【獣医師監修】老犬が寝たきりになったらどうする?原因や理由、対処、注意点やポイント、予防法!
犬の寿命も延び、寝たきりとなって介護が必要になるケースも珍しくありません。愛犬の健康寿命を延ばし、元気に天寿を全うする“ピンピンコロリ”が理想ですが、なかなか難しいのも現実です。ここでは、犬が寝たきりになった場合の原因や理由、対処法、注意点などについて詳しく解説します。
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【獣医師】【ドックトレーナー】【トリマー】
ペットスペース&アニマルクリニックまりも 病院長
一般社団法人女性獣医師ネットワーク 代表理事
株式会社WVN代表取締役
【学歴・経歴】
◇1982年:東京生まれ、東京育ち
◇2001年:青山ケンネルスクールトリミング科 卒業
◇2007年:麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
◇2009年:アニマルプラザ ドッグトレーナーズカレッジ 卒業
◇2009年:ペットスペース&アニマルクリニックまりも 開業
◇2011年:女性獣医師ネットワーク設立(2016年一般社団法人化)
◇2017年:株式会社WVN 設立
【資格】
◇獣医師
◇日本ドッグトレーナー協会 ドッグトレーナー A級ライセンス
◇日本アニマルアロマセラピー協会認定 アニマルアロマセラピスト
◇青山ケンネルスクールトリミング B級ライセンス
【所属】
◆一般社団法人 女性獣医師ネットワーク代表理事
【著作物】
「最新版 愛犬の病気百科」愛犬の友編集部
「犬にも人にも優しい飼い方のメソッド 愛犬をケガや病気から守る本」愛犬の友編集部
【ペットへの想い、職業上のペットとのかかわり】
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、的確なアドバイスをしたいという思いから、トリマーとして働きながら獣医師、ドッグトレーナーになりました。
病気の予防、未病ケアに力を入れ、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護師、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。
現在の愛犬は「シーズー」。
看板犬、スタッフ育成のモデル犬として良きパートナーです。
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、ヨークシャテリアとも暮らしてました。
家族のいない犬の一時預かり、離乳前の子猫を育てるミルクボランティアなどもやってます。
目次
老犬の寝たきり「原因や理由」①【老衰】
iStock.com/Wavetop
コロコロして可愛かった子犬も年月とともに老いていき老犬になります。
【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
「命の回数券」とも呼ばれるテロメア(染色体の末端にある部分)は、一定の長さまで短くなれば、細胞分裂はできなくなり、また、体内の活性酸素が多くなり過ぎると細胞にダメージを与え、修復・再生もできなくなってしまいます。
こうして老化した細胞は、周囲の細胞の老化も速めることになり、細胞の数も減り、やがて、犬の体全体の機能が低下していきます。
身体機能のみならず、感覚機能や精神面も衰え、いわゆる老衰の状態となって寝たきりになるケースは多々あります。
【獣医師監修】犬の老衰の年齢、兆候や症状(状態)は?かかりやすい病気、注意点、予防方法は?
老衰とは、高齢になるにつれ、全身の機能が衰退していく過程のこと。愛犬も身体機能や感覚機能、栄養吸収機能、認知能力などが低下し始めると老衰の入り口に立っていると言えるのかもしれません。しかし、早めに対処することで、ある程度の健常性を取り戻せる可能性もあると考えられています。今回は、犬の老衰について詳しく解説します。
老犬の寝たきり「原因や理由」②【怪我・病気】
iStock.com/william87
老衰のほか、老犬が寝たきりになる原因には以下のようなものがあります。
寝たきりになる「原因・理由」①【関節炎など運動器疾患の悪化】
【獣医師監修】「犬の股関節形成不全」 原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)とは、股関節の発育がうまくいかず、変形や緩みが生じて、歩き方などがおかしくなる病気です。亜脱臼や脱臼、関節炎なども併発します。多くは遺伝によることが多いので、子犬の時からの観察や体重管理が大切です。
【獣医師監修】犬の足が腫れている。この症状から考えられる原因や病気は?
