【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
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【獣医師】【ドックトレーナー】【トリマー】
ペットスペース&アニマルクリニックまりも 病院長
一般社団法人女性獣医師ネットワーク 代表理事
株式会社WVN代表取締役
【学歴・経歴】
◇1982年:東京生まれ、東京育ち
◇2001年:青山ケンネルスクールトリミング科 卒業
◇2007年:麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
◇2009年:アニマルプラザ ドッグトレーナーズカレッジ 卒業
◇2009年:ペットスペース&アニマルクリニックまりも 開業
◇2011年:女性獣医師ネットワーク設立(2016年一般社団法人化)
◇2017年:株式会社WVN 設立
【資格】
◇獣医師
◇日本ドッグトレーナー協会 ドッグトレーナー A級ライセンス
◇日本アニマルアロマセラピー協会認定 アニマルアロマセラピスト
◇青山ケンネルスクールトリミング B級ライセンス
【所属】
◆一般社団法人 女性獣医師ネットワーク代表理事
【著作物】
「最新版 愛犬の病気百科」愛犬の友編集部
「犬にも人にも優しい飼い方のメソッド 愛犬をケガや病気から守る本」愛犬の友編集部
【ペットへの想い、職業上のペットとのかかわり】
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、的確なアドバイスをしたいという思いから、トリマーとして働きながら獣医師、ドッグトレーナーになりました。
病気の予防、未病ケアに力を入れ、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護師、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。
現在の愛犬は「シーズー」。
看板犬、スタッフ育成のモデル犬として良きパートナーです。
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、ヨークシャテリアとも暮らしてました。
家族のいない犬の一時預かり、離乳前の子猫を育てるミルクボランティアなどもやってます。
目次
- 老犬のお困り事(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」①【老犬ホーム】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」②【介護】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」③【老衰】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」④【ご飯食べない】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑤【下痢】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑥【痙攣】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑦【食事】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑧【おむつ】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑨【散歩】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑩【便秘】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑪【吐く】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑫【吠える】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑬【ベッド(介護)】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑭【寝たきり】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑮【てんかん】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑯【シャンプー】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑰【認知症】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑱【夜鳴き】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑲【最期の症状】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」⑳【振戦(震え)】
- 老犬のお困り事解消「お役立ち」【まとめ】
老犬のお困り事(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」
HIME&HINA / PIXTA(ピクスタ)
厚生労働省の調査によると、現在、日本人男性の平均寿命は81.25歳、女性は87.32歳であり、「人生100年時代」と言われるようになっています。
一方、「一般社団法人 ペットフード協会」の飼育調査によると、日本の犬の平均寿命は、14.29歳。
【獣医師監修】犬の平均寿命は?最高齢やギネス記録は?寿命を縮める要因や長生きの秘訣、ポイント!
トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、チワワなど、犬の平均寿命や年齢、ギネス記録はどれくらいなのでしょうか?また、小型犬と大型犬では寿命は異なるのでしょうか?今回は、犬の平均寿命だけでなく、寿命が短くなる理由や長生きの秘訣、ポイントなどについて解説します。
2016年~2018年の3年間で7歳以上のシニア層にあたる犬の数はわずかに減少しているものの、55.7%にあたる犬がシニア層となっています。
【参照元】
厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」主な年齢の平均余命
一般社団法人 ペットフード協会「平成30年 全国犬猫飼育実態調査」
maroke / PIXTA(ピクスタ)
人・犬ともに高齢化・長寿化する中で、飼い主も犬も高齢であるケースが増えるとともに、ペット版の老老介護が目立つようになってきました。
ここでは、老犬の「介護」や下痢・嘔吐などの「病気」、「夜鳴き問題」など、老犬に関するさまざまなお困りごとを解消するためのお役立ち記事をご紹介します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」①【老犬ホーム】
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近年、「老犬ホーム」や「老犬介護ホーム」と呼ばれる高齢犬のケアに特化した施設が増えています。
人・犬ともに高齢化・長寿化の時代に登場した新しいサービスです。
【老犬ホーム】生まれた背景
iStock.com/sanjagrujic
人も犬も高齢化・長寿化
人と犬の高齢化・長寿化の裏側にある問題
核家族化により、犬の世話をする人が限られる
老犬介護生活の長期化
【老犬ホーム】メリット
プラナ / PIXTA(ピクスタ)
メリット①【ストレス解消】
老犬介護生活は、長引けば長引くほどいろいろな面でストレスになることもあり、一時的にでも愛犬を預けることで自分の時間をつくることができ、気持ちに少し余裕を取り戻せることがある。
メリット②【一時預かり】
冠婚葬祭や旅行、自分が病気になった時など犬を預けることができる。
また、仕事に出ている間、寝たきりや看病が必要な老犬を置いて行くのが心配だという場合、その間だけ預かってもらうことも可能。
メリット③【代理介護・看病】
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飼い主が高齢で老犬の世話をするだけの体力がない場合、自分に代わって介護・看病など世話をしてもらえる。
メリット④【専門スタッフ】
老犬の扱いに慣れている専門のスタッフが多い。
老犬と暮らす飼い主にとって「老犬ホーム」は助かるサービスですが、トラブルがまったくないわけでもありません。
このサービスが登場してからまだ歴史は浅く、優良なホームかどうか判断するのは飼い主の目にかかっています。
「老犬ホーム」の利用を考えるのであれば、サービス内容も料金も様々である分、どうぞ情報収集は怠りませんように。
【獣医師監修】老犬ホームとはどんなサービス?メリットやタイプ、料金、選び方のポイントは?
