【獣医師監修】犬が鮭(サーモン)を食べても大丈夫?アレルギーや下痢は?メリットや注意点!

日本人が最もよく食べる魚介類のひとつである鮭(サーモン)は、栄養価が高く、脂肪分には健康に良いと言われる魚由来のDHAやEPAを含んでいます。犬は、その鮭を食べても大丈夫でしょうか?犬に鮭を与える場合のメリットや注意点、生で与えられるかなどを詳しく説明します。

【獣医師監修】犬が鮭(サーモン)を食べても大丈夫?アレルギーや下痢は?メリットや注意点!
出典 : katrinshine / PIXTA(ピクスタ)
先生にお聞きしました
左向 敏紀 先生
【所属】
日本獣医生命科学大学 名誉教授
一般社団法人 日本ペット栄養学会 会長
日本内分泌研究会会長
◆一般社団法人 日本動物看護系大学協会会長

【資格】
獣医師

【経歴】
日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)卒業後大学に残り、馬、牛,小動物の消化器・内分泌・代謝性疾患の研究を行う。
1990年小動物栄養学に関する研修のためにアメリカオハイオ州立大学に留学。
2006年より日本獣医生命科学大学 ・獣医保健看護学科で動物看護師の教育に当たる。
教育:獣医内科学、獣医内分泌学、動物栄養学、動物臨床看護学など
研究:動物の代謝・内分泌学、栄養学

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犬が【鮭(サーモン)】を食べても大丈夫!

犬が【鮭(サーモン)】を食べても大丈夫!

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犬が鮭(サーモン)を食べても大丈夫です!

鮭と一口に言ってもその種類は非常に豊富で、鮭とサーモンは同一種ではありません。

日本国内で水揚げされる天然鮭のほとんどは、白鮭です。

秋に獲れる白鮭は「秋鮭」、春から夏にかけて獲れる白鮭は「時鮭」などとも呼ばれています。

犬に【鮭】の白子・筋子を与えても大丈夫?

犬に【鮭】の白子・筋子を与えても大丈夫?

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産卵のために秋に日本の川に戻ってくる白鮭のオスには白子、メスには卵(筋子)があり、犬が白子を食べても大丈夫です!

筋子を加工したいくらは、塩分が多すぎるので犬には与えないようにしましょう。

主にロシアやアラスカで獲れる紅鮭、チリから輸入される銀鮭も日本で販売されています。

ムニエルや寿司ネタとして使用されるサーモンは、タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)やマスノスケ(キングサーモン)、ニジマス(トラウトサーモン)のことを指します。

鮭 サーモン 栄養素

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鮭とサーモンの栄養素に大きな差はなく、どちらを犬が食べても問題ありません。

エネルギーとタンパク質の含有量についても説明しましょう。

一般的に白鮭(133kcal/100g)や紅鮭に比べ、アトランティックサーモン(237kcal/100g)のカロリーは高めです。

タンパク質は、カロリーの低い紅鮭や白鮭(22.3g/100g)のほうが、アトランティックサーモン(20.1g/100g)より少し多い程度です。

サーモンの方がカロリーが高いのは、脂肪(16.1g/100g)が多いためです。

犬 食事

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肥満気味の犬や運動量の多くない犬などは、高たんぱく低カロリーの白鮭や紅鮭を選びたいところですが、塩分を添加した塩鮭を焼いて皮ごと与えると、愛犬が塩分を摂りすぎてしまうので注意が必要です。

愛犬にはなるべく、生で売られている鮭やサーモンを、茹でたり蒸したりして与えましょう。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

子犬や老犬に【鮭(サーモン)】を与えても大丈夫?

子犬や老犬に【鮭(サーモン)】を与えても大丈夫?

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子犬や老犬が鮭やサーモンを食べても大丈夫です!

