【獣医師監修】マルチーズの平均寿命何年は?最高齢やギネス記録は?心臓病など注意する病気、長生きの秘訣
地中海沿岸地域が原産で、白く長い被毛が美しい小型犬のマルチーズ。1968年から1984年まで、ジャパンケネルクラブ(JKC)の登録頭数トップをキープしていた、超小型犬の人気犬種ですが、寿命は何年位なのでしょうか?かかりやすい病気や老化の防止方法なども知って、愛犬の健康寿命を延ばしてあげましょう!
- 更新日:
日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)卒業
Royal Academy of Homoeopathy卒業
新宿鍼灸柔整専門学校卒業
【専門分野】
Aki Holistic Veterinary Care にて
◇鍼灸
◇ホメオパシー
◇ホモトキシコロジー
◇CCLT(Crystal Color Light Therapy)
◇漢方
などを用いたホリスティックケア
【資格】
◇獣医師
◇鍼灸師
◇日本獣医ホメオパシー認定医
【所属団体・学会】
◆一般財団法人 比較統合医療学会
◆一般社団法人 日本獣医ホメオパシー学会
◆日本ペット中医学研究会
【著作物】
・犬の臨床鍼灸学テキスト
(比較統合医療学会 犬の臨床鍼灸学テキスト編集委員会 編著)
【飼ってる動物】
雑種犬1頭(ウメ)
雑種猫2頭(あさり・うにお)
【ペット歴】
36年
【職業上でのペットとのかかわり】
縁あって家族になった動物達が飼い主さんと幸せに生涯を全うできるようお手伝いしたく、日々精進中です。
目次
マルチーズ【平均寿命】は何年?
iStock.com/HannahWade
マルチーズのような超小型犬よりも、5~10kgほどの小型犬がもっとも平均寿命が長いことが知られています。
マルチーズは超小型犬なので、平均寿命は”11~14歳”と考えられます。
マルチーズの平均寿命【人間に換算】すると何歳?
iStock.com/kajakiki
マルチーズの平均寿命が13歳だとすると、人間に換算すると”68歳”ほどになります。
マルチーズ【最高齢】は何歳?【ギネス記録】は?
iStock.com/milanws
マルチーズは”23歳”が最高齢と言われています。
(※ギネスに認定されている犬の最高齢は、オーストラリアン・キャトル・ドッグの”29歳”です)
【参照元】Guinness worldrecords,Oldest dog ever
マルチーズは昭和時代からの人気犬種です。
昭和時代と比較すると獣医療が格段に進歩したこと、ドッグフードの質が向上したこと、健康診断が普及して病気の早期発見と早期治療を行えるようになったことで、マルチーズの寿命はぐっと延びました。
マルチーズ【寿命を縮める】要因は?
iStock.com/lempelziv
マルチーズは活発な犬種ではありません。
だからといって散歩に行かず、自宅にこもりがちだと運動不足で健康を害したり、肥満を招く恐れがあります。
適度な日光浴も健康を保つ上で重要です。
1回20~30分程度でよいので、毎日散歩に連れて行ってあげましょう。
肥満が引き金になってかかる犬の病気も数多くあります。
おやつや食事の与えすぎも寿命を縮める要因になるので気をつけたいものです。
マルチーズが長生きするために【注意すべき病気は?】
マルチーズがかかりやすい病気について、ここで見ていきましょう。
マルチーズが注意すべき病気①【心臓病(僧帽弁閉鎖不全症、動脈管開存症)】
Daniel Krason / PIXTA(ピクスタ)
マルチーズは、先天性心疾患の動脈管開存症にかかりやすい犬種のひとつ。
この「心臓病」は、早期に治療を開始しないと1年以内に半数以上が命を落とすため、マルチーズを迎えたら子犬のうちからこまめに心雑音の有無を獣医師に確認してもらってください。
犬の心臓病の治療には、外科治療などの方法があります。
シニア期以降は、「僧帽弁閉鎖不全症」にかかる可能性もあります。
聴診による心雑音やレントゲン検査、超音波検査で発見が可能です。
主な治療は内科治療ですが、近年は特別な施設で外科手術による治療も行えるようになってきました。
マルチーズが注意すべき病気②【膝蓋骨脱臼(パテラ)】
Daniel Krason / PIXTA(ピクスタ)
