでしょう。

とうもろこしの芯は与えてはいけない

とうもろこしの芯は与えてはいけない

NIPAPORN PANYACHAROEN / Shutterstock.com

とうもろこしを与える時に、実のついた芯ごと与える方もいらっしゃるかもしれません。犬にとっては咥えやすくなり、おいしい実がたくさんついているので喜ぶかもしれませんが、犬にとうもろこしの芯は絶対に与えてはいけません。

というのも、犬がとうもろこしの芯を誤飲してしまうことが考えられるからです。丸ごと飲み込んでしまうと息ができなくなってしまうこともあります。

また、とうもろこしの芯は食物繊維の塊のようなもので大変固いので、全く消化することができません。そのため腸閉塞を引き起こしてしまったり、胃の中でとどまってしまったりするので、手術を行って処置する必要が出てきます。

このような誤食事故を防ぐためにも、犬にとうもろこしの芯を与えてはいけません。万が一誤食してしまった場合は、すぐに病院へ連れて行きましょう。

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監修者情報

徳本 一義 先生(獣医師)
徳本 一義 先生(獣医師)
小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。大学卒業後、小動物臨床に従事したのち、大手ペットフードメーカーで15年以上、臨床栄養学の観点からペットフードの開発、ならびに研究・情報発信に携わる。現在は獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、複数の獣医系大学で講師を兼任するとともに、ペット栄養学会 理事など、ペットの栄養に関する団体の要職も務める。

みんなのコメント

マリー大好きさん
コーンは消化不良を起こすと思っていたので、いつも食べたそうにする犬にも与えないでいました。葉酸が含まれているのも初めて知りました!びっくりですね!!

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