アメリカン・コッカー・スパニエルにペット保険は必要?後悔しない選び方やタイミング、加入条件は?
アメリカン・コッカー・スパニエルでは癌(がん)疾患や心臓疾患、皮膚疾患など気をつけたい病気があります。時に医療費が高額になることもあるためペット保険を上手に活用したいものですが、選ぶのもなかなかたいへん。あらかじめペット保険の知っておきたいポイントを抑えておきましょう。
- 更新日:
東京城南地域獣医療推進協会 理事
【経歴】
◇1986年 北里大学獣医畜産学部獣医学科 卒業
◇1990年~1991年 New York州Animal Medical Centerにて研修
◇1993年 成城こばやし動物病院 開業
◇2012年~2022年6月(公社)東京都獣医師会 副会長
【資格】
◇獣医師
【所属】
◆公益社団法人 東京都獣医師会
◆アジア小動物獣医学会(FASAVA) 所属
◆一般社団法人 東京城南地域獣医療推進協会TRVA 理事
【メディア】
◇Webメディア
「オトナンサー」アドバイザー
【hotto Professionalインタビュー】
Professionalインタビュー Vol.1【成城こばやし動物病院代表 小林元郎先生】
目次
- アメリカン・コッカー・スパニエルに【ペット保険は必要?】入るべき?種類(終身、死亡保障)は?
- アメリカン・コッカー・スパニエルは【病気になりやすい?】かかりやすい病気は?
- アメリカン・コッカー・スパニエルの病気【治療費(手術・通院)】はどのくらいかかる?
- アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険加入【メリット・デメリット】は?
- アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険加入のタイミングや待機期間、補償開始時期は?
- アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険加入時の補償対象年齢(犬種)、割合、告知、多頭飼いなどの条件は?
- アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険、「病気」「手術」「入院・通院」の補償範囲は?夜間診療や限度額は?
- アメリカン・コッカー・スパニエルがペット保険に加入する場合の保険料は毎月いくら?保険証はある?
- アメリカン・コッカー・スパニエルの子犬・老犬(シニア)はペット保険に加入できる?
- アメリカン・コッカー・スパニエルがペット保険に入る際の選び方やポイント!
- アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険、更新や解約、乗り換え時のトラブル防止や注意点は?
- アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【まとめ】
アメリカン・コッカー・スパニエルに【ペット保険は必要?】入るべき?種類(終身、死亡保障)は?
seiko / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルにペット保険は必要?入るべき?
アメリカン・コッカー・スパニエルとの暮らしにペット保険が必ず必要というわけではありませんが、高額の治療費がかかった時には、「ペット保険」が大きな助けとなることがあります。
もとより、
獣医療が高度化するにつれ、時に治療費が高額になることがある
独占禁止法によって動物病院は自由診療のみであるため、人間で言う国民健康保険のような医療保険制度がなく、治療費は実費を支払わねばならない
同じく自由診療のみであるため、動物病院によって診療料金はまちまちである
以上の理由から、医療費が高額になることも珍しくありません。
ホタル / PIXTA(ピクスタ)
たとえば「癌(がん)」の場合、手術費の他、抗癌剤治療や放射線治療など、合計で”100万円”を超えてしまうこともあるのです。
加えて、アメリカン・コッカー・スパニエルは懸念される病気もあり、また、シニア期になるほど治療費が嵩む可能性があることを考えると、万一の時の備えとして「ペット保険を利用する」のも一つの選択肢でしょう。
ただし、後述しますが、どんな病気や怪我でも補償されるというわけではありません。
【参照元】
・公益社団法人 日本獣医師会「小動物臨床/小動物診療料金」
・公益社団法人 滋賀県獣医師会「よくある質問:動物病院によって治療費が違うのはなぜですか」
seiko / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険の種類(終身、死亡保障)は?
