【獣医師監修】犬に里芋のぬめりは問題なし?与えても大丈夫?

和食の食材としてよく使われるのが、独特のぬめりがある里芋。犬に里芋を与えても問題ありません。里芋の栄養素や与える時の注意点について紹介していきましょう。

  • 監修者:徳本 一義 先生(獣医師)

【獣医師監修】犬に里芋のぬめりは問題なし?与えても大丈夫?
出典 : Eric Isselee/Shutterstock.com

犬は里芋を食べても大丈夫ですが、生は避けましょう

犬は里芋を食べても大丈夫ですが、生は避けましょう

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人間にとっては栄養豊富な里芋ですが、犬にとってはどのような野菜なのでしょうか。

実は、ペットショップなどで販売されているドッグフードの中には里芋が含まれている製品もあるように、里芋は犬に与えても大丈夫な食材です。ただし、人間と同様、里芋は火を通してから与えるようにしましょう。

日本人に馴染みの深い里芋

日本人に馴染みの深い里芋

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里芋の旬は秋から冬です。同じイモ類でもジャガイモやサツマイモと違い、料理の主役にはなかなかならない食材ではありますが、和食の脇役として大活躍する食材です。この里芋、実は様々な栄養素が詰まった食材です。

そもそも里芋は東南アジアから伝わったといわれていますが、紀元前の日本にすでに存在していたことが記録として残っています。

現在では、イモというとジャガイモやサツマイモをイメージするかもしれませんが、古代の日本人にとっては「イモ=里芋」だったようです。青森県を除く東北地方には「芋煮会」という季節行事が存在するなど、日本人の生活に馴染んでいる食材です。

気になる里芋のぬめり

この里芋の最大の特徴といえば、皮をむいた時の独特のぬめりです。このぬめりは、「ガラクタン」という成分によるものです。このガラクタンという言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、炭水化物とたんぱく質の複合体のことです。

ガラクタンには、人間にとってはコレステロールの低下や高血圧の予防等の効果がありますが、犬にとってはコレステロールが上がることがないので気にすることはありません。また、高血圧に関しても犬では気にする必要もありません。

里芋のシュウ酸と尿路結石症の関係性

里芋のシュウ酸と尿路結石症の関係性

PixieMe / Shutterstock.com

そしてもうひとつ、里芋を与えるときに注意すべきなのがシュウ酸の存在です。下記の論文で言われているように里芋にはシュウ酸が含まれています。

 サトイモ(Colocasia esculenta Schott)の葉柄や球茎 には,シュウ酸カルシウム結晶が多く含まれている.サトイモのえぐ味は,組織中のシュウ酸カルシウムの針状の結晶が舌や食道粘膜を刺激することによると考えられている

出典 http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp

このシュウ酸を過剰摂取すると、犬が尿路結石症になるリスクが高くなってしまいます。シュウ酸はアク抜きをし、茹でることで減少させることができるので、犬に里芋を与える際はしっかりと下処理をするようにしましょう。

犬の尿路結石症は非常に怖い病気です。というのも、尿路結石症になると、尿の通り道に結石(小さな石の塊)ができるので、尿が体外へ排出できなくなります。排出されるべき尿が体内にとどまってしまうため、腎臓に大きな負担がかかり、腎臓が機能不全に陥ってしまうのです。

ただし、里芋を少し食べたからと言って、健康な犬がすぐに尿路結石症になるとは考えにくいです。過剰な摂取をしないか、人間がしっかり管理することが大切です。シュウ酸カルシウム尿石症の既往歴のある犬は特に注意を払うようにしましょう。

里芋の正しい与え方

里芋の正しい与え方

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里芋をしっかり茹でて、細かく刻み、ドッグフードのトッピングとして与えると、日々の食事の変化にもなります。与える量は、フード全体の20%以内の摂取カロリー量にしておくことが目安となります。

里芋は水煮状態で100gあたり59kcalですので、避妊・去勢をした健康的な犬の必要なカロリー量を元に計算すると、成犬で体重が4kgの小型犬で107g、体重が10kgの中型犬で214g、体重が25kgの大型犬で424gが目安となります。また間食を与える場合は、ドッグフードの量を必ず減らし、摂取カロリーを調整することを忘れないでください。

里芋には豊富な栄養素が含まれているので、犬に与えて健康増進につなげたいと考えるかもしれません。しかし、総合栄養食のドッグフードで摂取すべき栄養は摂ることが出来ます。里芋を犬に与えるときは、基本的にはドッグフードを中心にして、トッピングやおやつ程度に与えるようにしましょう。

犬の健康を守るのは、飼い主の義務です。また、犬の健康を守ることができるのは、飼い主しかいません。食材についての正しい知識を持ち、ハッピーなドッグライフにつなげてください。

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監修者情報

徳本 一義 先生(獣医師)
徳本 一義 先生(獣医師)
小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。大学卒業後、小動物臨床に従事したのち、大手ペットフードメーカーで15年以上、臨床栄養学の観点からペットフードの開発、ならびに研究・情報発信に携わる。現在は獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、複数の獣医系大学で講師を兼任するとともに、ペット栄養学会 理事など、ペットの栄養に関する団体の要職も務める。

みんなのコメント

手作りごはん挑戦中!さん
里芋に尿路結石になるシュウ酸が含まれているなんて初めて知りました!グラム数が具体的に書いてあると、とても分かりやすくて参考になりますね。

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