【獣医師監修】犬が小松菜(生)を食べても大丈夫?適量やメリットは?シュウ酸カルシウム結石に注意!
小松菜は栄養素が多く含まれた野菜です。人間と同様に愛犬にも栄養豊富な小松菜を食べさせたいと思う飼い主の方も多いでしょう。小松菜は愛犬に与えても大丈夫な野菜なのでしょうか?小松菜を愛犬に与える際のメリットや適量、注意点などについて解説していきます。
更新日:
獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
目次
犬が【小松菜】を食べても大丈夫!
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犬に小松菜を与えても問題ありません。
小松菜の94%は水分でできていて、そのほかに鉄分やカルシウム、そしてビタミンやカロテン、カリウムなどが含まれています。
栄養素によってはほうれん草や牛乳よりも多く含まれているものもあるなど、栄養素の高い野菜です。
ベータカロテンも豊富に含まれていることから、免疫力アップや皮膚・粘膜の強化も期待できるので、成長期の子犬に与えたい野菜です。
犬に【生】の小松菜を与えても大丈夫?
Africa Studio/ Shutterstock.com
愛犬に小松菜を与える時は、必ず茹でてからにしましょう。
なぜ生の小松菜は良くないのか、その理由は2つあります。
犬に小松菜を与える際の注意点①【尿結石リスクの軽減】
jreika/ Shutterstock.com
小松菜を茹でる理由の1つ目ですが、”尿結石のリスクの軽減”という理由があります。
小松菜には多くの栄養素が含まれていますが、その中にシュウ酸もあります。
このシュウ酸は、日本の犬が尿石の中で最もかかりやすいシュウ酸カルシウム結石の原因物質です。
小松菜を茹でて、茹(ゆ)で汁を捨てるころでシュウ酸を減らし、尿結石のリスクを軽減できます。
※尿結石の既往歴のある場合は注意をしましょう
犬に小松菜を与える際の注意点②【消化・吸収が良くなる】
Aaron Amat/ Shutterstock.com
小松菜を茹でる理由の2つ目は、愛犬が生で小松菜を食べる時よりも”消化・吸収が良くなる”という理由です。
犬は、基本的に野菜に含まれている食物繊維の消化があまり得意ではありません。
小松菜を茹でると、柔らかくなり消化しやすくなります。
油で調理すると脂溶性ビタミンの吸収UPが見込めます。
また、犬は食事をするときにあまり噛まずそのまま飲み込んでしまうケースが多々あるので、特に、消化が悪い茎(くき)のような部分は茹(ゆ)でるだけでなく、細かく切って与える方が良いでしょう。
犬に小松菜を与える【メリット】【栄養素】は?
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小松菜にはどのようなメリットや栄養が含まれているのかここで見ていきましょう。
犬に与える小松菜のメリットや栄養素①【鉄分】
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「鉄分」は血液の中に一定量含まれていることが必要な栄養素です。
鉄分は体内の酸素を運搬している赤血球を構成しています。
小松菜はほうれん草と同様に、鉄分の含有量が多く、100g中2.8mg(ほうれん草は2.0mg)の鉄分が含まれている野菜です。
犬に与える小松菜のメリットや栄養素②【カルシウム】
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小松菜には、骨や歯の成長に欠かせないカルシウムも多く含まれています。
小松菜100gに含まれているカルシウムは170mgで、牛乳100gあたりのカルシウムである110mgよりも多くなっています。
そのほか、ビタミンCやベータカロテンなども豊富に含まれています。
犬に与える「小松菜」、【ほうれん草】の違いは?
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小松菜は見た目がほうれん草とよく似ていますが、栄養面に関しては小松菜の方が優れています。
特に、カルシウムや鉄分が豊富に含まれているので、子犬の成長期には積極的に取り入れたい野菜です。
実は、小松菜とほうれん草は「科」が違います。
小松菜は「アブラナ科」の野菜で、ほうれん草は「ヒユ科」の野菜に分類されています。
小松菜の原産地は「日本」ですが、ほうれん草は「西アジア周辺」が原産地です。
また、ほうれん草の方がアクが強く、価格も高いという特徴もあります。
犬に与える小松菜【適量】は?
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小松菜に限らず、犬の体は超大型犬を除き人間より小さいので、与え過ぎは禁物です。
小松菜は栄養価が高いのでいくら与えても大丈夫と思うかもしれませんが、「食物繊維」や「シュウ酸」の問題などもあるので、適量を与えるようにましょう。
犬の体重やサイズによって適切な量は違いますが、ドッグフードを与えている場合、一般的に犬に与える間食の適量はドッグフード全体の”20%”以内とされています。
小松菜を含む野菜は水分量が多いことから、与えすぎると消化不良や下痢になる可能性があります。
犬に与える小松菜の【おすすめの食べ方】は?
Chanchai Boonma/ Shutterstock.com
愛犬に小松菜を与える際のおすすめの方法は、普段食べているドッグフードに茹でた小松菜を刻んでトッピングする方法です。
この方法でも十分に小松菜の栄養素を摂取することができます。
小松菜以外に犬に与えても大丈夫な食材である「肉」や「にんじん」を細かく刻んで一緒に炒めたものを与えるという方法もあります。
一度、試してみてはいかがでしょうか。
犬に与える小松菜【まとめ】
Madlen/ Shutterstock.com
小松菜は人間だけでなく犬にとっても豊富な栄養を摂取できる野菜です。
食物繊維や尿結石の原因となるシュウ酸などに気をつけて、愛犬の健康的な食生活をサポートしましょう。
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