【獣医師監修】老犬の夜鳴き、原因や理由は?鳴きやまない場合の対処法やサプリメントなど予防法!
老犬の介護生活では、「寝たきりの愛犬が鳴き止まない」「夜鳴きを無視できない」など、夜鳴きに頭を悩ませる飼い主さんが多くいます。原因は認知症だけではなく、痛みや不快感などいくつか考えられます。夜泣きの原因や理由を探るとともに、その対処法や予防方法について詳しく解説していきます。
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【獣医師】【ドックトレーナー】【トリマー】
ペットスペース&アニマルクリニックまりも 病院長
一般社団法人女性獣医師ネットワーク 代表理事
株式会社WVN代表取締役
【学歴・経歴】
◇1982年:東京生まれ、東京育ち
◇2001年:青山ケンネルスクールトリミング科 卒業
◇2007年:麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
◇2009年:アニマルプラザ ドッグトレーナーズカレッジ 卒業
◇2009年:ペットスペース&アニマルクリニックまりも 開業
◇2011年:女性獣医師ネットワーク設立(2016年一般社団法人化)
◇2017年:株式会社WVN 設立
【資格】
◇獣医師
◇日本ドッグトレーナー協会 ドッグトレーナー A級ライセンス
◇日本アニマルアロマセラピー協会認定 アニマルアロマセラピスト
◇青山ケンネルスクールトリミング B級ライセンス
【所属】
◆一般社団法人 女性獣医師ネットワーク代表理事
【著作物】
「最新版 愛犬の病気百科」愛犬の友編集部
「犬にも人にも優しい飼い方のメソッド 愛犬をケガや病気から守る本」愛犬の友編集部
【ペットへの想い、職業上のペットとのかかわり】
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、的確なアドバイスをしたいという思いから、トリマーとして働きながら獣医師、ドッグトレーナーになりました。
病気の予防、未病ケアに力を入れ、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護師、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。
現在の愛犬は「シーズー」。
看板犬、スタッフ育成のモデル犬として良きパートナーです。
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、ヨークシャテリアとも暮らしてました。
家族のいない犬の一時預かり、離乳前の子猫を育てるミルクボランティアなどもやってます。
目次
老犬の夜鳴き「原因・理由」①【認知症】
iStock.com/NORRIE3699
老犬が夜鳴きをする時、その原因としてまず挙げられるのは「認知症(認知機能不全症候群)」でしょう。
【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
犬の認知症は単なる老化現象ではなく、加齢に伴う一つの疾患です。
人ではアルツハイマー型、レピー小体型、血管性の他、慢性硬膜下血腫や甲状腺機能低下症によるものなどがあり、中でもよく見られるアルツハイマー型では、以下の2点が特徴的だと言われます。
人の【アルツハイマー型認知症】の特徴
ステップ1 | ステップ2 | |
---|---|---|
βアミロイド タンパク質 | 脳内に蓄積して沈着 | 老人斑を形成 (シミのようなもの) |
タウ タンパク質 | 脳内で過剰にリン酸化されて凝集 | 神経原線維変化を起こす |
EKAKI / PIXTA(ピクスタ)
犬の認知症は単なる老化現象ではなく、加齢に伴う一つの疾患です。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
犬の認知症でもβアミロイドの沈着が見られますが、人とは違う部分もあり、人のアルツハイマー型と犬の認知症は同じとは言えないながら、似ていると言われています。
以前は、人以外の動物で神経原線維変化は確認できなかったものの、2012年に東京大学の研究チームがツシマヤマネコの脳に神経原線維変化が見られたことを発表しました。
将来的には、認知症についてもっと詳しいことがわかるようになるのかもしれません。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
【参照元】東京大学大学院 農学生命科学研究科(2012.10.4)「動物にもアルツハイマー病はあるのか -ツシマヤマネコの脳にアルツハイマー病に特徴的な神経原線維変化が観察された-」
iStock.com/PotaeThanachai
ところで、人の認知症の場合、中心をなす症状(中核症状)に対して、それに付随する行動的・心理的な症状はBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)と呼ばれます。
犬ではそれぞれの頭文字をとってDISHAALと呼ばれるカテゴリーに分けられますが、比べてみるとよく似ています。
認知症の症状とカテゴリー【人】
中核症状 | BPSD(行動・心理症状) |
---|---|
【見当識障害 】 ・方向や道がわからない・時間の感覚がわからない ・家族が誰だかわからない 【記憶障害】 ・さきほど聞いたばかりのことも思い出せない 【理解・判断力の障害】 ・思考スピードが遅くなる・少しの変化で混乱が生じる 【感情表現の変化】・その場の状況が読めず、見当違いの反応をしたり、感情を見せたりする 【実行機能障害】・ご飯を作っている途中で洗濯物をしまうといった簡単な作業も順序立てができず、こなせなくなる | ・不安や焦燥 ・徘徊 ・鬱(うつ)状態 ・幻覚や妄想 ・暴言や暴力、 ・大きい声を出す ・不潔行為 ・せん妄(独り言、昼夜逆転、話のつじつまが合わない、物忘れ)など |
しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)
認知症の症状とカテゴリー【犬】
DISHAAL |
---|
【 Disorientation(見当識障害)】 ・方向や、ドアのどちらが開くかがわからない・家具の隙間にはまって出られない ・床や壁をじっと見ている・視覚や聴覚の刺激に対する反応が低下または増加、など 【Interaction(社会的相互反応の変化)】・飼い主家族や同居動物に対する反応が鈍くなる、または攻撃的になる・飼い主に対して過度に依存する・常に接触したがる、など 【Sleep–Wake Cycles(睡眠覚醒の変化)】・昼夜逆転 ・夜鳴き、など 【Housetraining(家庭でのしつけの混乱)】・トイレの粗相をするようになった ・寝場所や家の中を汚す、など 【Activity level(活動性の変化)】 <Activity:活動性の増加・繰り返し>・徘徊 ・食欲の増加・同じことを繰り返す、など <Activity:活動性の低下・無関心>・食べ物に関心がなくなる遊びや活動の減少、など 【Anxiety(不安や恐怖の増加)】・飼い主がいないと落ち着かない ・新しい場所や物、人を怖がる、など 【Learning/memory(学習能力や記憶の低下)】 ・覚えていたコマンドに対する反応が鈍い・新しいことが覚えられない、など |
【参照元】葛飾区医師会 認知症対策委員会「認知症家族・介護者」のための認知症・BPSD介護マニュアル -認知症介護で困ったら-
Gary M. Landsberg, DVM et al. 2012.04.003 「Cognitive Dysfunction Syndrome A Disease of Canine and Feline Brain Aging」
sae / PIXTA(ピクスタ)
犬の夜鳴きは人の「独り言」に近い部分があるかどうかは定かではありませんが、認知症からくる夜鳴きは確かにあります。
参考までに、犬の認知症の有病率やリスク要因についてもいろいろ研究されているので、いくつかの例を下に挙げておきましょう。
その結果には若干のばらつきや相反するものがあるようです。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
犬の【認知症】の有病率・リスク要因例
研究 | 有病率・リスク要因 |
---|---|
研究A | ・22.5% ・オス犬よりメス犬の方が、去勢した犬の方が高い有病率を示す・もっとも変化するのは社会的相互作用と家庭のしつけ |
研究B | ・10~12歳5%、12~14歳23.3%、14歳以上41%、全体平均14.2% ・そのうち動物病院で認知症と診断を受けたのは1.9%・犬種やサイズでは差が見られない |
研究C | ・11~12歳の犬では28%が少なくとも1つの機能障害があり、そのうち10%は2つの機能障害があった ・15~16歳の犬では68%が少なくとも1つの機能障害があり、そのうち35%は2つの機能障害があった |
研究D | ・8~13歳の犬において、小型犬では3倍、中型犬・大型犬では4倍リスクが高まる ・性別や体重、避妊去勢の有無、犬が生活している場所では大きな差がない・食事管理された犬は、そうでない犬と比べてリスクが2.8倍低い |
研究E | ・11~14歳のうち、最初の調査では何も機能障害がなかった犬の22%が、 半年後には何らかの機能障害を見せるようになっていた ・1つの機能障害があった犬の48%が、半年後には2つ機能障害を見せるようになっていた・何も機能障害のない犬と比較して、1つの機能障害がある犬はさらなる障害を起こす傾向にある |
【参照元】入交 眞巳 第35回動物臨床医学会 2014「犬の認知機能不全症、どのように対処していますか?」
荒田明香 東京大学附属動物医療センター(動物臨床医学2698-100, 2017)「犬における問題行動」
厚生労働省「認知症を理解する」
老犬の夜鳴き「原因・理由」②【不安】
iStock.com/Page Light Studios
老犬になると、以前と寝場所が変わる、家族のそばにいたがる、留守中に吠える、などの様子が見られることがあります。
もしかしたら、それは不安から生じる行動なのかもしれません。
不安の理由として、「視力や聴力の低下」「体が思うように動かない」などもあるでしょう。
認知症によってその不安が増すこともあります。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
老犬の夜鳴き「原因・理由」③【痛み・苦しみ】
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何らかの病気によって痛みや苦しみがあることで夜鳴きにつながることも考えられます。
状況によっては、耐えきれないのか、血が出るほど自分の体の一部を噛み続けて鳴くケースもあります。
老犬の夜鳴き「原因・理由」④【排泄】
iStock.com/よっし
犬の本来の習性としては寝場所を汚さないものです。
尿意や便意をもよおし、トイレに行きたいと訴えている場合もあるでしょう。
また、尿意や便意をもよおしてもうまく出せない、オムツの中が尿や便で汚れて気持ち悪いなど訴えていることも考えられます。
【獣医師監修】愛犬がトイレ(排泄)を覚えない?【犬種別】しつけ、トレーニングのポイントやコツ!