ペット保険は3つの補償プランが基本
通常、ペット保険の補償プランは3つに大別することができます。
ペット保険【補償の種類】
【区分】 | 【補償範囲】 |
---|---|
通院 | 入院や手術以外の通院による治療費を補償 |
入院 | 病気や怪我で入院した時の費用を補償 |
手術 | 病気や怪我による手術の費用を補償 |
現在では「通院・入院・手術」の3つをトータルして補償する保険プランが多くなっていますが、中には、「入院+手術」を補償する保険プランや、「通院」のみを補償するプラン、「手術」のみを補償するプランなどもあります。
たとえば、「入院+手術」プランでは、手術を伴わない治療や入院は”補償対象外”になることがあるのでご注意ください。
その他、オプションとしてペットが起こした物損事故や、対人対動物への咬傷事故(こうしょうじこ)など「損害賠償が生じた場合の補償をする」特約、「車椅子購入費用を補償する」特約などが設けられているペット保険もあります。
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
終身加入可能なペット保険もある
犬の寿命も長くなったことから、昨今では継続加入することで終身にわたり加入できるペット保険もあります。
ペット保険に死亡保証はない
人間で言う生命保険にあたるものはペット保険には存在しません。
人間の生命保険の場合、残念ながらそれを悪用した事件が発生することがありますが、保険対象がペットとなると似たような事件がより発生しやすくなるのではないかと危惧されること、もう一つには人間よりずっと寿命が短いことがペット保険には死亡保証がない理由と考えられます。
その代わりに、「火葬・葬儀費用」を補償する特約を設けているペット保険もあります。
アメリカン・コッカー・スパニエルは【病気になりやすい?】かかりやすい病気は?
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルは病気になりやすい?
アメリカン・コッカー・スパニエルは病気になりやすいというわけではありませんが、気をつけたい病気はあり、特に「眼疾患」や「皮膚疾患」「外耳炎」「心臓疾患」などに注意が必要です。
アメリカン・コッカー・スパニエルがかかりやすい病気①【外耳炎】
「外耳炎」は耳の穴から鼓膜までの間に炎症が起こった状態で、耳の痒(かゆ)みや痛み、悪臭、耳だれ、耳が赤みを帯びて腫れるなどの症状が見られる他、慢性化すると耳介(じかい)の皮膚および軟骨が肥厚し、外耳道が狭くなってしまいます。
耳ダニや疥癬(かいせん)などの寄生虫、アレルギー、腫瘍、異物、耳のつくり(垂れ耳、耳道の狭さ)などに起因して耳の自浄作用が低下したり、外耳道が変形したりすることで外耳炎となりますが、二次的に細菌感染を起こすこともあります。
長い垂れ耳をもつアメリカン・コッカー・スパニエルは外耳炎が慢性化しやすい傾向にあります。
O_Lypa / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルがかかりやすい病気②【目のトラブル】
アメリカン・コッカー・スパニエルは白内障や緑内障、チェリーアイ(第三眼瞼脱出)など目のトラブルのリスクが高い犬種とされます。
犬の緑内障には遺伝が関係すると考えられる原発性のものと、ブドウ膜炎や水晶体脱臼などに起因する続発性のものとがあります。
角膜と水晶体の間に満たされた眼房水と呼ばれる液体の眼内における循環不全により眼圧が高まり、この状態が続くと網膜、視神経に障害が生じ、最終的に失明に至ります。
白内障の進行によりブドウ膜炎が起こり、2次的に緑内障を発症することもあることには注意が必要です。
チェリーアイは目頭側にある瞬膜の組織が外に飛び出た状態を言い、点眼薬や内服薬で効果が見られない場合は手術が必要になることがあります。
marron / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルがかかりやすい病気③【脂漏性皮膚炎】
犬の脂漏性皮膚炎にはフケが多く、「皮膚がベタベタと脂っぽくなるタイプ」と、逆に「皮膚が乾燥するタイプ」とがあり、アメリカン・コッカー・スパニエルでは前者が多くなります。
リスク因子としては遺伝的素因、栄養障害、内分泌疾患、感染などが考えられていますが、原因の特定はなかなか難しいようです。
アメリカン・コッカー・スパニエルの病気【治療費(手術・通院)】はどのくらいかかる?
SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルの病気や怪我でどのくらいの治療費がかかるのかは、その病気や怪我の程度、治療法、犬の健康状態、治療にかかる期間、動物病院の技術・設備などによって幅があり、一概に費用を示すのは難しいですが、以下に参考例(医療費の一部)を示してみましょう。
犬の緑内障の治療はほとんどの場合、生涯にわたるので月額費用での表示としています。
A. コッカー【治療費(目安)】
【項目】 | 【費用の目安】 |
---|---|
緑内障(点眼治療) | 5,000円/月〜 |
白内障(手術) | 片眼20万円以上 |
チェリーアイ(手術) | 3万円〜5万円 |
レントゲン検査(単純撮影) | 2,000円~7,500円 |
眼科検査/眼底検査 | 3,000円〜 |
眼科検査/スリットランプ | 2,000円〜 |
眼科検査/眼圧検査 | 500円~3,000円 |
眼科検査/超音波検査 | 3,000円~1万円 |
全身麻酔 | 3,000円~1万5,000円 |
入院料(小型犬/1日) 入院料(ICU) | 1,000円~5,000円 2,000円~7,500円 |
調剤料(内用・外洋)/1回あたり | 無料~1,000円 |
【参考例】成城こばやし動物病院
これは眼疾患の場合ですが、この他、薬代や、手術が必要であれば手術代など状況に応じて加算されます。
犬の白内障の手術は施設によって価格はまちまちで、手術料25万円は安い部類の費用になります。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険加入【メリット・デメリット】は?
ホタル / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【加入メリット①】
特に、高額の獣医療費がかかった時、”自己負担金が少なくて済む”ということは何よりのメリットでしょう。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【加入メリット②】
辛い話ですが、中には高額の獣医療費を支払うことが叶わず、必要な治療を断念する、泣く泣く「安楽死」を選択せざるを得ないというケースも現実にはあります。
このような時、もしペット保険に加入しており、かつ補償対象と合致するならば、より高度な治療を受けさせてあげることができ、結果的に「愛犬の命が助かる」こともあるでしょう。
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【加入メリット③】
ペット保険によっては「健康相談」や「しつけ相談」「迷子探しサポート」など付加サービスを受けられるものもあり、それも一つのメリットと言えます。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【加入デメリット①】
毎月の掛け金(保険料)を支払う必要があり、その分の出費があることは言うまでもありません。
基本的にペット保険は一年契約で、掛け捨てタイプ。
そのため、満期になっても支払った掛け金が戻ってくることはありません。
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【加入デメリット②】
犬が加齢するごとに掛け金が高くなるケースが多く、何年か継続加入しているうちに、予想外に掛け金が高くなってしまうことがあります。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【加入デメリット③】
たとえ治療費がかかる病気があったとしても、それが”補償対象外”の病気であると補償はしてもらえず、ペット保険を活用することができません。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険加入のタイミングや待機期間、補償開始時期は?
Ryhor Bruyeu / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【入るタイミングは?】
愛犬が何らかの病気や怪我をしたタイミングでペット保険に加入できたとしても(病気や怪我で治療中であると加入できないペット保険もあります)、その病気や怪我の治療費は補償されません。
加入前にすでに罹(かか)っていた病気や怪我に関しても同様です。
また、新規に加入できる年齢には制限が設けられており、シニア犬向けの保険プランがないペット保険では、制限年齢になるまでの間でなければ新規加入はできないことになります。
したがって、ペット保険に新規加入するならば、治療中の病気や怪我がなく、”比較的若い年齢のほうが有利”と言えるでしょう。
marron / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【待機期間は?】
ペット保険の多くは、新規加入後、保険契約が開始になると同時に「待機期間(または免責期間)」と呼ばれる一定期間(おおむね1ヶ月程度)を設けています。
この待機期間(免責期間)内に生じた病気は”補償対象にはならない”のでご注意ください。
ただし、怪我に関しては「待機期間中であっても補償」になったり、「癌(がん)においては待機期間を長く設けていたりする」ことがあるので、ペット保険会社の規約や重要事項説明書をよく確認してください。
一方で、この待機期間を設けておらず、”契約後すぐに補償が開始される”タイプのペット保険もあります。
jagodka / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【補償開始時期は?】
実際に補償が開始される日のことを「補償開始日」「責任開始日」などと言います。
注意したいのは、新規加入の場合、契約をしたからといって、”その日から補償が開始されるわけではない”ということ。
たとえば、保険の申し込みを毎月15日で締め切り、契約が有効となる日を翌月の1日からとしているペット保険があるとします。
この場合、5日に申し込みをしたとしても、契約が有効となるのは翌月の1日からで、さらに待機期間を1ヶ月設けている場合、実質的な補償が開始されるのは申し込み日から翌々月の1日から、つまり、およそ2ヶ月後ということになります。
なお、加入申し込みをした後には審査が行なわれ、条件が合わない場合には保険契約ができないこともあります。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険加入時の補償対象年齢(犬種)、割合、告知、多頭飼いなどの条件は?
