【獣医師監修】犬がにんじん(生)を食べても大丈夫?加熱が必要?適量は?「ネギ類」や下痢に要注意!
「にんじんクッキー」「にんじんケーキ」など愛犬のおやつににんじんを与えたい飼い主さんもいると思います。また、生野菜を好む犬に「生」のにんじんを与えてもよいのでしょうか?ここでは、にんじんを愛犬に与える際のメリットや注意点、適量などについて解説していきます。
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獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
目次
犬がにんじんを食べても大丈夫!

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犬がにんじんを食べても大丈夫です!
にんじんには犬にとって有害な成分は含まれていませんので、愛犬に与えても大丈夫です。
にんじんは中東国アフガニスタンが原産とされる野菜で、西洋系のにんじんと東洋系のにんじんに分類されます。
現在、日本で主に流通しているのは西洋系にんじんです。
江戸時代後期に日本に伝わり、明治時代を境に日本中に普及していったと言われています。
犬に【生】のにんじんを与えても大丈夫?【すりおろし】がおすすめ!

Africa Studio/ Shutterstock.com
愛犬ににんじんを与える際には「生」ではなく、「茹でて柔らかく」してから与えましょう。
にんじんは加熱しても栄養素が壊れにくいので、栄養素の観点からも問題ありません。
また、犬ににんじんを与える時には細かくカットしたり、すりおろして与えるようにしましょう。
にんじんをカットして与えるのは、食べやすくするだけではなく、愛犬がにんじんを丸呑みするのを防ぐという意味もあります。
犬は食べ物を食べる際に咀嚼(そしゃく)をせず、丸呑みする習性があります。
丸呑みされたにんじんは喉(のど)に詰まってしまう可能性があるため、愛犬に与えるにんじんの大きさには十分注意する必要があります。
犬ににんじんを与える際は【ネギ・玉ねぎ】などの【危険食材】に要注意!

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にんじんはカレーや、ポトフなどの煮込み料理によく使われます。
その際、愛犬に食べさせると危険な食材である「ネギ」や「玉ねぎ」などと一緒に煮込んでいないか気をつける必要があります。
「ネギ」や「玉ねぎ」などが一緒に調理されていた場合、犬にとって有毒となる成分が料理に溶けだし、にんじんに付着することで、愛犬が摂取してしまう可能性があります。
飼い主がおいしそうに食べていると愛犬が近くに寄ってくると思いますが、「ネギ類」が含まれるにんじん料理は絶対に与えないように注意してください!
犬ににんじんを与える【メリット】は?

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にんじんにはさまざまな栄養素がたくさん含まれています。
愛犬ににんじんを与えるメリットをここで見ていきましょう。
にんじんのメリット① 【低カロリー】とってもヘルシー

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にんじんは野菜の中でも特にカロリーの低い野菜ですので、ヘルシーな食物と言えます。
そのため、にんじんはフードのトッピングやおやつとして与えやすく、ダイエット中の愛犬に与えるのもおすすめです。
にんじんのメリット② 【βカロテンが豊富】皮膚や粘膜を健康を保つ

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にんじんは「βカロテン」を豊富に含んでいる野菜として知られています。
βカロテンは体内に取り込むことでビタミンAに変換されるという働きがあります。
ビタミンAは犬にとっても必須栄養素のひとつで、目や皮膚、粘膜を正常な状態に保つ役割を持っています。
特に粘膜の働きを正常化することで、愛犬の病気予防にもつながる可能性があります。
にんじんのメリット③【抗酸化作用】健康をサポート

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にんじんのβカロテンには強い抗酸化作用があることでも知られています。
犬は呼吸をするときに、酸素を身体に取り込み、そのうち少量の酸素が活性酸素となります。
活性酸素と聞くと、良くないイメージがあるかもしれませんが、実際には、その酸化力で身体に入ってきた細菌をやっつけたり、酵素の働きをサポートするなど、健康を維持するために働いてくれるのです。
ただし、活性酸素の量が増加してしまうと、酸化力が強くなりすぎるために細菌やウイルスだけでなく、細胞までを酸化させてしまうのです。
この細胞の酸化が老化を早めたり、病気の原因となることがあります。
犬ににんじんを与える際の【適量(目安)】は?

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愛犬ににんじんを与える際は、1日に必要な摂取カロリー量の2割程度に収める必要があります。
にんじんは100gあたり約39kcalなので、健康な犬(避妊・去勢された)の必要カロリー量を元に計算すると、
【犬の大きさ】 | 【適量(目安)】 |
---|---|
小型犬(体重4kg) | 163g |
中型犬(体重10kg) | 323g |
大型犬(体重25kg) | 642g |
※上記はすべて成犬の場合の目安
※間食を与える場合はドッグフードの量を必ず減らし、摂取カロリーを調整することを忘れないでください
健康な犬であれば気にする必要はありませんが、消化器疾患がある犬は、繊維質がたくさん含まれているにんじんを与えすぎてしまうと、下痢や嘔吐、消化不良などを引き起こす可能性があります。
愛犬には適度な量のにんじんを与えるようにしましょう。
犬に与えるにんじん【まとめ】

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にんじんは栄養豊富な食材で、愛犬に与えても問題はありません。
ただし、与え方には注意が必要です。
愛犬ににんじんを与える際には「生」のではなく、「茹でて柔らかく」してから与えましょう。
また、危険な食材であるネギ」や「玉ねぎ」などと一緒に煮込んでいないか気をつける必要があります。
愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。
愛犬と長く楽しい生活を送るためにも、しっかり愛犬の健康管理をおこないましょう。
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