飼っている犬の足が腫れている時があります。痛みの有無にかかわらず歩く様子に変化が見られる場合は、関節炎や腫瘍などの疾患も考えられます。足が腫れる原因や気をつけたい症状、おもな病名などを解説します。
寝たきりになる「原因・理由」②【ガンの末期】
【獣医師監修】「犬の扁平上皮癌」原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
「犬の扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」とは、カラダの表面を覆う皮膚や、外界と接する粘膜を構成する扁平上皮細胞が腫瘍化する病気です。犬の場合は、口腔内の粘膜か爪の根元に発生するケースがほとんどです。ここでは、扁平上皮癌の原因や症状、治療法について解説します。
寝たきりになる「原因・理由」③【心臓病・膵炎など、基礎疾患による衰弱】
寝たきりになる「原因・理由」④【下痢による体力の低下】
【獣医師監修】老犬の下痢が止まらない(繰り返す)原因や理由は?食事や対処法・予防対策!
老犬での下痢は珍しくありませんが、体力や免疫力が低下しているだけに心配にもなりますよね。ストレスや冷えから下痢になることもあれば、重大な病気が隠れていることもあります。下痢になりやすい傾向にある犬や、動物病院を受診する目安も含めて、老犬の下痢について詳しく解説します。
犬も骨や筋肉などの運動器疾患は健康寿命を縮めると言われるので、若い頃からのケアやリハビリは大切です。
また、老犬でよく見られる前庭疾患は突然に発症し、首の傾きや歩行のふらつきが出るので、ある日を境に介護生活が始まる可能性もあることは、頭の片隅に入れておきましょう。
老犬の寝たきり「対応・対処法」①【鳴く・吠える】
masugi / PIXTA(ピクスタ)
【獣医師監修】老犬の夜鳴き、原因や理由は?鳴きやまない場合の対処法やサプリメントなど予防法!
老犬の介護生活では、「寝たきりの愛犬が鳴き止まない」「夜鳴きを無視できない」など、夜鳴きに頭を悩ませる飼い主さんが多くいます。原因は認知症だけではなく、痛みや不快感などいくつか考えられます。夜泣きの原因や理由を探るとともに、その対処法や予防方法について詳しく解説していきます。
【獣医師監修】老犬が夜中に吠える(鳴く・無駄吠え)原因や理由
老犬になると吠える(鳴く)ようになる犬もいれば、逆にあまり吠え(鳴く)なくなる犬もいます。ストレス耐性が低下するとともに不安になりやすい老犬では認知症になりやすく、吠える(鳴く)原因にもなります。「要求なのか?」「訴えなのか?」「病気なのか?」老犬が吠える原因や理由、予防対策などについて詳しく解説します。
認知症
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
他の病気による苦しみや痛み
不安
ストレス
【獣医師監修】犬のストレス、病気や死亡の原因になる?ストレス行動やサイン、発散・解消法!
ストレスは万病のもとと言われます。それは、人間だけでなく犬にも当てはまること。愛犬のストレスを遠ざけて、健康に暮らしてもらえるよう、飼い主としてできることを心得ておきたいものです。
動きたい・排泄・不快・喉の渇きなどの訴えや要求
【獣医師監修】老犬のおむつはいつから必要?漏れやかぶれ、交換のコツは?人間用の代用はOK?
老犬ではおむつが必要になることもあります。排泄は毎日の問題なだけにおむつで頭を悩ますこともあるでしょう。多いのが漏れやずれ、かぶれなどの悩み。ほんのちょっとした工夫で改善できることもあります。今回は老犬のおむつについて必要な時期や漏れなどの悩み、コツを解説します。
などの原因が考えられます。
iStock.com/Capuski
根本に病気がある場合は、その治療が何より大切ですが、認知症や不安など含め、どうしても問題が解消できない場合は、抗不安薬や鎮静剤、睡眠薬、併せてサプリメントなどが処方されることがあります。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
薬は長期使用すると効き目が薄れることもあるほか、逆に認知症が進行してしまう場合もあるので、飲ませ方については動物病院でよく相談をしてください。
【獣医師監修】愛犬が薬を警戒して飲まない、イライラ。薬の上手な飲ませ方、ポイントやコツは?
愛犬が「薬を飲まない、飲んでくれない」と苦労している飼い主の方も多いと思います。愛犬にとって薬を飲むことは、感染症予防や治療にとても大切です。ただ、愛犬に薬を飲ませるのはなかなか大変ですよね。今回は、飼い主も愛犬もストレスにならない、上手な薬の飲ませ方やポイント、コツについて解説します。
老犬が夜鳴きする場合の対応、対処法ですが、
【獣医師監修】老犬の夜鳴き、原因や理由は?鳴きやまない場合の対処法やサプリメントなど予防法!