近年、「老犬ホーム」や「老犬介護ホーム」と呼ばれる高齢犬のケアに特化した施設が増えています。人・犬ともに高齢化・長寿化の時代に登場した新しいサービスですが、そのサービス内容や料金・費用、選び方などについて解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」②【介護】
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老犬の介護生活には悩みがつきものです。
それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。
そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。
そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントとは?
老犬介護の悩み【ポイント・コツ!】
Kazpon / PIXTA(ピクス
老犬を介護する際のポイントやコツですが、特に、初めての老犬介護であると一生懸命になり過ぎて、自分を追い込んでしまうことがあります。
その結果、介護生活が辛い、寝不足で疲れた、さらにはノイローゼ状態になってしまう、というようなこともあるでしょう。
世話をするのが自分一人である場合には、孤独も感じるものです。
しかし、それは何ら不思議なことではありません。
それだけ愛犬を大切にしていることの裏返しなのですから。
とは言っても、それでは辛いばかり。
iStock.com/TAGSTOCK1
老犬介護には、愛犬と自分とがともに少しでも楽になれるよう、いい意味での手抜きも必要です。
そうでないと、続けていくのが難しくなってしまうでしょう。
そのために、一時的にペットシッターや老犬ホームなどに愛犬の世話をお願いするのも一つの選択肢です。
老犬は体調も変化しやすく、気がつくとベッドと接している体の面が異常に熱くなっていることもあるので、時々は体の下側もチェックしてあげるといいでしょう。
ベッドは安眠の場ではありますが、寝たきりになったとしても、犬には「起きたい」「立ちたい」という気持ちがあるはずです。
床ずれ予防や筋力維持のみならず、心の健康面からも、愛犬の本来あるべき姿に近い姿勢を無理のない範囲でとらせてあげたいものです。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
老犬のお困り事解消「お役立ち」③【老衰】
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犬の【老衰】始まる年齢は?
老いの進み方は個体それぞれであり、「犬は何歳頃から老衰になるのか?」という問いに答えを出すのは難しいものがあります。
一概には言えませんが、
小型犬:13~14歳
中型犬:11~12歳
大型犬:10歳以上
の計算となり、イメージとは少し違うかもしれません。
犬の【老衰】予防・回復方法は?
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細胞のダメージを防ぐ
運動・コミュニケーション・楽しみ
ストレス
健康診断
ブルーライト
ブルーライトを長時間浴びると脳の神経細胞や網膜にダメージを与え、老化が加速する可能性があるとの研究報告もあるので、気になるようであれば、犬を抱いたままパソコンやスマホを長時間見るのは避けましょう。
【獣医師監修】犬の老衰の年齢、兆候や症状(状態)は?かかりやすい病気、注意点、予防方法は?
老衰とは、高齢になるにつれ、全身の機能が衰退していく過程のこと。愛犬も身体機能や感覚機能、栄養吸収機能、認知能力などが低下し始めると老衰の入り口に立っていると言えるのかもしれません。しかし、早めに対処することで、ある程度の健常性を取り戻せる可能性もあると考えられています。今回は、犬の老衰について詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」④【ご飯食べない】
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老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。
犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。
ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。
対処法・ポイントやコツ①【ご飯の内容を変える】
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匂い・トッピング・アレンジ
ローテーション
手作り食・柔らかい食材(ペースト状)
対処法・ポイントやコツ②【食べさせ方(環境)】
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ストレス・気分転換・適度な運動
食器や滑り止め・量と回数
与え方・流動食・食べる様子
成犬では元気があり、他に異常がなければ、24時間程度ご飯をたべなくてもそれほど心配はないものの、3日続く食欲不振は要注意と言われます。
しかし、老犬の場合は、時に余命にかかわることもあるので、もっと早めに対処したほうがいいでしょう。
食欲不振の他、「元気がない」「下痢・嘔吐がある」「水も飲まない」「何日も続く」「体重が減っている」などの様子がある時には、早めに動物病院で診てもらってください。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑤【下痢】
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老犬での下痢は珍しくありませんが、体力や免疫力が低下しているだけに心配にもなります。
ストレスや冷えから下痢になることもあれば、重大な病気が隠れていることもあります。
老犬の下痢【原因・理由】
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消化吸収不良(浸透圧性の下痢)
ストレス(過敏性腸症候群)
冷えや寒さ
病気の影響
その他の原因
iStock.com/Chalabala
老犬の下痢は子犬同様、危険な状態になりやすいので注意が必要です。
下痢になった時は早めに動物病院で獣医師に診てもらいましょう。
【獣医師監修】老犬の下痢が止まらない(繰り返す)原因や理由は?食事や対処法・予防対策!
