【獣医師監修】犬にジャスミン茶を与えてはダメ！カフェイン中毒に注意！対処法や治療法は？

犬に【ジャスミン茶】を与えてはダメ！（※カフェイン中毒に注意！）

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カフェインの摂り過ぎは人間でも注意が必要とされますが、犬は人間よりもカフェインに敏感であり、中毒を起こす可能性があるため、犬にジャスミン茶を飲ませてはいけません！

【参照元】Cristina Cortinovis et al「Household Food Items Toxic to Dogs and Cats」

ジャスミン茶はウーロン茶と並んで中国を代表するお茶であり、現地では「茉莉花茶（まりかちゃ/もーりーふぁーちゃ）」と呼ばれます。

緑茶や白茶、ウーロン茶、紅茶などをベースに、ジャスミンの花（つぼみ）の香りを吸着させることで作られる、いわゆる花茶の一種です。

ベースとなる茶葉にはカフェインが含まれており、製造工程での茶葉の発酵度や、新芽を使用しているかなどによって、カフェインの含有量には差が生じます。

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たとえば、緑茶（不発酵）/ウーロン茶（半発酵）/紅茶（完全発酵）を比べた場合、発酵度が高くなるにつれ、カフェイン含有量は多くなる傾向にあります。

しかし、新芽にはカフェインが多く含まれているため、緑茶であっても新芽を使用して作るタイプのお茶（例：玉露、抹茶）であると、カフェインをより多く含むそうです。

【参照元】日本中国茶協会

【参照元】三井農林株式会社「お茶科学研究所」

犬がジャスミン茶を【誤飲した】際の対処法は？

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愛犬が間違ってジャスミン茶を飲んでしまった時にはどうしたらいいのでしょうか？

少し舐めた程度の少量の場合は、中毒症状が出る可能性は低いものの、しばらく犬の様子を観察するといいでしょう。

愛犬が間違って、多量にジャスミン茶を誤飲してしまった場合は、動物病院で診てもらうことをおすすめします。

早いと30分～2時間ほどで中毒症状が出ることもあり、症状は6時間～半日くらい続くことがあります。

少なくとも、ジャスミン茶を誤飲してしまった時は、半日～1日程度、様子を見るようにしてください。

【参照元】PET POISON HELPLINEIS 「CAFFEINE POISONOUS TO DOGS?」

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なお、ジャスミン茶に限らず、誤飲一般に関して、吐かせようと塩を使うのはNGです。

塩の使用によって電解質が乱れ、高ナトリウム血症となり、脱水を起こしやすくなるそうで、脱水が進めば神経異常が出る可能性もあります。

その他、獣医療知識のない一般の人が吐かせようとすると、「誤飲性肺炎」を招く危険性もあるため、速やかに動物病院へ連れて行くことが望まれます。

犬の【カフェイン中毒】症状は？

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万一、犬がジャスミン茶を誤飲し、カフェイン中毒になってしまった時には、どんな症状が見られるのでしょうか？

カフェイン中毒の主な症状は、以下のようなものがあります。

呼吸が粗くなる

興奮する、落ち着きがなくなる

嘔吐、下痢

尿失禁

体が震える、痙攣

脈拍や心拍の乱れ

血圧の上昇

発作

など

カフェインは中枢神経を刺激して興奮させる作用があり、心筋にも影響が出るので、てんかんや心疾患の持病がある犬は、特に注意が必要です。

犬がカフェイン中毒（ジャスミン茶）になる【摂取量】は？

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一般的には、犬の体重1kgに対し、カフェイン20mg程度の摂取で中毒症状が出ることがあり、100mg～200mgの摂取で危険な状態になり、死に至ることもあるとされています。

40mg～50ｍgでは症状も著しくなるという研究報告もあります。

お茶の種類にもよりますが、超小型犬であると、ポット用のティーバッグ1個少々で危険になる可能性も（ティーバッグ1個の内容量2g～3g、ポット用では5g～6g程度）。