老犬の介護生活では、「寝たきりの愛犬が鳴き止まない」「夜鳴きを無視できない」など、夜鳴きに頭を悩ませる飼い主さんが多くいます。原因は認知症だけではなく、痛みや不快感などいくつか考えられます。夜泣きの原因や理由を探るとともに、その対処法や予防方法について詳しく解説していきます。
【獣医師監修】「犬が夜鳴き(夜泣き)」をする。考えられる原因や症状、おもな病気は?
夜になると犬が鳴き始める・・・といった悩みを持つ飼い主は多いようです。夜鳴きをする原因は、カラダの病気からくるものと、心理的なものの2つに大きく分かれます。ここでは、犬が夜鳴きをする原因や考えられる病気について解説します。
日光浴で体内時計をリセットする
マッサージで不安を軽減する
【獣医師監修】犬のマッサージで痛み・コリを解消し免疫力アップ!お腹・首・足、部位ごとのやり方は?
愛犬とのスキンシップタイムには、マッサージやストレッチをしながら愛犬の健康を促進してあげるのがおすすめです。犬のマッサージ(ドッグマッサージ)のやり方と秘訣を学びましょう。飼い主さんも愛犬も、極上のリラックスタイムを!
夜眠るように仕向ける
鍼治療を試す
防音犬舎を使用する
などの対策がありますが、いずれの原因であっても完全に鳴くのを止めるのは難しい場合もあるのは仕方のないことでしょう。
【獣医師監修】老犬が夜中に吠える(鳴く・無駄吠え)原因や理由は?対処・治療法(費)予防対策は?
老犬になると吠える(鳴く)ようになる犬もいれば、逆にあまり吠え(鳴く)なくなる犬もいます。ストレス耐性が低下するとともに不安になりやすい老犬では認知症になりやすく、吠える(鳴く)原因にもなります。「要求なのか?」「訴えなのか?」「病気なのか?」老犬が吠える原因や理由、予防対策などについて詳しく解説します。
老犬の寝たきり「対応・対処法」②【暴れる】
sae/ PIXTA(ピクスタ)
寝たきりの老犬がなかなか落ち着かずにもがいたりする場合は、
「立ちたい」「動きたい」という欲求
体に痛みや苦しみがある
病気や薬の影響によって落ち着かない
ベッドや敷物が体にしっくりこずに気持ちが悪い
おむつが嫌
【獣医師監修】老犬のおむつはいつから必要?漏れやかぶれ、交換のコツは?人間用の代用はOK?
老犬ではおむつが必要になることもあります。排泄は毎日の問題なだけにおむつで頭を悩ますこともあるでしょう。多いのが漏れやずれ、かぶれなどの悩み。ほんのちょっとした工夫で改善できることもあります。今回は老犬のおむつについて必要な時期や漏れなどの悩み、コツを解説します。
認知症や他の病気によってわけがわからなくなっている
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
などが考えられます。
認知症では性格が変化し、攻撃的(狂暴)になることもありますし、ずっと寝たきりでいればイライラして攻撃的になることもあるでしょう。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
iStock.com/Capuski
鎮静効果のあるラベンダーやローマン・カモミールなどのアロマを使用してみたり、状況によっては車椅子に乗せたりすることで落ち着くこともありますが、解決できそうになければ、行動診療(治療)科を受診してみるのもいいかもしれません。
老犬の寝たきり「対応と対処法」③【食べない】
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老犬がごはんを食べない場合、以下の原因が考えられます。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
基礎代謝や運動量、筋肉量の低下(これらが低下すると必要エネルギーが低下し、自ずと食べる量も減ってくる)
消化機能の低下
飲み込む力の低下
嗅覚や味覚の低下
食べ物の好みの変化
ストレス
【獣医師監修】犬のストレス、病気や死亡の原因になる?ストレス行動やサイン、発散・解消法!
