【獣医師監修】犬がかぼちゃ(生)を食べても大丈夫?「皮」「種」は?適量やメリット、注意点!

ケーキやクッキー、スープ、お菓子、冷凍食品、チップスなど、さまざまな製品に使用されているかぼちゃ。かぼちゃが大好きな犬もいるかもしれません。愛犬のおやつや食事にかぼちゃを与えてもいいのでしょうか?犬にかぼちゃを食べさせる際の注意点やポイントについて解説します。

更新日:

先生にお聞きしました
徳本 一義 先生
ペット栄養学会理事。小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。
獣医師 MBA(経営学修士)

ヘリックス株式会社 代表取締役社長

【資格】
獣医師

【所属】
ペット栄養学会 理事
一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
日本獣医生命科学大学 非常勤講師
帝京科学大学 非常勤講師
など

大学卒業後、小動物臨床に従事。

その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。

現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。

自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
続きを読む

犬が【かぼちゃ】を食べても大丈夫!

犬が【かぼちゃ】を食べても大丈夫!

Rhetorica / PIXTA(ピクスタ)

犬が「かぼちゃ」を食べても大丈夫です!

強い苦味を持つかぼちゃを除いて、かぼちゃはビタミンやカリウムなどのミネラルも豊富に含む野菜です。

適量をうまく取り入れれば、犬の健康維持にとても役立つ食材と言えます。

犬が【生】のかぼちゃを食べても大丈夫?

犬が【生】のかぼちゃを食べても大丈夫?

iStock.com/contrail1

愛犬にかぼちゃを与える際は「生」ではなく、「茹でたり」「蒸したり」して柔らかくして与えるようにしましょう。

加熱した方が愛犬が「消化不良」や「下痢」になりにくいので、加熱したかぼちゃを食べさせるようにしてください。

犬にかぼちゃの【皮】【種】を与えても大丈夫?

犬にかぼちゃの【種】【皮】を与えても大丈夫?

Rhetorica / PIXTA(ピクスタ)

かぼちゃの「皮」は犬が食べても問題はありませんが、とても固く消化しにくいので、もし与えるのであれば、”すりつぶして”から食べさせます。

また、かぼちゃの「種」は消化に悪く、犬の体内に残ってしまったり、”喉(のど)や腸に詰まる”可能性もあるので与えないようにしましょう。

犬に与えるかぼちゃ【メリット】は?

犬に与えるかぼちゃのメリット①【ビタミンA】

犬に与えるかぼちゃのメリット①【ビタミンA】

Michelle D. Milliman/ Shutterstock.com

かぼちゃには、脂溶性ビタミンの一種である、「ビタミンA」が豊富に含まれています。

「ビタミンA」は粘膜に働いて細菌や病気から身体を守る働きを持っています。

そのため、犬が健康を保つためには欠かすことのできない栄養素のひとつです。

犬に与えるかぼちゃのメリット②【ビタミンC】【ビタミンE】

犬に与えるかぼちゃのメリット②【ビタミンC】【ビタミンE】

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

かぼちゃには「ビタミンC」「ビタミンE」もたくさん含まれています。

「ビタミンC」は水溶性ビタミンの一種、「ビタミンE」は脂溶性ビタミンの一種で、どちらのビタミンにも共通する働きとして”抗酸化作用”を持っていることが挙げられます。

かぼちゃのビタミンCやEを摂ることで、愛犬の身体の酸化を防ぎ、病気の予防にも役立ってくれます。

犬に与えるかぼちゃのメリット③「ビタミンK」骨の形成を促す

かぼちゃのメリット③「ビタミンK」

iStock.com/cmannphoto

かぼちゃには「ビタミンK」も含まれています。

「ビタミンK」は骨の形成を促すという、とても重要な役割を持っており、人間の世界では骨粗しょう症の薬としてビタミンKが使用されるほどです。

ビタミンKを多く摂れるかぼちゃは、愛犬にとって、丈夫な骨を作ってくれることが期待できる野菜です。

犬に与えるかぼちゃのメリット④「カリウム」代謝や血圧の調整

かぼちゃのメリット④「カリウム」

iStock.com/saje

ビタミンのほかにも、カリウムなどのミネラル分を多く含んでいるのもかぼちゃの特徴です。

カリウムは代謝や血圧の調整や神経系の働きを正常化させるなどの役割があり、不足することがないよう摂取したいミネラルです。

犬に与えるかぼちゃのメリット⑤【βカロテン】

犬に与えるかぼちゃのメリット⑤【βカロテン】

masa / PIXTA(ピクスタ)

かぼちゃには「βカロテン」も含まれています。

「βカロテン」には強い”抗酸化作用”があり、ビタミンA、C、Eも含め、かぼちゃは抗酸化作用を十分に期待できる食材と言えます。

また、「βカロテン」は体内でビタミンAに変換され、働きます。

犬に与えるかぼちゃのメリット⑥【食物繊維】

犬に与えるかぼちゃのメリット⑥【食物繊維】

Elena Veselova/ Shutterstock.com

かぼちゃには「食物繊維」も含まれています。

「食物繊維」は、犬の便通をよくしたり、体調を整える働きがあります。

犬に与えるかぼちゃ【適量】は?

