【獣医師監修】犬がレタスを食べても大丈夫?レタスが嫌い!?キシリトールや与える量に注意!
サラダにはもちろん、茹でても、炒め物にしても美味しいレタスですが、愛犬がレタスを食べても大丈夫なのでしょうか?愛犬に与えるレタスの栄養素やメリット、与える際の量や注意点などについて解説していきます。
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獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
犬がレタスを食べても大丈夫!

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犬がレタスを食べても基本的に問題はありません。
レタスの起源は地中海から西アジア周辺とされており、ロメインレタスのような葉レタスが中心でした。
日本でも、奈良時代には縦に長い茎レタスが栽培されていたといわれています。
現在の丸い形のレタスは、1697年に刊行された「農業全書」にレタスの種類や栽培方法が書かれていることから、江戸時代末期には食べられていたと考えられます。
愛犬に与えるレタスのメリットと栄養素!

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レタスは愛犬にも手軽に与えられる食材ですが、栄養があまりないと勘違いされることが多いようです。
しかし、レタスには豊富な栄養素が含まれており、犬にとっても有用なものばかりです。
ここで、愛犬に与えるレタスの栄養素とその効能について見ていきましょう!
●レタスの栄養素①「ビタミンC」「ビタミンE」体の酸化を防ぐ働き!

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レタスにはビタミンCとビタミンEが含まれています。
ビタミンCは水溶性ビタミン、ビタミンEは脂溶性ビタミンで、どちらも抗酸化作用の役割を果たすビタミンです。
抗酸化作用によって、身体の中に増えてしまった活性酸素による体の酸化を防ぐ働きがあります。
●レタスの栄養素②「ビタミンK」骨の形成をサポート

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レタスには、ビタミンKも含まれています。
ビタミンKには、骨を構成するタンパク質を活性化させることで、骨の形成をサポートする働きがあります。
また、レタスは血液が固まりやすくなるように、因子を活性化する役割も果たしています。
●レタスの栄養素③「食物繊維」腸内環境を整える!

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レタスには食物繊維がたくさん含まれています。
レタスを食べることで腸内環境を整えたり、お通じを改善する効果があると言われています。
●レタスの栄養素④「カリウム」血圧上昇防止や塩分排出

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レタスにはカリウムなどのミネラルも含まれています。
カリウムは体を作る細胞内に多く存在し、代謝を調整したり、血圧が上昇するのを防ぐ働きをします。
また、レタスに含まれるカリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する役割も持っています。
●レタスの栄養素⑤「カルシウム」骨や歯の形成

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レタスには微量ながらカルシウムも含まれています。
カルシウムは骨や歯の形成に欠かすことのできないミネラルで、骨に蓄えられ、常に骨を新しく作りかえる役割を果たします。
●レタスの栄養素⑥「葉酸」胎児の発育を助ける

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レタスの栄養素である葉酸とは、水溶性ビタミンの一種で、葉物野菜に多く含まれていることが多いことから「葉酸」と名付けられました。
葉酸は赤血球の細胞形成や胎児の発育を助けるなど、重要な役割を担っています。
妊娠している犬に与えることで、母子の健康維持に効果を発揮してくれるでしょう。
●レタスの栄養素⑦「ラクチュコピクリン」安眠やリラックス効果

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ラクチュコピクリンとは、レタスから出てくる白い液体に含まれている成分です。
これはレタスから出てくる「乳」であると考えられており、レタスの日本名が「ちしゃ(乳草)」と呼ばれることからも、うなづけます。
ラクチュコピクリンには自律神経を整える効果があるといわれており、安眠効果やリラックス効果を期待できます。
●レタスの栄養素⑧「水分補給」

K / PIXTA(ピクスタ)
レタスはその95%が水分です。
そのため、レタスを食べることは水分補給に非常に効果的です。
愛犬にレタスを与える際には「キシリトール」に注意!

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レタスには微量ながら、「キシリトール」という、犬にとっては有毒な成分が含まれています。
キシリトールを過剰摂取すると、インスリンの過剰分泌が起こり、血糖値が急激に低下して、最悪の場合は死に至ります。
致死量のキシリトールをレタスだけで摂ろうとすると、体重1kgあたりレタス2kgが必要ですので、通常食べる量であれば問題ありません。

ララ / PIXTA(ピクスタ)
ただし、愛犬にレタスを過剰に与えると、消化不良や下痢(げり)を起こす可能性があるので、一日に与える量の目安としては、レタスの大きな葉っぱ一枚程度にしておきましょう!

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愛犬に与える「レタス」まとめ

yanik88 / PIXTA(ピクスタ)
レタスは手軽に愛犬に与えることができる野菜です。
レタスは栄養も豊富な野菜なので、おやつやフードのトッピングにピッタリです。
うまく取り入れて、愛犬の健康維持に役立てていきましょう!

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愛犬の健康を守ることができるのは飼い主だけです。
飼い主が愛犬に与える食事について十分に理解し、愛犬が健康でいられる生活を楽しみたいものです。

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