老犬での下痢は珍しくありませんが、体力や免疫力が低下しているだけに心配にもなりますよね。ストレスや冷えから下痢になることもあれば、重大な病気が隠れていることもあります。下痢になりやすい傾向にある犬や、動物病院を受診する目安も含めて、老犬の下痢について詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑥【痙攣】
老犬の痙攣【原因】
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老犬の痙攣(けいれん)の原因には、
痙攣の原因①【大脳の神経細胞における電気的活動の一時的な異常】
痙攣の原因②【神経の圧迫・刺激】
痙攣の原因③【筋肉の疲労】
痙攣の原因④【うっ血】
などが考えられます。
全身または体の一部(顔面やまぶた、脚など)の筋肉が意思に反して急速な収縮を繰り返す「痙攣(けいれん)」。
老犬の痙攣は脳腫瘍が原因であることも多いため、定期的に健康診断を受け、愛犬の健康状態をよく調べましょう。
【獣医師監修】老犬の痙攣(けいれん)発作の原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬で時折見られる痙攣(けいれん)。一般的には「痙攣(けいれん)発作」と言われることもありますが、実は、定義も解釈も難しい部分があるのが痙攣です。今回はわかりやすく、痙攣の原因や理由、対処法、治療法、治療費、予防対策などについて詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑦【食事】
老犬の食事【基本】
Graphs / PIXTA(ピクスタ)
老犬の食事ですが、十分な量を食べられる老犬(主に前期~中期)では、基本的に良質なタンパク質が摂れて、低カロリーなものを与えるようにしましょう。
ただし、低カロリーを意識し過ぎて単純に量を減らすと、十分な栄養が摂れずに痩せてくることがあるので注意。
老犬の食事【積極的に摂り入れたい栄養素】
iStock.com/gyro
・栄養素①【動物性タンパク質】
「筋肉の維持に」
・栄養素②【オメガ3脂肪酸】
「認知症予防」「細胞膜や皮膚・被毛の健康」
・栄養素③【コンドロイチン・グルコサミン】
「関節に」
・栄養素④【プロバイオティクス・プレバイオティクス】
「お腹の調子を整える」
犬も加齢にともない食べ物の好みが変わることがあります。
もしかしたら、それは何かの栄養素が足りていないサインなのかもしれません。
「食は体をつくる」と言いますが、体は正直です。
愛犬のちょっとした変化に気づけるのは飼い主さんだからこそ。
高齢期はいろいろ変化しやすい時期でもあるので、少しの変化も見逃さず、愛犬に最適な食事を選んでください。
【獣医師監修】老犬におすすめの食事は?適量や回数、注意点は?食べさせ方と手作りレシピ!
老犬の食事は悩みがつきものです。筋肉維持には良質のタンパク質、認知症予防には抗酸化食品やオメガ3脂肪酸、関節のためにはグルコサミンやコンドロイチンなど積極的に与えたいですが、食事の回数を調整し、食べさせ方にも工夫が必要になります。今回は、老犬の食事に関して詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑧【おむつ】
老犬のおむつの問題と対処法①【漏れる】
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「サイズは合っている?」「吸収力は?」
「脚周りのサイズは?」「しっぽの穴は?」
「パッドで補強」「マナーベルトとのW使用」
老犬のおむつの問題と対処法②【ずれる・脱げる】
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「おむつカバーでガード」「サスペンダーを自作!」
「メス犬にも使えるマナーシートで固定」「テープで補強」
「人間用おむつ」
老犬のおむつの問題と対処法③【かぶれる・蒸れる】
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「使用する時間をできるだけ短く」「お尻と股周りの毛はカット」
「脚周りがきつくないかチェック」「股の付け根や腹部を清潔に」
「なるべくずれないように」「排泄後には交換」
老犬のおむつの問題と対処法④【嫌がる】
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「慣らす」「必要な時だけ」
「材質や作りをチェック」
「ずれるのが嫌ならカバー作戦」
「老犬のおむつ」といっても、尿取れパッドとオムツカバーでおむつ代わりにする、ベストタイプのハーネスを前後逆さにしてオムツカバーにするといったケースもありますし、カバーの素材も柔らかい方がいい犬、硬い方がいい犬など様々です。
また、寝たきりの犬ではおむつではなく、トイレシートや尿取りシートを敷いたほうが楽なことは多々ありますが、いずれにしても排泄の問題は試行錯誤が必要になるでしょう。
愛犬にとってのベストのおむつが見つかるように工夫も大切です。
【獣医師監修】老犬のおむつはいつから必要?漏れやかぶれ、交換のコツは?人間用の代用はOK?
老犬ではおむつが必要になることもあります。排泄は毎日の問題なだけにおむつで頭を悩ますこともあるでしょう。多いのが漏れやずれ、かぶれなどの悩み。ほんのちょっとした工夫で改善できることもあります。今回は老犬のおむつについて必要な時期や漏れなどの悩み、コツを解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑨【散歩】
【老犬の散歩】いつまで必要?
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「愛犬の散歩はいつまでする必要があるのか?」
その答えは、「体力・状況的に無理だと思うまで、飼い主さんが行ってあげたいと思う限り」ではないでしょうか。
散歩は、なにも「長い距離を歩くこと・走ること」とは限りません。
介助をしながら庭を少し歩く、カートに乗せて外に出る、それだけでも心身に刺激を与えてくれ、立派な散歩です。
たとえば、認知症で昼夜逆転や夜鳴きがある犬では、少しでも歩かせることで疲れるため眠ってくれたり、日光を浴びることで体内時計のリセット効果も期待できたりします。
【老犬の散歩】時間や距離は?
