【獣医師監修】犬がほうれん草(生)を食べても大丈夫?注意点や適量は?シュウ酸に注意!
ほうれん草はアニメの「ポパイ」でもおなじみ、食べるとパワーがみなぎる栄養満点の野菜として有名です。人間にとっては栄養満点のほうれん草ですが、犬がほうれん草を食べて大丈夫なのでしょうか?ここでは、犬にほうれん草を与える際の注意点や適量などについて解説していきます。

獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
目次
犬がほうれん草を食べても大丈夫!

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犬がほうれん草を食べても基本的に問題はありません。
ほうれん草は栄養素が豊富で、健康で長生きをしてほしい愛犬に食べさせたい食材と言われています。
ただし、犬にほうれん草を過剰に与えすぎると体調不良や嘔吐(おうと)、下痢(げり)などの原因となりますので、適量を与えるようにしましょう。
犬にほうれん草を与えるメリットは?

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犬へほうれん草を与える際、どのような成分が犬にとって良いのでしょうか?
ほうれん草に含まれるおもな栄養素は、以下の通りです。
ほうれん草のおもな栄養素
おもな栄養素 | 働き |
---|---|
鉄分 | 赤血球の主成分となり、全身へ酸素を運びます |
カルシウム | 骨や歯の成形に役立ちます |
ルテイン | 目の健康維持にいいと言われています |
葉緑素 | 白内障など目の病気を予防します |
上記以外にも、ほうれん草にはビタミンが豊富に含まれ、犬にとって必要な栄養素が多く摂取できます。

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また、ほうれん草は一年中食べることができますが、秋から冬にかけての旬を迎える時期は、より栄養価も高くなります。
愛犬にほうれん草を与える際は、栄養価が高い旬の時期に与えるがおすすめです!
犬にほうれん草を与える際は 「シュウ酸」に注意!

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ほうれん草には他の野菜と比べてもかなり多くのシュウ酸が含まれています。
シュウ酸は「シュウ酸カルシウム結石」の原因となる物質ですが、ほうれん草を少量食べる程度では結石にはならないため、ほとんどの犬にとっては心配ありません。
しかし、シュウ酸カルシウム結石の既往歴のある愛犬に関しては気をつけるようにしましょう。
犬へのほうれん草の与え方は?(生ではなく茹でる)

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愛犬にほうれん草を与える際は、生ではなく、茹でてから与えると良いでしょう。
ほうれん草のアクにはシュウ酸が含まれるので、ほうれん草を愛犬に食べさせる前に、まずはアク抜きをしましょう。
アク抜きのためにほうれん草を茹でた後は、水で十分に洗い流しましょう。
ほうれん草のビタミンなどの栄養素は、長い時間茹でることで壊れてしまいます。
必要な栄養素を残すためには、適度に湯通しすることがポイントです。

freeangle / PIXTA(ピクスタ)
愛犬へのほうれん草の食べさせ方ですが、栄養素が吸収されやすくするために、小さく刻んだり、つぶすことをおすすめします。
茹でて食べきらなかった分は冷凍するなど工夫すると良いでしょう。
愛犬に与える「ほうれん草」のまとめ

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愛犬にほうれん草を食べさせても問題ありません。
ただし、愛犬に結石の既往歴のある場合は、ほうれん草は食べさせずに他の栄養価が高い緑黄色野菜を食べさせましょう。
また、過剰にほうれん草を愛犬に与えると嘔吐(おうと)や下痢(げり)を引き起こす可能性があるので、適量を与えるようにしましょう。

YAMATO / PIXTA(ピクスタ)
愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。
愛犬と長く楽しい生活を送るためにも、しっかり愛犬の健康管理をおこないましょう。

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