【プロドッグトレーナー監修】子犬の飼い始めにするべきことや必要なものは?注意点を解説!

子犬を迎える日までに用意しておきたいグッズから、子犬の飼い始めにどのように接したらよいかは、ぜひ知っておきましょう。さらに、子犬の夜鳴きや甘噛みの対処法、留守番やトイレのトレーニング方法、ワクチンやごはんなど健康管理についても解説します。

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【プロドッグトレーナー監修】子犬の飼い始めにするべきことや必要なものは?注意点を解説!
出典 : ちゃんた / PIXTA(ピクスタ)
先生にお聞きしました
鹿野(かの) 正顕 先生
「スタディ・ドッグ・スクール」(神奈川県相模原市)代表。
麻布大学介在動物学研究室(旧動物人間関係学研究室)で、人と犬の関係学を研究。
この分野では日本で初めての博士号を取得。
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子犬の飼い始め【必要なもの・グッズは?(ケージ・クレートなど)】

子犬の飼い始め【必要なもの・グッズは?(ケージ・クレートなど)】

HIME&HINA / PIXTA(ピクスタ)

子犬を飼う準備は、飼育に必要なグッズをそろえるところからスタートします。

まず、子犬を迎えに行く際などに必要なのが「クレート」です。

成犬になってからも、サークル内に入れて寝床として使ったり、ドライブの際に使ったりできるよう、”少し大き目のサイズ”を購入しておくのがおすすめです。

そのほか、迎える日までに買うものは以下のとおりです。

子犬の飼い始めに必要なグッズ①【サークル】

子犬の飼い始めに必要なグッズ①【サークル】

T.YAMA / PIXTA(ピクスタ)

子犬を部屋の中でフリーにすると、イタズラによる異物誤飲をしがち。

留守番時も同様です。

飼い主さんの目が届かない間は、子犬にはサークルで過ごさせましょう。

子犬の飼い始めに必要なグッズ②【トイレトレー、ペットシーツ】

サークル内には、ペットシーツをセットしたトイレトレーとクレートを設置してください。

また、ペットシーツを破ってしまう場合は誤食をすると危険なので、トレーに網状のカバーを付けるようにしましょう。

子犬の飼い始めに必要なグッズ③【フードと食器(フードボウル)】

子犬の飼い始めに必要なグッズ③【フードと食器(フードボウル)】

Anatoly Morozov / PIXTA(ピクスタ)

ドッグフードは、ブリーダーやペットショップで、それまで子犬が食べていたものを聞き、飼い始めの時期は同じものを与えましょう

食器は子犬が前足をかけてもひっくり返りにくい頑丈なものがベスト

サークルに取り付けられる給水機も、必要に応じて購入を。

子犬の飼い始めに必要なグッズ④【おもちゃ(知育トイやぬいぐるみなど)】

子犬の飼い始めに必要なグッズ④【おもちゃ(知育トイやぬいぐるみなど)】

Photology1978 / PIXTA(ピクスタ)

ドライフードなどを内部に詰められる知育玩具は、子犬にひとりで過ごしてもらう際に役立ちます。

また、ぬいぐるみやボールなどのおもちゃも、飼い主さんと遊ぶ時間に必須のアイテムですが、与えっぱなしにすると破壊をして誤食してしまうため、飼い主さんと遊ぶ時だけ出すようにしましょう。

子犬の飼い始めに必要なグッズ⑤【お手入れ用品】

「爪切り(犬用ギロチンタイプや人間の赤ちゃん用爪切り)」「ブラシ」「コーム」「洗い流さないタイプのシャンプー剤」「歯ブラシ」なども、愛犬との生活では必要になります。

なお、子犬を迎えに行った際は、それまで子犬が使っていたドッグベッドやタオル、ぬいぐるみなど、子犬自身のにおいがついたものを一緒にもらってきましょう

そうすれば、不安感が軽減されて新しい環境に慣れやすくなります。

子犬の飼い始め【子犬を迎えた初日から1週間にやること・注意することは?】

子犬の飼い始め【子犬を迎えた初日から1週間にやること・注意することは?】

L.S.M / PIXTA(ピクスタ)