プラナ / PIXTA(ピクスタ)
自力で歩ける老犬では、散歩の距離は短めに。
愛犬が途中で疲れてしまうこともあるので、引き返すことも考えて往復の距離を設定するといいでしょう。
成犬の場合、運動器疾患の予防という観点からは、少なくとも1日に30分程度の運動は必要とする考え方がありますが、仮にそれを基準とするなら、老犬では30分以下と言えるかもしれません。
YAMATO / PIXTA(ピクスタ)
しかし、5分で疲れてしまう老犬もいれば、1時間歩いても平気な老犬もいるので、犬の状況によって調整してください。
散歩の回数は、距離を短くした分、1回程度多く行ってあげると理想的ではありますが、忙しい日々の中で時間をつくることもなかなか難しいでしょうし、これも犬に合わせて調整をしましょう。
elise / PIXTA(ピクスタ)
散歩は、「愛犬のために行ってあげたい」と思うかどうか、飼い主さんの気持ちが何より大きなポイントになるのではないかと思います。
老犬の散歩とひとくちに行っても、自分の愛犬の状況や季節などによってその仕方はさまざまです。
愛犬の健康を守れるのは飼い主さんだけ。
ぜひ愛犬にあわせた散歩を楽しんでください。
【獣医師監修】老犬の散歩はいつまで必要?歩かない場合は?時間や距離、頻度(回数)の目安は?
老犬(高齢犬)だから散歩や運動は必要ないというわけではありません。関節炎や認知症などが心配な老犬だからこそ、無理のない範囲で散歩や運動をすることは予防やリハビリにもなります。「老犬の散歩の頻度は?」「距離は?」と気にするより、飼い主さんの「散歩に行ってあげたい」と思う気持ちが何より大事です。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑩【便秘】
老犬の便秘【原因・理由】
iStock.com/ho ura
老犬の便秘の原因ですが、
老犬の便秘の原因①
原因 | |
---|---|
1 | 腸の蠕動(ぜんどう)運動 |
2 | 腸の圧迫や閉塞 |
3 | 食べ物、便の硬さ |
4 | 病気や薬剤 |
5 | 痛み |
6 | 心理的なもの(ストレス) |
老犬の便秘の原因②
原因 | |
---|---|
1 | 物理的に便が出せない |
2 | 消化管の機能の問題で出せない |
iStock.com/PeskyMonkey
老犬が、便秘になる前には便の量や回数が少なくなる、乾いた便になる、食欲が低下する、元気がないなどの様子が見られる場合もあるようです。
「便は健康のバロメーター」とよく言いますが、愛犬の便の状態や回数、色、臭いなど、毎日観察を怠らず、早めに異常に気づいてあげるようにしましょう。
【獣医師監修】老犬の便秘が心配、何日が動物病院に行く目安?原因や理由、解消方法、予防対策は?
老犬は下痢と並んで便秘もしがちです。運動量や食べる量も減り、消化機能も低下することから便秘しやすくなりますが、他にも原因は考えられます。愛犬が1日に必要とする水分量を知っていますか? 実は、便秘にも水分量が関係することがあるのです。今回は、老犬の便秘の原因や理由、対処法、予防方法などについて詳しくお伝えします。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑪【吐く】
老犬が吐く(嘔吐)【原因・理由】
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一口に老犬が「吐く」と言っても、大きくは「吐出(としゅつ)」と「嘔吐(おうと)」に分けることができます。
「吐出」は、食道に何か詰まっている、咽頭(いんとう)のトラブルや嚥下(えんげ)障害などにより、胃に入る前の物が吐き出されます。
それに対し「嘔吐」は、脳にある嘔吐中枢が何らかの原因によって刺激を受けると吐き気を感じ、それが限界を超えた時、胃の出口が閉まるとともに胃の入り口が緩み、腹筋や横隔膜が収縮して胃の内容物が吐き出されます。
老犬が吐く(嘔吐)【症状・状態】
pearlinheart / PIXTA(ピクスタ)
吐く前に元気がない
よだれ
唇を何度も舐める
震える
ごくんごくんと何度も飲み込もうとする
などの様子が見られることがあります。
吐いた物は消化した状態、未消化の物が混じった状態、胃液などの他、場合によっては血や寄生虫などが混じっていることもあります。
老犬は嘔吐や下痢などをきっかけに体調を崩してしまうことがあります。
少しでも気になる時には、早めに動物病院で診てもらうことをお勧めします。
【獣医師監修】老犬が吐く、嘔吐を繰り返す原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬が吐く時、一過性で心配のないものもあれば、腎不全や膵炎(すいえん)、突然に発症する前庭疾患など気をつけたい病気の場合もあります。老犬はちょっとしたことで体調を崩しやすく、また、病気の進行も早いと言われるので、嘔吐についても原因や症状など基本情報を知っておきましょう。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑫【吠える】
老犬が吠える(鳴く)【原因・理由】
iStock.com/vingThroughTheLens
「病気」「痛み」
「不安」「ストレス」「警戒」
「排泄」「不快」
「動きたい」「立ちたい」
「喉の渇き」「空腹」
昨今、行動診療(治療)科を設ける動物病院もわずかながら増えていますし、吠える状況によっては興奮状態になることもあります。
犬の認知症の場合は「抑揚のない吠え方」とよく言われますが、昼夜が逆転し、夜間・夜中に鳴き出すことが多いようです。
問題の他、認知症にも対応していることが多いので、お困りの場合は一度動物病院を受診してみるのも良いでしょう。
【獣医師監修】老犬が夜中に吠える(鳴く・無駄吠え)原因や理由は?対処・治療法(費)予防対策は?
