【獣医師監修】犬の口の出血が止まらない。この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
犬の口から出血が見られる場合、怪我、歯周病、口内炎、細菌感染、腫瘍など原因はいくつか考えられ、原因によって対処法も異なります。まずは原因を突き止めことが重要ですが、出血が止まらない、繰り返し出血するなどの場合はすぐに動物病院を受診してください。中には重大な病気が隠れていることも。今回は犬の口の出血について解説します。
更新日:
日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)大学院 獣医学研究科 修士課程 修了。
1988年に埼玉県上尾市でフジタ動物病院を開院する。
同病院の院長として、獣医師15名、AHT・トリマー・受付31名、総勢46名のスタッフとともに活躍している。
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆日本小動物歯科研究会 会長
◆公益社団法人 日本獣医学会 評議員
◆財団法人 動物臨床医学会 理事
◆公益財団法人 動物臨床医学研究所 評議員
◆日本獣医療倫理研究会(JAMLAS) 理事
◆NPO法人 高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク 理事
◆日本獣医臨床病理学会 評議員
◆社団法人 日本動物病院福祉協会
◆世界動物病院協会
◆日本動物病院会
◆小動物臨床研究会さくら会
◆PCM 研究会
その他の会に所属し、研究活動を精力的に行っている。
◇岩手大学 農学部獣医学科 非常勤講師(2008~2012年)
◇帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科 非常勤講師(2012年~)
◇日本大学 生物資源科学部 獣医学科 高度臨床獣医学 非常勤講師(2013年~)
【編著】
「基礎から学ぶ小動物の歯科診療 Vol.1」interzoo
「基礎から学ぶ小動物の歯科診療 Vol.2」interzoo
目次
犬の口から出血している【考えられる原因】
February_Love/ Shutterstock.com
犬の口から出血がある時、原因としては以下のようなことが考えられます。
犬の口の出血「原因」①【外傷】
愛犬が事故や喧嘩、硬い物をかじった、口の中に異物があるなど、その切り傷や咬み傷、すり傷から出血することがあります。
場合によっては、興奮し過ぎたり、発作を起こしたりした時に舌を噛んで出血する可能性もあるでしょう。
【獣医師監修】犬のてんかん、発作で突然死する?原因や症状、治療法は?後遺症や治療費、予防法!
犬にも、人間同様にてんかん発作があります。急に愛犬が痙攣(けいれん)し始めると、死亡してしまうのではないかと驚いてしまうかもしれません。犬がてんかんを発症する年齢、発作の症状、かかりやすい犬種はあるのかなど、知識を得ておきましょう。
犬の口の出血「原因」②【歯周病】
iStock.com/IgorChus
歯周病が徐々に進行して炎症が増すと、犬の歯肉(歯茎)が赤みを帯びて腫れ、歯と歯肉の間から出血することがあります。
さらに進行して重度の歯周病となり、細菌によって口腔と鼻腔とを隔てる骨および組織にまで穴が開いてしまった場合は(口腔鼻腔瘻/こうくうびくうろう)、口からの出血ではありませんが、鼻血が見られることがあります。
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
【獣医師監修】犬の口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)原因や症状は?対処・治療法、治療費、予防対策!
