【獣医師監修】犬が黒糖を食べても大丈夫?メリットや適量は?肥満に注意!
古くから沖縄の人々のミネラル源として重宝されてきた、黒糖。黒砂糖とも呼ばれるその黒糖を犬が食べても大丈夫なのか?気になる飼い主さんもいるでしょう。黒糖の特徴をはじめ、犬に黒糖を与える場合の注意点やメリット、適量などについて詳しく解説します。
- 更新日:
獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
目次
犬が【黒糖】を食べても大丈夫!
kari / PIXTA(ピクスタ)
犬が黒糖を食べても大丈夫です!
砂糖の主成分でありエネルギー源となるショ糖は、テンサイやサトウキビなどから得ることができます。
精製されている白砂糖に対して、糖みつ分の分離加工などを行わずに製造するため黒っぽい黒糖は、黒砂糖とも呼ばれています。
黒糖は栄養価が高いのが特徴!【アルコール類】に注意!
galitskaya / PIXTA(ピクスタ)
サトウキビを絞った汁を煮詰めて作る黒糖は、栄養価が高いのが特徴です。
テンサイを用いて作る上白糖では精製過程で失われるミネラルやアミノ酸が、黒糖には残っているのです。
サトウキビ栽培が盛んな沖縄では、黒糖パンをはじめ、サーターアンダギー(ドーナツ)、あんこと練乳を混ぜたかき氷である“沖縄ぜんざい”など多くの食品に黒糖が使われています。
omizu / PIXTA(ピクスタ)
鹿児島県もサトウキビ栽培を行っていて、奄美群島には黒糖で作る焼酎も古くから伝わっています。
そのほか、全国的には「かりんとう」「黒飴」「黒糖ロール」「黒糖蒸しパン」「黒糖まんじゅう」「麩菓子」「くるみ」などのナッツ菓子のコーティングにも黒糖は使用されています。
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【参照元】文部科学省「食品成分データベース」
子犬や老犬に【黒糖】を与えても大丈夫?
iStock.com/Eva Blanco
子犬や老犬が黒糖を食べても大丈夫です!
黒糖はブドウ糖として体内に吸収されて、エネルギーになります。
活動量が多く、どんどんエネルギーを消費する子犬に、エネルギーを補給させたい場合には、黒糖を少し加えた砂糖水が活用できるでしょう。
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黒糖の主な産地である沖縄では、古くからエネルギーとミネラルを手軽に補給できる食品として黒糖は愛用されてきました。
ミネラルを補給することは熱中症の予防にもなるため、黒糖は暑い地方で暮らす人々の知恵から生まれた砂糖と言えます。
黒糖を少量混ぜた砂糖水は、老犬が不足しがちな水分やミネラルの補給にも適しているでしょう。
【参照元】文部科学省「食品成分データベース」
犬に【黒糖】を与えるメリットや効果は?
黒糖のメリット・効果【高い嗜好性】
pearlinheart / PIXTA(ピクスタ)
黒糖入りの甘いものは、香りも良く嗜好性が高いと言えます。
愛犬とのコミュニケーションの一環として、少量であればおやつとして与えやすいでしょう。
犬に【黒糖】を与える場合の注意点!
黒糖の注意点【高カロリー】
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黒糖は100gあたり356kcalあり、高カロリーな食べ物です。
犬が黒糖を食べ過ぎてしまうと、体重増加の原因になりかねません。
与えすぎないように注意しましょう。
【参照元】文部科学省「食品成分データベース」
犬に【黒糖】を与える際の適量は?
kari / PIXTA(ピクスタ)
犬の主食に加えるトッピングやおやつは、愛犬のごはんの全体量の20%以下に抑える必要があります。
その適量を参考に、愛犬に与えるようにしてください。
体重10kgの犬の場合、1日の摂取カロリーの総量が600kcal位なので、1日120kcalまでがおやつやトッピングの上限となります。
freeangle / PIXTA(ピクスタ)
もしおやつとして黒糖を与えるのであれば、黒糖は100gあたり365kcalなので、33gが最大量となります。
これは、固めた黒糖でいえばほんのひとかけら。
黒糖をあげる際は、くれぐれも限度量を超えないように気をつけましょう。
【参照元】『小動物の臨床栄養学 第5版』(マーク・モリース研究所発行、監訳:岩﨑利郎、辻本元)2014年インターズー
犬に与える【黒糖】のまとめ
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サトウキビに含まれるミネラル成分が残っている黒糖は、子犬から老犬まで、犬に与えても大丈夫です!
黒糖入りの甘いお菓子も、犬にあげても問題ありません。
Anurak / PIXTA(ピクスタ)
ただし、高カロリーな黒糖を積極的に愛犬に与える必要はないでしょう。
エネルギー不足の愛犬の栄養補給になる可能性がありますが、黒糖をあげるのであれば、黒糖入りの甘いものをコミュニケーションの手段としておやつで少量あげる程度にとどめてください。
愛犬の健康を守ることができるのは飼い主だけです。
正しい知識を持って、ぜひ毎日の愛犬の食生活に役立ててみてくださいね。
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