愛犬がトイレ(排泄)を覚えずに困っている飼い主さんも多くいると思います。柴犬、トイ・プードル、チワワ、ゴールデン・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグなど、犬種によりトイレトレーニングの方法も異なるのでしょうか?ここでは、愛犬のトイレ(排泄)のしつけ方法やトレーニングのポイント、失敗しないコツについて解説します。
老犬の夜鳴き「原因・理由」⑤【不快感】
iStock.com/undefined undefined
横向きでないと寝られない人がいるように、犬にもそれぞれ落ち着く寝方、姿勢があります。
うまく動けなくなり、頑固にもなりがちな老犬では、体に支障があるがゆえに楽になれる姿勢というのはあるでしょう。
この向きじゃないと嫌だ、毛布がよじれて体にあたって気持ち悪い、クッションの角度が合わない、暑い、寒いなど何らかの不快感を訴えている可能性もあります。
老犬の夜鳴き「原因・理由」⑥【動きたい】
iStock.com/serezniy
時には、起きたい、立ちたい、動きたいと訴えることも。
認知症があって活動性に変化が出ている場合は顕著でしょう
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
老犬の夜鳴き「原因・理由」⑦【空腹・喉の渇き】
iStock.com/ChristopherBernard
お腹がすいた、水が飲みたいと訴えていることも考えられます。
状況によっては、何か少し食べさせることで落ち着くこともあります。
老犬の夜鳴き【注意点】は?
iStock.com/marie martin
老犬の夜鳴きで注意したいのは、以下のような点です。
老犬の夜鳴き「注意点」は?
老犬の夜鳴き「注意点」 | 「飼い主が注意すること」 |
---|---|
老犬の夜鳴き「注意点」① | 【原因の追求】 |
老犬の夜鳴き「注意点」② | 【叱らない】 |
老犬の夜鳴き「注意点」③ | 【苦痛】 |
老犬の夜鳴き「注意点」④ | 【夜間対応の動物病院】 |
老犬の夜鳴き「注意点」⑤ | 【近隣への気配り】 |
老犬の夜鳴き「注意点」①【原因の追究】
よっし / PIXTA(ピクスタ)
実際は、何が原因で鳴いているのかわからないことも多々ありますが、極力原因を探すようにし、それに対応できるよう努力しましょう。
老犬の夜鳴き「注意点」②【叱らない】
YAMATO / PIXTA(ピクスタ)
老犬はわけがわからなくなって吠えているのかもしれず、自分で体をうまく動かせないのは辛いものです。
夜鳴きがあっても叱らないようにしましょう。
老犬の夜鳴き「注意点」③【苦痛】
iStock.com/prospective56
苦痛があって夜鳴きになることもあります。
気になる時には早めに動物病院へ行きましょう。
夜鳴きの注意点④【夜間対応の動物病院チェック】
Stock28Studio / PIXTA(ピクスタ)
夜鳴きがひどく、夜間に動物病院へ駆け込むケースも見られるので、日頃から近所の夜間対応の動物病院もチェックしておくとよいでしょう。
夜鳴きの注意点⑤【近隣への気配り】
mits / PIXTA(ピクスタ)
夜鳴きがひどい場合、近隣への気配りも必要になってきます。
クレームにつながらないよう、防音対策や、近隣の人とのコミュニケーションも大事になります。
老犬の夜鳴き【対策】は?(サプリメント・睡眠薬など)
iStock.com/Kerkez
困ってしまう老犬の夜鳴き。
その対処法としては、以下のようなものがあります。
老犬の夜鳴き【対策】は?