犬の口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)とは、口腔と鼻腔とを隔てる骨が溶けたり、破壊されたり、その両者がつながってしまった状態を言います。主な原因は歯周病の悪化。治療には抜歯の後に貫通した箇所を塞ぐ外科的処置が必要です。歯周病由来の場合、すべての犬にみられますが、特にミニチュア・ダックスフンドでよく起こる病気のひとつです。
犬の口の出血「原因」③【口腔腫瘍】
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犬の口の中に腫瘍ができた場合には、その腫瘍部分から出血が起こり、それによって異常(腫瘍の存在)に気づくことも少なくありません。
【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。
犬の悪性口腔腫瘍ではメラノーマ(悪性黒色腫)、扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)、繊維肉腫などがよく見られますが、口臭、よだれ、口を開けるのを嫌がる、ごはんがうまく食べられない、顔が腫れるなどと並び、口からの出血も症状の一つです。
【獣医師監修】「犬の悪性黒色腫(メラノーマ)」原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)とは、犬の皮膚や口の中、肢端(したん:四肢の先端)に発生する悪性の腫瘍です。犬の場合、とくに口の中にできるものが多く、口臭の悪化や血混じりの流涎(よだれ)が出ることがあります。ここでは、悪性黒色腫(メラノーマ)の原因や症状、治療法について解説します。
【獣医師監修】「犬の扁平上皮癌」原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
「犬の扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」とは、カラダの表面を覆う皮膚や、外界と接する粘膜を構成する扁平上皮細胞が腫瘍化する病気です。犬の場合は、口腔内の粘膜か爪の根元に発生するケースがほとんどです。ここでは、扁平上皮癌の原因や症状、治療法について解説します。
【獣医師監修】「犬の線維肉腫」原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の線維肉腫(せんいにくしゅ)とは、皮下でコラーゲンを産生(さんせい)する線維芽細胞(せんいがさいぼう)が腫瘍化する病気です。体表や口腔内、四肢など、あらゆる部位に発生し、発生した部位で深く広がる傾向があります。ここでは、線維肉腫の原因や症状、治療法について解説します。
【獣医師監修】犬の口が臭い(口臭)原因は何?病気?口臭ケア・予防対策!
犬の口からぷ~んとにおってくる口臭。いくら可愛い愛犬でも、あまりに口臭がひどいと気になってしまうかもしれません。本来、口腔内を含め、体が健康的であれば、犬の口はほとんど無臭だといいます。となると、犬の口臭には何か原因があるはず。その元となり得る病気や症状とはについて今回は詳しく解説します。
【獣医師監修】犬のよだれがポタポタ止まらず元気がない。ストレス?原因や病気、対処、予防法は?
犬がよだれを垂らすのは珍しくありません。しかし、普段はよだれをあまり垂らさない犬に見られる「異常に多い」「他にも症状がある」となると気になります。犬がよだれを垂らす原因は何なのか?病気の可能性や対策、予防方法はあるのか?今回は犬のよだれについて詳しく解説します。
犬の口の出血「原因」④【口内炎】
jyugem / PIXTA(ピクスタ)
犬の口内炎は歯周病から派生するもの(潰瘍性歯周口内炎または接触性口内炎)や、外傷、化学物質への接触、免疫力の低下、自己免疫疾患などに起因して発症しますが、口臭、よだれ、口を気にする、発熱、ごはんがうまく食べられないなどの症状に加え、口からの出血が見られることがあります。
【獣医師監修】犬の口内炎(白い・赤い)原因や症状は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
犬の口内炎。気がついたら口の中が白い、または赤いということはありませんか? 口内炎になると、犬は口の中の痛みや違和感から口をくちゃくちゃしたり、口臭が強くなったりすることがあります。意外に気づきにくい犬の口内炎について詳しく解説します。
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
【獣医師監修】犬の口が臭い(口臭)原因は何?病気?口臭ケア・予防対策!
犬の口からぷ~んとにおってくる口臭。いくら可愛い愛犬でも、あまりに口臭がひどいと気になってしまうかもしれません。本来、口腔内を含め、体が健康的であれば、犬の口はほとんど無臭だといいます。となると、犬の口臭には何か原因があるはず。その元となり得る病気や症状とはについて今回は詳しく解説します。
【獣医師監修】犬のよだれがポタポタ止まらず元気がない。ストレス?原因や病気、対処、予防法は?
犬がよだれを垂らすのは珍しくありません。しかし、普段はよだれをあまり垂らさない犬に見られる「異常に多い」「他にも症状がある」となると気になります。犬がよだれを垂らす原因は何なのか?病気の可能性や対策、予防方法はあるのか?今回は犬のよだれについて詳しく解説します。
犬の口の出血「原因」⑤【細菌感染】
歯周病以外の細菌感染によって口の中の粘膜が炎症を起こした結果、出血が見られることもあります。
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
犬の口の出血「原因」⑥【顎の骨折】
iStock.com/Fly_dragonfly
事故や喧嘩による外傷、重度の歯周病、腫瘍、歯周病以外の感染症、代謝性疾患などに起因して顎を骨折することもありますが、状況によっては血の混じったよだれや口からの出血が見られます。
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
【獣医師監修】犬のよだれがポタポタ止まらず元気がない。ストレス?原因や病気、対処、予防法は?
