【獣医師監修】犬がプリンを食べても大丈夫? 適量は?容器や乳糖不耐症、アレルギーに注意!

卵と牛乳を混ぜて蒸したものの上に、甘いカラメルソースがかかったおなじみのおやつ、プリン。栄養があって犬のおやつにもよさそうですが、犬はプリンを食べても大丈夫なのでしょうか?今回は、プリンの特長や注意点などを詳しく解説します。

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【獣医師監修】犬がプリンを食べても大丈夫? 適量は?容器や乳糖不耐症、アレルギーに注意!
出典 : 清十郎 / PIXTA(ピクスタ)

犬がプリンを食べても大丈夫!

犬がプリンを食べても大丈夫!

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犬がプリンを食べても大丈夫です。

飼い主がプリンを食べていると、愛犬が欲しそうに寄ってくることもありますよね。

最近は、柴犬のかわいいパッケージの、黒大豆を使った黒豆プリンも、愛犬家の間で人気のようです。

また、プリンを手作りする人は、これなら愛犬に与えても良いかもしれないと思ったことがあるのでは?

プリンの主な材料は牛乳で、ほとんどが水分なので、犬が食べても基本的には大丈夫です。

犬 注意 プリン

フリージア / PIXTA(ピクスタ)

ただ、牛乳をたっぷり使っている場合は注意が必要です。

犬は、乳製品に含まれる乳糖の消化能力が低く、一般に牛乳を多く与えないほうがよいとされています。

特に牛乳を飲むとお腹を壊す犬の場合は、プリンを与えないほうがよく、必要であれば豆乳など植物性のもので代用しましょう。

乳製品のアイスクリームやヨーグルトも同様です。

犬が慢性腎臓病を患っている場合、プリンを与えても大丈夫?

犬が慢性腎臓病を患っている場合、プリンを与えても大丈夫?

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ちなみに、人間用では慢性腎臓病の介護食として、たんぱく質0gの高カロリーなプリンが販売されていますが、これは慢性腎臓病の犬にもいいのでしょうか?

人間も犬も腎不全になると、たんぱく質の毒素を排出できなくなる一方で、やせてしまうためエネルギーは必要になります。

したがって、たんぱく質を控え、炭水化物と脂肪を十分に与えることが大切になってきます。

人間の場合、たんぱく質を控えなければいけない慢性腎臓病の人のQOLを上げるためのものとして、たんぱく質0のプリンが販売されています。

しかし、犬の場合はプリンが食べたいのを我慢しているわけではないので、あえて腎臓病食のプリンを与える必要はありません。

栄養を考えると、腎臓病食のプリンでお腹がいっぱいになるより、慢性腎臓病用の療法食をペースト状にして与えるほうがおすすめです。

【子犬・老犬】がプリンを食べても大丈夫?

【子犬・老犬】がプリンを食べても大丈夫?

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子犬や老犬がプリンを食べてしまっても、基本的には大丈夫です。

ただし、子犬が初めて食べたときは、食べた後に下痢嘔吐をしないか、子犬の様子をよく観察しましょう。

犬がプリンの【容器】を食べてしまっても大丈夫?

犬がプリンの【容器】を食べてしまっても大丈夫?

iStock.com/Freestocker

愛犬がプリンの容器や蓋(ふた)ごと食べてしまった、ということもあるかもしれません。

容器にはプラスチックが使われており、数日以内にうんちですべて出てくれば問題ありませんが、大きな破片は腸閉塞の原因にもなりかねません。

愛犬がプリンの容器を食べてしまった可能性があるなら、念のため動物病院で相談しましょう。

プリンの【特長】、犬への【効果】は?

