【獣医師監修】犬がきのこを食べても大丈夫?メリットや栄養素、注意点は?量や下痢に注意!
山の恵みと言われるきのこには、食物繊維が豊富に含まれています。きのこを食べることで腸内環境を整えられる効果があると言われています。人間には良い効果をもたらすと言われているきのこですが、愛犬が食べても大丈夫なのでしょうか?今回は愛犬にきのこ与える際のメリットや注意点について解説していきます。
獣医師 MBA(経営学修士)
ヘリックス株式会社 代表取締役社長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆ペット栄養学会 理事
◆一般社団法人ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会 委員長
◆日本獣医生命科学大学 非常勤講師
◆帝京科学大学 非常勤講師
など
大学卒業後、小動物臨床に従事。
その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。
現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動。ペットの栄養に関する団体の要職を務める。
自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家。
犬がきのこを食べても大丈夫!

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犬にきのこを与えても大丈夫です。
きのこと言っても、「しいたけ」「エリンギ」「エノキダケ」など豊富な種類があります。
基本的に、人間が食べても大丈夫なきのこは犬が食べても問題はないと言われています。
犬がきのこを摂取することで得られる効果は注目されており、きのこ入りのドッグフードも販売されているほどです。
犬がきのこを食べるメリットと栄養素は?

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きのこには犬の健康管理に役立ついろいろな栄養素が入っています。
ここで、きのこを食べるメリットと栄養素を見ていきましょう。
メリットと栄養素①「β-グルカン」 免疫細胞の活性化!

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「β-グルカン」は、きのこや酵母、大麦に含まれている食物繊維の一種です。
人では、「β-グルカン」はリンパ球などの免疫細胞を活性化すると報告されており注目を集めています。
メリットと栄養素②「ビタミンB1」 糖質を分解しエネルギーに変換

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「ビタミンB1」は、別名チアミンとも呼ばれ、糖質を分解しエネルギーに変換するのに必要な水溶性の必須ビタミンです。
「ビタミンB1」は神経機能を正常に保つ働きがあります。
欠乏した場合は痙攣(けいれん)など神経症状が見られますが、ドッグフードを食べている限り欠乏症になる心配はありません。
メリットと栄養素③「ビタミンB2」 皮膚や毛の健康を保つ!

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「ビタミンB2」は、別名リボフラビンとも呼ばれ、特に脂肪を分解しエネルギーに変換するのに必要な水溶性の必須ビタミンです。
「ビタミンB2」は皮膚や毛の健康を保つ働きがあります。
メリットと栄養素④「ビタミンD」 歯や骨を丈夫に維持!

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「ビタミンD」は、カルシウムの吸収をサポートし、歯や骨を丈夫に維持してくれる栄養素です。
カルシウムには自律神経を安定させる働きがあります。
天日干しすることで「ビタミンD」含有量が増えるため、余ったきのこはスライスした状態で乾かしてから保存しましょう。
※きのこ類には「ビタミンD」前駆体のエルゴステロールが含まれます。エルゴステロールは日光にあたるとビタミンDに変化するので、生のきのこより干したものの方がビタミンD含有量は多いです
メリットと栄養素⑤「食物繊維」

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適量のきのこの「食物繊維」を摂取することで腸内環境を整えてくれます。
お通じを良くする効果も期待され、お腹の中をスッキリきれいにする栄養素です。
人間ほどたくさんの「食物繊維」はいらなくても、犬にもある程度の「食物繊維」が必要とされます。
野菜嫌いでも、しいたけは食べてくれる、という子には重要な「食物繊維」摂取源となる食材です。
犬のきのこの食べ過ぎは禁物!量や下痢(げり)に注意!