犬がよだれを垂らすのは珍しくありません。しかし、普段はよだれをあまり垂らさない犬に見られる「異常に多い」「他にも症状がある」となると気になります。犬がよだれを垂らす原因は何なのか?病気の可能性や対策、予防方法はあるのか?今回は犬のよだれについて詳しく解説します。
【獣医師監修】犬の顎骨骨折(がくこつこっせつ)(上・下顎)自然治癒する?原因や症状、治療費、予防法!
犬の顎骨骨折(がくこつこっせつ)、意外にも歯周病に起因して顎(上顎・下顎)を骨折することもあるのです。たかが歯などと思ってはいけません。特にシニアの小型犬は要注意です!今回は犬の顎骨骨折の原因や症状、治療方法、予防対策などについて詳しく解説します。
犬の口の出血「原因」⑦【歯の生え変わり(子犬の場合)】
子犬の場合、歯の生え変わりの時期に、乳歯が抜けた後に歯肉(歯茎)から出血することも珍しくありません。
【獣医師監修】犬の乳歯遺残(にゅうしいざん)原因や症状、抜歯は必要?治療法、治療費、予防対策!
犬の乳歯遺残とは、歯の生え変わりの時期が過ぎても乳歯が抜け落ちることなく、そのまま残り、永久歯と乳歯とが併存して生えている状態を指します。乳歯遺残は、歯の生え方に影響する上、歯垢(しこう)・歯石がつきやすく歯周病のリスクも高まるなど長期的な歯の健康に関わるため、基本的に問題の乳歯は手術による抜歯が必要になります。
犬の口の出血【なりやすい犬種は?】
strelka/ Shutterstock.com
口からの出血はどんな犬でも起こり得ますが、特に次のような犬は気をつけてあげるといいでしょう。
犬の口の出血「なりやすい犬種」①【歯周病リスク】
歯の手入れが不十分な犬
すでに歯周病のある犬
小型犬、老犬、免疫力が低下している犬
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
犬の口の出血「なりやすい犬種」②【腫瘍リスク】
老犬
【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
免疫力が低下している犬
メラノーマ
【獣医師監修】「犬の悪性黒色腫(メラノーマ)」原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)とは、犬の皮膚や口の中、肢端(したん:四肢の先端)に発生する悪性の腫瘍です。犬の場合、とくに口の中にできるものが多く、口臭の悪化や血混じりの流涎(よだれ)が出ることがあります。ここでは、悪性黒色腫(メラノーマ)の原因や症状、治療法について解説します。
犬の口の出血「なりやすい犬種」③【事故リスク】
やんちゃな犬、いたずら好きの犬
喧嘩っぱやい犬
老犬
【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
【参照元】
METROPOLITAN VETERINARY ASSOCIATES「What Is Canine Melanoma?」
犬の口の出血【緊急を要する症状、注意点は?】
Cindy Hughes/ Shutterstock.com
犬の口から出血があるのに加え、次のような様子も見られる時には、早急に動物病院で診てもらうことをお勧めします。
交通事故や落下事故など大きな事故に遭った
口の中に異物があって取れない
【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。
下痢や嘔吐がある
【獣医師監修】犬が下痢をした・うんちがゆるい。この症状から考えられる原因や病気は?
犬のうんちがゆるかったり、下痢のときは、いったいどうしたらよいのでしょうか? すぐに病院に連れていくべきかどうか、飼い主としては悩むところですね。今回は犬のうんちがゆるくなる原因と、要注意の症状、考えられる病名について解説します。
【獣医師監修】老犬の下痢が止まらない(繰り返す)原因や理由は?食事や対処法・予防対策!
老犬での下痢は珍しくありませんが、体力や免疫力が低下しているだけに心配にもなりますよね。ストレスや冷えから下痢になることもあれば、重大な病気が隠れていることもあります。下痢になりやすい傾向にある犬や、動物病院を受診する目安も含めて、老犬の下痢について詳しく解説します。
【獣医師監修】老犬が吐く、嘔吐を繰り返す原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬が吐く時、一過性で心配のないものもあれば、腎不全や膵炎(すいえん)、突然に発症する前庭疾患など気をつけたい病気の場合もあります。老犬はちょっとしたことで体調を崩しやすく、また、病気の進行も早いと言われるので、嘔吐についても原因や症状など基本情報を知っておきましょう。
熱がある
ふらついている、歩き方がおかしい
【獣医師監修】犬がフラフラ歩いている。この症状から考えられる原因や病気は?