鮭やサーモンの脂肪分(サーモンオイル)には、健康に良いと言われる魚由来のドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)といった多価不飽和脂肪酸(ω3不飽和脂肪酸)が多く含まれています。

DHAは脳の働きを活発にするので、成長期の子犬にぴったりです。

また、DHAは認知症予防にも効果があると言われているため、老犬の食生活にも鮭やサーモンは取り入れたい食材です。

なお、DHAの含有量が多い順から、ニジマス、アトランティックサーモン、銀鮭、マスノスケとなります。

鮭やサーモンを愛犬に茹でて与える場合、喉の渇きを感じにくくなり水分が不足しがちな老犬に、茹で汁も一緒に与えれば、水分補給にもなります。

また、鮭やサーモンに多く含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるのに重要なビタミンです。

カルシウムを効率よく吸収することが重要な成長期の子犬にはもちろん、ビタミンDによる骨粗しょう症や骨折予防をしたい老犬にも、鮭やサーモンは最適です。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

犬に【生鮭】は食べさせても大丈夫?

犬に【生鮭】は食べさせても大丈夫?

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生の鮭を犬に与えるのは良くありません。

生秋鮭と呼ばれて市販されている白鮭を生で与えると、寄生虫のアニサキスによる食中毒(アニサキス症)に愛犬がかかる恐れがあります。

アニサキス症は、アニサキスが胃壁や腸壁に刺入するため激しい痛みを伴い、犬が嘔吐をするケースもあります。

アニサキスは熱に弱いので、煮たり焼いたりすればほぼ死滅すると言われています。

愛犬に鮭を与える際は、必ず加熱してください。

鮭 刺し身 人間

Gam / PIXTA(ピクスタ)

なお、人間が刺し身で食べるサーモンは養殖場で管理された餌を食べているので、寄生虫の心配はほとんどありません。

刺し身用のサーモンに限り、解凍直後の新鮮なうちに愛犬に与えられますが、生魚は常温の環境下ではすぐに傷んで雑菌も繁殖しやすくなるので、原則的には鮭やサーモンは加熱してから愛犬に与えるものだと心得ておきましょう。

【参照元】厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」

犬に【鮭(サーモン)】を与えるメリットや効果は?

鮭(サーモン)の「メリット・効果」①【抗酸化作用】

鮭(サーモン)の「メリット・効果」①【抗酸化作用】

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鮭やサーモンに含まれるアスタキサンチンは、強い抗酸化作用を持つことで知られています。

魚の中では鮭だけに含まれるカロテン色素であり、体内の活性酸素を抑えて免疫力を高め、癌予防の効果もあると言われています。

鮭やサーモンは、カツオやマグロといった赤身の魚とは異なり、白身の魚です。

サーモンピンクと呼ばれる独特の色素こそが、アスタキサンチンなのです。

アスタキサンチンの含有量については、赤味が強い紅鮭に、2.7mg/100gと最も多く含まれています。

鮭やサーモンが含有するビタミンEにも、細胞や全身の抗酸化作用があります。

過剰な活性酵素を除去することで、老化や免疫力の低下につながると考えられています。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

鮭(サーモン)の「メリット・効果」②【皮膚や被毛の健康維持】

鮭(サーモン)の「メリット・効果」②【皮膚や被毛の健康維持】

pearlinheart / PIXTA(ピクスタ)

鮭やサーモンには、ビタミンAが11μg/100gが含まれています。

ビタミンAは「目のビタミン」とも呼ばれ、白内障の予防や角膜の健康維持に重要です。

皮膚や被毛の健康状態を保つ効果もあります。

また、鮭やサーモンには含まれているエイコサペンタエン酸(EPA)も見逃せません。

犬では、EPAはアレルギー性皮膚炎を抑制することが期待されています。

EPAの含有率はアトランティックサーモンが一番多く、銀鮭、マスノスケと続きます。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

犬に【鮭(サーモン)】を与える場合の注意点!

