【獣医師監修】犬が馬肉(生)を食べても大丈夫?アレルギーや下痢は?メリット、生食の注意点!

桜肉とも呼ばれる馬肉。犬が馬肉を食べても大丈夫なのか?気になる飼い主さんもいるでしょう。犬に馬の生肉を与える場合の注意点をはじめ、馬肉の特徴やメリット、生食の注意点などについて詳しく解説します。

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【獣医師監修】犬が馬肉(生)を食べても大丈夫?アレルギーや下痢は?メリット、生食の注意点!
出典 : Pedro.F / PIXTA(ピクスタ)
先生にお聞きしました
徳本 一義 先生
ペット栄養学会理事。小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。
獣医師 MBA(経営学修士)

ヘリックス株式会社 代表取締役社長

【資格】
獣医師

【所属】
ペット栄養学会 理事
一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
日本獣医生命科学大学 非常勤講師
帝京科学大学 非常勤講師
など

大学卒業後、小動物臨床に従事。

その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。

現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。

自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
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犬が【馬肉】を食べても大丈夫!

犬が「馬肉」を食べても大丈夫!

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犬が馬肉を食べても大丈夫です!

飼い主さんが馬刺しを食べる時、適量であれば愛犬用に取り分けてあげるのも問題ありません。

ただし、人間の生食用以外の馬肉は、必ず加熱して与えましょう。

子犬や老犬に【馬肉】を与えても大丈夫?

子犬や老犬に【馬肉】を与えても大丈夫?

wombatzaa / PIXTA(ピクスタ)

子犬や老犬が馬肉を食べても大丈夫です。

ただし、馬肉を主要なタンパク源として使用したドライフードは少なく、スーパーなどの小売店でも鶏肉牛肉ほど気軽に購入できるものでもありません。

そう考えると、毎日馬肉ばかりを主要なタンパク源として与えるのは現実的ではないでしょう。

トッピング程度の量の馬肉であれば、子犬や老犬でも良質なタンパク質として与えてもまったく問題ありません。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

犬に生の【馬肉】は食べさせても大丈夫?

犬に生の【馬肉】は食べさせても大丈夫?

1207Blue / PIXTA(ピクスタ)

犬に生の馬肉を与えるのであれば、人間が生で食べられる「生食用」として処理された衛生的な肉を選んでください。

人間用の食肉は、食品衛生法畜場法の管理のもと、品質面で安全なものが提供されているからです。

犬用の手作り食やローフード用の通販セットなどで、生食用の馬肉が販売されていますが、ペット用の生肉は食品衛生法やと畜場法の対象ではないため、製造過程や品質管理について正確な情報を消費者が把握するのは容易ではありません。

【参照元】食品衛生法 - e-Gov法令検索
 と畜場法 - e-Gov法令検索

微生物 細菌 大腸菌

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実際に、馬肉に限らずペット用として販売されている生食用の肉の中には、微生物や細菌に汚染されたものが見つかっています。

生食用の肉が、大腸菌や黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌などに汚染されていて、それらを愛犬が口にした場合、嘔吐や下痢などを引き起こしたり、場合によっては命にかかわる恐れもあります。

人間の馬刺し用として衛生的に処理され管理された馬肉や、ペット用だとしても人間の生食用と同等の処理をされた馬肉のみを与えるのが、愛犬の健康を守るために重要です。

【参照元】BMJ Journal「Zoonotic bacteria and parasites found in raw meat-based diets for cats and dog(生肉の微生物汚染について)」

犬に【馬肉】を与えるメリットや効果は?

馬肉のメリット・効果①【低カロリー】

馬肉のメリット・効果①【低カロリー】

iStock.com/huettenhoelscher

一般的に手に入る馬肉は、赤肉(赤身)です。

赤肉は、低脂肪でカロリーが低いという特徴があります。

肥満気味でダイエットが必要な犬や、低脂肪な食事が必要な犬には、他の高脂肪の肉をトッピングなどで与えるよりも、馬肉や鹿肉のほうが良いでしょう。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

馬肉のメリット・効果②【良質なタンパク源】

馬肉のメリット・効果②【良質なタンパク源】

bobco / PIXTA(ピクスタ)

馬肉は高タンパク質な食材です。

フードにタンパク源を加えたい場合、馬肉はトッピングなどで活用しやすい食材のひとつと言えます。

なお、馬肉のタンパク源の質は、牛や豚とほとんど同じです。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

犬に【馬肉】を与える場合の注意点!

馬肉の注意点①【生肉】

馬肉の注意点①【生肉】

iStock.com/Koichi Yoshii

衛生的な加工処理を施されていない馬肉の場合、微生物や細菌に汚染されている可能性があります。

その肉を生で愛犬が口にした場合、嘔吐や下痢などを引き起こしたり、場合によっては命にかかわる恐れもあります。

人間の馬刺し用として衛生的に処理され管理された馬肉や、ペット用だとしても人間の生食用と同等の処理をされた馬肉のみを与えるのが、愛犬の健康を守るために重要です。

【参照元】BMJ Journal「Zoonotic bacteria and parasites found in raw meat-based diets for cats and dog(生肉の微生物汚染について)

馬肉の注意点②【アレルギー】

馬肉の注意点②【アレルギー】

iStock.com/malivoja

犬の食物アレルギーは、それまでに食べたことのある食材によって引き起こされます。

例えば、羊肉を日常的に食べる習慣があるニュージーランドの研究では、ニュージーランドの犬は羊肉を与えられているために羊肉アレルギーが多かったそうです。

日本において馬肉は、毎日食べるような一般的な食材ではないので、犬が馬肉アレルギーを起こす可能性は低いと考えられます。

けれども、もし馬肉を食べて下痢などの消化器症状が出た場合、獣医師に相談をしてください。

犬に【馬肉】を与える際の適量は?

犬に【馬肉】を与える際の適量は?

iStock.com/JackF

人間用として衛生的に処理された馬肉は安価とは言えず、ポピュラーな食材ではないことを考えると、馬肉は愛犬にトッピング程度で与えるケースが多いでしょう。

犬用おやつとして、国産の馬スジ肉のジャーキーなども市販されているので、そうした加工品を与えることもあるかもしれません。

主食に加えるトッピングやおやつは、愛犬のご飯の全体量の20%以下に抑える必要があります。

その適量を参考に、愛犬に与えるようにしてください。

【参照元】『小動物の臨床栄養学 第5版』(マーク・モリース研究所発行、監訳:岩﨑利郎、辻本元)2014年インターズー

犬に与える【馬肉】のまとめ

犬に与える【馬肉】のまとめ

ララ / PIXTA(ピクスタ)

高タンパクで低脂肪の食材である馬肉は、子犬から老犬まで、犬に与えても大丈夫です。

愛犬に馬の生肉を食べさせるのであれば、細菌や微生物に汚染された肉を食べて嘔吐や下痢などを引き起こさないために、人間用の生食用として衛生的に処理・管理された馬刺しなどを与えるようにしてください。

馬肉を加熱して与える場合は、人間の生食用以外の馬肉でも問題ありません。

愛犬の健康を守ることができるのは飼い主だけです。

正しい知識を持って、ぜひ毎日の愛犬の食生活に役立ててみてくださいね。

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