【獣医師監修】犬に「甘酒（市販）」を与えても大丈夫？酒粕はダメ！適量やメリット、効果、注意点は？

犬が【甘酒】を飲んでも大丈夫！※【酒粕】の甘酒ダメ！

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犬に甘酒を飲ませても大丈夫です！

愛犬に与える甘酒は”米麹”でできたもの選びましょう！

甘酒には「米麹（こめこうじ）」と「酒粕」の2種類があります。

酒粕の甘酒はアルコールが含まれるため、絶対に犬には与えないでください！

【参照元】農林水産省「消費者相談」

農林水産省 あふaff 2018年12月号 特集2 甘酒

小泉 武夫「絵でわかる麹のひみつ」講談社

犬に甘酒を与える【メリット】は？

犬に甘酒を与えるメリット①【食欲促進】

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甘酒にはぶどう糖が豊富に含まれています。

脳や神経系・赤血球の唯一のエネルギー源はぶどう糖です。

甘酒の甘みは砂糖を使っていない自然の甘みで、甘いものを好む犬の食欲を高めます。

愛犬の食欲が落ちている時や老犬のエネルギー補給に、普段のフードに甘酒を少し加えれば、”食欲増進”につながるでしょう。

犬に甘酒を与えるメリット②【お腹の調子を整える】

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甘酒にはオリゴ糖と”食物繊維”が含まれています。

オリゴ糖や食物繊維は腸内のビフィズス菌など善玉菌の働きを高め、犬のお腹の調子を整えてくれます。

便秘も解消され、うんちの臭いも抑えることが期待できます。

歳を重ねると犬のお腹のビフィズス菌が減少するので、高齢犬（シニア犬）にもよいでしょう。

犬に甘酒を与えるメリット③【ビタミンやアミノ酸が摂れる】

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ビタミンや必須アミノ酸を摂取することができます。

普段、総合栄養食であるフードを食べていれば不足なく摂れるものですが、食欲不振や体力を消耗した時などに効果が期待できます。

犬に甘酒を与える【デメリット】

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甘酒はぶどう糖が多く含まれているため、飲みすぎると肥満になる恐れがあります。

犬は甘い味が大好きなので、普段から水のように甘酒を飲ませないようにしましょう。

【参照元】石田 卓夫監修/共立製薬編「最新版 犬の家庭医学」幻冬舎　

犬に与える甘酒の【栄養成分】は？

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麹甘酒の100g当たりの一般の栄養成分は次の通りです。

タンパク質1.3g、脂質0.1g、炭水化物24.8g、水分は73.8gです。

水分を除いた甘酒の主成分は炭水化物であり、糖質が24.5g、食物繊維が0.3gとなっています

糖質が多いことがよくわかりますね。

ミネラルはナトリウムが1㎎、カリウム9.9㎎、カルシウム1.7㎎、マグネシウム1.4㎎、リン12.7㎎、亜鉛0.3㎎、コバルト0.04㎎、マンガン0.14㎎です。

また、麹甘酒には少なくとも12種類のオリゴ糖が含まれていると述べられています。

甘酒には犬の必須アミノ酸アルギニン（人では非必須）・バリン・ロイシン・イソロイシン・スレオニン・メチオニン・フェニルアラニン・トリプトファン・リジン・ヒスチジンの10種が含まれています。

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水溶性ビタミンはビタミンB群のうちB12を除く7種類（B1・B2・B3・B5・B6・B7・B9）が含まれています。

また、ビタミンB群のひとつである葉酸も、100g中8μgも含まれていますので、B12を含むものと一緒に摂ることにより、貧血を改善することが可能です。

【参照元】「麹甘酒に含まれる成分について」 Journal of the Brewing Society of Japan 2017年10月

奈良なぎさ「犬と猫の栄養学」緑書房

「食品成分表2019 本表編」女子栄養大学出版部

犬に与える甘酒【注意点】は？

犬に与える甘酒の注意点①【アルコール】

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”酒粕”の甘酒は、アルコールが含まれるので犬には絶対に与えてはいけません！

市販の甘酒を愛犬に飲ませる際には、原料を必ず調べるようにしましょう。

犬に与える甘酒の注意点②【腫瘍（がん）のある犬】

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腫瘍（がん）の治療をしている犬には甘酒を与えないようにしましょう。

甘酒はぶどう糖が豊富であるため、ぶどう糖をエネルギーに代謝するがん細胞の進行を早める恐れがあります。

【参照元】「シンポジウム　がんと栄養（サプリメント含む）犬や猫ががんになった時の栄養管理法」 小林 哲也
ペット栄養学会誌 2019 年 22 巻 Suppl 号 p. suppl_9-suppl_12

