【獣医師監修】犬に栗を与えてもOK!ただし殻や渋皮には注意が必要!

秋の季節の代表的な食べ物の栗ですが、人間が食べていると犬も興味を示していることはありませんか?デザートなど大活躍の栗ですが、犬にとってはどのような食べ物なのでしょうか。

  • 監修者:徳本 一義 先生(獣医師)

【獣医師監修】犬に栗を与えてもOK!ただし殻や渋皮には注意が必要!
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犬は栗を食べても大丈夫

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加熱した栗は、犬にとって安全に食べることができる食材です。加熱する必要があるのは、生の栗は消化しづらいからです。柔らかくなるまで加熱した栗であれば、犬も消化不良を起こさずに済みます。また、スーパーなどで販売されている加熱済みの甘栗は、原材料が栗だけであれば犬に与えても大丈夫ですが、保存料や砂糖が大量に含まれているものは避けた方がよいでしょう。

栗の栄養素について

栗の栄養素について

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結論から言うと、栗は犬に与えても大丈夫な食べ物です。ただし、食べさせ方には注意が必要です。秋に旬を迎える栗は、縄文時代から食べられているもので、古代の人たちもその栄養価の高さを知っていたことが伺えます。
古代から日本国内の色々な場所で食べられてきた栗は、バランスのとれた栄養素を含んでいます。そのため、当時は貴重な栄養補給の源として重宝されていたようです。その証拠に、栗の木は神聖な道具や建造物に利用されていましたし、戦国時代には出陣する兵士にも栗を持たせていました。ちなみに、兵士が持っていった栗は「かち栗」と呼ばれ、「戦に勝つ」ための元担ぎだったと考えられています。

栗の栄養素の効果とは?

栗の栄養素の効果とは?

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栗の栄養の主成分はデンプンです。栗の食べることができる部分の100gあたり130キロカロリーありますが、これは白米100gと同程度のカロリーです。また、炭水化物を主成分とするさつまいもよりカロリーが高く、炭水化物以外にもミネラルが豊富に含まれているなど、バランスの取れた食材のひとつもいえます。
では、栗に含まれている栄養素の主な効能を紹介しましょう。

●炭水化物
栗でいうとデンプンにあたる部分ですが、日本では古くから主食として活用されてきた食材には多く含まれています。人間が生活する上で必要なエネルギーの源になる成分で、疲労回復の効果もあるとされています。
●ビタミン類
栗に含まれているビタミンとしてはA、B1、C、Eが多くなっています。一般的にビタミンCは加熱するとなくなってしまうといわれていますが、栗の場合はデンプンがビタミンCを守る役割を果たすため、加熱してもビタミンCの減少率が低いという特徴があります。
●カリウム
ナトリウムの体外への排出を促すカリウムは、むくみや高血圧の予防に効果があるとされている栄養素です。最近は加工品を摂取しすぎて、カリウム不足を引き起こしてしまう人が増えているといわれています。
●亜鉛
新陳代謝には欠かせない栄養素はミネラルですが、不足しがちな栄養素の代表格でもあります。そのため、亜鉛は積極的に摂取すべき栄養素のひとといわれています。特にビタミンCと同時に摂取すると吸収されやすいので、栗は亜鉛の摂取にむいている食品といわれます。ミネラル不足になると、人間では抜け毛や味覚異常などが起こりやすくなります。
●タンニン
栗の渋皮には、ポリフェノールのひとつである多くのタンニンが含まれています。抗酸化作用があります。
●パントテン酸
ビタミンB群のひとつで、炭水化物とたんぱく質・脂質の代謝に関わるといわれている栄養素です。人間の体内で補酵素であるコエンザイムAの一部となり、脂肪の燃焼や解毒作用に役立つといわれています。

栗の種類について

では、栗にはどのような種類があるのでしょうか。まず、原産地によって日本栗・西洋栗・中国栗の3つに分類されます。日本栗の特徴は、ほかの栗よりも大きく、タンニンを多く含んでいる渋皮が剝きにくいことが挙げられます。西洋栗や中国栗は焼き栗向きですが、日本栗は甘露煮や茹で栗で味わうのがベストといわれています。そのため、おせち料理の定番である栗きんとんなどが古くから日本に伝わる料理として発展してきました。その日本栗は、一番多く栽培されている「筑波」、飢饉時に非常用の食品として重宝された「銀寄」、皮が剥きやすく甘みが強い「利平」などの種類があります。

犬に栗を与える時はどうすればいい?