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犬の食事は、炭水化物とタンパク質がメインです。
人間の「主食」「おかず」「汁物」といった考え方とは異なるため、犬にきのこを与える際には適量を与えてください。
初めてきのこを食べた時は、特にお腹の調子が不安定になりやすく、下痢(げり)をしてしまう子もいます。
様子を見ながら与える量を調整して、無理をさせないペースで食べさせてください。
消化不良を起こさないためにも、食べさせすぎないこと、一口サイズに切ってあげることを心がけましょう。
犬が食べても大丈夫なきのこの種類

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犬にきのこを与えても大丈夫だと分かっても、種類が豊富なため悩む飼い主もいるでしょう。
同じきのこ類であっても、含まれている成分などが若干変わってきます。
ここでは犬に与えても大丈夫なきのこの種類についてご紹介します。
犬が食べても大丈夫なきのこ「舞茸(まいたけ)」

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「舞茸(まいたけ)」のβ-グルカンの量は、他のきのこ類と比べても圧倒的な量を誇っています。
リンパ球などの免疫細胞を活性化すると報告されており、期待される成分として注目を集めています。
犬が食べても大丈夫なきのこ「しめじ」

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「しめじ」は、β-グルカン、ビタミンB群などを豊富に含んでいて、食物繊維はさつまいもと同じ量と言われています。
また、紫外線を浴びることでビタミンDに変化する「エルゴステロール」という成分も含んでいます。
犬が食べても大丈夫なきのこ「しいたけ」

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お吸い物や焼き物、煮物などさまざまなメニューに使われるしいたけは、きのこ類の中でも、一番馴染み深いものです。
【獣医師監修】犬がしいたけを食べても大丈夫?与える際の適量やオススメの調理法は?
犬が食べても大丈夫なきのこ「なめこ」

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「なめこ」と言えば、独特のぬるぬる成分をイメージする人も多いでしょう。
そのため、「犬に与えても大丈夫なの?」と心配になる飼い主もいると思いますが、基本的に問題ありません。
「なめこ」特有のぬるぬるは「ムチン」という糖たんぱく質の一種です。
犬が食べても大丈夫なきのこ「マッシュルーム」

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「マッシュルーム」には食物繊維やビタミンB2、パントテン酸やカリウムなどさまざまな栄養成分が含まれています。
さらに、きのこの旨味成分でもある「グアニル酸」はしいたけの3倍もの量です。
犬が食べても大丈夫なきのこ「エリンギ」

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エリンギには「ナイアシン」と呼ばれる皮膚や粘膜の炎症を抑えて、代謝に深く関わる成分が含まれています。
また、きのこ類の中でもエリンギには食物繊維が多く含まれているためお通じを良くする目的にも最適です。
犬が食べても大丈夫なきのこ「松茸(まつたけ)」

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「松茸(まつたけ)」と言えば高級きのこです。
その分、栄養素も豊富に含まれているのではないかと考える方もいると思いますが、栄養的な観点からは特別栄養素が豊富なわけではありません。
ちなみに、「松茸(まつたけ)」の香りは食欲を向上させたり、消化を手助けしたりするなどと言われていますが、犬に同様の効果があるとは限りません。
犬が食べても大丈夫なきのこ「木耳(きくらげ)」

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「木耳(きくらげ)」は、その色によって「白木耳(しろきくらげ)」と「黒木耳(くろきくらげ)」の2種類に分類されます。
「白木耳(しろきくらげ)」は希少価値が高く、水溶性の食物繊維が豊富で、便秘に効果的と言われています。
また、「黒木耳(くろきくらげ)」は鉄分を豊富に含んでいるため、貧血予防に効果的であると考えられています。
「黒木耳(くろきくらげ)」には、ビタミンDやカルシウム、食物繊維が多いので便秘に悩んでいる愛犬に食べさせたいきのこの種類のひとつです。
愛犬に与える「きのこ」のまとめ

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きのこは人間だけが食べるものというイメージがありますが、犬に食べさせても大丈夫です。
愛犬にきのこを食べさせる場合には適量を与えるように心がけましょう。
愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。
愛犬と長く楽しい生活を送るためにも、しっかり愛犬の健康管理をおこないましょう。

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