子犬を迎えた日から1週間以内にやることや注意することは、次のとおりです。

子犬を迎えた初日から1週間にやること①【まずは動物病院に行く】

子犬を迎え入れたら、まずは動物病院に行って健康診断をしてもらいましょう

子犬はウイルスや寄生虫に対して十分な抵抗力を持っていないため、まずは何かしらの病気や寄生虫に感染していないか動物病院で診察してもらいましょう。

子犬を迎えた初日から1週間にやること②【初日はそっとしておく】

子犬を迎えた初日から1週間にやること②【初日はそっとしておく】

Tadogami / PIXTA(ピクスタ)

急に環境が変わった子犬は、不安や心配、心身のストレスを抱えているものです。

子犬を迎えた初日は、子犬の”心身を癒すことを最優先”にさせましょう。

家族みんなが抱っこしたり遊んだりしたくなっても、子犬をなるべくかまわず、サークルの中に入れてそっとしておいてあげてください。

子犬を迎えた初日から1週間にやること③【子犬から近寄るのを待つ】

犬との暮らしの初心者ほど、かわいい子犬がやって来たら、ついついかまいたくなってしまうでしょう。

けれども、臆病な性格の子犬の場合、まだ慣れていない人がしょっちゅう自分の顔を覗き込んできたり、抱っこしてきたりすると、落ち着いて眠ることもできません

生後2~3ヶ月齢の犬に必要な睡眠時間は、「1日18~19時間」

しっかり寝ないと”心身が健やかな成長できなくなる”恐れがあります。

子犬を迎えて1週間は、子犬が起きたらかまい、子犬が自発的に飼い主さんに近寄ってくるのを待つなど、愛犬のペースに合わせた生活をさせてあげましょう。

子犬を迎えた初日から1週間にやること④【トイレの失敗もおおらかに】

子犬を迎えた初日から1週間にやること④【トイレの失敗もおおらかに】

nonpii / PIXTA(ピクスタ)

新しい住まいにやって来たばかりの子犬は、トイレトレー以外のところに粗相をしてしまうかもしれません。

けれどもそれは、仕方がないこと。

粗相を発見しても決して叱ったりせず、おおらかな気持ちで対処を。

何も声をかけず、排泄物はさっと片づけてください。

子犬の飼い始め【子犬のトイレトレーニング・留守番はどうする?】

子犬の飼い始め【子犬の留守番・トイレトレーニングはどうする?】

satoko / PIXTA(ピクスタ)

【子犬のトイレトレーニング】

子犬を飼い始めてから最初に行いたいトレーニングは、トイレトレーニングです!

とくに、ドッグカフェやドッグランに入る前、宿の滞在中などに便利なので、”言葉の合図で排泄できるようにトレーニングする”のがおすすめです。

まず覚えておきたいのが、「寝起き」「飲食後」「遊んだりして動いた直後」「ある程度の決まった時間」など、排泄したくなるタイミングは年齢を問わず同じであること。

そのタイミングを見計らって、トイレに子犬を誘導します。

子犬がペットシーツの上で排泄を始めたら「ワンツー、ワンツー」など飼い主さんが決めた言葉をずっとかけ続けてください

ポイントはトイレを失敗しても”決して叱らない”こと。

適切な環境設定と飼い主さんの対応を心掛け、楽しくトイレトレーニングを進めましょう。

【子犬の留守番】

子犬の飼い始め【子犬の留守番・トイレトレーニングはどうする?】

sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)

