【獣医師監修】犬の口が臭い(口臭)仕方がない?原因や考えられる主な病気、口臭ケア・予防対策は?
犬の口からぷ~んとにおってくる口臭。いくら可愛い愛犬でも、あまりに口臭がひどいと気になってしまうかもしれません。本来、口腔内を含め、体が健康的であれば、犬の口はほとんど無臭だといいます。となると、犬の口臭には何か原因があるはず。その元となり得る病気や症状とはについて今回は詳しく解説します。
日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)大学院 獣医学研究科 修士課程 修了。
1988年に埼玉県上尾市でフジタ動物病院を開院する。
同病院の院長として、獣医師15名、AHT・トリマー・受付31名、総勢46名のスタッフとともに活躍している。
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆日本小動物歯科研究会 会長
◆公益社団法人 日本獣医学会 評議員
◆財団法人 動物臨床医学会 理事
◆公益財団法人 動物臨床医学研究所 評議員
◆日本獣医療倫理研究会(JAMLAS) 理事
◆NPO法人 高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク 理事
◆日本獣医臨床病理学会 評議員
◆社団法人 日本動物病院福祉協会
◆世界動物病院協会
◆日本動物病院会
◆小動物臨床研究会さくら会
◆PCM 研究会
その他の会に所属し、研究活動を精力的に行っている。
◇岩手大学 農学部獣医学科 非常勤講師(2008~2012年)
◇帝京科学大学 生命環境学部 アニマルサイエンス学科 非常勤講師(2012年~)
◇日本大学 生物資源科学部 獣医学科 高度臨床獣医学 非常勤講師(2013年~)
【編著】
「基礎から学ぶ小動物の歯科診療 Vol.1」interzoo
「基礎から学ぶ小動物の歯科診療 Vol.2」interzoo
目次
犬の口が臭い(口臭)【考えられる原因・病気は?】

Sukhareva Aleksandra/ Shutterstock.com
犬の口臭の種類
一口に犬の「口臭」と言っても、大きくは下の表のように分けることができます。
このうち、病的な口臭の中では、口の中に起因する犬の口臭が多くを占めると言われます。
【犬の口臭の種類と考えられる原因・病気】
種類 | 考えられる原因や病気 | |
---|---|---|
病的な口臭 | 口の中に起因 | 歯周病、口内炎、口腔内腫瘍、口腔内異物、う蝕、歯髄炎、外歯瘻、唾液分泌の低下など |
全身性の病気に起因 | 呼吸器系疾患、消化器系疾患、肝疾患、糖尿病など | |
生理的な口臭 | 寝起き、空腹時、緊張・ストレス時、発情・妊娠時など | |
食事性の口臭 | 食べ物や食べかすのにおいに起因するもの |
【参照元】
特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会「口臭について」
においの違いから見る犬の口臭の原因

Perry Svensson/ Shutterstock.com
また、犬の口のにおいの違いから考えられる原因をある程度分けることもできます。
【犬の口のにおいから考えられる原因】
におい | 【考えられる原因】 |
---|---|
生臭い | 歯周病、口内炎、舌炎、口腔内腫瘍、口腔内異物、歯髄炎、外歯瘻など |
アンモニア臭い | 腎不全、尿毒症などの腎疾患 |
アセトン臭い | 糖尿病 |
うんち臭い | 食糞症など |
口臭の成分のうち独特のにおいを発するのは、主に口の中の嫌気性菌がタンパク質成分を分解する時に発生する揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)です。
これには
硫化水素
卵が腐ったようなにおい
メチルメルカプタン
魚が腐ったような生臭さ、野菜が腐ったようなにおい
ジメルサルファイド
生ゴミのようなにおい
の3つがあり、明らかに悪臭であることがわかります。
特に、メチルメルカプタンに関しては、歯周病を悪化させる因子でもあるのではないかという文献も見られます。