老犬の夜鳴き「対策」 | 【対策方法】 |
---|---|
老犬の夜鳴き「対策」① | 適度な運動 |
老犬の夜鳴き「対策」② | 脳の活性化 |
老犬の夜鳴き「対策」③ | 睡眠の時間帯 |
老犬の夜鳴き「対策」④ | 体や脳への刺激 |
老犬の夜鳴き「対策」⑤ | 日光浴 |
老犬の夜鳴き「対策」⑥ | サプリメント |
老犬の夜鳴き「対策」⑦ | 内服薬(鎮静剤・睡眠薬など) |
老犬の夜鳴き「対策」⑧ | 防音効果のあるマットや犬舎 |
老犬の夜鳴き「対策」①【適度な運動】
YAMATO / PIXTA(ピクスタ)
散歩や運動を適度に行いましょう。
疲れることで眠ってくれることがあります。
可能であれば、寝かせたい時間の少し前に行うほうが効果をより期待できるでしょう。
【獣医師監修】老犬の散歩はいつまで必要?歩かない場合は?時間や距離、頻度(回数)の目安は?
老犬(高齢犬)だから散歩や運動は必要ないというわけではありません。関節炎や認知症などが心配な老犬だからこそ、無理のない範囲で散歩や運動をすることは予防やリハビリにもなります。「老犬の散歩の頻度は?」「距離は?」と気にするより、飼い主さんの「散歩に行ってあげたい」と思う気持ちが何より大事です。
老犬の夜鳴き「対策」②【脳の活性化】
愛犬とのふれあいやマッサージで脳を活性化させましょう。
【獣医師監修】犬のマッサージで痛み・コリを解消し免疫力アップ!お腹・首・足、部位ごとのやり方は?
愛犬とのスキンシップタイムには、マッサージやストレッチをしながら愛犬の健康を促進してあげるのがおすすめです。犬のマッサージ(ドッグマッサージ)のやり方と秘訣を学びましょう。飼い主さんも愛犬も、極上のリラックスタイムを!
老犬の夜鳴き「対策」③【睡眠の時間帯】
iStock.com/Photo's by Dre
昼間は声掛けや遊ぶことでなるべく眠らせないようにし、夜に眠るように仕向けましょう。
老犬の夜鳴き「対策」④【体や脳への刺激】
寝た切りの犬は1日に数回、体を起こすようにして体や脳に刺激を与えます。
障害をもつ、寝たきりの人を対象にしたものではありますが、そうすることによって血圧や心拍に影響し、表情も変化するという報告があります。
【獣医師監修】老犬が寝たきりになったらどうする?原因や理由、対処、注意点やポイント、予防法!
犬の寿命も延び、寝たきりとなって介護が必要になるケースも珍しくありません。愛犬の健康寿命を延ばし、元気に天寿を全うする“ピンピンコロリ”が理想ですが、なかなか難しいのも現実です。ここでは、犬が寝たきりになった場合の原因や理由、対処法、注意点などについて詳しく解説します。
老犬の夜鳴き「対策」⑤【日光浴】
HIME&HINA / PIXTA(ピクスタ)
犬の認知症の場合、体内時計をリセットするという意味で日光浴もおすすめです。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
睡眠ホルモンであるメラトニンは夕方~夜に分泌量が増えますが、メラトニンが働くにはセロトニンが必要です。
そのセロトニンは日光を浴びることで分泌が増すのです。
メラトニン
脳の松果体から分泌されるホルモンで、季節のリズムや睡眠覚醒などの概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する働きがあり、強い光では分泌量が低下します。人の認知症では、メラトニンを用いた治療はリン酸化タウ蓄積の減少や、学習・記憶障害の予防、不安傾向の改善にも作用するとの研究報告もあります。
セロトニン
神経伝達物質の一つで、ドーパミン(喜び・快楽など)やノルアドレナリン(恐怖・驚きなど)の情報を制御して安心感や平常心といった精神の安定に作用します。その分子構造は精神安定剤と似ており、セロトニンの不足は不眠やイライラ、鬱症状、慢性的ストレスなどの症状を招くことがあります。
老犬の夜鳴き「対策」⑥【サプリメント】
iStock.com/kate_sept2004
神経細胞の活性化や脳の血流改善など、認知症の予防・抑制に効果が期待されるサプリメント(DHAやEPA、イチョウ、メラトニンなど)を併用してみましょう。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
メラトニンは寝かせる30分前に飲ませるのが理想的だと言われています。
老犬の夜鳴き「対策」⑦【内服薬】(鎮静剤・睡眠薬)
iStock.com/Ca-ssis
状況によっては抗不安薬(精神安定剤)、鎮静剤、睡眠薬などが動物病院で処方されることもあります。
ただし、薬の中には興奮を抑える効果があるのと同時に、興奮させる副作用も併せ持つ薬もあるので注意をしましょう。
飲ませる時には効果が持続する時間を逆算し、タイミングを計る必要はあります。
【獣医師監修】愛犬が薬を警戒して飲まない、イライラ。薬の上手な飲ませ方、ポイントやコツは?