飼い主さんが仕事や買い物で出かける際は、子犬はもちろんひとりで留守番をすることになります。

家族の姿が見えなくなると悲しそうな声で鳴く子犬も多く、飼い主さんも飼い始めは留守番させるのが辛いかもしれません。

犬は群れで生活する動物なので、いきなり長時間の留守番は”子犬の負担”になります。

まずは、”短時間”から練習を。

ふだんから、飼い主さんが自宅にいる数時間ほどサークル内でひとりで過ごすのに慣れさせるところからスタートしましょう。

留守番に嫌なイメージがつかないように、コングなどの知育玩具に半食分のドライフードなどを詰めてサークルの中にいれておくのがおすすめです。

サークル内に「飼い主さんのにおいのついたタオル」などを入れておくことも、子犬の安心感がアップするでしょう。

出かけるときは、おおげさに「待っててね、すぐ帰るからね」などと飼い主さんが悲壮なムードを漂わせないのも重要なポイントです。

留守番に慣れてきたら、少しずつ時間を長くしていきます。

子犬の飼い始め【ご飯を食べない場合は?】

子犬の飼い始め【ご飯を食べない場合は?】

アオサン / PIXTA(ピクスタ)

子犬が新しい環境に慣れずに緊張していると、食事が喉を通らないこともあります。

また、神経性の胃腸の不調を生じて、血便が出ることもあります。

ご飯をあまり食べないと便の量が少なくなるため、うんちをしないケースも少なくありません

いずれにしても、「食欲がなかったり」「便の状態が悪い」場合は、すぐに動物病院に行き診察してもらいましょう。

子犬は空腹な時間が続くと低血糖にもなりやすいため、1日3~4回に分けて食事を与えてください。

食が細い場合は、ドライフードささみのゆで汁などで香りづけをすれば、食欲がそそられて食べてくれる可能性が高まります。

栄養が偏ってしまうので、ご飯を食べないからといっておやつを与えるのは好ましくありません。

子犬の飼い始め【しつけ(鳴く・吠える・甘噛み)】

子犬の飼い始め【しつけ(鳴く・吠える・甘噛み)】

gonbe / PIXTA(ピクスタ)

子犬が夜泣きをする理由と対策は?

子犬をひとりで寝かせると、夜鳴きをすることもあるでしょう。

だからと言って、飼い主さんと同じベッドで一緒に寝るのは控えたほうがよいでしょう。

飼い主さんへの依存が高まりすぎて、ひとりになると不安が増すような生活に慣れることで、その後子犬にとってもストレスが多い生活になってしまうからです。

夜鳴きする理由としては、今まで母犬や兄弟と一緒に過ごしてきた子犬が、急にひとりぼっちで寝ることをとても不安に感じてしまうからです。

対応策としては、新しい環境に慣れるまで、飼い主さんと同じ寝室にクレートとトイレトレーを入れたサークルの中で寝かせるようにするとよいでしょう。

その際、なるべく子犬が寂しくならないように、飼い主さんのにおいのついたものや、寄り添って寝られる大きめのぬいぐるみなどを入れてあげてください

「部屋の明かりを少しだけつけたり」「ラジオやテレビの小さな音を聞かせておく」のも不安がまぎれます

子犬の【要求吠え】にはどう対処する?

子犬の飼い始め【しつけ(鳴く・吠える・甘噛み)】

Anurak / PIXTA(ピクスタ)

子犬によっては、「ごはんちょうだい」「遊んで」「こっち見て」「ここから出して」など、“要求吠え”をするかもしれません。

吠えたからと子犬の要求に応じてしまうと、「吠えれば願いが叶う」と学習をしてしまい、ますます吠えるようになってしまう場合があるので要注意です。

ではどうしたら良いのでしょうか?

よくしつけの本などで「要求吠えには無視をする」と書いてある場合がありますが、その前に「十分に運動しているか?」「しっかりと触れ合っているか?」などを確認してください。

欲求不満な状態では、どんなに無視をしてもさらにストレスが高まって余計に吠えるようになります。

日頃から十分に欲求を満たしてあげ、それでも要求して吠える場合は、無視をして、おとなしくなったタイミングで目を合わせるようにするなど、段階的に対応していくと良いでしょう。

子犬がオスワリを覚えたら、ボールを投げる前やサークルから出す前などに「オスワリ」の合図を出して落ち着かせるのが最良です。

子犬の【甘噛み】はどう解消する?