【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状(重度・軽度)は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
アセトンとはケトン体(血糖をエネルギーとして利用できない時、その代わりに脂肪酸が分解されることによって産生される)の一つで、甘酸っぱいにおいがします。
日用品としてマニキュアを落とす除光液や接着剤などにも使用されているものです。
【参照元】
山賀孝之、宮崎秀夫「口臭は歯周病を悪化させる?」(新潟歯学会誌32(2):2002, p101-102)
兵庫県歯科医師会「口臭」
山賀孝之、宮崎秀夫「歯科外来における口臭測定」(J. Japan Association on Odor Environment Vol. 36 No. 5 2005 p261-265)
犬の口が臭い(口臭)【口臭が発生しやすい犬種は?】

thka/ Shutterstock.com
口臭が出やすい犬がいるとすれば、以下のような犬はそう言えるかもしれません。
口臭が発生しやすい犬①【小型犬・高齢犬】
チワワやパグなどの短頭種やミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬は、歯周病になりやすいため、口臭が出やすいでしょう。

【獣医師監修】チワワの平均寿命や最高齢は何年?心臓病など寿命を縮める要因は?元気で長生きする秘訣!
超小型のチワワは世界最小クラスの犬種で、元気で長生きをする犬種のひとつとしても知られています。チワワに心身ともに元気で長生きをしてもらうために、飼い主にできることはなんでしょうか?チワワが気をつけるべき病気や生活の工夫ポイントなどとともに、役立つ知識を身につけておきましょう!

【獣医師監修】パグは短命?平均寿命や最高齢は何年?脳炎や皮膚病、老化を予防し、寿命を延ばす秘訣!
おでこのシワがキュートなパグ。短頭種ならではの呼吸器トラブルや肥満にならないよう注意しつつ、陽気なパグが喜ぶ楽しい生活を続ければ、きっと長生きしてくれることでしょう。ここでは、パグ(小型犬)の平均寿命や最高齢(最長)、かかりやすい病気だけでなく、寿命を延ばす秘訣やポイントについて解説していきます。

【獣医師監修】ミニチュア・ダックスフンドの平均寿命、最高齢は?病気と老化を予防し、寿命を延ばす秘訣!
短い足と長いマズルが個性的で小型犬の中でも人気の、ミニチュア・ダックスフンド。見た目は愛らしい小型犬ですが、生粋の猟犬です。長生きする犬種としても知られるミニチュア・ダックスフンドが、家庭犬としても満たされて、健康で長生きできる秘訣を探っていきましょう!
また、高齢犬(シニア犬)や免疫力が低下している犬、普段から歯磨きをしていないような歯の手入れが不十分な犬も歯周病になりやすいため、注意が必要です。

【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状(重度・軽度)は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
口臭が発生しやすい犬②【持病がある犬】
糖尿病の犬は、アセトンのにおいがすると言われています。
また、腎疾患の犬は、口腔細菌によって尿素が分解されて唾液中にアンモニアが増加するので、口の中からアンモニア臭がします。

【獣医師監修】「犬の慢性腎不全(慢性腎臓病)」 原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の「慢性腎不全(まんせいじんふぜん)」とは、老廃物や毒素を排出する腎臓の機能が徐々に低下していき、体内に蓄積した毒素によってさまざまな症状を示す状態です。腎臓の機能が低下しても、重度に低下するまではほとんど症状を示さず、症状を示した時には腎不全のために有効な治療を行うことができないことも多々あります。

【獣医師監修】「犬の急性腎不全(急性腎臓病・急性腎障害)」 原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の「急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)」とは、老廃物や毒素を排出する機能をもつ腎臓の機能低下によって起こる病気で、急激に体調が悪化します。ここでは急性腎不全について詳しく解説します。
口臭が発生しやすい犬③【何でも口に入れてしまう犬】
愛犬が何でも口に入れ、口の中の粘膜に刺さったり、歯に挟まったり、咽頭に詰まったりして、異物として口の中に残る場合があります。
この場合も、口のにおいが臭くなりやすいでしょう。
家や散歩中に愛犬が拾い食いしないように気を付けましょう。