ストレスは万病のもとと言われます。それは、人間だけでなく犬にも当てはまること。愛犬のストレスを遠ざけて、健康に暮らしてもらえるよう、飼い主としてできることを心得ておきたいものです。
歯や口の中のトラブル
認知症による認知能力の低下
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
体の痛み
病気や薬の影響
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原因により、以下のような対処法があります。
温める、トッピングするなど香り立ちをよくして食欲を刺激する
缶詰や茹でた肉・魚、野菜など柔らかく消化のよい食べ物を細かくして与える
【獣医師監修】犬が食べてもいい野菜!犬にあげてはいけない中毒の危険(ダメ)がある野菜!
普段、ドッグフードを与えている人でも、自分の食事のおすそ分けや、フードへのトッピングとして野菜をあげる機会があるのではないでしょうか? 体に良いと考えられている野菜の中でも「犬が食べてもいい野菜」と犬にあたえると中毒症状を引き起こす「危険な野菜」について解説していきます。
【獣医師監修】犬が魚(魚介類)を食べても大丈夫?おやつにおすすめな魚や注意点は?
日本人が大好きな「マグロ」「カニ」「うなぎ」などの魚(魚介類)ですが、愛犬に与えても大丈夫なのか飼い主として不安になることもあると思います。ここでは、「マグロ」「カニ」「うなぎ」など、愛犬に与えても大丈夫な魚(魚介類)や、与える際の注意点などについてご紹介します。
水分を増やす
とろみを加える
流動食を与える
これまでに食べたことのない物を与える
フードをローテーションする
少量を数回に分けて与える
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
老犬の寝たきり「対応・対処法」④【お風呂・トイレ】
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寝たきりの老犬にシャンプーは負担となるので、なるべくシャンプーをしなくて済むよう、特に口周りやお尻周りの汚れはこまめに拭き取り(もしくはトイレシートの上で洗い流し)、お湯で濡らしたタオルで全身を拭くなど清潔を心がけましょう。
【獣医師監修】老犬がシャンプーを嫌がる理由は?シャンプーできない場合や頻度は?ポイントやコツ!
老犬のシャンプーはなにかと気をつかいます。足腰、体力ともに弱ってきている老犬では、極力シャンプーの回数を減らすのが一番です。そのためには、こまめに手入れをして清潔を保つこと。シャンプーが必要な時にも全身シャンプーの回数を減らして部分洗いをするなど、負担を減らすようにしてあげましょう。
寝たきりの場合、排泄に関してはオムツをするより、下半身にトイレシートを敷いたほうが手入れは楽でしょう。
【獣医師監修】老犬のおむつはいつから必要?漏れやかぶれ、交換のコツは?人間用の代用はOK?
老犬ではおむつが必要になることもあります。排泄は毎日の問題なだけにおむつで頭を悩ますこともあるでしょう。多いのが漏れやずれ、かぶれなどの悩み。ほんのちょっとした工夫で改善できることもあります。今回は老犬のおむつについて必要な時期や漏れなどの悩み、コツを解説します。
うんちで汚れた時には、数枚重ねたトイレシートの上で、ぬるま湯やお尻専用洗浄液などで洗い流します。
老犬の寝たきり「対応・対処法」⑤【床ずれ】
チュン子/ PIXTA(ピクスタ)
老犬の床ずれ予防には体圧分散効果のあるマットを使用することをお勧めします。
床ずれは、早いと1日でできてしまうこともあるので、できれば2~3時間おきに寝返りをうたせたいものですが、体圧分散効果が高いマットであれば、寝返りの回数も多少少なくすることも可能かもしれません。特に留守番が多いお宅では必要でしょう。
mmstock/ PIXTA(ピクスタ)
老犬に寝返りをうたせる時には背中を中心に反転させるのではなく、内臓に負担をかけないよう、一旦お腹を下に(フセの姿勢)して反転させます。
床ずれができやすい場所は、
頬(ほう)
足先
肩
腰
など、骨が出っ張っている部分。
必要に応じてビーズクッションやジェルマットなど床ずれ予防効果のあるグッズを併用するといいでしょう。
老犬の寝たきり「介護」【注意点ポイント!】
iStock.com/sanjagrujic
老犬が寝たきりになると体を動かせないので、筋力も低下し、関節も固まりがちです。
時々、マッサージをする、各関節を動かすなどしてあげましょう。
【獣医師監修】犬のマッサージで痛み・コリを解消し免疫力アップ
愛犬とのスキンシップタイムには、マッサージやストレッチをしながら愛犬の健康を促進してあげるのがおすすめです。犬のマッサージ(ドッグマッサージ)のやり方と秘訣を学びましょう。飼い主さんも愛犬も、極上のリラックスタイムを!
