【獣医師監修】老犬の便秘が心配、何日が動物病院に行く目安?原因や理由、解消方法、予防対策は?
老犬は下痢と並んで便秘もしがちです。運動量や食べる量も減り、消化機能も低下することから便秘しやすくなりますが、他にも原因は考えられます。愛犬が1日に必要とする水分量を知っていますか? 実は、便秘にも水分量が関係することがあるのです。今回は、老犬の便秘の原因や理由、対処法、予防方法などについて詳しくお伝えします。
更新日:
【獣医師】【ドックトレーナー】【トリマー】
ペットスペース&アニマルクリニックまりも 病院長
一般社団法人女性獣医師ネットワーク 代表理事
株式会社WVN代表取締役
【学歴・経歴】
◇1982年:東京生まれ、東京育ち
◇2001年:青山ケンネルスクールトリミング科 卒業
◇2007年:麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
◇2009年:アニマルプラザ ドッグトレーナーズカレッジ 卒業
◇2009年:ペットスペース&アニマルクリニックまりも 開業
◇2011年:女性獣医師ネットワーク設立(2016年一般社団法人化)
◇2017年:株式会社WVN 設立
【資格】
◇獣医師
◇日本ドッグトレーナー協会 ドッグトレーナー A級ライセンス
◇日本アニマルアロマセラピー協会認定 アニマルアロマセラピスト
◇青山ケンネルスクールトリミング B級ライセンス
【所属】
◆一般社団法人 女性獣医師ネットワーク代表理事
【著作物】
「最新版 愛犬の病気百科」愛犬の友編集部
「犬にも人にも優しい飼い方のメソッド 愛犬をケガや病気から守る本」愛犬の友編集部
【ペットへの想い、職業上のペットとのかかわり】
18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。
ペットとその家族のサポートをしたい、的確なアドバイスをしたいという思いから、トリマーとして働きながら獣医師、ドッグトレーナーになりました。
病気の予防、未病ケアに力を入れ、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護師、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。
現在の愛犬は「シーズー」。
看板犬、スタッフ育成のモデル犬として良きパートナーです。
ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、ヨークシャテリアとも暮らしてました。
家族のいない犬の一時預かり、離乳前の子猫を育てるミルクボランティアなどもやってます。
老犬の便秘【原因・理由】
arrowsmith2 / PIXTA(ピクスタ)
老犬に見られる便秘。
その原因としては、以下のようなものが考えられます。
【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
老犬の便秘「原因」①【食事量の低下】
老犬は基礎代謝や運動量が低下し、自ずと必要とするカロリーが減ってくるので、食べる量が少なくなります。
そのため、うんちの量も少なくなり、便秘になりやすくなります。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬におすすめの食事は?適量や回数、注意点は?食べさせ方と手作りレシピ!
老犬の食事は悩みがつきものです。筋肉維持には良質のタンパク質、認知症予防には抗酸化食品やオメガ3脂肪酸、関節のためにはグルコサミンやコンドロイチンなど積極的に与えたいですが、食事の回数を調整し、食べさせ方にも工夫が必要になります。今回は、老犬の食事に関して詳しく解説します。
老犬の便秘「原因」②【運動量の低下】
iStock.com/stonena7
老犬になるとどうしても運動量が減ってしまいます。
運動量の低下は、腸の動き・蠕動(ぜんどう)運動も弱めてしまうので、便秘の原因になります。
老犬の便秘「原因」③【消化機能の低下】
老犬は食事量や運動量だけでなく、胃や腸などの消化機能も低下してくるので、便秘や下痢を起こしやすい傾向にあります。
【獣医師監修】老犬におすすめの食事は?適量や回数、注意点は?食べさせ方と手作りレシピ!
老犬の食事は悩みがつきものです。筋肉維持には良質のタンパク質、認知症予防には抗酸化食品やオメガ3脂肪酸、関節のためにはグルコサミンやコンドロイチンなど積極的に与えたいですが、食事の回数を調整し、食べさせ方にも工夫が必要になります。今回は、老犬の食事に関して詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬の下痢が止まらない(繰り返す)原因や理由は?食事や対処法・予防対策!