鮭(サーモン)の「注意点」①【骨】

鮭(サーモン)の「注意点」①【骨】

iStock.com/vinicef

茹でたり焼いたりした鮭やサーモン食べさせる際は、骨を取り除きましょう。

骨ごと与えてしまうと、喉や胃腸などを傷つけてしまう可能性があるからです。

消化管に骨が刺さると、外科手術でしか取り除けなくなる恐れもあります。

鮭 圧力鍋 調理

*ちはる* / PIXTA(ピクスタ)

小骨が心配な場合や鮭のあらを使用する場合は、圧力鍋を利用して骨が柔らかくなるまで煮込めば問題ありません。

骨の処理が面倒な場合は、刺身用のサーモンを調理するのがおすすめです。

【参照元】文部科学省「食品成分データベース」

鮭(サーモン)の注意点②【塩分】

鮭(サーモン)の注意点②【塩分】

shige hattori / PIXTA(ピクスタ)

鮭やサーモンを愛犬に与える際は、塩分を摂らせすぎないように注意しましょう。

塩分を摂りすぎると、腎臓や心臓に負担がかかります。

例えば、人間用のサーモンや鮭の水煮缶の塩分は高めです。

ナトリウム量を調べると、生の白鮭では66mg/100gですが、水煮には約4倍の230mg/100gが、生のカラフトマスでは64mg/100gですが、水煮には約6倍の360 mg/100gが含まれています。

人間用に加工されたおつまみやおやつの塩分にも要注意。

鮭フレークや鮭とば、鮭ジャーキーなどの塩分の含有量は高く、香辛料なども含まれている場合があるため、犬には不向きです。

鮭 サーモン 犬 おやつ

Dabisik / PIXTA(ピクスタ)

犬におやつとして鮭やサーモンを与えたい場合は、手作りするか、鮭を材料とした犬用のおやつを選ぶようにしてください。

愛犬に鮭を与える場合、や醤油などで味付けはせず、茹でる、蒸すといった調理法が最良です。

鮭おじやなどを愛犬用に手作りする際は、塩鮭ではなく、が添加されていない生秋鮭などを選び、コラーゲンが豊富に含まれている鮭の皮も一緒に使うのがおすすめです。

【参照元】
文部科学省「食品成分データベース」 白鮭
文部科学省「食品成分データベース」 カラフトマス

鮭(サーモン)の「注意点」③【アレルギー】

鮭(サーモン)の「注意点」③【アレルギー】

ホタル / PIXTA(ピクスタ)

愛犬が食物アレルギーを起こしやすい場合、初めて鮭やサーモンをあげる時に注意して様子を見ながら、少量ずつ与えましょう。

アレルギーの症状には、下痢、嘔吐、発熱、食欲不振、沈うつなどのほか、耳や目の周り・腋下・手足などの皮膚の痒みがあります。

愛犬の様子だけでなく、便の状態も観察しておきましょう。

愛犬に鮭やサーモンのアレルギーが疑われたら、獣医師に相談してください。

犬に【鮭(サーモン)】を与える際の適量は?

犬に【鮭(サーモン)】を与える際の適量は?

アマノ ヤスヒロ / PIXTA(ピクスタ)

鮭とサーモンはカロリーが高いため、ドッグフードにトッピングすることを考えると、与えるフード量の20%程度まで(小型犬で1日20gほど )にするのが良いでしょう。

【参照元】『小動物の臨床栄養学 第5版』(マーク・モリース研究所発行、監訳:岩﨑利郎、辻本元)2014年インターズー

犬に与える【鮭(サーモン)】のまとめ

犬に与える【鮭(サーモン)】のまとめ

midori_chan / PIXTA(ピクスタ)

高タンパクで、DHAやEPAやアスタキサンチンやビタミン類による抗酸化作用もある鮭(サーモン)は、子犬から老犬まで、犬に与えても大丈夫です。

ただし、愛犬が塩分を摂り過ぎないように、甘塩鮭や鮭の水煮缶などではなく、生で市販されている鮭や刺し身用サーモンを、茹でたり焼いたりして与えるようにしましょう。

その際、鮭の骨は、喉や消化器に刺さる危険性があるのでしっかり取り除いてください。

愛犬の健康を守ることができるのは飼い主だけです。

正しい知識を持って、ぜひ毎日の愛犬の食生活に役立ててみてくださいね。

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