子犬の【甘噛み】はどうする?

Magryt / PIXTA(ピクスタ)

“甘噛み”と呼ばれる、子犬の咬む行為に悩まされている飼い主さんも少なくないでしょう。

犬はお互いの体を噛みあって遊ぶため、飼い主さんを噛んでくるのは遊びを通じてコミュニケーションを取りたいからですが、特に子犬の頃は歯がとがっているため人の身体を直接咬むと怪我をしてしまうことも。

甘噛みを予防するためには、適切なおもちゃを使い、日頃から飼い主さんと遊びたい気持ちを十分に満たしてあげましょう

子犬と遊ぶときは、子犬の口が飼い主さんの手まで届かない長めのロープやパペットのような犬用のおもちゃを選ぶなどすれば、子犬に咬まれにくくなります。

その際、使用するロープが硬すぎたり太すぎると十分に噛んで遊ぶことができないため、子犬がしっかりと噛める太さや硬さのロープを選ぶようにしましょう。

もし子犬の歯が飼い主さんの肌に当たったら、「痛い」と、不快な表情で腕を組んで静止してください。

「キャーキャー」と高い声を出しながら腕を動かすと、子犬は遊んでもらっていると勘違いしてしまうからです。

子犬の飼い始め【健康診断・ワクチン・予防接種】

子犬の飼い始め【健康診断・ワクチン・予防接種】

FamVeld / PIXTA(ピクスタ)

子犬の【混合ワクチン】【狂犬病ワクチン】

子犬をペットショップやブリーダー経由で迎えた場合、初回の混合ワクチンの接種は終わっているはずです。

犬パルボウイルス感染症など致死率の高い感染症を予防するための混合ワクチンは、初回からおよそ1ヶ月後に2回目を接種します。

2回目からさらに1ヶ月後に、3回目のブースターショットを打つケースも少なくありません

また、日本の法律では狂犬病予防法により、年1回の狂犬病ワクチンの接種が義務づけられています。

初回の混合ワクチンの接種日をもとに、かかりつけの獣医師に相談しながら、混合ワクチンと狂犬病ワクチンの接種計画を立てましょう。

子犬の飼い始め【健康診断・ワクチン・予防接種】

アオサン / PIXTA(ピクスタ)

地面を歩くお散歩は、混合ワクチンを打ち終わってからスタートするのが一般的です。

けれども、あらゆる環境に慣れさせる“社会化”はワクチンプログラム終了前に始めたいものです。

子犬が飼い主さんに慣れたら、抱っこやカートに入れて、少しずつ外に連れ出してあげましょう。

また、犬を飼い始めたら自治体(保健所)への登録が必要です。

子犬の場合は「生後90日を経過してから30日以内」、子犬以外は「迎え入れてから30日以内」に登録の届出を行わなければなりません。

フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭種は、生後半年頃に初回の健康診断を受けるのをおすすめします。

短頭種気道症候群と呼ばれる呼吸器トラブルが見つかった場合、避妊・去勢手術の際に、外鼻腔狭窄や軟口蓋過長症などの外科治療を行えるケースも少なくないからです。

短頭種以外であれば、生後1歳前後で初回の健康診断を受診して、それ以降の健康管理に役立つ情報を得ておくのをおすすめします。

子犬の飼い始め【まとめ】

子犬の飼い始め【まとめ】

Anurak / PIXTA(ピクスタ)

子犬を迎える前から、ハード面でもソフト面でもさまざまな準備が必要です。

飼い始めたら、子犬が心身ともに健やかに成長できるように正しい知識を持って、力を尽くしましょう。

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