【獣医師監修】犬が塩を食べたり、舐めても大丈夫?与え方や必要摂取量は?塩分不足、過多に注意!

飼い主なら一度は耳にしたことがある「犬に塩分は必要ない!」というフレーズ。私たち人間には必要不可欠な「塩」ですが、同じような生物であるにもかかわらず、犬には本当に「塩分」は必要ないのでしょうか? よくよく調べていくと、私たちが知っている「飼い主としての常識」とは違う見解があるようです。

更新日:

先生にお聞きしました
徳本 一義 先生
ペット栄養学会理事。小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。
獣医師 MBA(経営学修士)

ヘリックス株式会社 代表取締役社長

【資格】
獣医師

【所属】
ペット栄養学会 理事
一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
日本獣医生命科学大学 非常勤講師
帝京科学大学 非常勤講師
など

大学卒業後、小動物臨床に従事。

その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。

現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。

自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
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犬に適量の【塩分】であれば与えても大丈夫!(※腎臓や心臓に疾患がある場合は要注意!)

犬に適量の【塩分】であれば与えても大丈夫!(※腎臓や心臓に疾患がある場合は要注意!)

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犬に適量の塩分であれば与えても問題ありません

犬は人間のように大量の汗を流すことができず、塩分排出が上手にできないため「犬に塩分は与えてはいけない」という見解があります。

まず、大前提として、人間が汗から排出する塩分の量は、排出量全体の約1割ほどです。

人間が摂取した塩分の多くは「おしっこ」として排出されています。

犬も同じ哺乳動物ですから「おしっこ」で塩分を体外に排出することができます。

塩分を輩出する機能を持つ犬

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また、大昔に野性で生息していた頃、犬は動物の肉を大量に摂取していました。

動物の肉には当然血液が含まれており、血液は高塩分です。

昔から犬は高塩分のものを食べていたため、「塩分を排出する機能を備える必要があった」のです。

ただし、健康な状態では塩分の排泄機能が働いていても、腎臓や心臓に疾患があれば排泄機能が制限され、病気が悪化する危険性があります。

特に、慢性腎臓病は早期の病状発見が難しいので、犬の塩分摂取には十分な注意が必要です。

犬の塩分過剰摂取だけでなく【塩分不足】にも注意が必要!

犬の塩分過剰摂取だけでなく【塩分不足】にも注意が必要!

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犬にとって塩分の過剰摂取は危険であることをお伝えしましたが、”塩分不足”も健康にとって良いものではありません

そもそも、犬は進化の過程で塩分を十分に摂取できる環境にいたため、塩分を感じ取るセンサーが人間ほど発達してきていません。

そのため、現在の家飼いの状況では飼い主が「塩分管理」をしっかり行ってあげる必要があります。

愛犬が塩分不足になってしまった場合の【症状】とは?

愛犬が塩分不足になってしまった場合の【症状】とは?

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人間では大量に汗をかいた後、塩分の入っていない水を大量に摂取することで「低ナトリウム血症」を起こす場合があります。

人間とは違い、犬の場合は、日常生活の中で「低ナトリウム血症」に陥ることはまずありません

万が一、「低ナトリウム血症」不足の状態に陥った場合、以下のような症状が発生する場合があります。

犬の「低ナトリウム血症」【症状】

犬の「低ナトリウム血症」【症状】

Syda Productions/ Shutterstock.com

軽い下痢(げり)や嘔吐(おうと)などでも、動けないほどの状態になる

おしっこの色が濃い黄色になる

意識がはっきりせず、飼い主の声などに反応しづらくなる

シュウ酸カルシウム結石ができやすくなり、腎臓の数値が上がるなど

少しでも飼い犬の様子がおかしいなと思ったら、なるべく早めに獣医師の診断を受けることをおすすめします。

犬に与える塩(塩分)の【適量】は?

犬に与える塩(塩分)の【適量】は?

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愛犬にはどの程度の塩分が必要なのでしょうか?

犬の身体が必要とする一日のナトリウム摂取量は体重1kgあたり50mgと言われ、体重10kgの犬では500mgとなります。

これを塩分に換算してみると、体重10㎏の犬では1.27g

ロースハム薄切り2枚半で1.25g、ちくわ2本で1g程度です。

犬に与える塩【まとめ】

犬に与える塩【まとめ】

Angelus_Svetlana/ Shutterstock.com

私たち飼い主は、犬に塩分は必要が無いと思い込んでいることも多く、極力塩分を排除することばかり考えてしまいます。

しかし、実は犬も人間同様に、塩分は必要不可欠なもので、摂取量をきちんと把握することが大事になります。

また、「塩分補給はOKなんだね」といって人間の食べ物を与えすぎれば、当然、愛犬の体調を崩すことになりかねません。

ドライフードを食べている犬

Africa Studio/ Shutterstock.com

ドライフードを食べている犬は、フード自体に塩分が含まれているので、あえて塩分を別に与える必要はありません

手作りご飯を食べている犬は、いま一度、塩分が足りているかどうか見直しても良いでしょう。

愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。

愛犬と長く楽しい生活を送るためにも、しっかり愛犬の健康管理をおこないましょう。

みんなのコメント

ブラックラブのまこさん
我が家は手作りご飯をあげているのですが、なるべく塩分は少なくなるようにしていました。塩分がある程度必要と知ってびっくりです!
チョコさん
おばあちゃんが昔イヌにご飯+味噌汁(ねこまんま)をあげてました。 日常的に与えてたのでかなり心配でしたが・・ 多少は塩分あってもよいということで少し安心しました。
はすちゃんママさん
白米ご飯の時に、ぜひ味付けとして使用します! これで食べてくれるかなぁ

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