愛犬が「薬を飲まない、飲んでくれない」と苦労している飼い主の方も多いと思います。愛犬にとって薬を飲むことは、感染症予防や治療にとても大切です。ただ、愛犬に薬を飲ませるのはなかなか大変ですよね。今回は、飼い主も愛犬もストレスにならない、上手な薬の飲ませ方やポイント、コツについて解説します。
また、薬を使い続けることで徐々に効き目がなくなり、薬の量が増えることもある他、逆に認知症が進行してしまうこともあり得るので、慎重に使いましょう。
【獣医師監修】愛犬が薬を警戒して飲まない、イライラ。薬の上手な飲ませ方、ポイントやコツは?
愛犬が「薬を飲まない、飲んでくれない」と苦労している飼い主の方も多いと思います。愛犬にとって薬を飲むことは、感染症予防や治療にとても大切です。ただ、愛犬に薬を飲ませるのはなかなか大変ですよね。今回は、飼い主も愛犬もストレスにならない、上手な薬の飲ませ方やポイント、コツについて解説します。
認知症の治療に処方される薬の例としては、セレギリンやジアゼパム(ベンゾジアゼピン系抗不安薬)、抗うつ剤、漢方薬の抑肝散などがあります。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
薬に加え、次のような方法もあります。
iStock.com/kali9
鍼治療
不安を軽減させる効果があるとされる犬用ベスト
老犬の夜鳴き「対策」⑧【防音効果のあるマットやカーテンなど】
Graphs / PIXTA(ピクスタ)
近所への迷惑が気になる場合には、防音効果のあるマットやカーテン、建材などを試してみましょう。
防音効果のある犬舎やケージカバーも製作されているので、使用を考えるならば、換気については必ずチェックをしてください。
また、小型犬であれば、段ボールの底とサイドの一面だけ切り抜き、上からすっぽり犬に被せてしまうことで、多少ながら吠え声を軽減する方法もあります。
【参照元】厚生労働省 e-ヘルスネット「メラトニン」
厚生労働省 e-ヘルスネット「セロトニン」
医療法人社団 平成医会「セロトニンの増加が心身に及ぼす効果」
Spinedi E.,Cardinali D.P 「Neuroendocrine-Metabolic Dysfunction and Sleep Disturbances in Neurodegenerative Disorders: Focus on Alzheimer’s Disease and Melatonin」
三田克己 傷害保健福祉研究情報システム「寝たきり状態がもたらす弊害」
老犬の夜鳴き【予防方法】は?(サプリメント・健康診断など)
iStock.com/3bugsmom
老犬の夜鳴き【予防方法】は?
老犬の夜鳴き「予防方法」 | 【予防方法】 |
---|---|
老犬の夜鳴き「予防方法」① | 適度な運動 |
老犬の夜鳴き「予防方法」② | 脳の活性化 |
老犬の夜鳴き「予防方法」③ | サプリメント |
老犬の夜鳴き「予防方法」④ | 抗酸化作用のある食品 |
老犬の夜鳴き「予防方法」⑤ | 過度なストレス |
老犬の夜鳴き「予防方法」⑥ | コミュニケーション・マッサージ |
老犬の夜鳴き「予防方法」⑦ | 健康診断 |
老犬の夜鳴き「予防方法」①【適度な運動】
shirosuna_m / PIXTA(ピクスタ)
散歩や運動を適度に行いましょう。
人でも軽い運動は認知能力を向上させると言われています。
【獣医師監修】老犬の散歩はいつまで必要?歩かない場合は?時間や距離、頻度(回数)の目安は?
