【獣医師監修】犬がタコ(生)を食べても大丈夫?アレルギーや消化不良、ビタミンB1欠乏症は?
「たこ焼き」「茹でだこ」「たこせんべい」「たこの刺身」「たこの酢の物」など、タコは日本人が好きな食べ物の一つですが、犬はタコを食べても大丈夫なのでしょうか?ここでは、愛犬にタコを与える際の注意点やポイントについて詳しく解説します。
更新日:
獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
目次
犬が【タコ】を食べても大丈夫!
Anatoly Tiplyashin/ Shutterstock.com
犬に蛸(タコ)を与えても基本的に大丈夫です!
犬がタコを食べても犬の健康を害するような症状は起きません。
ただ、問題ないからといって主食のようにタコばかりを長期間与えてしまうと「栄養バランスの偏り」から”健康を害する”恐れがありますので注意しましょう。
犬にタコを与えた場合【アレルギー】は大丈夫?
Tongsai/ Shutterstock.com
タコは人間だけでなく犬の場合もアレルゲンとなる可能性があると言われることがあります。
しかし、タコのアレルギーはあまり心配する必要はありません。
そもそも、「食物アレルギー」は、元々、頻度高く摂取し続けていた食材に対して発症します。
代表的なアレルゲンは「乳製品」や「卵」「小麦」「肉類」で、これらは犬が摂取する頻度が高いため、相対的にアレルギーの発症率も高くなります。
愛犬が主食として食べることのないタコを少量食べた程度でアレルギーを引き起こすことは考えられません。
犬にタコを与えた場合【消化不良】の心配は?
Oyls/ Shutterstock.com
犬にタコを与えてはいけない理由としてよく挙げられるのが「消化不良を起こしやすい」という点です。
「茹でたり」「焼いたり」「熱を加えたタコ」は、コリコリとした食感としっかりとした歯ごたえが特徴的であり、なかなか歯で簡単に噛み切ることができません。
そのため、愛犬がタコをなかなか消化することができないのではないかと考えられることがあります。
しかし、タコはたんぱく質が主体となって構成されていることから、人間では魚などと比べ、消化が良いものとされています。
犬は肉を消化できるように、たんぱく質を問題なく消化できるので、タコも問題なく消化をすることができます。
愛犬が過剰なタコの量を摂取する場合などをのぞき、消化不良についてそれほど心配する必要はありません。
犬に与えるタコ、チアミナーゼによる【ビタミンB1欠乏症】は大丈夫?
Valerio Pardi/ Shutterstock.com
犬にタコを与えてはいけない理由として、チアミナーゼによる「ビタミンB1欠乏症の危険性がある」と言われることもあります。
「ビタミンB1欠乏症」については、一般的に食べる量であれば特に危険性はありません。
生のタコにはチアミナーゼが含まれていますが、含有量は少なく、タコを少量食べて問題になるような濃度ではありません。
犬に与えるタコは生(刺し身)ではなく【加熱処理】する
チアミナーゼは加熱すると壊れるため、犬にタコをあげるときは「生(刺し身)」ではなく、「加熱」したタコを与えましょう。
もし、愛犬が「生」のタコを多量に食べてしまった場合でも、チアミナーゼによる「ビタミンB1欠乏症」が犬に起きた事例は報告されていません。
過剰に心配する必要はありません。
犬がタコを【過剰摂取】してしまったときの対処法は?
IgorAleks/ Shutterstock.com
犬にとってタコは、特に健康を害するものではありません。
愛犬がタコ食べてしまったとしても基本的には様子を見ていれば問題ありません。
ただ、愛犬がタコを過剰摂取してしまい、愛犬の様子がいつもと違ったり、「下痢」や「嘔吐(おうと)」の症状がみられる場合には、動物病院で獣医師に見てもらいましょう。
犬に与えるタコ【まとめ】
Larisa Blinova/ Shutterstock.com
愛犬にタコを与えても問題ありませんが、食べ過ぎには十分注意しましょう。
また、愛犬にタコを過剰に与えると、主食を食べなくなってしまうの恐れもあるので、おやつとしてタコを与える場合には、”主食の2割り程度”にしましょう。
愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。
愛犬と楽しい毎日を過ごすためにも、愛犬に与える食材について、正しい知識を身に付けましょう。
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