老犬での下痢は珍しくありませんが、体力や免疫力が低下しているだけに心配にもなりますよね。ストレスや冷えから下痢になることもあれば、重大な病気が隠れていることもあります。下痢になりやすい傾向にある犬や、動物病院を受診する目安も含めて、老犬の下痢について詳しく解説します。
老犬の便秘「原因」④【水分摂取量の低下】
iStock.com/dimarik
老犬は食餌(しょくじ)だけでなく、水もあまり飲まなくなります。
【獣医師監修】老犬におすすめの食事は?適量や回数、注意点は?食べさせ方と手作りレシピ!
老犬の食事は悩みがつきものです。筋肉維持には良質のタンパク質、認知症予防には抗酸化食品やオメガ3脂肪酸、関節のためにはグルコサミンやコンドロイチンなど積極的に与えたいですが、食事の回数を調整し、食べさせ方にも工夫が必要になります。今回は、老犬の食事に関して詳しく解説します。
犬も人間と同じで、水分摂取量が少なくなると便も硬くなりがちです。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
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老犬の便秘の原因⑤【ストレス】
何らかのストレスによる自律神経の乱れから便秘になることもあります。
老犬がストレスに感じていることはないか、普段から気をつけて様子を見ましょう。
【獣医師監修】犬のストレス、病気や死亡の原因になる?ストレス行動やサイン、発散・解消法!
ストレスは万病のもとと言われます。それは、人間だけでなく犬にも当てはまること。愛犬のストレスを遠ざけて、健康に暮らしてもらえるよう、飼い主としてできることを心得ておきたいものです。
老犬の便秘の原因⑥【カルシウム・カリウム】
iStock.com/kazunoriokazaki
骨が弱くなる老犬では、カルシウムも大事な栄養素ですが、摂り過ぎは便を硬くしてしまいます。
カルシウムが多いと、便の色は白っぽくなります。
一方、カリウムが少な過ぎると消化管の働きが低下することがあります。
老犬の食事の栄養分が気になるときは、かかりつけの獣医師に一度相談してみましょう。
【獣医師監修】老犬におすすめの食事は?適量や回数、注意点は?食べさせ方と手作りレシピ!
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老犬の便秘の原因⑦【食物繊維】
YAMATO / PIXTA(ピクスタ)
食物繊維は便通を整え、生きた善玉菌(微生物)であるプロバイオティクスのエサにもなるので、老犬の食事にも積極的に摂り入れたい栄養素の一つです。
しかし、食物繊維の摂り過ぎや不足は便秘をまねくことがありますので注意してください。
老犬の便秘の原因⑧【炎症・痛み】
hamayakko / PIXTA(ピクスタ)
愛犬が、便をしたくてもお尻周辺が痛くて出せないということもあり得ます。
下半身のケガによって便秘になることもあります。
老犬がお尻のあたりを痛がる様子があったら、早めに動物病院を受診しましょう。
また、日頃から定期的に健康診断を受け、老犬の体をチェックすることも大切です。
【獣医師監修】犬の健康診断は必要?愛犬の健康寿命を延ばすため
昨今の動物病院は、病気を予防するための場所にもなってきています。愛犬が病気になってから駆け込むのではなく、日頃から飼い主とかかりつけ医が信頼関係を築くことの大切さ、そして愛犬の健康寿命を延ばすための予防医療の大切さを、地域密着型病院の院長である成城こばやし動物病院の小林元郎獣医師に教えていただきました。
老犬の便秘の原因⑨【誤飲】
Madphotos / PIXTA(ピクスタ)
ボールや石など異物を食べて消化管に詰まってしまい、便が出てこないこともあります。
これは非常に危険な状態です。
老犬が誤飲したら危ないものは犬の届くところに置かないなど、家族でルールを決めましょう。
【獣医師監修】犬のタバコの誤飲、影響は?ニコチン中毒で死亡の可能性も?対処方法や注意点!
犬にとってタバコは大変危険です。万が一犬がタバコを食べてしまうと、ニコチン中毒により最悪の場合は亡くなることもあります。飼い主が吸わなくても散歩中に吸い殻を口にするかもしれません。犬がタバコを食べてしまった時の対処方法や、日頃の注意点を解説します。
老犬の便秘の原因⑩【薬】
FamVeld / PIXTA(ピクスタ)
利尿剤や抗ヒスタミン薬、鎮痛剤、鉄剤、抗コリン剤、硫酸バリウム、吐き気止め、抗ガン剤など薬剤の影響によって便秘になることもあります。
薬の影響で老犬が便秘をするようになったときは、早めに獣医師へ相談しましょう。
【獣医師監修】愛犬が薬を警戒して飲まない、イライラ。薬の上手な飲ませ方、ポイントやコツは?
