【獣医師監修】犬がしそ(大葉)を食べても大丈夫?生のしそやアレルギーは?

ゆかりご飯やうめの漬け物などにも使われているしそ。「大葉(おおば)」とも呼ばれるしそは、日本のハーブとして昔から私たちになじみ深いものですが、犬がしそを食べても大丈夫なのでしょうか? 今回は、犬にしそを与えるメリットや栄養素、注意点、適量などについて解説します。

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先生にお聞きしました
徳本 一義 先生
ペット栄養学会理事。小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。
獣医師 MBA(経営学修士)

ヘリックス株式会社 代表取締役社長

【資格】
獣医師

【所属】
ペット栄養学会 理事
一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
日本獣医生命科学大学 非常勤講師
帝京科学大学 非常勤講師
など

大学卒業後、小動物臨床に従事。

その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。

現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。

自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
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犬が【しそ(大葉)】を食べても大丈夫!(※生でも加熱してもOK)

犬が【しそ(大葉)】を食べても大丈夫!(※生でも加熱してもOK)

犬がしそを食べても大丈夫です!

愛犬にしそを与える際には、生でも加熱しても、どちらでも大丈夫です。

しそには「赤じそ」と「青じそ」があります。

ここでは、一般的に料理に使われる青じそを「しそ」として取り上げます。

犬が【しそ(大葉)】を食べるメリット!

犬が【しそ(大葉)】を食べるメリット!

iStock.com/delusi

料理の脇役としての出番が多いしそですが、じつは人間にとっても犬にとっても健康に役立つ栄養素を多く含んでいます。

ここで、代表的な「しそ」のメリットについてご紹介します。

犬にしそを与えるメリット①【βカロテンの抗酸化作用で免疫を引き出す】

犬にしそを与えるメリット①【βカロテンの抗酸化作用で免疫を引き出す】

iStock.com/lzf

しそには、抗酸化作用を持つβカロテンが豊富に含まれています。

βカロテンは、体内に摂り込まれるとビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を強くして、本来持っている免疫を引き出してくれます。

犬にしそを与えるメリット②【亜麻仁油と同じα-リノレン酸が豊富】

犬にしそを与えるメリット②【亜麻仁油と同じα-リノレン酸が豊富】

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血流の改善や生活習慣病の予防に役立つ「健康に役立つ油」として注目されているエゴマ油や亜麻仁油(あまにあぶら)。

しそは、そうした油と同じオメガ3脂肪酸の「α-リノレン酸」を多く含んでいます。

「α-リノレン酸」は、犬の体内でDHAやEPAに変換され、皮膚の炎症を抑えたり、乾燥による皮膚の痒みを防いだりするのに役立ってくれます。

「α-リノレン酸」はしその葉にも含まれていますが、実のほうにより多く含まれているので、葉だけでなく実も摂り入れたいものです。

犬にしそを与えるメリット③【認知症予防が期待されるロスマリン酸も!】

犬にしそを与えるメリット③【認知症予防が期待されるロスマリン酸も!】

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日本では奈良時代から栽培され、当初は薬草として使われていた「しそ」。

殺菌、防腐、解毒作用があると考えられ、日本では昔から刺身にしその葉や実が添えられてきました。

【参照元】農林水産省「aff7月号 特集2 食材まるかじり「さわやか香味野菜」(4)しそ【シソ科シソ属】」

しそ ロスマリン酸 アルツハイマー 認知症予防 高齢者 犬

iStock.com/mykeyruna

そして、近年新たに注目を集めているのが、しそ科の植物に含まれる「ロスマリン酸」というポリフェノールの一種。

ロスマリン酸が、アルツハイマーの発症予防に期待されるという研究結果が発表されたのです。

すでに、国内の大学ではロスマリン酸を使った認知症発症予防の実験も始まっています。

今後、研究が進み、人間だけでなく犬の認知症の予防にも繋がることを期待したいですね。

【参照元】東京大学大学院農学生命科学研究科「ロスマリン酸摂取後の脳内ドーパミンがアルツハイマー病を予防する ポリフェノールの新たな作用機序」

犬に与える【しそ(大葉)】の主な栄養素

犬に与える「しそ(大葉)」の主な栄養素

iStock.com/lzf

しその主な栄養素は次の通りです。

しそは1枚約0.5gのため、カロリーは非常に低く、ヘルシーな野菜です。

-しそ/生100gあたり
エネルギー37kcal
水分86.7g
たんぱく質3.9g
脂質0.1g

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

犬に【しそ(大葉)】を与える際の注意ポイント!

犬に「しそ(大葉)」を与える際の注意ポイント!

iStock.com/Hakase_

犬にしそを与える時は、生のままでも大丈夫です。

ご飯に混ぜたりトッピングするなら、そうめんの薬味のように刻むと、犬が食べやすくなります。

庭先やベランダでしそを育てている場合は、しその実がなったら摘んで、愛犬のご飯にパラパラ振りかけてあげるのもよいでしょう。

犬に【しそ(大葉)】を与える際の適量は?

犬に「しそ(大葉)」を与える際の適量は?

iStock.com/Lara Hata

しそはカロリーが少ない食べ物なので、1日の食事のうち、おやつやトッピングで賄ってよい2割程度の量を算出すると、下表のようにかなり多い枚数になります。

犬のサイズ(体重目安)1日あたりの摂取可能目安量
超小型(2kg程度)102g(200枚)
小型(3~5kg程度)138g~202g(260〜400枚)
中型(6~15kg程度)232g~462g(460〜920枚 )
大型(20~30kg程度)572g~776g(1100〜1550枚 )

人間も1日に数百枚のしそを食べることはないので、愛犬にあげる時は、主食にパラパラと載せてあげる程度にしておきましょう。

犬 しそ トッピング ドッグフード

iStock.com/FatCamera

なお、ここで紹介する犬がしそを食べる時の目安量は、主食に総合栄養食のドッグフードを食べている場合のトッピングやおやつとして算出しています。

トッピングやおやつで食べる量は、1日の摂取カロリーの2割以下に抑え、その分ドッグフードの量も減らしてください。

手作りでフードを作る場合は、別途、栄養バランスや与える量の計算が必要です。

犬に与える【しそ】まとめ

犬に与える【しそ】まとめ

iStock.com/dangdumrong

認知症予防に役立つ栄養素に期待ができる「しそ」。

犬も高齢化が進むなかで、今後の研究に大いに期待したいところです。

ただし、愛犬の健康な長寿を願うあまり、しそを大量に食べさせようとするのはやめましょう。

愛犬の健康を守ることができるのは飼い主だけです。

あくまでしそは、主食のトッピングとして賢く活用してください。

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