老犬になると吠える(鳴く)ようになる犬もいれば、逆にあまり吠え(鳴く)なくなる犬もいます。ストレス耐性が低下するとともに不安になりやすい老犬では認知症になりやすく、吠える(鳴く)原因にもなります。「要求なのか?」「訴えなのか?」「病気なのか?」老犬が吠える原因や理由、予防対策などについて詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑬【ベッド(介護)】
【老犬のベッド】選び方やポイント注意点は?
iStock.com/corners74
老犬の介護用のベッドを選ぶ時には、次のようなことをチェックするといいでしょう。
床ずれ予防に体圧分散効果がある
汚れても洗いやすい・通気性がよい・ほどよい厚みがある
愛犬のサイズより少し大きめのサイズ(寝返りをうたせたるなどケアの必要上)
取っ手が付いていると移動時や寝返りをうたせる時にも便利(中型犬~大型犬)
愛犬のベッド(介護用)は、床ずれ予防や筋力維持のみならず、心の健康面からも、愛犬の本来あるべき姿に近い姿勢を無理のない範囲でとらせてあげたいものです。
【獣医師監修】老犬の介護に必要なベッド、ベッド選び(床ずれ防止)のポイントやコツ、注意は?
老犬にとって寝場所(ベッド)は大事です。介護生活になった場合も、安眠できる場であるのと同時に、生活の場ともなるのがベッド。床ずれを予防するためにも材質や厚さ、形などにも気を配りたいものです。ここでは老犬のベッド事情について詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑭【寝たきり】
老犬の寝たきり「原因や理由」①【老衰】
iStock.com/yellowsarah
コロコロして可愛かった子犬も年月とともに老いていきます。
「命の回数券」とも呼ばれるテロメア(染色体の末端にある部分)は、一定の長さまで短くなれば、細胞分裂はできなくなり、また、体内の活性酸素が多くなり過ぎると細胞にダメージを与え、修復・再生もできなくなってしまいます。
こうして老化した細胞は、周囲の細胞の老化も速めることになり、細胞の数も減り、やがて、犬の体全体の機能が低下していきます。
身体機能のみならず、感覚機能や精神面も衰え、いわゆる老衰の状態となって寝たきりになるケースは多々あります。
老犬の寝たきり「原因や理由」②【怪我・病気】
iStock.com/LukaTDB
関節炎など運動器疾患の悪化
癌(がん)の末期
心臓病・膵炎など、基礎疾患による衰弱
下痢による体力の低下
老犬が寝たきりになる理由は、老衰のほか病気や怪我などがあります。
愛犬が寝たきりになったら、筋力の低下や水分不足、床ずれなどに注意し、お風呂やトイレ、食事といった日常生活の介助が必要になるかもしれません。
iStock.com/CasarsaGuru
まずは、高齢になった愛犬を寝たきりにしないよう、散歩を通じて日々の刺激を感じさせることが大切です。
やがて愛犬が空へ昇っていった後、愛犬との思い出が宝物になるように、老犬との日々を大切に過ごしていきましょう。
【獣医師監修】老犬が寝たきりになったらどうする?原因や理由、対処、注意点やポイント、予防法!
犬の寿命も延び、寝たきりとなって介護が必要になるケースも珍しくありません。愛犬の健康寿命を延ばし、元気に天寿を全うする“ピンピンコロリ”が理想ですが、なかなか難しいのも現実です。ここでは、犬が寝たきりになった場合の原因や理由、対処法、注意点などについて詳しく解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑮【てんかん】
老犬のてんかん【原因・理由】
iStock.com/Mark Lindsay
てんかんは、脳の神経細胞の働きに一時的な不具合が生じることが原因で起こります。
私たちの体は神経細胞が電気信号をやり取りすることでいろいろ機能していますが、そのやり取りに障害が起こることで、通常でない体の動きが発作として発現してしまうのです。
人の場合、古くは古代ギリシャのヒポクラテスが遺した物にもてんかんの記述があるそうですが、今もってその治療法に関する研究が続けられています。
【参照元】公益財団法人東京都医学総合研究所「身近な医学研究情報/てんかん」
老犬のてんかん【分類】
てんかんの種類 | 原因 |
---|---|
A:特発性てんかん (真性てんかん/原発性てんかん/一次性てんかん) | 原因は不明だが、遺伝的素因が考えられ、生後半年~5歳に発症することが多い |
B:症候性てんかん (続発性てんかん/二次性てんかん/構造的てんかん) | 脳腫瘍、脳梗塞、水頭症、腎不全、肝不全、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、インスリノーマ、感染、低血糖、電解質の異常、外傷による脳の損傷、中毒、薬の副作用などに起因して、二次的に発症するもの |
C:潜在性てんかん | 症候性の疑いがあるが、原因がわからないもの |
老犬のてんかんは、生涯にわたって治療が必要になる可能性が高く、しっかり病院へ通うことが大切な病気です。
【獣医師監修】犬のてんかん、発作で突然死する?原因や症状、治療法は?後遺症や治療費、予防法!