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【補償対象年齢】
ペット保険に新規加入できる年齢は、7歳まで、8歳まで、10歳まで、11歳まで、12歳までなどペット保険会社によって違いがあるので、よく確認してください。
10歳を過ぎても入れるペット保険はあるわけですが、選択肢がより広くなるという意味では、できれば”「6~7歳」頃までに加入するのが有利”となります。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【補償対象犬種】
ペット保険では「純血種」から「ミックス犬」まで犬種に関係なく加入することができますが、掛け金については、小型犬・中型犬・大型犬、さらには超大型犬といったサイズ、または体重によって分けられ、”大型犬になるほど掛け金が高くなる”のが一般的です。
しかし、中にはサイズに加え、その犬種の特質や有病率などを考慮した分類となっているペット保険も存在します。
アメリカン・コッカー・スパニエルの場合は「中型犬」クラスに含まれるか、もしくは掛け金がもっとも高いクラスに含まれていることがあります。
たまりん / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【補償対象割合】
ペット保険では、治療費のうちどのくらいを補償してくれるのか、それには3つのタイプがあります。
ペット保険【補償対象割合】
【補償タイプ】 | 【補償対象割合】 |
---|---|
定率補償 | 実際に支払う治療費のうち70%、50%など一定の割合を補償するタイプ。残りは自己負担となる。 |
定額補償 | 治療費がいくらかかったかに関わらず、あらかじめ定められた一定の額を補償するタイプ。 |
実額補償 | 実際にかかった治療費の全額、つまり100%を補償するタイプ。 |
特に「実額補償」では一見お得のように思えますが、代わりに掛け金が高い傾向にあることは注意のしどころです。
ホタル / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【告知義務は?】
ペット保険に加入するには、基本的に「告知義務」が生じます。
内容はそれぞれのペット保険会社によって違いますが、「犬種」「生年月日」「体重」などの他、主に以下のような項目が必要となります。
A. コッカー ペット保険【告知義務】
✔ ワクチン接種の有無とその状況
✔ これまでに罹(かか)った病気
✔ 過去3カ月以内に動物病院で受けた治療について
✔ 現在治療中の病気や怪我があるか
これらの回答により、「無条件での保険契約」になるか、治療歴によっては「特定の病気または特定の身体の一部に対しては補償対象外とされた契約」になるかは「たまた契約ができない」ということになるのか、保険契約にとっては”非常に重要な部分”となります。
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
万一、嘘の告知をし、それが判明した場合は、”受け取れる保険金の額が左右”されたり、”契約自体が破棄”となったりすることがあります。
法的には違法行為と見なされる上、自分にとって不利となるので、絶対にしませんように。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【多頭飼いは対象?】
多頭飼いをしていてもペット保険に加入することは可能です。
むしろ、多頭飼いでは”2頭目以降が割引”となるなど、若干お得になっているペット保険もあります。
ただし、1頭1契約であり、1契約で複数頭が契約できるわけではありません。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険、「病気」「手術」「入院・通院」の補償範囲は?夜間診療や限度額は?