犬に与えるかぼちゃ【適量】は?

iStock.com/infinityyy

愛犬にかぼちゃを与える時には、適量を守るようにしましょう。

食餌の基本は普段食べているフードですから、あくまでもトッピングやおやつ程度を与えるにとどめてください。

犬が一日に食べていいかぼちゃの量の目安は、摂取カロリー量の”20%”程度です。

かぼちゃは生の状態で100gあたり93kcalですので、健康な避妊・去勢された犬では以下の通りとなります。

犬に与えるかぼちゃ【目安】

【犬種】【体重目安】【与えていいかぼちゃの量】
小型犬4kg68g(かぼちゃ3切)
中型犬10kg135g(かぼちゃ6切)
大型犬25kg269g(かぼちゃ1/8個)

犬に与えるかぼちゃ【注意点】は?

犬に与えるかぼちゃ【注意点】は?

mits / PIXTA(ピクスタ)

かぼちゃは栄養が豊富な野菜ですが、間違った与え方は、犬にとって悪影響になりかねません。

かぼちゃを与える時の注意点について見ていきましょう。

犬に与えるかぼちゃの注意点①【カロリーが高い】

犬に与えるかぼちゃの注意点①【カロリーが高い】

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

かぼちゃは野菜の中でも、特に、「カロリー」が高い食材です。

そのため、与える時には適量を守ると同時に、一日に食べるフードなどのカロリー摂取量を考えて与えましょう。

摂取カロリーが増えすぎると、肥満になる可能性があります。

犬に与えるかぼちゃの注意点②【ビタミンの過剰摂取】

犬に与えるかぼちゃの注意点②【ビタミンの過剰摂取】

hiworkqz/ Shutterstock.com

ビタミンAは必須の栄養素ですが、過剰に摂取すると「中毒」を起こしてしまう可能性があります。

特に、犬は”ビタミンA中毒”にかかりやすいといわれており、「骨折」や「内出血」「内臓機能の低下」を招く恐れがあります。

そのため、愛犬にかぼちゃを毎日のように与えることは避けましょう。

犬に与えるかぼちゃの注意点③【強い苦み】

犬に与えるかぼちゃの注意点③【強い苦み】

どん兵衛 / PIXTA(ピクスタ)

かぼちゃはウリ科の植物です。

ウリ科植物には、稀(まれ)に観賞用と食用のかぼちゃが交雑して「ククルビタシン」を含む可能性があるという報告があります。

「ククルビタシン」は、人間では腹痛や下痢(げり)などの食中毒を引き起こす成分で、強い苦味が特徴です。

観賞用ウリ科植物には苦み成分の「ククルビタシン」が含まれており、多量に摂取すると腹痛、下痢などの食中毒を引き起こすことが知られています。
 
食用ウリ科植物には、通常、「ククルビタシン」は含まれていませんが、希に観賞用と食用のものが交雑して「ククルビタシン」を含む食用ウリ科植物ができることがあるので注意が必要です。
 
ウリ科には、きゅうり、かぼちゃ、ズッキーニ、メロンなどがあります。ウリ科植物の調理をする場合には、調理前の味見が重要です。ククルビタシンが多く含まれていれば、食べたときに苦みに気づくことが可能ですから、苦くないか確認してから調理に取りかかってください。もし、苦みを感じたら食べないよう注意してください。

出典 岡山県「強い苦みのあるウリ科植物にはご注意下さい」

愛犬に食べさせる前のかぼちゃの味見

ふじよ / PIXTA(ピクスタ)

飼い主として、愛犬にかぼちゃを食べさせる前に、事前に味見をして「かぼちゃに苦味がないか?」を確認をすることが重要です。

犬に与えるかぼちゃ【まとめ】

犬に与えるかぼちゃ【まとめ】

iStock.com/ktmoffitt

愛犬にかぼちゃを食べさせても問題ありません

ただし、かぼちゃを与える際は、過剰に与えて「消化不良」や「下痢(げり)」を起こさないように、適量を与えるようにしましょう。

かぼちゃを与えることで愛犬を健康管理

iStock.com/Sergey Sidorov

愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。

愛犬と楽しい毎日を過ごすためにも、愛犬に与える食材について、正しい知識を身に付けましょう。

みんなのコメント

trick or treatさん
ハロウィンが近づいたのもあり、我が家でもカボチャを買う機会が増えてきました。 カロリーの高さが心配でしたが、わんちゃんにあげても大丈夫なんですね! 今夜の手作りご飯にでも入れてみます!
えびすまるさん
かぼちゃは食べ過ぎると太るとは、人にも当てはまりそうですね。 おやつのレパートリーがなくなってきていたので とても参考になりました!
クマちゃんさん
定かではありませんが、カボチャの栄養は鰻に匹敵すると聞いた事が有るので、凄く柔らかく甘く皮も擦り潰せるので炊飯器で蒸し煮にして汁も与えます。毎日オヤツに食べさせて居ます。

あなたも一言どうぞ

コメントする

編集部のおすすめ記事

内容について報告する

関連する情報をもっと見る

「食べ物」の人気記事RANKING