【獣医師監修】犬のタバコの誤飲、影響は?ニコチン中毒で死亡の可能性も?対処方法や注意点!
犬にとってタバコは大変危険です。万が一犬がタバコを食べてしまうと、ニコチン中毒により最悪の場合は亡くなることもあります。飼い主が吸わなくても散歩中に吸い殻を口にするかもしれません。犬がタバコを食べてしまった時の対処方法や、日頃の注意点を解説します。
犬の口が臭い(口臭)【緊急を要する症状、注意点は?】

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緊急性を要する口臭①【消化管に詰まる】
異物(おもちゃ・靴下・石・デンタルガムなど)や食べ物が犬の腸管が咽頭、食道、胃内などに詰まることにより、流涎(りゅうぜん)、呼吸促迫、開口呼吸、腹痛や嘔吐、便が出ないなどの症状が見られます。
このような場合には、死に至る危険があるので、迷わず動物病院へ行くことをお勧めします。

【獣医師監修】犬のタバコの誤飲、影響は?ニコチン中毒で死亡の可能性も?対処方法や注意点!
犬にとってタバコは大変危険です。万が一犬がタバコを食べてしまうと、ニコチン中毒により最悪の場合は亡くなることもあります。飼い主が吸わなくても散歩中に吸い殻を口にするかもしれません。犬がタバコを食べてしまった時の対処方法や、日頃の注意点を解説します。

【獣医師監修】犬がキシリトール(ガム)を食べたら死亡する?中毒症状や致死量、応急処置、対処法は?
犬がキシリトールを食べてはいけません。これは嘘やデマではなく、キシリトールによって犬は低血糖や肝不全を起こし、命に関わることもあるためです。キシリトールは食品や歯磨き粉、化粧品にも使われる人間にとって身近な存在。それだけに注意が必要です。キシリトールがダメな理由、誤飲した時の対処方法などについて詳しく解説します。

【獣医師監修】老犬が吐く、嘔吐を繰り返す原因や理由は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
老犬が吐く時、一過性で心配のないものもあれば、腎不全や膵炎(すいえん)、突然に発症する前庭疾患など気をつけたい病気の場合もあります。老犬はちょっとしたことで体調を崩しやすく、また、病気の進行も早いと言われるので、嘔吐についても原因や症状など基本情報を知っておきましょう。
緊急性を要する口臭②【出血性胃腸炎】
犬が出血性胃腸炎なると、胃腸粘膜に急性の炎症が起こり、粘膜から出血して真っ赤な下痢便や嘔吐が見られます。
血液および水分不足のためにショック状態となり、敗血症に陥って命を落とすこともあるので、愛犬が真っ赤な下痢便や嘔吐をした際は、早めの対応が必要です。
注意を要する口臭①【歯周病】

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3歳以上の約80%の犬がもっていると言われる歯周病。
俗に「犬臭い」という言葉がありますが、歯周病からくる口臭を犬のにおいと勘違いしている人も多くいます。
歯周病は万病の元と言われるほど心臓疾患や肝疾患、腎疾患など色々な病気に影響するので、放置するほどにリスクが高まることを覚えておきましょう。

【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状(重度・軽度)は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!

【獣医師監修】「犬の慢性腎不全(慢性腎臓病)」 原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の「慢性腎不全(まんせいじんふぜん)」とは、老廃物や毒素を排出する腎臓の機能が徐々に低下していき、体内に蓄積した毒素によってさまざまな症状を示す状態です。腎臓の機能が低下しても、重度に低下するまではほとんど症状を示さず、症状を示した時には腎不全のために有効な治療を行うことができないことも多々あります。

【獣医師監修】「犬の急性腎不全(急性腎臓病・急性腎障害)」 原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の「急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)」とは、老廃物や毒素を排出する機能をもつ腎臓の機能低下によって起こる病気で、急激に体調が悪化します。ここでは急性腎不全について詳しく解説します。
注意を要する口臭②【口内炎】
犬の口内炎の原因には口腔内の異物によるもの、糖尿病、腎疾患、免疫疾患、歯垢の付いた歯が頬の内側を刺激するものなど色々あります。
強い口臭の他、よだれ、口腔内の赤みや潰瘍(かいよう)などが見られますが、食欲不振になることもあるので、愛犬に口内炎が見られた時には、念のために口の中もチェックしてみてください。