愛犬が「薬を飲まない、飲んでくれない」と苦労している飼い主の方も多いと思います。愛犬にとって薬を飲むことは、感染症予防や治療にとても大切です。ただ、愛犬に薬を飲ませるのはなかなか大変ですよね。今回は、飼い主も愛犬もストレスにならない、上手な薬の飲ませ方やポイント、コツについて解説します。
老犬の便秘の原因⑪病気の影響
病気の中には便秘になりやすいものもあることには注意が必要です。
便秘を起こす可能性のある病気はのちほど解説します。
iStock.com/Sushiman
なお、老犬の便秘の原因は、次のように分けることもできます。
老犬の便秘の原因①
原因 | |
---|---|
1 | 腸の蠕動(ぜんどう)運動 |
2 | 腸の圧迫や閉塞 |
3 | 食べ物、便の硬さ |
4 | 病気や薬剤 |
5 | 痛み |
6 | 心理的なもの(ストレス) |
さらには、
老犬の便秘の原因②
原因 | |
---|---|
1 | 物理的に便が出せない |
2 | 消化管の機能の問題で出せない |
と大別することもできます。
老犬の便秘【症状・状態】
iStock.com/AMR Image
老犬が便秘になった場合は、以下のような様子が見られることがあります。
きばるもののなかなか出ない、同時に体が震える
【獣医師監修】老犬の震え(振戦)の原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬は体が震えることも珍しくありません。一口に「震える」と言っても、厳密には「振戦(しんせん/震え)」と「痙攣(けいれん)発作」とに分けることができます。この記事では、主に「振戦」についてについて詳しく解説します。老犬の震えには、心配のないものもあれば、注意が必要な震えもあります。
便を出す素振りが見られない
お腹が膨らんでいる
便はコロコロとして硬過ぎる
トイレにいる時間が長い、トイレにずっと座っている
【獣医師監修】愛犬がトイレ(排泄)を覚えない?【犬種別】しつけ、トレーニングのポイントやコツ!
愛犬がトイレ(排泄)を覚えずに困っている飼い主さんも多くいると思います。柴犬、トイ・プードル、チワワ、ゴールデン・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグなど、犬種によりトイレトレーニングの方法も異なるのでしょうか?ここでは、愛犬のトイレ(排泄)のしつけ方法やトレーニングのポイント、失敗しないコツについて解説します。
犬の便秘の目安
nazuna / PIXTA(ピクスタ)
犬では2日を目安とし、3日以上便が出ないと「便秘」と言われますが、人では1週間に排便が3回未満であると「便秘」と言います。
また、便が硬い、便が小さい、いきんでも出にくい、残便感がある、かき出さないと出ないという場合も「便秘」と言えます。
犬も同じく、便が硬過ぎる、出にくいという場合は便秘と言えるでしょう。
Jomkwan7 / PIXTA(ピクスタ)
なお、嘔吐や痙攣(けいれん)、ぐったりしている、発熱など、他の症状もある時には迷わず、すぐに動物病院へ向かうことをお勧めします。
【獣医師監修】老犬が吐く、嘔吐を繰り返す原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬が吐く時、一過性で心配のないものもあれば、腎不全や膵炎(すいえん)、突然に発症する前庭疾患など気をつけたい病気の場合もあります。老犬はちょっとしたことで体調を崩しやすく、また、病気の進行も早いと言われるので、嘔吐についても原因や症状など基本情報を知っておきましょう。
【獣医師監修】老犬の痙攣(けいれん)発作の原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬で時折見られる痙攣(けいれん)。一般的には「痙攣(けいれん)発作」と言われることもありますが、実は、定義も解釈も難しい部分があるのが痙攣です。今回はわかりやすく、痙攣の原因や理由、対処法、治療法、治療費、予防対策などについて詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬の震え(振戦)の原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬は体が震えることも珍しくありません。一口に「震える」と言っても、厳密には「振戦(しんせん/震え)」と「痙攣(けいれん)発作」とに分けることができます。この記事では、主に「振戦」についてについて詳しく解説します。老犬の震えには、心配のないものもあれば、注意が必要な震えもあります。
【獣医師監修】犬のてんかん、発作で突然死する?原因や症状、治療法は?後遺症や治療費、予防法!