marron / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【病気の補償範囲は?】(歯周病・パテラ・先天性心疾患など)
実は、ペット保険で治療費が補償されると言っても、すべての病気が補償されるわけではありません。
それぞれのペット保険会社によって違いはありますが、基本的に、「先天性疾患(または加入前に発見されている先天性疾患)」や、すべてまたは一部の「遺伝性疾患」、「病気にはあたらない」と判断されるものなどは”補償対象外”となります。
以下に補償対象外となることが多い病気の例を示しますが、A社では”補償対象外”でも、B社では”補償対象”となる場合があります。
さらに、その状態(乳歯遺残や鼠径ヘルニアなど)が病気化して治療が必要な時や、その病気が原因で他の病気を発症し、治療が必要な時は”補償対象となる”場合もあるので、詳しくは各ペット保険会社の規約や重要事項説明書をご確認ください。
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
【補償対象外になることが多い病気・処置の例】
【病名または処置】 |
---|
歯周病、乳歯遺残、不正咬合、抜歯、予防のための歯石除去など |
眼瞼内反・外反、進行性網膜萎縮症など |
膝蓋骨脱臼、股関節形成不全、肘関節形成不全、レッグ・ペルテス病など |
鼠径(そけい)ヘルニア、臍(さい)ヘルニア、停留睾丸など |
(注:子犬を購入した後、早期に死亡した場合、同等の子犬と交換する、または返金をするといった「生命保証」なるものを見かけますが、これはペットショップやブリーダーなど販売者独自のサービスとなり、ペット保険会社の保険商品に付随するものではありません)
marron / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【手術などの補償範囲は?】(去勢・避妊など)
手術費用が補償となるプランであっても、「去勢・避妊手術」は補償対象とはなりません。
逆に、たとえば本来は補償対象外としている「抜歯」や「歯石除去」が、他の病気の治療のために必要で、全身麻酔をかけて行うのであれば手術にあたると判断され、”補償対象”となる場合もあります。
愛犬に手術が必要で、それが「補償してもらえるのかどうかよくわからない」時には、加入しているペット保険会社に問い合わせてみることをおすすめします。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【入院・通院の補償範囲は?】
通院・入院・手術の補償について、年間の限度額以内であれば「保険を利用できる回数に制限を設けていない」ペット保険や、一回の手術につき「補償可能な入院日数を限定している」もの、退院するまでを一回と数え、「年間の回数を設定している」ものなど、ペット保険によっていろいろです。
HigeToshi / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【ワクチン・予防接種・健康診断は補償範囲?】
ペット保険では、狂犬病の予防注射や各種感染症のワクチン、健康診断などは”補償対象外”になります。
【一般的に補償対象外となることが多いものの例】
【区分】 | 【事例】 |
---|---|
予防にあたるもの | 狂犬病やジステンパーなどの予防接種、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防、健康診断、マイクロチップの挿入など |
予防可能な感染症 | 狂犬病、ジステンパー、パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎など |
病気にあたらないもの | 歯石除去、乳歯遺残、臍ヘルニア、停留睾丸など |
代替医療 | 理学療法、中国医療、オゾン療法、アロマセラピーなど |
治療補助 | 療法食、サプリメント、自宅使用のシャンプーなど |
妊娠・出産系 | 避妊・去勢手術、交配や出産などに起因する病気や怪我 |
ケア系 | 肛門腺絞りや耳掃除などグルーミング一般、治療を伴わない介護やリハビリ、ペットホテルなど |
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【夜間・救急診療は補償範囲?】
夜間・救急・往診などの治療費も補償されることがありますが、その場合、夜間・救急・往診であることから「加算された治療費の分は”補償対象外”」となり、「基本の治療費のみが”補償対象”となる」こともあります。
marron / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【支払い(年間)限度額・限度回数は?】
各保険プランには補償可能な「限度額」や、保険を利用できる「限度回数」などが設けられているので、よく確認してください。
たとえば、
1日分として補償可能な限度額
手術1回あたりの補償限度額
年間にわたる補償限度額
年間にわたる利用できる限度回数
など。
これらの限度額・回数を超えた分については補償対象にならず、”自己負担”となってしまいます。
しかし、中には年間の限度額以内であれば、「1日の限度額や利用回数を設定していない」ペット保険も存在します。
また、一定の額に満たない治療費については補償しないという意味の「免責金額」を設けているペット保険と、設けていないペット保険とがあることにも注意が必要です。
アメリカン・コッカー・スパニエルがペット保険に加入する場合の保険料は毎月いくら?保険証はある?
