【プロドッグトレーナー監修】ロットワイラーを飼うのは危険？断耳は？性格や寿命、しつけ、飼い方は？

ロットワイラー【初心者が飼っても大丈夫？飼うのは危険？】【断耳・断尾は必要？】

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ロットワイラー【初心者が飼っても大丈夫？飼うのは危険？】

ロットワイラー（Rottweiler）を飼うのは、初心者には難しいでしょう。

パワーも咬（か）む力もあり、それを制御できるだけのしつけ・トレーニングに真摯（しんし）に向き合える人、その自信がある人には向く犬種と言えます。

犬好きからするとなんとも辛い話ですが、残念ながら咬傷（こうしょう）事故はどこの国でも起こることがあります。

咬傷事故を無くし、人とペットとを守ることことを目標に活動をしている団体Dogs Bite. Orgが公表しているアメリカにおける2005年～2019年の15年間にわたる咬傷事故統計によると、人が死に至った事故に関係した犬のうちもっとも多かったのがピット・ブルで、次がロットワイラーだったそうです。

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ちなみに、ロットワイラーの本国ドイツでもバイエルン州やブランデンブルク州、ハンブルク州、ヘッセン州などではロットワイラーを危険犬種、または証明される場合を除いて闘犬の特質があると推定される犬種として指定しています。

アメリカにおいてもアーカンソー州やジョージア州、インディアナ州、イリノイ州など町ごとに危険犬種と分類しているところもあるようです。

日本でも似たようなものがあり、たとえば札幌市では、「人等に危害を加えるおそれが高い犬」を「特定犬」として指定し、頑丈な囲いの中で飼育することや人が安易に近づけないようにすることを条例で定めており、ロットワイラーはそれに含まれています。
（注：特定の犬種ではなく、個体に視点を置くべきとの反対意見もあります）

もっとも、上記のような調査には国や地域、飼育傾向などによって差が生じることがあり、また、犬が咬むにはそこに至るまでの理由もあるはずですが、それを差し引いても、この犬種と暮らす以上、忘れてはならない現実もあるということは念頭に置く必要があるでしょう。

詳しくはそれぞれ居住地域の自治体で確認を。

【参照元】
・Dogs Bite. Org「2019 dog bite fatalities / 2019 analysis and 15-year period summary」
・ZOLL（ドイツ中央税関）「Provisions imposed by individual federal states」
・Dogs Bite. Org「Estimated U.S. Cities, Counties, States and Military Facilities with Breed-Specific Laws」
・札幌市「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例」

ロットワイラー【断耳・断尾は必要？】

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ロットワイラーは慣例的に断尾が行なわれてきましたが、現在は断尾された尾をもつ犬、断尾せずに長い尾をもつ犬の両方が存在します。

近年、動物福祉の観点から、断耳（生後2～3ヶ月で形成手術）・断尾（誕生後すぐに形成手術）ともに否定的な気運が高まり、「ペット動物の保護に関する欧州条約（European Convention for the Protection of Pet Animals）」に代表されるように、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダなど断耳・断尾を禁止とする国や州、地域があります。

そうした中で、スタンダード（犬種標準）を見比べてみると、国際畜犬連盟（FCI）およびそれに準じる国では「自然な長い尾」となっており、本場ドイツのケネル・クラブにおけるロットワイラー紹介動画に出てくる犬も長い尾をもっていました。

一方、アメリカン・ケネル・クラブでは「断尾された尾」となっています。

日本では法律上禁止にはなっていないため、両方を受け入れている状況です。

【参照元】
・COUNCIL OF EUPOPE「European Convention for the Protection of Pet Animals」
・Veterinary Information Network「Animal Welfare」
・ANIMAL WELFARE VICTORIA「Prohibited procedures on dogs」
・Veterinary Practice News「Ear Cropping Ban Spreads to Western Canada」

ロットワイラー【原産国・歴史・寿命は？】

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ロットワイラー【原産国】

原産国：ドイツ

ロットワイラーの犬種名は、ドイツ南西部バーデン・ヴュルテンベルク州にある街ロットワイルからとられています。

ロットワイラー【歴史（種類）】

ロットワイラーのルーツは古代ローマ時代にまで遡（さかのぼ）ります。

ローマ軍はヨーロッパを進軍する際に畜牛を同行させており、その牛追いおよび護衛に使われていた犬たちがロットワイラーの祖先だと伝えられています。

ローマ軍が去った後、ドイツの旧自由帝国都市ロットワイル周辺に残った犬たちが地元の犬と交雑し、畜産業者や屠畜（とちく）業者が牧牛犬として使用する中でさらに改良され、その能力に磨きをかけていきます。