【獣医師監修】犬の口内炎(赤い・白い)、原因や症状は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
犬の口内炎。気がついたら口の中が赤い、または白いということはありませんか? 口内炎になると、犬は口の中の痛みや違和感から口をくちゃくちゃしたり、口臭が強くなったりすることがあります。意外に気づきにくい犬の口内炎について詳しく解説します。

【獣医師監修】犬のよだれがポタポタ止まらず元気がない。原因や考えられる主な病気や対処・予防法は?
犬がよだれを垂らすのは珍しくありません。しかし、普段はよだれをあまり垂らさない犬に見られる「異常に多い」「他にも症状がある」となると気になります。犬がよだれを垂らす原因は何なのか?病気の可能性や対策、予防方法はあるのか?今回は犬のよだれについて詳しく解説します。

【獣医師監修】犬の口の周りが赤い。この症状から考えられる原因や病気は?
愛犬の口の周りが赤くなり、痒がったり痛そうにしていることはありませんか。被毛が多い犬種では、唾液で毛が赤くなることがありますが、口の周りの皮膚の赤みは病気の可能性があります。ここでは、犬の口の周りが赤くなる原因と考えられる病気を解説します。
注意を要する口臭③【糖尿病】

かいと / PIXTA(ピクスタ)
犬の糖尿病で多く見られる症状は、多飲多尿と体重減少です。

【獣医師監修】犬の多飲多尿。この症状から考えられる原因や病気は?
生命の維持に不可欠な水。けれども、犬が水をいつもより飲み過ぎている場合は、病気の兆候ということも考えられます。水をたくさん飲むと同時に、尿の色が薄くなり、尿の量も増え、何度もトイレへ行って排尿している時は、とくに注意。そんな犬の多飲多尿について、その原因や症状などを詳しく紐解きます。
犬では1日の正常な水摂取量は体重1kgあたり20~90mlで、100mlを超えると多飲と考えられます。
犬が糖尿病になると、エネルギーである糖の利用がうまくできなくなり、代わりにケトン体が増え過ぎて血液が酸性化し、食欲低下、元気消失、下痢、嘔吐などの症状が見られます。

【獣医師監修】犬の食欲不振・犬が食べない。考えられる原因や対処方法は?
「食欲不振」「嘔吐」「下痢」は、飼い主がすぐに気づいてあげられる愛犬からの3大「不調サイン」と言われています。食欲がない状態を見過ごさずに、適切に対処することが大切です。

【獣医師監修】犬が急に元気がなくなり(動かない)心配。考えられる原因や症状、おもな病気は?
急に愛犬の元気がなくなった…。突然の出来事に飼い主は心配になると思います。愛犬が言葉で説明できないからこそ、少しでも早く察してあげたいもの。今回は、愛犬が急に元気がなくなったときに考えられる原因や症状、考えられる主な病気について解説します。

【獣医師監修】犬が下痢をした・うんちがゆるい。この症状から考えられる原因や病気は?
犬のうんちがゆるかったり、下痢のときは、いったいどうしたらよいのでしょうか? すぐに病院に連れていくべきかどうか、飼い主としては悩むところですね。今回は犬のうんちがゆるくなる原因と、要注意の症状、考えられる病名について解説します。
また、血糖値が高くなると浸透圧利尿効果と相まって、脱水を引き起こし、脱水によって唾液分泌量が減り、口臭の原因となります。
末期になると死に至ることもあるので、治療は怠らないようにしてください。
【参照元】
公益社団法人 埼玉県獣医師会「水の飲み過ぎは病気のサインかもしれません!」
注意を要する口臭④【口腔内腫瘍】
犬の悪性口腔内腫瘍にはメラノーマ(悪性黒色腫)・扁平上皮ガン・繊維肉腫・骨肉腫などがありますが、これらの中で発症率の高いのはメラノーマであり、悪性口腔内腫瘍のうち3~4割を占めます。