犬にも、人間同様にてんかん発作があります。急に愛犬が痙攣(けいれん)し始めると、死亡してしまうのではないかと驚いてしまうかもしれません。犬がてんかんを発症する年齢、発作の症状、かかりやすい犬種はあるのかなど、知識を得ておきましょう。
てんかんの治療には薬がどの程度効いているのか、定期的に血中濃度のチェックもしなければならず、治療には根気も必要になるでしょう。
犬の一生を支えてあげられるのは飼い主さんだけです。
愛犬が幸せな一生を送れるように、犬のてんかんについて正しい知識を身に着けましょう。
【獣医師監修】老犬のてんかん発作の原因や理由は?対処・治療法(副作用)、治療費、予防対策は?
老犬でも「てんかん」になることがあります。発作が一過性ではなく、繰り返すものをてんかんと言いますが、それには遺伝的素因が考えられるもの、脳腫瘍や腎不全、甲状腺機能低下症のような病気、外傷、中毒などに起因するものがあります。今回は、老犬のてんかんの原因や症状、治療法や予防対策を解説します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑯【シャンプー】
老犬のシャンプー【仕方やコツ、ポイント!】
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老犬のシャンプーをする時は、暖かい日、暖かい時間帯が望ましいです。
寒い時に無理してまでシャンプーをしなくてもいいでしょう。
老犬をシャンプーする時のポイントは次のとおりです。
老犬のシャンプーのポイント①【回数】
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老犬になるべく負担をかけないよう、シャンプーの回数は少なくしましょう。
日頃から被毛の絡まりがないようブラッシングをし、余分な毛は落としておくことが大切です。
汚れが目立つところは、お湯で濡らしたタオルやペット用のウェットティッシュなどで汚れを拭き取り、シャンプーの回数を減らすように努めます。
老犬のシャンプーのポイント②【準備】
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老犬にシャンプーをする下準備としての耳掃除や肛門腺絞りなど、一度に行うと老犬の負担になると思われる時は、1~2日前から少しずつ済ませておくのもいいでしょう。
また、老犬のシャンプーをする際は、暑い時期を除き、お風呂場を少し暖めておくと犬の体が冷えすぎるのを防げます。
ただし、呼吸器疾患があるような犬では、むっとした空気で呼吸しづらくなることがあるので、その辺は犬の状況に合わせて調整してください。
老犬のシャンプーのポイント③【姿勢】
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立たせっぱなしは老犬にとってきついこともあるので、「おすわり」でも「伏せ」でも犬が楽な姿勢で洗うようにしましょう。
お風呂場の床やバスタブの中に滑り止めのマットを敷くと、骨折等のリスクを減らすことができます。
老犬のシャンプーのポイント④【シャンプー・リンス】
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老犬のシャンプーの時短のために、リンス・イン・シャンプーを使用するのも一策です。
あらかじめ、桶の中にシャンプーを泡立てておき、泡で揉み洗いをしましょう。
ペット用のバスタブがあるなら、その中にシャンプーを泡立てておいてもいいでしょう。
リンスを使用する場合もあらかじめ薄めておけば、時短につながります。
顔と頭部は繊細かつ一番嫌がる箇所なので、洗う時には最後に、すすぎは最初にすることをお勧めします。
老犬のシャンプーのポイント⑤【乾かし方】
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少しでも早く乾かすには、できるだけ水分を取ることがポイントなので、吸水性のよい速乾タオルで全身を拭きます。
被毛を逆立てるように毛の向きとは逆から温風をあてて、手早く乾かしましょう。
この時、犬が疲れているようなら寝たままでも構いません。
時短を優先するならば、長毛犬でカットができる犬では、被毛を手入れがしやすい長さにカットしておくのもいいでしょう。
その他、老犬がシャンプーを嫌がる場合、シャワーヘッドの高さ、温風の強さも関係するので、シャワーヘッドは犬の体に密着させるようにして刺激を少なくし、ドライヤーは熱過ぎて火傷をしないよう、30cm程度離して、温風と冷風を調節しながら使用するといいでしょう。
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犬の皮膚のターンオーバー(皮膚の再生)は、健康状態がよい犬でおよそ20日~25日のサイクル、皮膚にトラブルのある犬ではおよそ5日~10日のサイクルと言われます。
したがって、老犬のシャンプーの頻度は1ヶ月に1回程度で十分と考えることもできますが、老犬では体力が低下しているので、汚れたら洗うくらいの気持ちでいいのではないでしょうか。
体調が思わしくない時や、シャンプーをとても嫌がる愛犬には無理してシャンプーはしない、という判断も必要かと思います。
【獣医師監修】老犬がシャンプーを嫌がる理由は?シャンプーできない場合や頻度は?ポイントやコツ!