お茶に含まれるカフェインの量は、前出のように原料や加工方法の他、お茶の淹れ方によっても差があり、お湯の温度が高いほど、また、浸出させる時間が長いほど、カフェインの量も増える傾向にあります。

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そのため、ジャスミン茶に含まれるカフェイン含有量を一概に示すことは難しく、海外の専門家でも、約11mg/100ml、約6.3mg～25mg/100ml、などばらつきが見られます。

【参照元】Cristina Cortinovis et al「Household Food Items Toxic to Dogs and Cats」.

公益財団法人 世界緑茶協会「O-CHANET」

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参考までに、北海道立消費生活センターが行った「お茶のカフェインテスト（2017）」によると、市販のペットボトル飲料をテストした中で、対象となったジャスミン茶のブランド数は少ないものの、平均カフェイン含有量は、100mlあたり8.1mg。

ペットボトル1本分（500ml）だと、40.3mgでした。

【参照元】北海道立生活消費センター「お茶のカフェインはどのくらい」

ここで、市販のペットボトルのジャスミン茶を見比べてみたところ、1本500ml換算で、カフェイン含有量は13mg～65mgと幅がありました。

これらの数値を有功とするなら、体重5kgの犬がカフェイン25mg/100mlのジャスミン茶をカップ（150ml）2杯半程度飲むと中毒症状が出る可能性があり、65mg/500mlのペットボトル7.7本分を飲んでしまうと危険な状態になる可能性があるということになります。

犬がカフェイン中毒（ジャスミン茶）【治療法】は？

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愛犬がジャスミン茶を誤飲し、カフェイン中毒になってしまった場合、残念ながら、解毒剤のようなものはありません。

トラネキサム酸やオキシドール（過酸化水素水）などの催吐剤を用い、嘔吐させて中毒物質をできる限り除去する処置が行われ、併せて、胃の洗浄、中毒物質の排泄を助ける薬、鎮静剤、血圧を下げる薬、胃腸を保護する薬、発作がある時には抗痙攣薬〔こうけいれんやく〕など、状況によって適切な治療が行われます。

【参照元】動物医療製品会社 MPアグロジャーナル「犬猫の誤飲・誤食に対する催吐処置の実際」

その場合に、かかる治療費としては、以下のようなものが考えられます。

【参照元】 公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物（犬・猫）の診療料金実態調査（平成27年度）」

犬が飲んでも【大丈夫】なお茶、【ダメ】なお茶！

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ジャスミン茶がダメなら、お茶全般が犬にはよくないのかというと、そうでもありません。

お茶の中にはカフェインを含まず、犬が飲んでも大丈夫とされるものもあります。

【参照元】文部科学省「日本食品標準成分表2015年版（七訂）」

「京都のお茶 ちきりや」

ただし、犬にお茶を与える場合は、2～3倍程度に薄めて少量を与えるのがいいでしょう。

また、愛犬が尿路結石症（尿石症）になったことがある場合は、ジャスミン茶や麦茶ではなく、水道水かミネラル除去水の方が適していることがあるため、かかりつけの獣医師に相談してください。

犬がジャスミン茶の誤飲【まとめ】

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ジャスミン茶をはじめとしたカフェインが含まれるお茶を犬に与えるのは、中毒を起こす可能性があるため与えてはいけません。

お茶を与えたいのであれば、カフェインが含まれないものを与えましょう！

愛犬がジャスミン茶を多量に飲んでしまった時には、速やかに動物病院で診てもらうようにしましょう。

半日～1日は様子観察をしてください。

大事な愛犬を中毒などにはさせたくないはず。

それにはなにより、愛犬にとって危険なものは、犬に届かない場所に置く、または保管するように気をつけましょう。

愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。

愛犬が健康に楽しく毎日を過ごせるように、飼い主が愛犬の健康管理をしていきましょう。