犬にも、人間同様にてんかん発作があります。急に愛犬が痙攣(けいれん)し始めると、死亡してしまうのではないかと驚いてしまうかもしれません。犬がてんかんを発症する年齢、発作の症状、かかりやすい犬種はあるのかなど、知識を得ておきましょう。
【参照元】日本大腸肛門病学会 山名 哲郎「大腸・肛門の病気について:便秘について」
老犬の便秘【考えられる病気】
iStock.com/PotaeThanachai
便秘を引き起こす可能性のある病気としては、次のようなものがあります。
老犬の便秘の原因となりうる病気
疾患 | 症状・特徴 |
---|---|
腺癌、悪性リンパ腫などの腫瘍・ガン | 腸の圧迫や閉塞 |
腸の炎症 | 蠕動(ぜんどう)運動の低下 |
甲状腺機能低下症 | 蠕動(ぜんどう)運動の低下 |
前立腺肥大 | オス犬のみ可能性がある |
肛門嚢炎 | 痛みが出る |
脱水 | 腎疾患や電解質バランスの崩れから脱水になることも |
中枢神経の異常 |
老犬の便秘【治療方法・治療費】
つむぎ / PIXTA(ピクスタ)
老犬の便秘が軽度の場合は、食事や水分量の調整で対処することになるでしょう。
【獣医師監修】老犬におすすめの食事は?適量や回数、注意点は?食べさせ方と手作りレシピ!
老犬の食事は悩みがつきものです。筋肉維持には良質のタンパク質、認知症予防には抗酸化食品やオメガ3脂肪酸、関節のためにはグルコサミンやコンドロイチンなど積極的に与えたいですが、食事の回数を調整し、食べさせ方にも工夫が必要になります。今回は、老犬の食事に関して詳しく解説します。
犬の肛門を指先や綿棒などで軽く刺激すると、うんちが出やすくなるよう排便を促すことも可能ですが、飼い主さんが無理に行うのはやめましょう。
薬が必要な場合は、緩下剤(かんげざい)や刺激性下剤、整腸剤が処方されると思いますが、処置として浣腸が施されることもあります。
【獣医師監修】愛犬が薬を警戒して飲まない、イライラ。薬の上手な飲ませ方、ポイントやコツは?
愛犬が「薬を飲まない、飲んでくれない」と苦労している飼い主の方も多いと思います。愛犬にとって薬を飲むことは、感染症予防や治療にとても大切です。ただ、愛犬に薬を飲ませるのはなかなか大変ですよね。今回は、飼い主も愛犬もストレスにならない、上手な薬の飲ませ方やポイント、コツについて解説します。
Wayne_PHOTO / PIXTA(ピクスタ)
緩下剤(かんげざい)・刺激性下剤には、腸内の潤滑を促すものや、便を柔らかくするもの、腸の蠕動(ぜんどう)運動を刺激するもの、便中の水分量を調整して腸を刺激する膨脹タイプなどいろいろあり、犬の状況によって選択されることでしょう。
便秘と同時に脱水症状も見られる場合には、輪液による水分の補給が必要です。
Kukota / PIXTA(ピクスタ)
また、病気が疑われる場合は検査が行われることもありますが、誤飲で腸閉塞を起こしているケースでは手術が必要になります。
【獣医師監修】犬のタバコの誤飲、影響は?ニコチン中毒で死亡の可能性も?対処方法や注意点!
犬にとってタバコは大変危険です。万が一犬がタバコを食べてしまうと、ニコチン中毒により最悪の場合は亡くなることもあります。飼い主が吸わなくても散歩中に吸い殻を口にするかもしれません。犬がタバコを食べてしまった時の対処方法や、日頃の注意点を解説します。
その他、便秘をサポートするハーブとしてはイエロードッグやマシュマロウなどがあります。
しかし、イエロードッグは量が多過ぎると逆に下痢や嘔吐を起こすことがあり、マシュマロウは血糖値を下げる作用があるので低血糖になりやすい疾患がある犬には注意が必要です。
【獣医師監修】老犬が吐く、嘔吐を繰り返す原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬が吐く時、一過性で心配のないものもあれば、腎不全や膵炎(すいえん)、突然に発症する前庭疾患など気をつけたい病気の場合もあります。老犬はちょっとしたことで体調を崩しやすく、また、病気の進行も早いと言われるので、嘔吐についても原因や症状など基本情報を知っておきましょう。
【獣医師監修】老犬の下痢が止まらない(繰り返す)原因や理由は?食事や対処法・予防対策!