老犬が寝たきりになると、血流が悪くなる分、冷えも感じやすいので、寝場所を暖かくしてあげるとともに、場合によっては脚に柔らかい靴下状の物をはかせるのもいいでしょう。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
sae/ PIXTA(ピクスタ)
また、老犬が寝たきりになった場合、自力で水が飲めなくなるため、水分不足には要注意です。
老犬は便秘もしやすいですが、便秘は水分摂取量にも関係するので、こまめに水分が摂れるようにしてあげたいものです。
犬に必要な1日の水分量
1日の水分量(ml)=(体重kg)0.75乗×132
【獣医師監修】犬がミネラルウォーターを飲んでも大丈夫?硬水、軟水、鉱水は?水道水に浄水器は必要?
ペットボトルで売っているミネラルウォーター。犬はミネラルウォーターを飲んでも大丈夫でしょうか? 硬度の違いや鉱水などいろいろあるけれど、何の水を飲ませるのがいいの? 下痢しない? 水道水のほうがいい? ミネラルウォーターの特長や注意点、適量などを詳しく解説します。
老犬の寝たきり「犬種別の注意点」【寝たきりにならないようにするには?】
iStock.com/Mercedes Rancaño Otero
寝たきりを予防するには、高齢になったからと散歩をやめないこと。
【獣医師監修】老犬の散歩はいつまで必要?歩かない場合は?時間や距離、頻度(回数)の目安は?
老犬(高齢犬)だから散歩や運動は必要ないというわけではありません。関節炎や認知症などが心配な老犬だからこそ、無理のない範囲で散歩や運動をすることは予防やリハビリにもなります。「老犬の散歩の頻度は?」「距離は?」と気にするより、飼い主さんの「散歩に行ってあげたい」と思う気持ちが何より大事です。
特に、チワワやヨークシャー・テリアのような小型犬は室内で運動は十分と思ってしまうかもしれませんが、散歩中に他の犬に会ったり、外の環境に触れたりと、良い刺激は心身の健康にもつながり、ひいては認知症や寝たきりの予防にもなります。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
iStock.com/TriggerPhoto
また、ラブラドール・レトリーバーやバーニーズ・マウンテンドッグなどの大型犬のほか、パテラ(膝蓋骨脱臼)になりやすい小型犬など運動器疾患が懸念される犬種では、若い頃から関節ケアを心がけることも大事です。
足腰が弱ってきたと思っても、リハビリをすることである程度改善できることもあります。
さらには、病気予防を心がけることはもちろん、犬に楽しみを与え、老犬でも敢えて新しいことを教えてみるというのも良いのではないでしょうか。
老犬の寝たきり【飼い主も労わりを】
iStock.com/Rattankun Thongbun
「やがてこの子は逝くのだろう」、そう思いながらの老犬介護生活は、辛くて当然です。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
可愛い愛犬だからこそ、一生懸命になるのも当たり前です。
しかし、それが過ぎると、自分を追い込んでしまい、どうにもならなくなることもあります。
そのために、自分と愛犬、共に少しでも楽になれるよう、よい意味での手抜きをすること、「このくらいいいか」と多少大雑把になれるくらいの気持ちの余裕は必要でしょう。
iStock.com/Brinja Schmidt
特に、世話をする人が一人、または限定される状況であると負担も増し、中には仕事を辞めざるを得ないケースもあるので、愛犬に介護が必要になった時はどうするか、シミュレーションしておくことも大事だと思います。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
そうした介護生活の中でも、日々変化する老犬が、ふと調子が良くなる一瞬が見られる場合もあり、そんな小さな幸せを拾い集めるのが、老犬介護生活なのかもしれません。
老犬の寝たきり【まとめ】
mihogorou/ PIXTA(ピクスタ)
老犬が寝たきりになる理由は、老衰のほか病気や怪我などがあります。
寝たきりになったら、筋力の低下や水分不足、床ずれなどに注意し、お風呂やトイレ、食事といった日常生活の介助が必要になるかもしれません。
【獣医師監修】愛犬がトイレ(排泄)を覚えない?【犬種別】しつけ、トレーニングのポイントやコツ!