人間と同じく、犬も突如としてフラフラすることがあります。めまい、貧血、加齢による関節の痛み・・・さまざまな原因が考えられますが、犬の体調のサインになっていることは間違いありません。今回は、犬がフラフラ歩く原因やチェックすべき症状などを解説していきます。
【獣医師監修】犬の歩き方がおかしい。この症状から考えられる原因や病気は?
いつもは元気に駆け回っている犬が、足を上げたり引きずったり、ぎこちなく歩いたりなど、おかしい歩き方をすることがあります。その原因は、老化から脳の病気まで多岐にわたります。ここではその原因や症状、考えられる病名を解説します。
元気がない
【獣医師監修】犬が急に元気がなくなり(動かない)心配。考えられる原因や症状、おもな病気は?
急に愛犬の元気がなくなった…。突然の出来事に飼い主は心配になると思います。愛犬が言葉で説明できないからこそ、少しでも早く察してあげたいもの。今回は、愛犬が急に元気がなくなったときに考えられる原因や症状、考えられる主な病気について解説します。
呼吸が苦しそう
【獣医師監修】犬の呼吸が早い・荒い・苦しそう・息切れしている。この症状から考えられる原因や病気は?
犬の呼吸がハアハアと荒く苦しそうだったり、息切れしていたりすると、飼い主は心配でたまらないですよね。犬の呼吸が早い、苦しそうといった症状は、どんなことから起こるのでしょうか。
口が開いたままで閉じられない
意識が混濁している、または意識がない
【獣医師監修】犬の昏睡状態(意識がない)。考えられる原因や症状、主な病気は?
愛犬が昏睡に陥るというのはかなり深刻な状態です。では「昏睡」とは一体どのような症状で、原因は何でしょうか?今回は、犬が昏睡する原因や症状、考えられる主な病気などについて解説します。
【獣医師監修】犬がボーっとしている。考えられる原因や症状、おもな病気は?
犬がボーっとしている。飼い主の声やごはんにあまり反応しない…。起きてはいるし意識もあるのに、いつもより反応が鈍かったり興味を示さないといった様子を「ボーっとしてる」ととらえる飼い主は多いようです。犬がボーっとしているときには一体どんな原因があるのでしょうか?
出血が止まらない、出血量が多い
数ある疾患の中には、出血が止まらなくなる遺伝性の出血性疾患もあることは覚えておいたほうがいいでしょう。
フォン・ヴィレブランド病(フォン・ヴィルブランド病/フォン・ウィルブランド病)は、血中に存在して出血時など血液の凝固に関係するフォン・ヴィレブランド因子という血漿(けっしょう)タンパクがうまく産生されずに、出血が多くなる、出血がなかなか止まらない、人間ではあざができやすいなどの症状が見られます。
フォン・ヴィレブランド因子の量や症状によってタイプ1、タイプ2、タイプ3の3つに分けられ、タイプ3がもっとも重度であるとされます。
また、発症リスクの高い犬種もおり、スコティッシュ・テリアやシェットランド・シープドッグ、ドーベルマン・ピンシャーなどの他、国内ではウェルシュ・コーギー・ペンブロークの発症率が高いと言われています。
【参照元】
Cornell University College of Veterinary Medicine, Animal Health Diagnostic Center「Canine von Willebrand Disease」
KAHOTECHNO「VWD(フォンウィルブランド病)」
一般社団法人 日本血液製剤協会「凝固因子欠乏症 フォン・ヴィレブランド病」
犬の口の出血【応急処置や対処法、予防方法は?】
犬の口の出血【対処】
Suti Stock Photo/ Shutterstock.com
犬の歯の生え変わりは別として、犬の口の出血の原因が歯周病であるなら歯周病の治療をする、口腔内の腫瘍であるなら切除手術を行う、顎(あご)の骨折では骨の保定や整復手術を行うなど、基本的には原因に沿った治療が必要になります。
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。
【獣医師監修】犬の顎骨骨折(がくこつこっせつ)(上・下顎)自然治癒する?原因や症状、治療費、予防法!