老犬での下痢は珍しくありませんが、体力や免疫力が低下しているだけに心配にもなりますよね。ストレスや冷えから下痢になることもあれば、重大な病気が隠れていることもあります。下痢になりやすい傾向にある犬や、動物病院を受診する目安も含めて、老犬の下痢について詳しく解説します。
薬を飲んでいる場合にも同じく注意しなければならないので、ハーブを使用したい場合には事前に動物病院でご相談ください。
【獣医師監修】犬にハーブティーは飲ませてはダメ!安全なハーブも念のため獣医師に相談を!
ハーブティーを飲むと、ほっとしますよね。愛犬にもハーブティーを飲ませたい飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、ハーブティーの中には犬に危険なものもあります。ここでは、犬にとって危険なハーブティーの種類や、誤飲してしまった場合の対処法や応急処置、治療方法などについて解説します。
【獣医師監修】愛犬が薬を警戒して飲まない、イライラ。薬の上手な飲ませ方、ポイントやコツは?
愛犬が「薬を飲まない、飲んでくれない」と苦労している飼い主の方も多いと思います。愛犬にとって薬を飲むことは、感染症予防や治療にとても大切です。ただ、愛犬に薬を飲ませるのはなかなか大変ですよね。今回は、飼い主も愛犬もストレスにならない、上手な薬の飲ませ方やポイント、コツについて解説します。
【参照元】日本消化器病学会「健康情報誌“消化器のひろば”No.11 知っておきたい治療薬 消化器病の薬 便秘薬」
iStock.com/zabo69005
老犬の便秘【治療費の目安】
項目 | 料金幅 |
---|---|
糞便検査 | ~1万2,500円 |
血液検査 | ~5万円 |
尿検査 | ~2万5,000円 |
レントゲン検査 | ~5万円 |
内視鏡検査 | ~5万円超 |
超音波検査(腹部エコー) | ~5万円超 |
輪液(点滴) | ~5万円超 |
調剤料 | ~1万2,500円 |
処方箋 | ~1万円 |
全身麻酔 | ~5万円超 |
腸切開 | ~30万円超 |
【参照元】公益社団法人 日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)」
老犬の便秘【予防対策】
iStock.com/Akchamczuk
老犬の便秘を予防するには、次のようなことを心がけるといいでしょう。
老犬の便秘予防①【腸内環境】
犬の腸内環境を整えるには善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスと、そのエサとなるプレバイオティクス(オリゴ糖や食物繊維など)を定期的に摂取するのがよいとされています。
プロバイオティクスは整腸作用のみならず、発ガンリスク軽減作用、免疫機能調整作用などもあると言われますが、乳酸菌やビフィズス菌はビタミンを産生する働きもあります。
iStock.com/ryanhendrixarts
たとえば、ビフィズス菌はビタミンB群を産生し、そのエサとしてはオリゴフラクトースやイヌリンがよいそうで、このように相性のよいプロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせて摂取することにより、便秘の改善をはじめ、いろいろな効果がより期待できるということです。
【参照元】一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会 発酵乳乳酸菌飲料公正取引協議会、細野明義「乳酸菌の科学/乳酸菌とビフィズス菌の基礎講座:Ⅲ.プロバイオティクスとしての乳酸菌とビフィズス菌」
辨野 義巳「プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能」
muu / PIXTA(ピクスタ)
なお、胃酸や胆汁酸は乳酸菌やビフィズス菌の力を弱めてしまうので、犬にヨーグルトを与えるなら胃酸が弱まる食後がベストです。
【獣医師監修】犬がヨーグルト(人間用)を食べても大丈夫?プレーンがおすすめ?アレルギーや注意点!