プリンの特長・効果【水分補給】

プリンの特長・効果【水分補給】

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プリンは100g中74.1gが水分と、ほとんどが水です。

なかなか水を飲まない犬に、プリンやゼリーなど水分の多いおやつを与えるのは、おすすめできます。

逆に言えば、プリンはほとんどが水分なので、食欲がない犬に与えてもあまり栄養補給にはなりません。

肉 加熱 栄養補給

kari / PIXTA(ピクスタ)

代わりに加熱した肉などを与えたほうが高栄養です。

プリンは牛乳、砂糖を混ぜて蒸すだけと、簡単に作れます。

牛乳の代わりに豆乳などを使って、飼い主の分と愛犬の分をまとめて作って、一緒に食べるのも楽しいですね。

かぼちゃプリンやさつまいもプリンを作るのもいいし、最近はプリンケーキといったレシピもあるようです。

かぼちゃプリン 手作り 砂糖控えめ

NOV / PIXTA(ピクスタ)

カロリーが気になる場合は、砂糖を控えめにするなど調整しましょう。

ちなみに、愛犬の分にはカラメルソースは必要ありません。

バニラエッセンスは、少量なので入っていても問題はありませんが、愛犬用には特に入れる必要はありません。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

犬にプリンを与える際の注意点!

プリンの注意点①【乳糖不耐症】

プリンの注意点①【乳糖不耐症】

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人間にも、牛乳を飲むとお腹を壊す人がいますよね。

これは、牛乳に豊富に含まれる乳糖(ラクトース)を分解するラクターゼという消化酵素が少ない体質で、乳糖の消化吸収がスムーズに行われないためと言われています。

犬はこのラクターゼが人間より少なく、乳糖を摂取すると下痢をしてしまうことがあります。

牛乳をたっぷり使っているプリンの場合も、注意が必要です。

ただし、下痢をしてしまったとしても、一過性のものであればそれほど心配はありません。

プリンの注意点②【アレルギー】

プリンの注意点②【アレルギー】

アオサン / PIXTA(ピクスタ)

犬の乳製品アレルギーは比較的多く見られます。

乳製品にアレルギーがあることがわかっている場合は、プリンも与えないようにしましょう。

もしプリンを食べた後に愛犬が体をかゆがる、皮膚の一部が赤くなる、下痢嘔吐をするなど、体調に不安を感じたら、動物病院で相談しましょう。

プリンを作るときに、牛乳を別のもので代用する場合は、ヤギミルクなど動物性のものより、豆乳など植物性のものがおすすめです。

犬にプリンを与える際の【適量】は?

犬にプリンを与える際の【適量】は?

corduroy studio / PIXTA(ピクスタ)

ペットフード公正取引協議会の指針によると、犬のおやつや間食は、原則として1日当たりの給餌量(カロリー)に対して、多くても20%までに抑えることが望ましいとされています。

その実際の分量は、避妊・去勢をした健康な成犬の場合、以下です。

犬に与えてもよい【プリン】の目安量

犬のサイズ(体重)1日のエネルギー要求量1日の間食の最大エネルギー量1日に与えてもよいプリンの最大重量
小型犬(5kg)374kcal74.8kcal59.4g(約1/2個)
中型犬(15kg)854kcal170.8kcal135.6g(1個強)
大型犬(30kg)1436kcal287.2kcal227.9g(約2個)

プリンは7割以上が水なので、100gあたり126kcalと、意外とそこまで高カロリーではありません。

ただ、プリンを与えすぎてお腹がいっぱいになり、主食を十分食べられなくなると、栄養が不足してしまう心配はあります。
与えすぎには注意しましょう。

犬に与えるプリンのまとめ

犬に与えるプリンのまとめ

masa / PIXTA(ピクスタ)

犬がプリンを食べても、基本的には大丈夫です。

プリンの主な材料は牛乳で、ほとんどが水分なので、愛犬が食べても問題はありません。

簡単に作れるので、水をあまり飲まない愛犬のおやつに作ってあげるのもおすすめです。

ただし、牛乳をたっぷり使っているものは、乳糖不耐症や乳製品アレルギーの犬には与えないようにしましょう。

愛犬の健康を守れるのは飼い主だけです。

正しい知識を持って、毎日の愛犬の食生活に取り入れてみてくださいね。

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