犬に与える甘酒の注意点③【肥満】

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犬は甘いものが好きなので、甘酒の与えすぎには注意しましょう。

体にいいからと欲しいだけ飲ませると”肥満の原因”になります。

他にもフルーツジュースと混ざったものや、砂糖を添加した甘酒も糖分の摂りすぎになるため注意が必要です。

【参照元】環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」

犬に与える甘酒の注意点④【直後の運動】

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ぶどう糖は犬が運動する際のエネルギーとなりますが、糖質を摂った直後に運動すると筋肉への糖の取り込み作用とインシュリンの作用で急激な低血糖になる危険があります。

愛犬が甘酒を飲んだ直後に、ドッグランなどで激しく運動させないようにしましょう。

特に、大型犬は飲食量にもよりますが、食直後の運動で胃捻転を起こす危険性もあります。

【参照元】健常犬における経口糖負荷試験後の運動が糖・脂質代謝に及ぼす影響ペット栄養学会誌 2016年19巻2号 p. 74-81

犬に与える甘酒の【適量】は？（小型犬・中型犬・大型犬）

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総合栄養食のトッピングやおやつとして与える場合は、1日に必要なエネルギーの”20％”以内に収まるようにします。

他の食品やドッグフードとの栄養バランスも考えながら取り入れましょう。

【参照元】「イヌの維持期のAAFCO養分基準（2016）を満たす手作りレシピの設計法」ペット栄養学会誌 第20巻（第1号）12-21, 2017

【参照元】食品成分表2019 本表編 女子栄養大学出版部

犬が必要とするエネルギーの量は、次の方法で計算することができます。

安静時のエネルギー要求量（RER）(kcal）=体重（kg）×30＋70

成長段階や活動量に対応した食事量は、係数をかけて計算します。

1日当たりのエネルギー要求量（DER）(kcal）=RER×係数

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【計算例】 体重5㎏の犬と猫（避妊去勢済み）
1日当たりの安静時のエネルギー要求量（RER）=体重5㎏×30＋70=220kcal

(犬の場合）220×1.6(係数）=352kcal
と計算することができます。係数は成長段階、活動量によって異なるので、獣医師に相談しましょう。

【参照元】環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ～犬・猫の健康を守るために～」」

小型犬3kg ：約211キロカロリーなので21kcal甘酒小さじ5杯程度

中型犬10kg：704キロカロリーなので70kcal：甘酒大さじ5.3杯程度

大型犬20㎏：1408キロカロリーなので140kcal：甘酒大さじ10杯と少し程度 と考えられます。

愛犬の体調や持病などと照らし合わせ、獣医師に相談してから与えるようにしましょう。

愛犬に与える甘酒【手づくりレシピ】

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手作りの甘酒を愛犬に与えたい飼い主もいると思います。

米麹で簡単に手作りできる甘酒のレシピを紹介します。

愛犬に与える甘酒【材料】

材料麹：200g

白米：（炊いたご飯でも）　1合

水：白米なら500ml、炊いたご飯は300ml

1）．白米をおかゆにします。
2）．おかゆを60℃までさましたら、麹を入れます。
3）．60℃をキープして保温、保温鍋やポットなどで、8～10時間おいておきます。
4）．出来上がり。

愛犬に飲ませる時は水などで倍に薄めるようにしましょう。

冷蔵庫で保存するほか、冷凍保存も可能です。

【参照元】小泉 武夫「絵でわかる麹のひみつ」講談社

犬に与える甘酒【まとめ】

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犬に「甘酒」を与えても大丈夫です！

ただし、アルコールが含まれる酒粕の甘酒ではなく、”米麹”でできた甘酒を選んでください。

甘酒にはオリゴ糖や食物繊維が入っているので、便秘やうんちの臭いが気になる愛犬のフードにトッピングするのもおすすめです。

また疲労回復に役立つぶどう糖も豊富な甘酒は、食欲の落ちた老犬にも向いています。

ただし、カロリーが高めなので、与えすぎには注意しましょう。

腫瘍（がん）などの持病のある犬や療法食を食べている犬は、必ず獣医師に相談してください。

栄養バランスを考えながら、トッピングやおやつとして犬に甘酒を飲ませてあげましょう。

愛犬の健康を守れるのは、飼い主だけです。

愛犬が健康に楽しく毎日を過ごせるように、飼い主が愛犬の健康管理をしていきましょう。