老犬(高齢犬)だから散歩や運動は必要ないというわけではありません。関節炎や認知症などが心配な老犬だからこそ、無理のない範囲で散歩や運動をすることは予防やリハビリにもなります。「老犬の散歩の頻度は?」「距離は?」と気にするより、飼い主さんの「散歩に行ってあげたい」と思う気持ちが何より大事です。
老犬の夜鳴き「予防方法」②【脳の活性化】
嗅覚を利用した探し物ゲームのようなものを取り入れ、脳を活性化させましょう。
老犬の夜鳴き「予防方法」③【サプリメント】
iStock.com/pedphoto36pm
認知症予防によいとされるDHAやEPAなどのサプリメントをシニアになる前から与えましょう。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
老犬の夜鳴き「予防方法」④【抗酸化作用のある食品】
抗酸化作用のある食品、またはそれが含まれるドッグフードを与えましょう。
抗酸化作用のある食品は認知症のリスクを下げることが報告されています。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
老犬の夜鳴き「予防方法」⑤【過度なストレス】
Byrdyak / PIXTA(ピクスタ)
愛犬に過度なストレスをかけないようにしましょう。
【獣医師監修】犬のストレス、病気や死亡の原因になる?ストレス行動やサイン、発散・解消法!
ストレスは万病のもとと言われます。それは、人間だけでなく犬にも当てはまること。愛犬のストレスを遠ざけて、健康に暮らしてもらえるよう、飼い主としてできることを心得ておきたいものです。
老犬の夜鳴き「予防方法」⑥【コミュニケーション・マッサージ】
愛犬とのコミュニケーションやマッサージを心がけましょう。
【獣医師監修】犬のマッサージで痛み・コリを解消し免疫力アップ!お腹・首・足、部位ごとのやり方は?
愛犬とのスキンシップタイムには、マッサージやストレッチをしながら愛犬の健康を促進してあげるのがおすすめです。犬のマッサージ(ドッグマッサージ)のやり方と秘訣を学びましょう。飼い主さんも愛犬も、極上のリラックスタイムを!
脳の活性化の他、愛情ホルモンであるオキシトシンの分泌を促し、ストレス反応の軽減や痛みの緩和にも効果が期待できます。
【獣医師監修】犬のストレス、病気や死亡の原因になる?ストレス行動やサイン、発散・解消法!
ストレスは万病のもとと言われます。それは、人間だけでなく犬にも当てはまること。愛犬のストレスを遠ざけて、健康に暮らしてもらえるよう、飼い主としてできることを心得ておきたいものです。
また、「後海(こうかい)」というツボ(肛門と尻尾の付け根との間)には老化予防の効果があると言われるので、時々刺激してみるのもよいでしょう。
老犬の夜鳴き「予防方法」⑦【健康診断】
iStock.com/VioletaStoimenova
認知症は病気が関連することもある他、早めに対処することで進行を遅らせることは可能なので、定期的な健康チェックや健康診断を怠らず(老犬は半年に1回)、早期発見に努めましょう。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
【獣医師監修】犬の「健康診断」は何歳から必要?愛犬の健康寿命を延ばすために、年1回の健康診断を!
昨今の動物病院は、病気を予防するための場所にもなってきています。愛犬が病気になってから駆け込むのではなく、日頃から飼い主とかかりつけ医が信頼関係を築くことの大切さ、そして愛犬の健康寿命を延ばすための予防医療の大切さを、地域密着型病院の院長である成城こばやし動物病院の小林元郎獣医師に教えていただきました。
老犬の夜鳴き【まとめ】
iStock.com/Alena Kravchenko
老犬の夜鳴きが続くと自分もなかなか眠れずに、時にはイライラが募ることもあるでしょう。
反面、老犬介護生活を送る飼い主さんたちを取材してきた中で、「また軽やかに鳴いている」とおおらかに受け止めている飼い主さんも意外なほどいらっしゃいました。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
夜鳴きの問題では、飼い主さんの気持ちのもち方もポイントなのかもしれません。
とは言っても、悩むことも多々。
中には夜鳴きが改善できるケースもあるので、そのためには食事や環境、接し方、薬剤など複合的に考える必要があるでしょう。
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