当時は首に巻き付けられたお金を守り、強盗避けの役目も果たしたとか。

次第に「ロットワイルの肉屋の犬」と呼ばれるようにもなります。

やがて時代が過ぎ、牛追いの仕事を失くした代わりに軍用犬としての仕事を得たロットワイラー。

それのみならず、警察犬、麻薬探知犬、災害救助犬、雪崩（なだれ）救助犬、セラピードッグなど広く活躍する犬になりました。

そんな彼らの愛称は、“ロッティ”。

【参照元】
・Verband für das Deutsche Hundewesen「Rottweiler」
・Bruce Fogle, D, V, M.「The ENCYCLOPEDIA of the DOG」（DK PUBLISHING, INC.）
・デズモンド・モリス「デズモンド・モリスの犬種事典」（株式会社 誠文堂新光社、2007）他

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ロットワイラー【寿命】

平均寿命：9～10歳

※個体の健康度や国・地域、気候、環境などによって寿命に差が生じます。

【参照元】AMERICAN KENNEL CLUB「Rottweiler」

ロットワイラー【大きさ・毛色・子犬（赤ちゃん）の販売価格は？】

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ロットワイラー【大きさ（体重・体高・体格）】

体長は体高の15％をプラスした長さを超えない程度とされます。

体はずんぐり、がっしりとしており、筋肉質で、パワーと持久力があります。

骨太の印象を受けますが、スピード感に欠けるというわけではなく、俊敏で活動性があり、スポーツドッグとして活躍する犬もいます。

【参照元】
・FEDERATION CYNOLOGIQUE INTERNATIONALE 「ROTTWEILER」
・ジャパン・ケネル・クラブ「世界の犬／ロットワイラー」

ロットワイラー【毛色の種類】

ロットワイラーの毛色はいわゆるブラック＆タンです。

地色が黒で、赤茶色の模様（タン・マーキング）が目の上や頬（ほほ）、マズル（口吻）、喉（のど）、胸、脚、尾の付け根の裏側などに見られ、一見してドーベルマンの毛色と似ています。

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ロットワイラー【子犬（赤ちゃん）の販売価格】

20万円～

※価格はあくまでも目安であり、販売者の状況や犬質によって変動します。

ロットワイラー【特徴・性格（気質）・魅力は？】

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ロットワイラー【容姿・スタイル】

幅の広いがっちりとした頭部、その額には皺（しわ）が見られ、いかにも強健（きょうけん）そうに見えるものの、そこには意外にも可愛らしい目を覗（のぞ）かせます。

頭蓋（ずがい）に沿って垂れた耳が、この犬種から漂いがちな威圧感を和らげ、十分親和的態度も示せることを伺わせます。

そして、体にぴたりと張り付くような短い被毛は逞しい体をそのままに表現し、手入れを怠らぬ限り、美しい光を放ちます。

ロットワイラー【性格（気質）】

ロットワイラーは、訓練で何かを覚えるのが非常に長けた犬種ですが、古くは護衛犬をしていただけに警戒心や縄張り意識が強く、時には不審に感じた人に対して攻撃をしてしまうこともあるため、しつけやトレーニングにしっかりと取り組む必要があります。

一方、活動性はさほど高くないため普段はゆっくりと生活していて、人への愛着も高いことから家族には深い愛情を注ぎます。

紳士と言うより、気のいい叔父（おじ）さんといったところ。

しかし、事あらば何事も恐れず立ち向かうだけの勇気とガッツをもち併せており、本場ドイツのケネル・クラブによれば、行動に出るまでの閾値（しきいち）は高いといいます。

つまり、堪忍袋（かんにんぶくろ）の緒が切れることがあっても、その袋の大きさは多少大きいということなのでしょう。

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ロットワイラー【魅力】

エネルギッシュでパワフルなロットワイラーはまるで彼らのほうが保護者であるかのような存在感があり、そばにいてくれるだけで安心感があります。

それでいて心許した人には従順、時に愛嬌（あいきょう）を覗（のぞ）かせる姿に心くすぐられる人も多いのでしょう、欧米では人気のある犬種です。

ロットワイラー【気をつける病気は？】

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気をつける病気①【股関節形成不全（こかんせつけいせいふぜん）】

犬の「股関節形成不全（こかんせつけいせいふぜん）」は大型犬に多い病気で、股関節に緩みが生じ、お尻を左右に振るように歩く、後肢を同時に蹴るウサギのような走り方をする、散歩や段差を嫌がる、後肢の幅が狭いなどの様子が見られるようになります。

7割は遺伝的要素、3割は環境的要素が関係するとされ、生後1年未満の若齢で症状が出ることが多いと言われます。

肥満や滑りやすい床などは症状を悪化させるため、体重コントロールや環境改善は重要となります。

【参照元】日本動物遺伝病ネットワーク「股関節形成不全とは」

気をつける病気②【拡張型心筋症（かくちょうがたしんきんしょう）】

犬の「拡張型心筋症（かくちょうがたしんきんしょう）」とは、心臓の筋肉である心筋の機能または構造に問題があり、血液をうまく送り出せず、疲れやすい、咳（せき）、ふらつき、呼吸困難、失神などの症状が見られる遺伝性の心臓疾患です。