老犬のシャンプーはなにかと気をつかいます。足腰、体力ともに弱ってきている老犬では、極力シャンプーの回数を減らすのが一番です。そのためには、こまめに手入れをして清潔を保つこと。シャンプーが必要な時にも全身シャンプーの回数を減らして部分洗いをするなど、負担を減らすようにしてあげましょう。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑰【認知症】
老犬の認知症【原因】
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犬の認知症は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう神経変性疾患です。
人と犬、ともに認知症のはっきりとした原因は未だ判明していません。
犬の認知症も人と同様に脳にβアミロイドの沈着が見られ、脳腫瘍や脳出血などに起因する認知症症状があるそうです。
以前は、人以外の動物で確認できなかった神経原線維変化を、東京大学の研究チームがツシマヤマネコの脳で発見したという事例もあり、将来的には犬の認知症についてもっと詳しいことがわかるようになるのかもしれません。
【参照元】
東京大学大学院農学生命科学研究科「動物にもアルツハイマー病はあるのか -ツシマヤマネコの脳にアルツハイマー病に特徴的な神経原線維変化が観察された-」
iStock.com/iamnoonmai
愛犬の認知症は症状も重度になると毎日の世話も大変でしょう。
飼い主さんが心身ともに辛くなったとしても、不思議はありません。
「認知症では記憶が消えたのではなく、脳にはちゃんと記憶が残っていて、思い出す回路がうまく働かないだけでは?」という話があります。
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また、東京大学や北海道大学などの研究チームは、忘れた記憶を呼び覚ます薬の効果を発見し、認知機能障害の治療薬開発の一助になることが期待されています。
それが事実であるなら、認知症でぼんやりとしてしまった犬の中には、飼い主さんとの幸せな日々の記憶が残っているのかもしれません。
そう考えると、世話をする気持ちも少しは違ってくるのではないでしょうか。
【参照元】
理化学研究所「アルツハイマー病で記憶は失われていない可能性 -アルツハイマー病モデルマウスの失われた記憶の復元に成功-」
東京大学薬学系研究科薬学部「忘れた記憶を復活させる薬を発見 -既存の薬物で記憶痕跡の再活性化に成功-」
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑱【夜鳴き】
老犬の夜鳴き【原因・理由】
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「認知症」
「不安」「痛み」「苦しみ」
「空腹」「喉の渇き」
「排泄」「不快感」
「動きたい」
老犬の夜鳴きが続くと自分もなかなか眠れずに、時にはイライラが募ることもあるでしょう。
iStock.com/iagodina
愛犬の夜鳴きの問題では、飼い主さんの気持ちのもち方もポイントなのかもしれません。
とは言っても、悩むことも多々。
中には夜鳴きが改善できるケースもあるので、そのためには食事や環境、接し方、薬剤など複合的に考える必要があるでしょう。
【獣医師監修】老犬の夜鳴き、原因や理由は?鳴きやまない場合の対処法やサプリメントなど予防法!
老犬の介護生活では、「寝たきりの愛犬が鳴き止まない」「夜鳴きを無視できない」など、夜鳴きに頭を悩ませる飼い主さんが多くいます。原因は認知症だけではなく、痛みや不快感などいくつか考えられます。夜泣きの原因や理由を探るとともに、その対処法や予防方法について詳しく解説していきます。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑲【最期の症状】
老犬の最期の症状【ケース別に見る死】
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一つの命がその生涯を閉じる時、必ずしもこうなるというものはありません。
最期の日が近いと予感できる場合もあれば、そうでない場合もあります。
老犬の最期の症状「ケース①」【末期癌(がん)・前庭疾患】
15歳、中型犬。
末期の癌(がん)と前庭疾患があり、歩行には介助が必要でした。
死の1週間くらい前より、食べ物をほとんど受け付けなくなり、かろうじて好物を少量口にできる程度。
しかし、食べた後には吐いてしまうことも度々でした。
3日前になると、起き上がることができなくなり、目にも精気がありません。
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意識は乏しく、高熱、目は落ちくぼんで乾いたように見え、呼吸は1回が深く、荒い。
シリンジで水を与えると、やっと飲み込める程度でした。
脱水症状も見られ、点滴のために通院。
2日目には水も飲み込めなくなり、3日目に最期の息を絞り切るように生涯を閉じました…。
老犬の最期の症状「ケース②」【認知症】
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15歳、中型犬。
認知症があり、狭いところにはまって出て来られないことがよくありました。
介助があれば、よろよろしながらも歩くことはでき、その日も家の外のトイレに向かう途中でした。
突然、体をのけぞるようにしたかと思った次の瞬間、首ががくんと垂れ下がり、そのまま息絶えたのです。
老犬の最期の症状「ケース③」【外飼い】
infinityyy / PIXTA(ピクスタ)
13歳、大型犬、外飼い。
高齢だからと室内に寝場所を作っても、慣れた場所が安心するのかすぐに外に戻ってしまう犬でした。
2~3日前から暗く狭いところに隠れ、出て来なくなり、出そうとしても嫌がって飼い主さんの手を噛みます。
最期の日、悲し気な遠吠えをし、その後しばらくして息絶えました。
老犬の最期の症状「ケース④」【呼吸器疾患】
垣内真哉 / PIXTA(ピクスタ)
17歳、小型犬。
呼吸が苦しくなることがあり、時々、酸素室で過ごすこともありましたが、寝たきりになった後、食べなくなって5日ほどしてから、最期は苦しむ様子もなく、飼い主さんに抱かれて眠るように息を引き取りました。
老犬の最期の症状「ケース⑤」【癌(がん)・認知症・尿毒症】
Kukota / PIXTA(ピクスタ)
15歳、中型犬。
癌(がん)、認知症、尿毒症があり、時々痙攣(けいれん)を起こしては鳴き続ける犬でした。
わけがわからなくなって自分の体を傷つけるようにもなっており、治療の効果もない中で、苦しむ様が見ていられず、飼い主さんは泣く泣く安楽死を選択しました。
愛犬との別れは、辛いものです。
それと同時に、愛犬と出会えた幸せを噛みしめる時でもあるでしょう。
そして、愛犬へたくさんの「ありがとう」を伝える時でもあります。
【獣医師監修】老犬の最期の症状は?老衰、介護、病気など愛犬の看取り方やペットロスは?