【獣医師監修】「犬の悪性黒色腫(メラノーマ)」原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
犬の悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)とは、犬の皮膚や口の中、肢端(したん:四肢の先端)に発生する悪性の腫瘍です。犬の場合、とくに口の中にできるものが多く、口臭の悪化や血混じりの流涎(よだれ)が出ることがあります。ここでは、悪性黒色腫(メラノーマ)の原因や症状、治療法について解説します。

【獣医師監修】「犬の扁平上皮癌」原因や症状、なりやすい犬種、治療方法は?
「犬の扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)」とは、カラダの表面を覆う皮膚や、外界と接する粘膜を構成する扁平上皮細胞が腫瘍化する病気です。犬の場合は、口腔内の粘膜か爪の根元に発生するケースがほとんどです。ここでは、扁平上皮癌の原因や症状、治療法について解説します。
愛犬の口の中の出血により飼い主さんが気づくことが多いようです。
犬の口腔内腫瘍は、4つのステージに分けられ、ステージ3以降の余命は短くなることも多いため、異変に気付いた時にはすぐに動物病院へ行きましょう。

【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。
【参照元】
公益社団法人 日本獣医師会「生涯研修のページ」より
犬の口が臭い(口臭)【予防対策は?】

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犬の口臭の予防対策としては、以下のようなことが考えられます。
犬の口臭予防と対策①【病気予防】
まずは、愛犬の病気予防を心がけましょう。
愛犬のお手入れの際には、口周りのにおいもチェックします。
口臭によって病気が見つかることもあるため、愛犬の口臭が気になる場合には、かかりつけの獣医師へ相談してもいいでしょう。
犬の口臭予防と対策②【歯磨き】
愛犬のお手入れの一環として、普段から歯磨きをして、歯垢・歯石は早めに除去しましょう。
歯磨きができない場合は、食後に水を入れたシリンジで歯の汚れを洗い落とす、歯磨きシートや濡らしたガーゼを指に巻いて歯の表面を軽くこするなどでも構いません。
犬の口臭予防と対策③【ストレス】

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精神的なものからくる口臭もあります。
愛犬には強いストレスを与えないように心がけましょう。

【獣医師監修】犬のストレス、病気や死亡の原因になる?ストレス行動やサイン、発散・解消法!
ストレスは万病のもとと言われます。それは、人間だけでなく犬にも当てはまること。愛犬のストレスを遠ざけて、健康に暮らしてもらえるよう、飼い主としてできることを心得ておきたいものです。
犬の口臭予防と対策④【デンタルケア】
噛むことによって、愛犬の唾液の分泌を促します。
犬の唾液には口腔内を洗浄することや唾液中の抗菌物質によって殺菌効果があり、歯周病予防にもつながるため、歯みがきとともにデンタルケア効果のある安全な柔らかめのガム・おやつやオモチャを与えるのもおすすめです。
犬の口臭予防と対策⑤【飲み水】
生理的なものや食事性の口臭は治療の必要はないとされますが、愛犬の口臭が気になる場合は、唾液の分泌低下を防ぐため、いつでも十分な水が飲めるように心がけてください。

【獣医師監修】愛犬がミネラルウォーター(硬水)を飲んでも大丈夫?水道水(軟水)は?
犬に飲ませる水は、ミネラルウォーターと水道水、どちらの方が体にいいのかと考えたことがあるかもしれません。ミネラルウォーターにはミネラル分が、水道水にはカルキなどが含まれるため「犬に与えて大丈夫?」と疑問に思うこともあるでしょう。それぞれの特徴を比較しながら、愛犬が飲む水について正しい知識を身に付けましょう!
犬の口臭予防と対策⑥【フード】

nanD_Phanuwat / PIXTA(ピクスタ)
手作り食など食べ物のにおいが口臭の原因になることもあるので、愛犬の食事内容やドッグフードを変えてみるのも一策です。
また、乳酸菌生産物(善玉菌群が作り出す物質)には歯周病菌の抑制効果があると考えられているため、ヨーグルトなどの乳酸菌が含まれる食品やサプリメントを与えるのもおすすめです。

