【獣医師監修】犬がメロンを食べても大丈夫!?アレルギーに注意!メロンの皮や適量は?
犬は家族が食事をしていると、自分にも食べさせてほしいと近づいてきます。せっかくですから、旬の果物を食べさせてあげたいと思うのが親心でしょう。果物のなかでも好きな人が多いメロン、犬にとってメロンはどのような果物なのでしょうか?
監修者:徳本 一義 先生(獣医師)

目次
犬はメロンを適量であれば食べても大丈夫!

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犬がメロンを食べても基本的に問題ありません。
メロンは、犬が食べてすぐに中毒を起こすような成分は入っていませんので、適量を食べる分には問題はないといわれています。
愛犬にメロンを与える際の注意点は?皮は取り除く!

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愛犬にメロンを与える時は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
まずは大きさに気をつける必要があります。
犬は咀嚼(そしゃく)をせずに丸呑みをしてしまうので、与えるメロンが大きい場合は、喉(のど)に詰まらせてしまう可能性があります。
もちろん、皮は取り除き、食べやすいように果肉の部分だけを与えるようにしましょう。
また、メロンには糖分が含まれているため、食べすぎは肥満のリスクを高めますので注意しましょう。
愛犬にメロンを与えた場合、アレルギーは大丈夫?

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メロンアレルギーは稀と言われていますが、愛犬がメロンを食べた後に発疹症状が出たり、体中を痒がったり、目が充血したりしている時にはメロンアレルギーを発症している可能性があります。
このメロンのアレルギー症状はククミシンによるもので、ククミシンに反応し、喉(のど)や口内にしびれが発症するアレルギーです。

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出典 みんなのひろばメロンを食べると喉がイガイガしたり、舌や唇がピリピリすることがあります。ククミシンはアレルギー反応を引き起こすアレルゲンとなることが報告されていますが、食べてすぐに生じる喉のイガイガやかゆみ、唇のピリピリ感はアレルギー反応ではなく、ククミシンのプロテアーゼ活性により口腔内の粘膜等が攻撃を受けるためです。
愛犬にメロンアレルギーの症状が出た場合は、すぐに動物病院で獣医師に診てもらうようにしましょう。
愛犬に与えるメロンの栄養素は?

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愛犬に与えるメロンの栄養素にはどのようなものがあるのでしょうか?ここで見ていきましょう。
●メロンの栄養素①「カリウム」が豊富!

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メロンの栄養素の中で注目したいのは、「カリウム」の存在です。
「カリウム」を豊富に含む果物としてはスイカがよく知られていますが、メロンにはスイカのおよそ3倍の「カリウム」が含まれています。
「カリウム」にはナトリウムとともに細胞内外液の浸透圧を一定に保つ効果があるため、血管へ体液が入るのを防いでくれます。
その結果、人ではむくみの予防などが期待できるといわれています。
また、この「カリウム」は調理中に流出しやすいミネラルなので、生で豊富な「カリウム」を摂取できるメロンは、貴重なミネラル源です。
●メロンの栄養素②「ベータカロテン」含有量が多い

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メロンには赤肉と緑肉のものがありますが、特に赤肉のメロンに多く含まれているのが「ベータカロテン」です。
赤肉のメロンの「ベータカロテン」含有量は100g中3600μgで、果物類の中ではトップクラスの含有量を誇ります。
●メロンの栄養素③「ククミシン」を多く含む

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そのほかの栄養素として、メロン特有なのがたんぱく質の分解酵素である「ククミシン」の存在があります。
「ククミシン」は、メロンの中でも「夕張メロン」「マスクメロン」「アンデスメロン」といった皮の表面に網目が入っている種類に多く含まれています。
メロンを食べた時に喉(のど)に痒みが出たり、唇や舌が少ししびれる感じが出たりするのは、この「ククミシン」が要因になっているケースもあります。
これは、「ククミシン」が口の粘膜にあるたんぱく質を刺激するために起こるものです。
愛犬に与えるメロンの適量は?

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犬は体が小さいので、人間用のサイズにカットしたメロンではのどに詰まってしまうリスクがあります。
愛犬にメロンを与える際は食べやすくするために、メロンを一口大に切って与えるようにしましょう。
また人間と同じ量を食べてしまっては糖分の過剰摂取につながることがありますので、与える量には十分注意するようにしましょう!
愛犬に与える「メロン」のまとめ

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愛犬がメロンを食べても問題ありませんが、過剰にメロンを与えすぎると肥満やアレルギーリスクが発生するので、適量を与えるようにしましょう。
また、犬は咀嚼(そしゃく)をせずに丸呑みをしてしまい、喉(のど)詰まらせてしまう恐れがあるので、皮は取り除き、食べやすいように果肉の部分だけを一口大に切って与えるようにしましょう。
犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。
飼い主が犬の食事をしっかりとコントロールし、犬の健康につながるような食生活を提供してあげましょう。
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監修者情報

小動物の臨床栄養学に関するスペシャリスト。大学卒業後、小動物臨床に従事。その後、ペットフードメーカーに入社し、小動物臨床栄養学に関する研究、情報発信を中心とした活動を行う。 現在は、獣医療・教育関連のコンサルタントとしての活動のほか、日本獣医生命科学大学非常勤講師、帝京科学大学非常勤講師などを兼任。ペッ ト栄養学会理事、ペットフード協会 新資格検定制度実行委員会委員長などペットの栄養に関する団体の要職を務める。自宅で9頭の猫と暮らす愛猫家である。
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