老犬の最期の日は、悲しいですが必ずやってきます。それは、穏やかな死ばかりとは限りません。病気の苦しみの中、遠吠えの後に、歩いている途中で、ごはんを食べながら、苦渋の選択である安楽死…その最期は様々です。愛しき愛犬の看取り、直後のケア、葬儀、ペットロス。愛犬の終末のお話です。
老犬のお困り事解消「お役立ち」⑳【振戦(震え)】
老犬の震え(振戦)「原因」①【生理的なもの】
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「寒さや体温調節のため」
「筋力の低下」「疲労」「衰弱」
「ストレス」「不安」「恐怖」「警戒」「興奮」
老犬の震え(振戦)「原因」②【病気に関連するもの】
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「体の痛み」
「疾患の症状」
「薬の副作用・中毒」
「発熱」
老犬の振戦は、脚や頭部など体の一部、または全身が不随意運動(自分の意思とは関係ない動き)によって筋肉の収縮と弛緩(しかん)を繰り返し、リズム性をもって小刻みにプルプル震えたり、時にはゆらゆら揺れているように見えたりすることもあります。
場合によっては震えが徐々に激しくなったり、歩き方がぎこちなくなったりする他、歩けないほど震える、立てないということも。
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また、安静時には震えが出ず、何か動作をすると震えが出る、逆に安静時に震えが出るということもありますし、何かをしようとしてその目標物に近づくほど震えがひどくなる場合もあります。
原因によっては、振戦とともに下痢や嘔吐、食欲不振などの症状が見られるます。
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振戦が続くのならば、「どんな状況の時に出るのか?」「その時の犬の様子はどうか?」「震え方はどうか?」「他に気になることはないか?」などチェックして、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
なお、嘔吐や下痢、発熱、呼吸困難、震えが止まらない、嗜眠などの症状が併せて見られる場合は、早めに動物病院に行くことをお勧めします。
【獣医師監修】老犬の震え(振戦)の原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬は体が震えることも珍しくありません。一口に「震える」と言っても、厳密には「振戦(しんせん/震え)」と「痙攣(けいれん)発作」とに分けることができます。この記事では、主に「振戦」についてについて詳しく解説します。老犬の震えには、心配のないものもあれば、注意が必要な震えもあります。
老犬のお困り事解消「お役立ち」【まとめ】
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老犬の介護生活は、ゆるやかに始まることもあれば、ある日突然に始まることもあります。
老いた愛犬の世話に明け暮れながら、命や生き方を考えるようになり、人生観さえ変えてもくれるのが老犬介護生活です。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
まずは、高齢になった愛犬を寝たきりにしないよう、散歩や適度な運動を行うこないましょう。
【獣医師監修】老犬の散歩はいつまで必要?歩かない場合は?時間や距離、頻度(回数)の目安は?
老犬(高齢犬)だから散歩や運動は必要ないというわけではありません。関節炎や認知症などが心配な老犬だからこそ、無理のない範囲で散歩や運動をすることは予防やリハビリにもなります。「老犬の散歩の頻度は?」「距離は?」と気にするより、飼い主さんの「散歩に行ってあげたい」と思う気持ちが何より大事です。
また、愛犬の介護生活に疲れ、ストレスが溜まってしまう場合には、「老犬ホーム」などの介護施設の利用を検討してみてください。
【獣医師監修】老犬ホームとはどんなサービス?メリットやタイプ、料金、選び方のポイントは?
近年、「老犬ホーム」や「老犬介護ホーム」と呼ばれる高齢犬のケアに特化した施設が増えています。人・犬ともに高齢化・長寿化の時代に登場した新しいサービスですが、そのサービス内容や料金・費用、選び方などについて解説します。
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大切にしてきた愛犬をいろいろな事情で預けざるを得ない場合、最期まで自分自身が世話をしてやれないことに対し、中には罪悪感を覚える人もいます。
しかし、たとえ一時的であっても介護生活の疲れやストレスから解放され、親身に世話をしてもらっている愛犬の様子を見て、預けてよかったと思う人は少なからずいます。
「老犬ホーム」の利用を考えるのであれば、サービス内容も料金も様々である分、どうぞ情報収集は怠りませんように。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
【獣医師監修】老犬の下痢が止まらない(繰り返す)原因や理由は?食事や対処法・予防対策!
老犬での下痢は珍しくありませんが、体力や免疫力が低下しているだけに心配にもなりますよね。ストレスや冷えから下痢になることもあれば、重大な病気が隠れていることもあります。下痢になりやすい傾向にある犬や、動物病院を受診する目安も含めて、老犬の下痢について詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬の痙攣(けいれん)発作の原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬で時折見られる痙攣(けいれん)。一般的には「痙攣(けいれん)発作」と言われることもありますが、実は、定義も解釈も難しい部分があるのが痙攣です。今回はわかりやすく、痙攣の原因や理由、対処法、治療法、治療費、予防対策などについて詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬の夜鳴き、原因や理由は?鳴きやまない場合の対処法やサプリメントなど予防法!
老犬の介護生活では、「寝たきりの愛犬が鳴き止まない」「夜鳴きを無視できない」など、夜鳴きに頭を悩ませる飼い主さんが多くいます。原因は認知症だけではなく、痛みや不快感などいくつか考えられます。夜泣きの原因や理由を探るとともに、その対処法や予防方法について詳しく解説していきます。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
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