【獣医師監修】犬の痙攣・口から泡を吹いている。この症状から考えられる原因や病気は?
犬が口から泡を吹き、痙攣(けいれん)を起こしているのは、明らかに異常な状態です。すぐに動物病院へ行く必要があるのか?原因は何か?今回は、犬が痙攣(けいれん)を起こしたときや口から泡を吹いているときの原因と考えられる病気について解説します。
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【資格】
◇獣医師
日本獣医生命科学大学獣医学科を卒業後、同大学大学院獣医生命科学研究科にて博士(獣医学)の学位を取得。
2018年より日本獣医生命科学大学附属動物医療センターの放射線科を担当。伴侶動物におけるCTやMRIを用いた画像診断や放射線治療に従事。
目次
犬が痙攣を起こした・口から泡を吹いている【考えられる原因】
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犬が痙攣(けいれん)を起こしたり、口から泡を吹いているときは、以下のような原因が考えられます。
環境要因
熱中症
気温や湿度が高い環境に長時間いた場合、犬も人間と同じように「熱中症」になり、口から泡を吹くことがあります。
犬は汗腺がなく、汗をかかないので、ぐったりしているのが大きな特徴です。
乗り物酔い(車酔い)
愛犬を長時間車に乗せたときに、痙攣(けいれん)を起こしたり、口から泡を吹いたら、「乗り物酔い(車酔い)」が考えられます。
「乗り物酔い(車酔い)」は一時的な症状なので、車から降ろして治れば問題ありません。
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中毒やアレルギー反応
化学物質による中毒
愛犬が誤って殺虫剤や農薬などを飲み込んでしまった場合、痙攣(けいれん)が現れたり、口から泡を吹くことがあります。
有機リンなどの化学物質が神経系に異常をきたす「中毒」症状のため、注意が必要です。
食べ物による中毒・アレルギー
犬は、ネギ類やチョコレート(チョコ)、ぶどうなどを食べると「中毒」症状が現れるため、食べさせてはいけません。
また、桃やオレンジなどの特定の果物、パン、牛肉などは、犬の免疫が過剰に反応し、「アレルギー」を起こして痙攣(けいれん)や下痢(げり)、嘔吐(おうと)が現れます。
【獣医師監修】犬が食べると中毒やアレルギーを引き起こす危険な食べ物!与えてはダメ!
人間にはご馳走である食べ物も、犬にとっては中毒症状やアレルギーを引き起こす可能性があります。ここでは、犬が食べると中毒やアレルギーを引き起こす危険な食べ物についてご紹介します。死亡例もある非常に危険な食べ物もありますので、ぜひ、今後の参考にしてください。
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病気や疾患
脳の異常
犬が口から泡を吹いて全身がガタガタと痙攣(けいれん)を起こしている場合、脳の異常が疑われます。
「特発性てんかん」や「脳の腫瘍」、「脳の細菌感染」により引き起こされている可能性があるため、獣医師へ相談しましょう。
呼吸器系・循環器系の疾患
愛犬が口から泡を吹いているだけでなく、チアノーゼ(舌などが青紫になったりする症状)や失神の症状が現れたら、肺などの呼吸器や心臓の疾患が考えられます。
血液中の酸素が極度に少なくなっている可能性もあるので、すぐに動物病院へ行く必要があります。
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胃の疾患
犬が口から泡を吹いたり、よだれを垂らしている場合、胃が拡張しねじれ(捻転)が起こっている可能性があります。
そのままにしておくとショック状態に陥り、数時間以内に死ぬおそれがある緊急疾患のため、早急に動物病院へ連れて行かなければいけません。
犬が痙攣を起こした・口から泡を吹いている【こんな症状は要注意!】
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犬が痙攣(けいれん)を起こしたり、発作的に口から泡を吹いている場合、乗り物酔い(車酔い)など原因が明らかでなければ、命にかかわる病気の可能性もあります。