最悪、突然死することも。

定期的な心臓検査が推奨されます。

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気をつける病気③【胃拡張・胃捻転症候群】

食後すぐに遊ぶ・多量の水を飲む、加齢による胃周辺の靭帯（じんたい）の緩みなどがきっかけとなって、胃にガスや液体が溜まり、胃が膨れてしまう状態を胃拡張と言います。

これが進行すると胃が捻じれる胃捻転となり、他の臓器への血流が途絶えるなどして緊急を要する状態となってしまいます。

胸の深いタイプの大型犬に多いと言われており、少なくとも食後1時間は運動や散歩などさせないほうがいいでしょう。

ロットワイラー【病気になった場合、ペット保険は適用される？】

愛犬が病気や怪我をした時に、その治療費を補償してくれるのがペット保険ですが、どんな病気や怪我でも補償されるというわけではありません。

基本的に、

ペット保険の適用外①【予防にあたるもの】

例）狂犬病や各種感染症の予防ワクチン、フィラリア予防、マイクロチップ装着費用、健康診断費用

ペット保険の適用外②【病気にはあたらないと判断されるもの】

例）歯石除去、乳歯遺残、去勢・避妊手術、交配・出産関連、トリミング関連

ペット保険の適用外③【先天性の異常、遺伝性疾患、すでに罹（かか）っている病気】

例）膝蓋骨脱臼、股関節形成不全、進行性網膜萎縮症

ペット保険の適用外④【代替医療】

例）アロマセラピー、ホメオパシー、理学療法

などはペット保険の補償対象外となるのが一般的です。

また、本来は病気のくくりであっても、「鼠径（そけい）ヘルニア」「臍（さい）ヘルニア」「眼瞼（がんけん）内反・外反」「停留睾丸（ていりゅうこうがん）」なども補償対象外になることが多いです。

ただし、同じ病気であっても、A社では補償対象外であるのに対し、B社では”補償対象”となることもあり、ペット保険会社によって違いがあります。

加えて、加入できる年齢の制限や補償条件など各社各様なので、ペット保険の加入を考える時には、愛犬の健康リスクや年齢などを踏まえ、各ペット保険会社をよく比較検討して選ぶことをおすすめします。

さらには、犬のサイズが大きくなるほど、また年齢が高くなるほど、掛け金が高くなるのが一般的であり、継続加入しているうちに予想外の高額な掛け金になってしまうこともあるという点。

もう一つには、無条件で継続加入できるとは限らず、犬の健康状態によっては条件が付けられたり、継続できなかったりする場合もあるという点にも注意してペット保険をお選びください。

ロットワイラー【飼い方（しつけ）・散歩の仕方・注意点！】

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ロットワイラー【飼い方（しつけ）】

この犬種には早いうちからの社会化と、しっかりとした基本的しつけ・トレーニングが必要であると本場ドイツのケネル・クラブでも言っています。

社会化が不十分であるとストレス耐性も低くなりがちで、不安や恐怖も感じやすい傾向にあります。

まさに鉄は熱いうちに打て、犬が来たその日から社会化としつけに取り組むつもりで備えましょう。

前もってドッグ・トレーナーや訓練士に相談するのもおすすめです。

ロットワイラー【散歩の仕方】

ロットワイラーは、体力、パワーともにあり、十分な運動量が必要な犬種です。

少なくとも1日2回、各1時間程度は必要。

時々は全身を使った運動ができるような環境を作ってあげたいものです。

力が強く大きな犬の場合、万一を考えて首輪やリードを2本ダブルで使っている飼い主さんもいます。

その場合、チョークチェーンタイプの首輪は付ける向きがあり、これを間違うと犬に苦しい思いをさせることがあるのに加え、不適切な使用で犬が脳障害を起こした例も報告されているので注意が必要です。

【参照元】Kristina Grohmann, Mark J. Dickomeit, Martin J. Schmidt, Martin Kramer「Severe brain damage after punitive training technique with a choke chain collar in a German shepherd dog」（Journal of Veterinary Behavior, Volume 8, Issue 3, May–June 2013, P180-184）

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ロットワイラー【注意点】

ロットワイラーは飼い主や普段生活している場所、そこにある家具など（飼い主の財産）、仲間である飼い主や、普段生活している場所やそこにあるものを守ろうとする意識が強いと言われます。

子供とも良い関係が築ければ子守り犬の如（ごと）く仲良く過ごすこともできるでしょうが、とは言っても子供相手の時にはどんな犬種であれ、注意が必要です。

決して子供と犬だけにしませんように。

そういった意味でも極力気性の安定したロットワイラーを望むには、社会化にも十分留意したブリーダーから求めるのがいいでしょう。

ロットワイラー【まとめ】

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ロットワイラーは体力有り余る犬種なので、犬の飼育に慣れ、ともにアクティブな生活を送れる人であると、その醍醐味を楽しめるかもしれません。

一見、怖いイメージを抱かれがちですが、可愛い一面もあり、その可愛さを引き出せるかどうかは、どれだけ社会化やしつけに取り組めるかによると言えるでしょう。

※注意：犬は生き物であり、性格やサイズ、運動量、寿命など個体差があります。