犬の顎骨骨折(がくこつこっせつ)、意外にも歯周病に起因して顎(上顎・下顎)を骨折することもあるのです。たかが歯などと思ってはいけません。特にシニアの小型犬は要注意です!今回は犬の顎骨骨折の原因や症状、治療方法、予防対策などについて詳しく解説します。
通常、骨折は犬に相当な痛みがありますので、ケージに入れるなど犬を安静にした状態ですぐに動物病院に向かいましょう。
おもちゃやガムのかけらなど、口の中に異物が刺さっている場合は、できれば一人が犬を抑えて口を開けさせ、もう一人が慎重に異物を取り除く方法もありますが、犬が嫌がったり、逆に飲み込んでしまったりすることも考えられ、無理そうな時はやはり急ぎ動物病院へ。
犬にガムを与えるのは危険?人間用のガムや牛皮は?誤飲や丸呑み防止、腸閉塞などの注意点!
長く噛み続けることができて、大好きな犬も多い犬用ガム。しかし、牛皮ガムなどの固いものは特に、大きいまま飲み込む子も多く、死亡事故の心配も。また、ガムはいつから与えていいの?人間用ガムの誤飲は?など、ガムのメリットや注意点、選ぶポイントなどを詳しく解説します。
【獣医師監修】犬がキシリトール(ガム)を食べたら死亡する?中毒症状や致死量、応急処置、対処法は?
犬がキシリトールを食べてはいけません。これは嘘やデマではなく、キシリトールによって犬は低血糖や肝不全を起こし、命に関わることもあるためです。キシリトールは食品や歯磨き粉、化粧品にも使われる人間にとって身近な存在。それだけに注意が必要です。キシリトールがダメな理由、誤飲した時の対処方法などについて詳しく解説します。
また、出血が多い場合。
哺乳動物の(体を循環する)血液量は体重のおよそ1/13、または8~9%であり、その1/3を失うと危険な状態になると言われています。
仮に、体重3kgの犬であると血液量はおよそ220ml~256mlになり、想像以上に少ないのがわかります。
したがって、人間の感覚で出血量を見ていると手遅れになることもあるので、出血が多いと思った時には早めに動物病院へ向かうことをお勧めします。
【参照元】
小林輔 他「日本における犬と猫の献血指針の提案」動物臨床医学
IOWA VETERINARY SPECIALTIES「Blood Transfusions in Small Animal Medicine」
日本赤十字社「血液の基礎知識 血液の量・献血の量について」
犬の口の出血【予防】
iStock.com/Debra Porter
次のようなことは口からの出血の予防につながるでしょう。
歯磨きをし、歯垢・歯石は早めに除去して口腔内の健康を保つ
日々の手入れのついでに口の中もチェックする
危険な物は犬の周囲には置かず、怪我をしそうな物はかじらせない
定期健康診断を受け、病気の早期発見早期治療に努める
【獣医師監修】犬の「健康診断」は何歳から必要?愛犬の健康寿命を延ばすために、年1回の健康診断を!
昨今の動物病院は、病気を予防するための場所にもなってきています。愛犬が病気になってから駆け込むのではなく、日頃から飼い主とかかりつけ医が信頼関係を築くことの大切さ、そして愛犬の健康寿命を延ばすための予防医療の大切さを、地域密着型病院の院長である成城こばやし動物病院の小林元郎獣医師に教えていただきました。
子犬・老犬の口の出血【注意点・ケア方法】
犬の口の出血【子犬】
Seregraff/ Shutterstock.com
乳歯は生後21日頃より生え始め、生後2ヶ月頃には生え揃い、その後、生後4ヶ月半頃より永久歯が生え始めて、生後7~8ヶ月頃には生え変わりが完了します。
この間は、乳歯が残っていないかなどこまめにチェックするといいでしょう。
【獣医師監修】犬の乳歯遺残(にゅうしいざん)原因や症状、抜歯は必要?治療法、治療費、予防対策!