整腸作用など健康にいい印象のあるヨーグルト。乳酸菌などの善玉菌を増やし、悪玉菌の割合を減らして腸内環境を整えると言われます。犬はヨーグルトを食べても大丈夫でしょうか?市販のものや加糖タイプは?ヨーグルトの食材としての特長や注意点、適量などを詳しく解説します。
【参照元】東京医科歯科大学医学部附属病院臨床栄養部「食彩たより第43号:腸内環境と食習慣~便は体からのお便りです~」
老犬の便秘【おすすめの食品】
プロバイオティクス | ヨーグルト、納豆、チーズ、味噌 など |
---|---|
プレバイオティクス | サツマイモ、アスパラガス、ごぼう、大豆、 しいたけ、桃、梨、キウイ、りんご、バナナ など |
【獣医師監修】犬がヨーグルト(人間用)を食べても大丈夫?プレーンがおすすめ?アレルギーや注意点!
整腸作用など健康にいい印象のあるヨーグルト。乳酸菌などの善玉菌を増やし、悪玉菌の割合を減らして腸内環境を整えると言われます。犬はヨーグルトを食べても大丈夫でしょうか?市販のものや加糖タイプは?ヨーグルトの食材としての特長や注意点、適量などを詳しく解説します。
【獣医師監修】犬が毎日納豆を食べても大丈夫?腎臓・肝臓・心臓などへの健康効果やトッピングは?
大豆の発酵食品である、納豆。納豆が大好きな犬も多く、犬用にフリーズドライのおやつも販売されていますね。犬は納豆を食べても大丈夫なのでしょうか?腸内環境を整えるなどの健康効果はあるのでしょうか?納豆の食材としての特長や注意点、適量などを詳しく解説します。
【獣医師監修】犬がチーズを食べても大丈夫?人間用は?食べて良いチーズの種類や塩分、アレルギーは?
犬用のおやつとしても人気のチーズ。塩分が多く高カロリーなイメージもありますが、犬はチーズを食べても大丈夫なのでしょうか? カマンベールチーやどナチュラルチーズは? チーズも手作りできるって本当? チーズの食材としての特長や注意点、適量などを詳しく解説します。
【獣医師監修】犬が食べてもいい野菜!犬にあげてはいけない中毒の危険(ダメ)がある野菜!
普段、ドッグフードを与えている人でも、自分の食事のおすそ分けや、フードへのトッピングとして野菜をあげる機会があるのではないでしょうか? 体に良いと考えられている野菜の中でも「犬が食べてもいい野菜」と犬にあたえると中毒症状を引き起こす「危険な野菜」について解説していきます。
【獣医師監修】犬が果物を食べても大丈夫?おすすめの果物やあげてはダメ(危険)な果物!
もも、キウイ、スイカ、パイナップル、柿など、ダイエットにも人気の食べ物で、体にも良い効果があるされている果物。果物が大好きな犬もいますが、犬の食事やおやつに果物(フルーツ)を与えても大丈夫なのでしょうか?ここでは、犬が食べても良い果物とあげてはダメ(危険)な果物について解説していきます。ぜひ、今後の参考にしてください。
老犬の便秘予防②【水分】
gonz@les / PIXTA(ピクスタ)
愛犬がちゃんと水を飲んでいるか確認するとともに、あまり飲まない犬の場合は、食事の水分量を増やすなどして十分な水分が摂れるようにしてあげましょう。
犬の1日の正常な水摂取量の目安は、体重1kgあたり20~90mlです。
【参照元】公益社団法人埼玉県獣医師会「水の飲み過ぎは病気のサインかもしれません!」
【獣医師監修】犬がミネラルウォーターを飲んでも大丈夫?硬水、軟水、鉱水は?水道水に浄水器は必要?
ペットボトルで売っているミネラルウォーター。犬はミネラルウォーターを飲んでも大丈夫でしょうか? 硬度の違いや鉱水などいろいろあるけれど、何の水を飲ませるのがいいの? 下痢しない? 水道水のほうがいい? ミネラルウォーターの特長や注意点、適量などを詳しく解説します。
老犬の便秘予防③【油(不飽和脂肪酸)】
オリーブオイルやえごま油、亜麻仁油などに含まれる不飽和脂肪酸には便の滑りをよくする作用(滑腸作用)があるとされるので、愛犬の食事に少量混ぜてみるのもおすすめです。
【獣医師監修】犬にオリーブオイルを与えても大丈夫?オリーブオ
人間にとってさまざまな美容・健康効果が期待できるオリーブオイル。オリーブオイルは、コレステロールを下げたり動脈硬化を予防したりと健康に役立つことが知られています。人間同様に、犬にもオリーブオイルを食べさせても問題ないのでしょうか?