犬の「膝蓋骨脱臼(パテラ)」を簡単に表現すれば、膝のお皿がはずれる関節疾患です。
自覚症状がない初期のグレード1から、お皿がはずれっぱなしで、愛犬が痛みを感じて脚を地面に着くのが困難なグレード4までの段階に分かれます。
犬の「膝蓋骨脱臼(パテラ)」は、外科治療をしないと治る病気ではないため、触診などによって膝蓋骨脱臼が認められた場合、獣医師と相談しながら、温存療法をするか外科治療をするかをグレードの進行具合なども考慮のうえ随時検討する必要があります。
滑る床での生活や、ジャンプの着地などが発症リスクと悪化要因になるので、「膝関節に負担のかからない生活」を愛犬に提供してあげましょう。
マルチーズが注意すべき病気③【白内障】
PhotoSpirit / PIXTA(ピクスタ)
犬の「白内障」は水晶体が白濁する眼疾患です。
犬の「白内障」は、加齢性のものと非加齢性のものがありますが、愛犬の白内障を治療をせずに放置しておくと、「緑内障」などの合併症にかかることがあるので早期に治療を開始するのが重要です。
犬の「白内障」は、点眼薬による内科治療のほか、人間同様に外科治療も実施できます。
飼い主が肉眼で確認できる時点では、すでに病状が進行しているケースもめずらしくありません。
愛犬の健康診断などで定期的に目の状態をチェックして、”早期発見”に努めたいものです。
マルチーズ【老犬(シニア犬)】になったら起こることと対処法!
iStock.com/claudio.arnese
マルチーズは太りやすい傾向にあります。
シニアになると基礎代謝が落ちてくるので、フードはシニア用などのライフステージにマッチしたものに切り替えましょう。
「僧帽弁閉鎖不全症」の平均的な発症例は10歳頃ですが、マルチーズの場合はもう少し早くからかかるかもしれません。
len4foto / PIXTA(ピクスタ)
マルチーズがシニア期に入ったら、動物病院を訪れるたびに、聴診によって”心雑音をチェック”してもらうようにしてください。
筋肉質な犬種ではないので、高齢になると足腰が衰え、滑る床では転倒する恐れがあります。
マルチーズは、「膝」のトラブルを抱えやすい犬種でもあるため、若齢のうちから、カーペットなどが敷いてあるような四肢がしっかり踏ん張れる環境で過ごさせれば安心です。
マルチーズ【健康寿命を延ばす】秘訣やポイントは?
Taka / PIXTA(ピクスタ)
マルチーズは心臓病にかかりやすいこともあり、健康寿命を延ばすためには、”6歳を過ぎたら”なるべく半年に1度の「定期健診」を受けたいものです。
そのうち1年に1回は、愛犬がレントゲン検査や超音波検査が含まれたドッグドックを受診しておけば、心臓の状態のほか、臓器の腫瘍なども発見できて安心です。
高齢になって膝関節を痛そうにしている場合、鍼灸治療やマッサージによって痛みや症状を緩和してあげられます。
愛犬がいつまでも元気でいられるように、東洋医学を取り入れている動物病院もかかりつけ病院のひとつにリストアップしておくのがおすすめです。
マルチーズ【皮膚を健やかに保つ】ことも心がけましょう!
iStock.com/Vesnaandjic
マルチーズは長毛の犬種です。
「定期的なシャンプー」や「ブラッシングを欠かさない」のが、皮膚を健やかに保つポイント!
夏になると、暑いのではないかと心配してサマーカットをする飼い主さんも少なくないでしょう。
マルチーズの皮膚が露出しない程度に短くするのは、皮膚の通気性を高める効果がありますが、ピンク色の皮膚が見えそうなほど極端なサマーカットは、かえって「熱をダイレクトに受けやすく」なったり、「皮膚のバリア機能を損なう」のでおすすめできません。
ブラッシングするの際などに、皮膚の状態も確認して、愛犬が快適に過ごせるように心がけてあげましょう。
マルチーズ【平均寿命】まとめ
iStock.com/Pekic
真っ白な毛に黒い瞳が愛らしいマルチーズに、いつまでも元気でいてもらうため、特に「心臓」や「目」や「膝関節」の状態を定期的に獣医師に診てもらうようにしましょう。
マルチーズを迎えたら、子犬期からの健康診断の受診が欠かせません。
病気は早期発見と早期治療ができれば、”愛犬の健康寿命を延ばせる”ことを飼い主としては肝に銘じておきたいものです。
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