【獣医師監修】犬が煮干しを毎日食べても大丈夫?適量やメリット、アレルギー、尿路結石など注意点は?
カルシウム豊富な煮干し。カタクチイワシやきびなごなど、手作りご飯のだし汁やスープとして、また、愛犬のおやつや食事に与えたい飼い主さんもいると思います。犬に人間用の煮干しを与えても大丈夫なのでしょうか?今回は、犬に与える煮干しのメリットや嘔吐や下痢などの注意点、ポイントについて詳しく解説します。
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獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
犬は【煮干し】を食べても大丈夫!

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犬に煮干しを与えても大丈夫です!
「犬に煮干しを与えてはいけない」という声や「カルシウムを摂らせるために煮干しを食べさせたい」という意見をよく目にしますが、実際には、おやつとして煮干しを犬に与える分には問題ありません。
煮干しは犬にとって重要な栄養素を含んだ食べものと言えます。
国産無塩の煮干しであれば、安心して愛犬に与えられるでしょう。
犬に煮干しを与える【メリット】は?

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犬に煮干しを与えるメリットは、犬にとって「重要な栄養素を摂取させることができる」という点です。
煮干しからは以下のような栄養素を摂取することができます。
犬に煮干しを与えるメリット①【カルシウム】

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犬の歯や骨の成形において「カルシウム」は大事な栄養素です。
犬は人間の約10倍の「カルシウム」を必要とするという報告もあり、犬にとってとても重要な栄養素であるといえます。
犬に煮干しを与えるメリット②【イノシン酸】

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アミノ酸の一種である「イノシン酸」、うまみ成分の中でも代表的な成分で、特に乾燥した魚である煮干しや鰹節に多く含まれています。
犬に煮干しを与えるメリット③【マグネシウム】

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リンやカルシウムとともに骨を形成する働きがある、必須ミネラルであるマグネシウム。
小魚の骨にマグネシウムは含まれているので、効率よく摂取できます。
マグネシウムの摂りすぎで結石ができやすくなるという話がありますが、おやつ(全体の食事量の20%)として与える範囲内の量では問題にはなりません。
犬に与える煮干し【アレルギー】は?

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症例も少なく問題になることは少ないですが、「魚アレルギー」のある愛犬には、煮干しを食べさせないようにしましょう。
犬のアレルギーの症状としては「体を掻いて痒がる」「皮膚が赤くなる」「湿疹が出る」などがあげられます。
愛犬にアレルギー症状が見られた際には、速やかに獣医師に相談しましょう。
犬に与える煮干し【注意点】は?

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愛犬が煮干しを「あまり噛まずに大量に食べたり」「丸呑み」してしまうと、下痢や嘔吐(おうと)を起こしやすいといわれます。
普段からあまり噛(か)まない癖がある犬の場合には、最初から煮干しを細かく砕くか、軽く煮て柔らかくしてから与えるようにしましょう。
犬に与える煮干し【まとめ】

kai keisuke/ Shutterstock.com
犬に煮干しを与えても問題ありません。
ただし、愛犬にアレルギーの不安がある場合には、無理に与えるのはやめるようにしましょう。
また、愛犬が煮干しを丸呑みしないように注意してください。
栄養バランスを崩さないためにも、主食は総合栄養食のドッグフードとし、間食の範囲(摂取カロリー全体の20%)で与えるようにしましょう。
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