【獣医師監修】犬はトマトを食べても問題なし!メリットや注意点について

人間がよく口にするトマトですが、犬が食べても問題はありません。また、その栄養素は犬にとっても効果があります。この記事では、犬にトマトを与えるメリットや与える時の注意点に浮いて解説していきます。

  • 監修者:徳本 一義 先生(獣医師)

【獣医師監修】犬はトマトを食べても問題なし!メリットや注意点について
出典 : Tatiana Katsai

犬にトマトを与えも大丈夫!

犬にトマトを与えも大丈夫!

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結論から言うと、犬がトマトを食べても問題ありません。生の状態でも、加熱したものでも食べることができます。ただし、緑色の未熟なものではなく、完熟して赤く色づいたトマトをあげるようにしましょう。

トマトはもともと中南米が原産で、ナス科の野菜です。品種が非常に多く、世界中に何千種類ものトマトが存在しています。

βカロテンやリコピン、ビタミンC、ミネラルなど、含まれている栄養素も豊富で、私たち人間の健康を支える野菜のひとつです。

犬にトマトを与えるメリット

犬にトマトを与えるメリット

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犬に総合栄養食であるドッグフードを与えていれば栄養バランスが崩れないため、あえてトマトを与える必要はなく、メリットもありません。トマトに含まれる栄養成分の効果を期待して与えるのではなく、あくまでもドッグフードをメインにした上でコミュニケーションの一環として利用することが望ましいです。
トマトに含まれる栄養はどのようなものなのでしょうか。順を追って見ていくことにしましょう。

●ビタミンやカリウム、βカロテンが豊富

トマトにはビタミンやカリウムがバランスよく含まれています。

ビタミンは体内で生理機能を整えるという性質があり、健康の維持や成長に欠かすことができない栄養素です。また、カリウムには利尿作用があり、余計な塩分を排出する働きがあります。そのため、トマトは健康維持のために効果がある食材であると言えます。

また、βカロテンが豊富に含まれていることも特徴のひとつです。βカロテンはカロテノイドと呼ばれる色素の一種で、犬の場合は体内に取り込むことでビタミンAに変換されるという性質を持っています。(猫の場合は、体内でβカロテンをビタミンAに変換できないため、ビタミンAを直接摂る必要があります。)

そのため、体内のビタミンAが不足しているときには、とても有用な食材です。さらに、体内の不足分だけがβカロテンからビタミンAに変換され、残りは肝臓に蓄えられたり、尿と一緒に排出されるので、ビタミンの過剰摂取になる心配もありません。

●抗酸化作用がある

●抗酸化作用がある

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トマトにはビタミンやカリウムのほかに、リコピンという栄養素が豊富に含まれています。リコピンとは先述したカロテノイドという色素の一種で、トマトが赤い色をしているのは、リコピンが関係しています。

リコピンの効用として特徴的なのが、強い抗酸化作用を持っているということです。
抗酸化とは「身体を酸化させないようにする」こと。私たちが呼吸をするときに吸っている空気には、約20%の酸素が含まれています。体内に取り込んだ酸素のうち、約2%が「活性酸素」に変化します。

活性酸素は本来、身体に入り込んだ細菌をやっつけてくれるなど、身体の健康維持のために働いてくれるのですが、体内に過剰に増えてしまうと、体や細胞を酸化させようと働いてしまいます。リコピンの抗酸化作用は、活性酸素の発生の抑えてくれるので身体が酸化するのを防ぐことができると言えます。

●加熱した方がリコピンを吸収しやすくなる

トマトに含まれるリコピンは、加熱をすることで身体への吸収が良くなるといわれています。また、リコピンは油に溶けやすいという性質があり、オリーブオイルなどで炒めると、効率的にリコピンを吸収できるそうです。

トマトは生で与えるのではなく、湯がく、炒めるなど加熱してから与えた方がより良いということを覚えておきましょう。

食べさせるときの2つの注意点

食べさせるときの2つの注意点

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トマトの栄養素について紹介してきましたが、犬に与える場合に注意しなければならないこともあります。正しい知識を持って与えるよう心がけましょう。

①食べさせていいのは「完熟トマト」

犬がトマトを食べても大丈夫と説明しましたが、犬が食べてものいいのは「真っ赤な完熟のトマト」だけです。未熟な緑色のトマトを食べさせてはいけません。

というのも、トマトにはトマチンという毒素が含まれています。トマチンには高い殺虫成分があり、実が熟すまで害虫を避けるために、この成分を作り出しているといわれています。トマチンは完熟したトマトにも含まれていますが、未熟なトマトにはより多くのトマチンが含まれているため、食べてはいけないのです。

人間の場合は、トマチン中毒を発症した場合、赤血球が破壊され頭痛、嘔吐、下痢などの症状を発症することがあります。一方で、致死量に達するには相当な量を食べなくてはならず通常の生活をしていてトマチン中毒を発症することは現実的であるとは言えません。

トマチンの毒性は、マウスの腹腔内に投与したときの半致死量(LD50)が32mg/kgであり、これを単純に50kgのヒトに換算すると、半致死量は1600mg(1.6 g)になります(マウスとヒトで効果が同じかどうかはわかりませんが)。この量は完熟果実では、4000 kg (4トン)、熟した青い果実では、33kg、未熟果実では3.4kg、に相当します。中ぐらいの大きさのトマトは約100gですから、未熟果実でも34個を一挙に食べないと半致死量には達しません。通常、そのような場合は考えられません。

出典 https://jspp.org

そもそも、犬が青いトマトを好んで食べることは少ないですが、念のため積極的に青いトマトを与えることは避け、完熟した赤いトマトを食べさせてあげるようにしましょう。

②トマトの花、葉、茎は与えないこと

未熟なトマト以外にも、トマチンを多量に含んでいる部分があります。それは、トマトの花、葉、茎の部分です。これらの部分には未熟な緑のトマトの200倍近くのトマチンが含まれているので、絶対に与えてはいけません。

少量を摂取して直ちに健康に害がでるものではありませんが、完熟トマトの場合でも、茎はついていることが多いので必ず取り除くようにしましょう。

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監修者情報

徳本 一義 先生(獣医師)
徳本 一義 先生(獣医師)
小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。大学卒業後、小動物臨床に従事したのち、大手ペットフードメーカーで15年以上、臨床栄養学の観点からペットフードの開発、ならびに研究・情報発信に携わる。現在は獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、複数の獣医系大学で講師を兼任するとともに、ペット栄養学会 理事など、ペットの栄養に関する団体の要職も務める。

みんなのコメント

トマトジュースさん
トマト、私が大好きなのでわんちゃんも食べられたらいいなって思っていました。 獣医師先生の監修だと安心できますね。勉強になりました。

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