【獣医師監修】犬がヨーグルトを食べても大丈夫?毎日はダメ!?適量や注意点、無糖のプレーンがオススメ?
腸内環境を整え、便秘の解消、免疫力の向上に役立つ健康効果抜群のヨーグルト。ヨーグルトが大好きな犬もいますが、犬がヨーグルトを食べても大丈夫なのでしょうか?今回は、犬にヨーグルトを与える際の注意点(添加物)やメリット・効果(食いつき・乳酸菌)、適量などについて詳しく解説します。
犬の口臭予防と対策⑦【口臭ケア製品・サプリメント】
愛犬の口臭対策として、歯みがきとともに市販のスプレーや水に垂らすタイプなど口臭ケア製品を使ってみることも考えられます。
口臭を消すというより、歯垢・歯石ができにくい口腔内環境を整える製品が多いようです。
また、歯周病ケア効果のあるサプリメントを使ってみるのもいいでしょう。
歯垢・歯石ができにくくするものや、腸内環境を整え、体の中からにおいを軽減するものなどがあります。
犬の口臭予防と対策⑧【ハーブ】
パセリやシャンピニオンなどのハーブも愛犬の口臭に効果があるとされています。
ただし、ハーブは病気や症状によっては使えないものもあるので注意が必要です。

【獣医師監修】犬にハーブティーは飲ませてはダメ!安全なハーブも念のため獣医師に相談を!
ハーブティーを飲むと、ほっとしますよね。そのため犬に飲ませたい飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか?しかしハーブティーの中には犬に危険なものもあります。ここでは、犬にとって危険なハーブティーの種類や、誤飲してしまった場合の対処法や応急処置、治療方法などについて解説します。
特に、パセリは腎疾患のある犬や妊娠中の犬には使えません。

【獣医師監修】犬がパセリを食べても大丈夫?パセリを与える際の注意点や適量、栄養素は?
緑黄色野菜の王様ともいわれるパセリ。実は栄養価がとても高い野菜でもあります。人間にとっては有用な野菜ですが、犬がパセリを食べても大丈夫なのでしょうか? ここでは、愛犬にパセリを与える際の注意点や栄養素、適量について解説していきます。
いずれにしても、口臭の元に病気がある場合には、事前に動物病院で相談することをお勧めします。
【参照元】
小野田繁「乳酸菌生産物質とは何か? またその歯科応用について」(日本歯科東洋医学会誌 Vol.26, No.1・2 2007年 1-9)
高齢犬の口が臭い(口臭)【注意点、改善・ケア方法は?】

Oleksandra Kuznietsova/ Shutterstock.com
高齢犬では歯周病や腎疾患など多く見られ、口腔内腫瘍も時々みられますので、口臭以前に、病気予防の観点から定期的な健康診断(少なくとも半年に1回)を受けることは大切でしょう。

【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状(重度・軽度)は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!

【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。

【獣医師監修】犬の健康診断は必要?愛犬の健康寿命を延ばすために、年1回の健康診断を!(特にシニア期)
昨今の動物病院は、病気を予防するための場所にもなってきています。愛犬が病気になってから駆け込むのではなく、日頃から飼い主とかかりつけ医が信頼関係を築くことの大切さ、そして愛犬の健康寿命を延ばすための予防医療の大切さを、地域密着型病院の院長である成城こばやし動物病院の小林 元郎獣医師に教えていただきました。
高齢犬の場合、口臭がしても「年のせいだから」と思ってしまいがちですが、重大な病気が隠れていることもあるので気をつけましょう。
病気によって口臭が出ているのであれば、元となる病気の治療を優先することは言うまでもありません。
前述のように口臭は唾液分泌の低下によっても起こりますが、そもそも高齢犬は水を飲む意識が低い傾向にある上、水飲み場まで行けないこともあるので、唾液の分泌を促すためにも十分に水分が摂れるようにしてあげたいものです。