愛犬がトイレ(排泄)を覚えずに困っている飼い主さんも多くいると思います。柴犬、トイ・プードル、チワワ、ゴールデン・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグなど、犬種によりトイレトレーニングの方法も異なるのでしょうか?ここでは、愛犬のトイレ(排泄)のしつけ方法やトレーニングのポイント、失敗しないコツについて解説します。
【獣医師監修】老犬におすすめの食事は?適量や回数、注意点は?食べさせ方と手作りレシピ!
老犬の食事は悩みがつきものです。筋肉維持には良質のタンパク質、認知症予防には抗酸化食品やオメガ3脂肪酸、関節のためにはグルコサミンやコンドロイチンなど積極的に与えたいですが、食事の回数を調整し、食べさせ方にも工夫が必要になります。今回は、老犬の食事に関して詳しく解説します。
まずは、高齢になった愛犬を寝たきりにしないよう、散歩を通じて日々の刺激を感じさせることが大切です。
やがて愛犬が空へ昇っていった後、愛犬との思い出が宝物になるように、老犬との日々を大切に過ごしていきましょう。
【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
【獣医師監修】犬の平均寿命は?最高齢やギネス記録は?寿命を縮める要因や長生きの秘訣、ポイント!
トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、チワワなど、犬の平均寿命や年齢、ギネス記録はどれくらいなのでしょうか?また、小型犬と大型犬では寿命は異なるのでしょうか?今回は、犬の平均寿命だけでなく、寿命が短くなる理由や長生きの秘訣、ポイントなどについて解説します。
【獣医師監修】老犬が夜中に吠える(鳴く・無駄吠え)原因や理由は?対処・治療法(費)予防対策は?
老犬になると吠える(鳴く)ようになる犬もいれば、逆にあまり吠え(鳴く)なくなる犬もいます。ストレス耐性が低下するとともに不安になりやすい老犬では認知症になりやすく、吠える(鳴く)原因にもなります。「要求なのか?」「訴えなのか?」「病気なのか?」老犬が吠える原因や理由、予防対策などについて詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬の夜鳴き、原因や理由は?鳴きやまない場合の対処法やサプリメントなど予防法!
老犬の介護生活では、「寝たきりの愛犬が鳴き止まない」「夜鳴きを無視できない」など、夜鳴きに頭を悩ませる飼い主さんが多くいます。原因は認知症だけではなく、痛みや不快感などいくつか考えられます。夜泣きの原因や理由を探るとともに、その対処法や予防方法について詳しく解説していきます。
【獣医師監修】愛犬がトイレ(排泄)を覚えない?【犬種別】しつけ、トレーニングのポイントやコツ!
愛犬がトイレ(排泄)を覚えずに困っている飼い主さんも多くいると思います。柴犬、トイ・プードル、チワワ、ゴールデン・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグなど、犬種によりトイレトレーニングの方法も異なるのでしょうか?ここでは、愛犬のトイレ(排泄)のしつけ方法やトレーニングのポイント、失敗しないコツについて解説します。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬の痙攣(けいれん)発作の原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬で時折見られる痙攣(けいれん)。一般的には「痙攣(けいれん)発作」と言われることもありますが、実は、定義も解釈も難しい部分があるのが痙攣です。今回はわかりやすく、痙攣の原因や理由、対処法、治療法、治療費、予防対策などについて詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬を介護する際の悩みは?病気や医療費、トイレなど介護のポイントやコツ!
老犬の介護生活には悩みがつきものです。それゆえに、試行錯誤と工夫は必要。そして、もう一つ大事なのが飼い主さんの気持ちの持ち方です。そうしたメンタル面も含め、老犬の介護について知っておきたいポイントをまとめました。各テーマについては、別の記事でお伝えします。
【獣医師監修】老犬ホームとはどんなサービス?メリットやタイプ、料金、選び方のポイントは?
近年、「老犬ホーム」や「老犬介護ホーム」と呼ばれる高齢犬のケアに特化した施設が増えています。人・犬ともに高齢化・長寿化の時代に登場した新しいサービスですが、そのサービス内容や料金・費用、選び方などについて解説します。
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