【獣医師監修】犬がもやし(生)を食べても大丈夫?適量やメリットや注意点は?
一年中手に入り、簡単に調理でき、カロリーが低くてヘルシー、それでいてお財布に優しい「もやし」。豆を発芽させたスプラウトなので、栄養も満点そうなもやしですが、犬にもやしを食べさせても大丈夫なのでしょうか?今回は、犬に与えるもやしの適量やメリット、栄養素、注意点などについて詳しく解説します。
投稿日: 更新日:

獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
目次
犬が【もやし】を食べても大丈夫!

iStock.com/monkeybusinessimages
犬がもやしを食べても大丈夫です!
ただし、過剰に与えると下痢や嘔吐の原因になりかねませんので、適量を与えるようにしましょう。
犬に【生】のもやしを与えても大丈夫?
もやしは、東南アジアなどでは生のまま麺に載せたり、ハーブ類と一緒に生のままサラダに入れたりといった使われ方もしていますが、日本では加熱してから食べるのが基本です。
海外と日本とでは衛生基準が異なり、日本のもやし生産者は、加熱調理されることを前提として生産しているそうなので、愛犬にも加熱してからあげましょう。
犬がもやしを食べる【メリット】は?
犬にもやしを与えるメリット①【低カロリー】

Nutria / PIXTA(ピクスタ)
もやしは約95%が水分です。
残りの5%にカリウムやカルシウム、ビタミンCなど様々な栄養素が含まれていますが、人間のように炒めてモリモリ食べたり、ゆでてムシャムシャ食べたりしない限り、あまり栄養面での期待はできないでしょう。
ただ、体重の増加が気になる犬や健康面の心配からダイエットをしなければならない犬の場合には、キャベツなどと同じようにフードのかさましに役立ちます。
犬は水が好きな動物なので、水分が多いもやしを好んで食べてくれるかもしれません。
犬にもやしを与えるメリット②【食物繊維で快便・快腸】

Switlana Symonenko/ Shutterstock.com
もやしは食物繊維を含んでいます。
食物繊維は腸内環境をよくしてくれたり、便のかさを増して便通をよくしたりする作用があるので、便秘気味の犬にはメリットがあると言えるでしょう。
食物繊維を摂り過ぎると下痢する?

iStock.com/makotomo
もやしをたくさんあげると、快便を通り越して下痢を引き起こすのではと心配する声も聞かれます。
しかし、もやしの大部分は水分なので、お腹が膨れてしまい、犬が一度に大量のもやしを食べることはあまりないと考えられます。
もやしの摂り過ぎを心配する必要はないでしょう。
犬に与えるもやしの主な【栄養素】は?

iStock.com/Opla
一般的に多く流通しているのは、緑豆を発芽させた「緑豆もやし」ですが、ほかに大豆を発芽させた「豆もやし」やブラックマッペという黒い豆を発芽させた「ブラックマッペ」と言うもやしもあります。
どの種類のもやしも栄養素はほぼ変わりません。
犬に与えるもやし【栄養素】
- | 【もやし/ゆで 100g】 |
---|---|
エネルギー | 12kcal |
水分 | 95.9g |
たんぱく質 | 1.6g |
脂質 | 0.0g |
【参照元】文部科学省「食品成分データベース」
犬に与えるもやし【注意点】は?
犬に与えるもやしの注意点①【食べ過ぎ】

Ling Stock/ Shutterstock.com
もやしをたくさん食べると、それだけでお腹が膨れて、肝心な主食のフードを食べきれないことになりかねません。
上表はダイエットを目指す愛犬のためには、ある程度の目安にはなりますが、主食である総合栄養食のドッグフードにトッピングにしたり混ぜ込む程度なら、上表よりかなり少なくしてください。
なお、ダイエットを目指す場合も、もやしをたくさん食べることで、主食のフードを残してしまうことになったら、栄養が不足してかえって健康に害を及ぼす可能性がありますので、気をつけましょう。
犬に与えるもやしの注意点②【腐りやすい】

xuanhuongho / PIXTA(ピクスタ)
もやしは、豆を水につけて発芽させて栽培します。
発芽したばかりの新芽を食べる野菜なので、新鮮さが命。
根に水がついていることもあり、冷蔵庫に入れても長くは持ちません。
愛犬の健康を守るためにも、新鮮なうちに使い切りましょう。
犬に与えるもやし【適量】は?

Room's Studio/ Shutterstock.com
もやしはカロリーが少ないので、1日の食事のうち、おやつやトッピングで賄ってよい2割程度の量を計算すると、下記のようにかなり多くなってしまいます。
犬に与えるもやし(ゆで)【適量】
【犬のサイズ(体重目安】) | 【1日あたりの摂取可能目安量】 |
---|---|
超小型(2kg程度) | 333g(1袋 ) |
小型(3~5kg程度) | 425~623g(1.5〜2袋 ) |
中型(6~15kg程度) | 715~1423g(2〜4袋) |
大型(20~30kg程度) | 1765~2393g(5〜7袋) |
ここで紹介する犬がもやしを食べる時の目安量は、主食に総合栄養食のドッグフードを食べている場合のトッピングやおやつとして算出しています。
トッピングやおやつで食べる量は、1日の摂取カロリーの2割以下に抑え、その分ドッグフードの量も減らしてください。
なお、手作りでフードを作る場合は、別途、栄養バランスや与える量の計算が必要です。
犬に与えるもやし【まとめ】

pu- / PIXTA(ピクスタ)
犬にもやしを与えても大丈夫です!
ただし、もやしは腐りやすいので、購入後の管理はしっかりしましょう。
愛犬の健康を守ることができるのは飼い主だけです。
正しい知識を持って、愛犬と健康な生活を送りましょう。
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