【獣医師監修】犬の唾液瘤(だえきりゅう)原因や症状は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
唾液瘤(唾液腺粘液瘤/唾液腺偽嚢胞/唾液腺粘液嚢胞)とは、唾液を分泌する唾液腺、そして唾液を口腔内に運ぶ導管が何らかの損傷を受け、唾液が本来とは違う場所に漏れ出てしまう病気。顎の下や喉、頬、目の下、耳の下あたりにぷっくらとした膨らみが見られるのが特徴です。今回は犬の唾液瘤の原因や症状、治療などについて詳しく解説します。
また、歯周病による口臭の場合、高齢犬でも健康状態によっては麻酔をかけて歯石を除去できるケースもあるので、動物病院でご相談ください。
【参照元】
公益社団法人 日本口腔外科学会「口腔外科相談室 - 口腔内のトラブル」
犬の口が臭い(口臭)【まとめ】

Vagengeim / PIXTA(ピクスタ)
かわいい愛犬も、抱きしめたときに口臭があると気になりますよね。
しかし、愛犬の口臭は日頃のケアで軽減できるものもあります。
例えば歯周病のケア。

【獣医師監修】犬の歯周病、原因や症状(重度・軽度)は?対処・治療法、治療費、予防対策は?
犬は虫歯にはなりにくいものの、歯周病にはなりやすく、3歳以上の犬の80%は歯周病と言われています。愛犬が歯周病になったとき、症状や対処・治療法はどのようなものがあるのか?原因や予防方法も含めて、歯周病について詳しく解説します。高齢になったときの健康にも影響を及ぼすので、若いうちから歯周病予防をしましょう!
歯磨きを嫌がるから、面倒くさいからとそのままにせず、飼い主さんご自身の歯と同じように考えてみてはいかがでしょうか?
完璧にできなくても、毎日できることだけでもやってみると、それだけでも少しは違うかもしれません。
口腔内腫瘍では、気づいたらかなり進行していたという病気もあるので、口臭対策にしても何より日々の健康管理が大事になるでしょう。

【獣医師監修】犬の口腔内腫瘍(できもの)この症状から考えられる主な病気や原因、対処・予防法は?
飼い主のみなさんが、愛犬の口の中をじっくりと観察する機会は、決して多くはないと思います。それでも、歯磨きをしている時や、大きなあくびをしている時に、口の中に口腔腫瘍(できもの)を発見したなら、どうすればよいのでしょうか?ここでは、獣医師が原因と対処法について詳しく解説します。

【獣医師監修】犬用ガムの選び方とポイント!与え方と誤飲や丸呑みした場合の対処法は!?
長持ちするおやつとして人気がある犬用ガムに関して、知っておきたい基礎知識をご紹介します。留守番をさせる時や寝る前のオーラルケアによく使われる犬用ガムですが、与え方を間違えると、死亡事故につながる心配があることはご存知でしょうか?愛犬の安全を守るために押さえておきたいポイントを見直してみましょう!

【獣医師監修】犬がヨーグルトを食べても大丈夫?毎日はダメ!?適量や注意点、無糖のプレーンがオススメ?
腸内環境を整え、便秘の解消、免疫力の向上に役立つ健康効果抜群のヨーグルト。ヨーグルトが大好きな犬もいますが、犬がヨーグルトを食べても大丈夫なのでしょうか?今回は、犬にヨーグルトを与える際の注意点(添加物)やメリット・効果(食いつき・乳酸菌)、適量などについて詳しく解説します。

【獣医師監修】犬が魚(魚介類)を食べても大丈夫?おやつにおすすめな魚や注意点は?
日本人が大好きな「マグロ」「カニ」「うなぎ」などの魚(魚介類)ですが、愛犬に与えても大丈夫なのか飼い主として不安になることもあると思います。ここでは、「マグロ」「カニ」「うなぎ」など、愛犬に与えても大丈夫な魚(魚介類)や、与える際の注意点などについてご紹介します。

【獣医師監修】犬は納豆を食べても大丈夫?納豆の臭いやアレルギー、健康メリットは?
あの納豆独特のねばりや臭いを愛犬が嫌がるのではと思う人も多いようですが、腐敗した食べ物を好む犬もいるので、納豆を食べたがる愛犬もいるかもしれません。今回は、犬が納豆を食べても大丈夫なのか?納豆が犬にもたらすメリットや注意点などについて解説していきます。
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