犬の乳歯遺残とは、歯の生え変わりの時期が過ぎても乳歯が抜け落ちることなく、そのまま残り、永久歯と乳歯とが併存して生えている状態を指します。乳歯遺残は、歯の生え方に影響する上、歯垢(しこう)・歯石がつきやすく歯周病のリスクも高まるなど長期的な歯の健康に関わるため、基本的に問題の乳歯は手術による抜歯が必要になります。
犬の口の出血【老犬】
老犬は歯周病や口腔腫瘍、怪我などのリスクが高くなるので、よりこまめな健康管理を。
【獣医師監修】老犬のお困りごと(愛犬の老化・ケア方法)解消「お役立ち」まとめ記事【20選】
なんだか愛犬に元気がないみたい…と感じたら、それは老化のサインかもしれません。いつでも愛嬌たっぷりで可愛い犬たちですが、実は人間よりも歳をとるのが早い生き物。犬の老化のサインを見逃さず、老後も快適な暮らしが送れるようにしてあげるためには、犬の老化についての知識を身につけておく必要があります。
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。
また、認知症によって食べ物でない物を口に入れることも考えられるので、飼育環境は整理したいものです。
【獣医師監修】愛犬が急に認知症に?老犬の「認知症」原因や症状、対策、治療、予防方法は?
老犬でよく見られる「認知症」は単なる老化現象ではなく、加齢にともなう一つの疾患です。現在のところ、残念ながら完治させることはできず、進行を遅らせる努力をするしかありません。何より予防が大切です。そのために知っておきたい犬の認知症の症状や予防、対処方法などについて詳しくご紹介します。
その他、口からの出血ではなく、血を吐く場合は呼吸器や心臓、消化器など他の病気の可能性もあるので、血の色や状態、回数などを確認するとともに、早めに動物病院で診てもらいましょう。
犬の口の出血【まとめ】
iStock.com/dimarik
犬の口からの出血にはいろいろな原因がありますが、歯肉(歯茎)から出血する時は歯磨きの仕方が強すぎるという場合もあるので、歯ブラシを自分の手に当てて強さを試してみるなど確認してみてはいかがでしょうか?
人間が手を使うように、犬にとって口はとても大切な器官。その健康を守ってあげられますように。
【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。
【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。
【獣医師監修】犬の口が臭い(口臭)原因は何?病気?口臭ケア・予防対策!
犬の口からぷ~んとにおってくる口臭。いくら可愛い愛犬でも、あまりに口臭がひどいと気になってしまうかもしれません。本来、口腔内を含め、体が健康的であれば、犬の口はほとんど無臭だといいます。となると、犬の口臭には何か原因があるはず。その元となり得る病気や症状とはについて今回は詳しく解説します。
【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状は?対処・治療法、治療費、ケア・予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
【獣医師監修】犬の歯肉炎、原因や症状は?対処・治療法、治療薬、治療費、予防対策は?
犬の「歯肉炎(しにくえん)」とは、歯肉(口腔粘膜の一部で、歯と接触している部分の組織)に炎症が生じた状態を言います。歯肉炎をそのまま放置していると、炎症が歯肉から他の歯周組織へと広がり、歯を支える歯槽骨にまで及ぶことになります(歯周炎)。ここでは、犬の歯肉炎の原因や症状、治療法について解説します。
犬にガムを与えるのは危険?人間用のガムや牛皮は?誤飲や丸呑み防止、腸閉塞などの注意点!
長く噛み続けることができて、大好きな犬も多い犬用ガム。しかし、牛皮ガムなどの固いものは特に、大きいまま飲み込む子も多く、死亡事故の心配も。また、ガムはいつから与えていいの?人間用ガムの誤飲は?など、ガムのメリットや注意点、選ぶポイントなどを詳しく解説します。
【獣医師監修】犬がキシリトール(ガム)を食べたら死亡する?中毒症状や致死量、応急処置、対処法は?
犬がキシリトールを食べてはいけません。これは嘘やデマではなく、キシリトールによって犬は低血糖や肝不全を起こし、命に関わることもあるためです。キシリトールは食品や歯磨き粉、化粧品にも使われる人間にとって身近な存在。それだけに注意が必要です。キシリトールがダメな理由、誤飲した時の対処方法などについて詳しく解説します。
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