カッペリーニ / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【保険料は?毎月いくらかかる?】
ペット保険に加入する場合、アメリカン・コッカー・スパニエルではおおむね以下の掛け金(保険料)がかかります。
これは子犬期~シニア期まで、リーズナブルなプランからやや充実したプランまでを含んだ”概算”であり、「オプション分」は含まれていません。
A. コッカー【ペット保険料(目安)】
【月/年】 | 【料金の目安】 |
---|---|
月額 | およそ800円~1万6,000円 |
年額 | およそ9,000円~18万円 |
marron / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【保険証はある?】
ペット保険の中には、人間で言う健康保険証のようなカードが用意されており、それを動物病院の窓口に提出すると、その場で保険清算(窓口清算)ができる仕組みのものもあります。たいへん便利ではありますが、まだ数が少ないのが現状です。
窓口清算ができない場合は、一旦治療費全額を支払い、「保険金請求書」や「診療明細書」などの必要書類をペット保険会社に送付し、後日保険金が振り込まれてくるのが一般的です。
送付の方法には郵送、インターネット、専用アプリなどがあります。
アメリカン・コッカー・スパニエルの子犬・老犬(シニア)はペット保険に加入できる?
Willeecole / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【子犬は加入できる?】
子犬でもペット保険に加入することは可能です。
新規加入できる年齢は「生後30日齢から」「生後50日齢から」「生後2ヶ月齢から」などペット保険によって違いがあります。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【老犬(シニア)は加入できる?】
昨今では老犬(シニア犬)向けの保険プランも登場しました。
しかし、まだ稀(まれ)です。
老犬でペット保険に新規加入するのはなかなかハードルが高いわけですが、継続加入するならば終身補償が可能なペット保険が多いので、”なるべく若いうちに加入してシニア期に備える”のもいいでしょう。
ただし、更新の段階で条件が合わなくなると、”契約が継続できない”場合もあることにはご注意ください。
アメリカン・コッカー・スパニエルがペット保険に入る際の選び方やポイント!
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエル【ペット保険の選び方・ポイント①】
ペット保険にはそれぞれ特色や違いがあるので、最初から一つに決めず、細部にわたっていろいろなペット保険を比較検討することをおすすめします。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【選び方・ポイント②】
アメリカン・コッカー・スパニエルで見られがちな遺伝性疾患や、なりやすい病気を把握した上で、それらが「補償対象になるのか?」、「補償内容にならないのか?」を確認しましょう。
また、愛犬の年齢ステージで出やすい病気についても併せて確認を。
Willeecole / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【選び方・ポイント③】
保険商品の説明がわかりやすく、知りたい情報がしっかりと記載されているかを見ることもペット保険選びのポイントになります。
以下については必ず確認するようにしましょう。
加入できる年齢や病歴
愛犬の年齢や病歴で加入できるか。
掛け金
年間を通して十分に払える金額か、加齢した時の掛け金はどうか。
限度額(1日、1回、年間)
限度額が設定されている場合、その限度額を超えてしまった分は自己負担になるので、限度額があまりに低いと不安。
利用限度回数
利用回数が設定されている場合、その回数が少ないと不利。
O_Lypa / PIXTA(ピクスタ)
免責金額
免責金額が設定されているかどうか。
更新の度に限度額や利用回数はリセットされるのか
リセットされない場合は、利用するごとに利用枠が少なくなっていくので不利。
補償範囲
補償範囲は広ければ広いほど良い。
補償対象外のもの
病気になっても補償対象外なら保険を使えないので、事前に必ず確認を。
請求の仕方
書面での請求の場合は意外に面倒なもの。事前に請求方法も確認を。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険、更新や解約、乗り換え時のトラブル防止や注意点は?