老犬の便秘予防④【運動・マッサージ】
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老犬の運動不足は、腸の蠕動(ぜんどう)運動の低下にもつながるので、適度な散歩や運動、ストレッチを。
【獣医師監修】老犬の散歩はいつまで必要?歩かない場合は?時間や距離、頻度(回数)の目安は?
老犬(高齢犬)だから散歩や運動は必要ないというわけではありません。関節炎や認知症などが心配な老犬だからこそ、無理のない範囲で散歩や運動をすることは予防やリハビリにもなります。「老犬の散歩の頻度は?」「距離は?」と気にするより、飼い主さんの「散歩に行ってあげたい」と思う気持ちが何より大事です。
手の平で犬のお腹を右回りに優しくさすってあげると腸の動きを促すマッサージになります。
【獣医師監修】犬のマッサージで痛み・コリを解消し免疫力アップ
愛犬とのスキンシップタイムには、マッサージやストレッチをしながら愛犬の健康を促進してあげるのがおすすめです。犬のマッサージ(ドッグマッサージ)のやり方と秘訣を学びましょう。飼い主さんも愛犬も、極上のリラックスタイムを!
老犬の便秘予防⑤【誤飲防止】
老いに伴って認知能力の低下も考えられます。
今まで大丈夫だったからと過信せず、飲み込むと危険な物は犬の周囲に置かないようにしましょう。
【獣医師監修】犬のタバコの誤飲、影響は?ニコチン中毒で死亡の可能性も?対処方法や注意点!
犬にとってタバコは大変危険です。万が一犬がタバコを食べてしまうと、ニコチン中毒により最悪の場合は亡くなることもあります。飼い主が吸わなくても散歩中に吸い殻を口にするかもしれません。犬がタバコを食べてしまった時の対処方法や、日頃の注意点を解説します。
【参照元】小田原獣医師会「腸の病気について」
老犬の便秘【まとめ】
iStock.com/Bigandt_Photography
老犬が、便秘になる前には便の量や回数が少なくなる、乾いた便になる、食欲が低下する、元気がないなどの様子が見られる場合もあるようです。
【獣医師監修】犬の食欲不振・犬が食べない。考えられる原因や対処方法は?
「食欲不振」「嘔吐」「下痢」は、飼い主がすぐに気づいてあげられる愛犬からの3大「不調サイン」と言われています。食欲がない状態を見過ごさずに、適切に対処することが大切です。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
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整腸作用など健康にいい印象のあるヨーグルト。乳酸菌などの善玉菌を増やし、悪玉菌の割合を減らして腸内環境を整えると言われます。犬はヨーグルトを食べても大丈夫でしょうか?市販のものや加糖タイプは?ヨーグルトの食材としての特長や注意点、適量などを詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬がご飯を食べない原因や理由は?ご飯を食べない時の対処法やポイント・コツ!
老犬が、元気がなく、ご飯を食べない(食欲不振)といった悩みはよく聞かれます。犬も加齢にしたがい、体や気持ちにもいろいろ変化が出てきます。ご飯を食べない原因や理由は、歯や床など、意外なところに原因がある場合もあります。今回は老犬がご飯を食べない原因や理由、対処法やポイント、コツなどについて詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬のおむつはいつから必要?漏れやかぶれ、交換のコツは?人間用の代用はOK?
老犬ではおむつが必要になることもあります。排泄は毎日の問題なだけにおむつで頭を悩ますこともあるでしょう。多いのが漏れやずれ、かぶれなどの悩み。ほんのちょっとした工夫で改善できることもあります。今回は老犬のおむつについて必要な時期や漏れなどの悩み、コツを解説します。
【獣医師監修】老犬が寝たきりになったらどうする?原因や理由、対処、注意点やポイント、予防法!
犬の寿命も延び、寝たきりとなって介護が必要になるケースも珍しくありません。愛犬の健康寿命を延ばし、元気に天寿を全うする“ピンピンコロリ”が理想ですが、なかなか難しいのも現実です。ここでは、犬が寝たきりになった場合の原因や理由、対処法、注意点などについて詳しく解説します。
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