【獣医師監修】グレート・デーンの性格は温厚で献身的、飼い方や寿命は?「世界一大きな犬!」
「世界一」の称号がつく犬はたくさんいますが、これほど迫力のある「世界一の犬」はいないのではないでしょうか? 今回は「世界一大きな犬」として有名なグレート・デーンの性格や特徴、寿命や飼い方などについて解説していきます。

目次
グレート・デーン【歴史】その①~愛され続けるドイツの国犬

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「犬の中のアポロ神」と呼ばれるグレート・デーン。
原産国のドイツでは、14世紀、イノシシ狩りの最強のパートナーとして活躍していました。
足も速くスタミナもあることから、狩猟犬として飼われていましたが、威風堂々とした雰囲気は上流階級の人々をも魅了することになります。
当時、グレート・デーンを飼うことが、一種のステータスにもなっていったのです。
ドイツで確固たる地位を築いていくグレート・デーンは、ドイツの国犬に選ばれます。
グレート・デーン【歴史】その②~犬種名論争が勃発!

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グレート・デーンを愛するドイツの人々の間で、犬種名論争が勃発。
「ドイツのマスティフ」を意味する「ドイッチェ・ドッゲ」を正式名称とすべきとグレート・デーンの研究者たちが宣言しました。
グレート・デーンは「大きなデンマーク人」という意味のため、ドイツ人はデンマークの犬と解釈されることを嫌がったのです。
それほどまでドイツの人々に愛され続けるグレート・デーン。
1891年には、ドイツでグレート・デーンの犬種基準が設けられ、世界基準として認知されています。
グレート・デーン【歴史】その③~断耳(だんじ)の禁止

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ちなみに、グレート・デーンは断耳(だんじ)をすることが多かったようですが、断耳が禁止されているイギリスでは垂れ耳のままの姿です。
断耳(だんじ)により愛嬌は加わりますが、グレート・デーンが持つ威厳は損なわれないと、断耳(だんじ)の禁止は広がりつつあるようです。
グレート・デーン【性格】~超大型で力が強く、初心者向けではない

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あまりの大きさに威圧感さえ感じてしまうグレート・デーンですが、性格はいたって温厚です。
イノシシと対峙していたとは考えられないほどのんびりとした性格をしていて、見知らぬ人にも愛想良く振る舞うことが出来ます。
さらに、他犬種や猫や鳥といった犬以外の動物とも仲良く暮らせ、小さな子どもと一緒に過ごすことも問題ありません。
グレート・デーンは、しつけが行いやすく飼い主に従順なので、比較的飼いやすい犬種といえますが、超大型であり力も強いため、初心者向けではありません。
グレート・デーン【特徴】~「とにかく大きい!」体高70cm以上!

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日本で人気の犬種というと、圧倒的に小型犬が多いですよね。
大型犬といってもゴールデンレトリーバーのような穏やかで愛嬌の溢れる風貌の犬をイメージする人が多いでしょう。
しかし、グレート・デーンはその大型犬よりもさらに大きい「超大型犬」の部類に入る犬。
その大きさは、体高70cm以上です。
グレート・デーンが立ち上がると私たち人間の身長より大きいのです。

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かつては、イノシシなど大きな動物の狩りで活躍していたグレート・デーン。
グレート・デーンには、大きな動物に対抗できる風貌が必要でした。
堂々とした雰囲気に、力強い歩行、そして勇敢な心と、イノシシ狩りに向かう人間の心強いパートナーだったのです。
また、グレート・デーンは、猟犬や番犬としてだけではなく、軍用犬としても働きました。

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グレート・デーンの基礎情報まとめ
項目 | グレート・デーンの特徴 |
---|---|
サイズ | 超大型犬 |
体高 | オス:80cm~/メス:72cm~ |
原産国 | ドイツ |
用途 | コンパニオン・警備犬 |
参照元:一般社団法人 ジャパン ケネル クラブ 【JKC】「グレート・デーン - GREAT DANE」
グレート・デーン【寿命】【かかりやすい病気】

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超大型犬ということもあり、グレート・デーンの寿命はあまり長くなく、10歳程度が一般的です。
グレート・デーンがかかりやすい病気はいくつかあります。
最も多いのは、胃捻転(いねんてん)です。

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胃捻転(いねんてん)は、グレート・デーンのように胸が深い大型犬で起こりやすいことが知られています。
勢いよくたくさんの食事を食べる、大量の水を飲む、食後すぐに運動をする、などが原因になり得ます。
胃が拡張したりねじれたりすることによって、低血圧性ショックや敗血症性ショックを起こすため、ただちに胃を減圧される処置が必要になります。

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さらに、グレート・デーンがかかりやすい病気として、肥大性骨形成異常(ひだいせいこつけいせいいじょう)という関節に生じる病気もあります。
遺伝的な関係も示唆されていますが、成長期に過度の栄養やミネラルを取りすぎることも関わっていると考えられています。

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肥大性骨形成異常(ひだいせいこつけいせいいじょう)は、高熱が出たり、歩けなくなるほどの痛みが生じます。
グレート・デーンがかかりやすい病気としては、他にも、心臓病、腫瘍、眼疾患などが挙げられます。
愛犬の体調に異常を感じたらすぐに動物病院の獣医師に診断してもらいましょう。
グレート・デーン【飼い方】【飼育に向いている家庭】

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グレート・デーンと暮らすには、超大型犬をきちんとしつけられることと、運動量を確保できる環境が確保されているかが問われます。
立ち上がると人間より大きいグレート・デーンは、力も強く、多くの運動が必要になります。
もともと飼い主に従順で、おっとりとした性格のグレート・デーン。
適切な飼育環境と運動量を確保してあげれば、いつも穏やかに過ごせる比較的飼いやすい犬種なのです。
さらに、被毛のお手入れも簡単で、定期的に汚れを拭き取ってあげれば問題ありません。

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ただ、グレート・デーンは、床ずれを起こしやすいので、寝床は柔らかいクッションを用意してあげましょう。
グレート・デーンの巨体を守るには、巨大なクッションが必要かもしれませんが、厚手の敷物でも構いません。
とにかく、ふわふわの肌触りの寝床がベストです。
グレート・デーン【まとめ】~温厚で優しい「犬の中のアポロ神」

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世界一大きな犬、グレート・デーン。
勇敢で威厳があり、「犬の中のアポロ神」という呼び名にふさわしい風格ですよね。
家庭犬としての素質も十分ですので、飼い主がきちんとしつけを行い、運動も十分にさせてあげることが大切です。
グレート・デーンは温厚で優しく、家族にとってかけがえのない存在になること間違いなしです。

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