O_Lypa / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【更新や解約トラブル防止・注意点!】
継続加入していると一生安心と思いがちですが、中には継続加入できても継続できる「年齢に制限」を設けていたり、「要相談」となっていたりするペット保険もあるのでご注意ください。
また、更新時に無条件で更新できるとは限らず、慢性疾患に罹(かか)ってしまった場合など、「限度額や利用回数がリセットされずにそのままカウント」され続け、それが限度に達すれば次回更新以降、その病気は”補償対象から外されてしまう”ことがある他、条件に合わなければ”更新自体が不可”と判断されることもあります。
kaiyan / PIXTA(ピクスタ)
これからというシニア期になって保険を継続できないというトラブルもあるので、「いつまで継続できるのか?」「気になる病気に罹(かか)った時には継続できるのか?」確認するようにしましょう。
また、最初はリーズナブルでも更新ごとの掛け金の上げ幅が大きく、シニア期には”高額になってしまう”ペット保険や、逆に中庸の掛け金ながら上げ幅が小さく、シニア期に”それほど高額にならない”ペット保険などがあるので、上げ幅にも注目し、更新を続けた際の掛け金のシミュレーションをしてみることも大事だと思います。
その他、特に掛け金が年払いで途中解約したい場合、「返金についてはどう計算されるのか?」契約時にあらかじめ確認しておくことも大切でしょう。
ホタル / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【乗り換えトラブル防止・注意点!】
ペット保険の乗り換えを考える時、乗り換え先の新規加入できる「年齢枠に当てはまるか?」は必ず確認をしてください。
乗り換えて逆に補償条件が狭くなるようではマイナスになるので、「補償範囲」や「限度額」など確認しましょう。
特に、”補償対象”、”補償対象外”となるものについては各社で違いもあるので要チェックです!
また、それまでに罹(かか)ったことのある病気は”補償対象外”になることがあるので、その点も確認を。
また、乗り換え先のペット保険に「待機期間」がある場合、保険が適用されない期間ができないよう、これまで入っていたペット保険の解約および乗り換え先への加入時期のタイミングを計ることもお忘れなく。
なお、それまで「終身のペット保険」に加入していた場合は、乗り換えることがほんとうにプラスになるのか熟考も必要です。
アメリカン・コッカー・スパニエルのペット保険【まとめ】
cynoclub / PIXTA(ピクスタ)
アメリカン・コッカー・スパニエルは他の犬種と比べてやや懸念される病気が多い傾向にあるのに加え、突然攻撃性を示す激怒症(激怒症候群/レイジ・シンドローム:Rage Syndrome)*のリスクもある犬種と言われてきました。
ペット保険の加入はそうした病気に対処するための助けにはなりますが、だからと言って健康管理を怠ってもいいということではありません。
現代では獣医療も予防医療の時代に入りました。
日頃から病気予防および病気の「早期発見早期治療」、そして「ストレス回避」に努め、愛犬の健やかな日々を守ってあげましょう。
ペット保険はそのための一助です。
*激怒症=発症は稀と言われますが、原因としていろいろな説があり、特発性攻撃性(Idiopathic aggression)、刺激反応精神運動性てんかん(Stimulus Responsive Psychomotor Rpilepsy)、精神的喪失攻撃性症候群(Mental Lapse Aggression Syndrome )などの呼び方もあります。
みんなのコメント
編集部のおすすめ記事
- 【獣医師監修】犬のエナメル質形成不全(未発達・欠損)原因や症状、治療法、治療費、予防対策は?
- 犬のエナメル質形成不全とは、歯の表面を覆うエナメル質の形成が不十分で、ところどころエナメル質が欠損し、歯の表面がでこぼこになったり、そ...
- 【獣医師監修】犬がプリンを食べても大丈夫? 適量は?容器や乳糖不耐症、アレルギーに注意!
- 卵と牛乳を混ぜて蒸したものの上に、甘いカラメルソースがかかったおなじみのおやつ、プリン。栄養があって犬のおやつにもよさそうですが、犬は...
- 【獣医師監修】犬の「根尖周囲病巣」原因や症状は?対処・治療法、治療(手術)費、予防対策は?
- 犬の根尖周囲病巣(こんせんしゅういびょうそう)とは、外からは見えない歯の根元の周囲組織に炎症が起こった状態を言い、肉芽腫や嚢胞(のうほ...
あなたも一言どうぞ
コメントする