犬に栗を与える時はどうすればいい?

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犬に栗を与える時は、鬼皮はもちろん渋皮も剥いてから与えるようにしましょう。鬼皮をそのまま食べてしまうと、のどに詰まったり消化器官を傷つけたりする危険性があります。また、鬼皮と実の間の渋皮にはタンニンのような栄養素が含まれていますが、脂肪を分解する膵リパーゼの効果を薄くしてしまうという研究結果も出ているので、念のため剥いてから与えたほうが安心でしょう。

鬼皮も渋皮も剥きづらく面倒になりがちですが、一晩水につけておくことで剥きやすくなります。剥く方向は底から頭に剥くのが最適といわれていますので、これまで栗の皮剥きがうまくいかなかった人はこの方法を試してみてください。

犬に栗を与えるメリット

犬に栗を与えるメリット

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では、犬に栗を与えるとどのような効果が期待できるのでしょうか。まずは、抗酸化作用です。栗には抗酸化作用のあるビタミンEが含まれていることから、老化の防止が期待できます。このビタミンEは油と一緒に摂取すると吸収されやすいという特徴を持っています。

栗には腸内環境を整える食物繊維が含まれていますので、腸の中をきれいにしてくれることが期待されます。

最後に、栗には適度に甘みがあります。犬は味覚が鈍いといわれますが、糖質の甘みは感じるようで、甘いものが好きな犬は多いです。そのため、食欲がおちている犬に対して、主食であるドッグフードのトッピングとして栗を細かく刻んだものをかけてあげる方法がおすすめです。

犬に栗を与えるリスク

栗に限らず、人間にとって良い食材でも犬にとっては問題のある食材になることがあります。栗に関していうと、注意すべきことで挙げられるのは、鬼皮と渋皮を食べてしまうことによって犬の体内が傷つく可能性があるということです。

また、先程述べたように栗のカロリーが高いため、あげすぎによるカロリーオーバーには注意が必要です。あくまでも主食はドッグフードであるため、ドッグフードが食べられないほどに栗を食べてしまうと、必要な栄養素が摂れないためバランスよくあげるようにしましょう。

栗はおやつ感覚で与えたい食材

栗はおやつ感覚で与えたい食材

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多くの食材で犬はアレルギーを発症する可能性があるとされていますが、栗に関してはアレルギーが稀といわれています。しかしながら、その稀なアレルギーが自分の愛犬で発症しないとは限らないので、栗を食べさせた後は必ず近くにいて、食後の様子も見守りましょう。そこで体調の変化がなければ大丈夫ですが。もし目が充血したり、だるそうにしていたり、体を痒がったりしている時はアレルギーを持っている可能性がありますので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

犬の健康を守ることができるのは、飼い主だけです。犬に与える食材の特性を把握し、犬の健康な食生活に役立てていきましょう。

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監修者情報

徳本 一義 先生(獣医師)
徳本 一義 先生(獣医師)
小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。大学卒業後、小動物臨床に従事したのち、大手ペットフードメーカーで15年以上、臨床栄養学の観点からペットフードの開発、ならびに研究・情報発信に携わる。現在は獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、複数の獣医系大学で講師を兼任するとともに、ペット栄養学会 理事など、ペットの栄養に関する団体の要職も務める。

みんなのコメント

モンブランさん
栗はカロリーが高そうで犬にはあげてはいけないって思ってました。 秋になったらおやつとしてあげてみます!

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