大切な愛犬の命を守るため、自己判断はせずに、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
犬が痙攣を起こした・口から泡を吹いている【この症状で考えられるおもな病気】
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犬の熱中症
犬の熱中症(ねっちゅうしょう)とは、体温が上がりすぎて、内臓や脳の機能不全が起きる病気です。
犬の平熱は38度前後ですが、41度を超えると熱中症とされます。
初期はハアハアと荒い呼吸をするパンディングやよだれ、頻脈(ひんみゃく)などが現れ、進行すると、血液の循環不全から痙攣(けいれん)や昏睡、散瞳が起こり、死に至ることもあります。
犬の動揺病
犬の動揺病(どうようびょう)とは、乗り物の揺れによって内耳にある三半規管や前庭が刺激されて起こる、いわゆる「車酔い」です。
身体の平衡感覚を保つ三半規管や前庭の自律神経が乱れることが原因で、吐き気やよだれ、あくび、嘔吐(おうと)が現れます。
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犬の有機リン酸塩中毒
犬の有機リン酸塩中毒(ゆうきりんさんえんちゅうどく)とは、農薬やノミ取り首輪などに使用される有機リンによる中毒です。
激しい嘔吐(おうと)や下痢(げり)、痙攣(けいれん)が起き、よだれや脱力のほか、瞳孔の縮瞳が現れます。
激しい中毒の場合は、昏睡状態に陥り、死ぬおそれもあるため、注意が必要です。
犬の食物アレルギー
犬の食物アレルギー(しょくもつあれるぎー)は、本来無害な食べ物に対し、免疫が過剰に働き、過敏に反応してしまう状態です。
原因は小麦、牛肉、乳製品、大豆などさまざまで、体をかゆがる、毛が抜ける、下痢(げり)や嘔吐(おうと)、顔面発赤等のアレルギー症状が起こります。
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犬の特発性てんかん
犬の特発性てんかん(とくはつせいてんかん)は、痙攣(けいれん)や両手足の硬直などのてんかん発作を持つものの、その他には異常が認められない病気です。
犬のてんかんの多くは特発性てんかんです。
てんかん発作が5分以上続いたり、1日に何度も繰り返す場合は、治療が必要なので、獣医師の診察を受けましょう。
犬の脳炎
犬の脳炎(のうえん)には、細菌や真菌、ウイルス、寄生虫などの感染によって起こる「感染性脳炎」と感染以外の原因によって起こる「非感染性脳炎」があります。
発熱や全身の痙攣(けいれん)、歩行障害、視力低下などの症状が現れます。
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犬の脳腫瘍
犬の脳腫瘍(のうしゅしょう)は、脳に腫瘍ができる病気です。
てんかん発作や旋回、眼振、運動失調など、腫瘍ができる部位によって症状が異なります。また、犬の性格や顔の表情が変わることもあります。
犬の水頭症
犬の水頭症(すいとうしょう)は、頭蓋骨内の脳脊髄液が過剰に貯留することでさまざまな症状が現れる病気です。
目立った症状がないこともありますが、てんかん発作や失明、歩行障害、感覚の麻痺(まひ)、視力障害、過食などが起こる事例もあります。
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犬の犬ジステンパー脳脊髄炎
犬の犬ジステンパー脳脊髄炎(のうせきずいえん)とは、犬ジステンパーウイルスの感染が原因で脳や脊髄に炎症が起きる病気です。
四肢の麻痺(まひ)や痙攣(けいれん)、運動失調などの症状が現れます。
犬の胃拡張・胃捻転症候群
犬の胃拡張・胃捻転症候群(いかくちょう・いねんてんしょうこうぐん)とは、胃の拡張やねじれ(捻転)が起こる病気です。
胸の深い大型犬が食後すぐに運動したときなどに見られます。
苦しそうな呼吸状態となり、胃捻転(いねんてん)に進行することもあります。
緊急疾患なので、直ちに動物病院を受診しましょう。
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